

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の鼻咽頭ポリープ|腫瘍ではなく、炎症の塊です」です。ではどうぞ!
若い猫なのに、いつも鼻がつまったような音がする。
いびきのような呼吸をして、耳もずっと汚れている。
治療してもらっているのに、治らない。
そういうとき、鼻咽頭ポリープが考えられます。「ポリープ」という言葉に驚くかもしれませんが、これは腫瘍ではありません。
結論
鼻咽頭ポリープは若い猫で発症し、持続する鼻などの上部呼吸器の症状や耳の症状が現れている疾患です。この疾患は慢性的な炎症が原因で起こるとも考えられており、腫瘍ではありません。症状としては呼吸困難、いびきや異常呼吸音、鼻汁や嚥下困難、耳だれ、頭を振る、耳を掻くといった外耳炎の症状が見られます。治療については鼻咽頭ポリープの外科的治療は、ポリープの切除(外耳道切開を伴う場合もある)、中耳の一部(鼓室胞)を切開する鼓室胞骨切り術などが行われます。腹側鼓室胞骨切り術は、ポリープが中耳や鼓室胞内に深く浸潤している場合に用いられます。鼻咽頭ポリープは炎症性の隆起物であり、一般的には外科切除によって予後は良好ですが、稀に再発することもあります。
この記事でわかること
- ✓鼻の奥にできる、炎症の塊です
- ✓腫瘍では、ありません
- ✓若い猫に、多く見られます
- ✓鼻と耳、両方に症状が出ます
- ✓いびきのような呼吸が、目印です
- ✓診断は、奥をのぞくこと
- ✓治療は、取ることです
- ✓取り方で、再発のしやすさが変わります
鼻の奥にできる、炎症の塊です

まず、どこにできるのかから。
中耳のあたりから、生じます
この疾患は慢性的な炎症が原因で起こるとも考えられています。
中耳や、そのそばの粘膜で炎症が続いた結果、盛り上がった塊ができる——
それが、この病気の成り立ちと考えられています。
二つの方向へ、伸びます
中耳と鼻の奥は、耳管という管でつながっています。
そこを通って、鼻の奥(鼻咽頭)へ出てくることがあります。
あるいは、外耳道のほうへ出てくることもあります。
だから、鼻の症状にも耳の症状にもなるのです。
鼻の奥は、空気の通り道です
鼻咽頭とは鼻の奥、のどとの境目あたりのことです。
空気が通る場所ですから、
そこに塊があれば、呼吸の音が変わります。
そして、飲み込む道でもあります。
だから、食べにくそうにすることもあります。
腫瘍では、ありません

ここは、安心してよいところです。
炎症性の隆起物です
鼻咽頭ポリープは炎症性の隆起物であり、腫瘍ではありません。
細胞が異常に増えているのではなく、炎症で盛り上がっているものです。
転移することもありません。
予後は、良好とされています
一般的には、外科切除によって予後は良好です。
取れば、症状が消えることが多いものです。
「取ったら治った」で終われる病気——
そういう見通しが立つ病気です。
それでも、確かめてもらってください
ただし、見た目だけで決められるものではありません。
取ったものを、病理検査に出してもらってください。
本当にポリープだったのかを確かめるところまでが診療です。
「何だったのか」を聞いておいてください。
結果によって、そのあとの見かたが変わります。
ポリープだったと分かれば、そこで安心できます。
若い猫に、多く見られます
年齢にも、傾向があります。
若い猫で発症します
鼻咽頭ポリープは、若い猫で発症します。
子猫から若い成猫に見られることが多いものです。
高齢の猫で鼻や耳の塊が見つかれば、別のものを考えます。
だから、年齢が手がかりになります
若い猫の、鼻や耳の塊——
そのときは、まずこの病気を疑います。
逆に高齢の猫では、腫瘍を先に考えます。
年齢が、診断の道すじを変えるのです。
中耳炎と、あわせて起こることがあります
中耳炎の記事でも「若い猫では鼻咽頭ポリープを考える」と書きました。
同じ場所で起きていることだからです。
頭が傾く、ふらつくといった症状があわせて出ることもあります。
鼻と耳、両方に症状が出ます

この病気の特徴です。
鼻の症状
呼吸困難、いびきや異常呼吸音、鼻汁——
鼻がつまったような呼吸になります。
鼻炎として治療されていることがあります。
けれど、薬では治りません。
のどの症状
嚥下困難——飲み込みにくそうにすることがあります。
食べるときに、えずくような動作をする——
塊が、のどの奥にあるからです。
耳の症状
耳だれ、頭を振る、耳を掻くといった外耳炎の症状が見られます。
外耳炎として治療されていることもあります。
片側だけ、治らない外耳炎——
そのときも、この病気を疑う理由になります。
だから、両方を伝えてください
鼻のことで受診したなら、耳のことも伝える。
耳のことで受診したなら、鼻のことも伝える。
その組み合わせが、この病気を疑わせます。
- いびきのような呼吸をする
- 鼻がつまったような音がする
- 鼻汁が続いている
- 飲み込みにくそうにする
- 片側の耳が、いつも汚れている
- 頭を振る、耳を掻く
ほかの病気と、間違えられます
| こう診断されがち | けれど治らないなら |
|---|---|
| 慢性の鼻炎 | 薬を続けても、いびきが消えない |
| 猫風邪の後遺症 | くしゃみはないのに、鼻の音だけ続く |
| 治らない外耳炎 | 片側だけ、いつも汚れている |
| アレルギー | 季節に関係なく、ずっと続いている |
| そのときは | 鼻の奥を見てもらう理由になる |
若い猫で、治療しても治らない——
その二つがそろったら、伝えてみてください。
いびきのような呼吸が、目印です
いちばん気づきやすいサインです。
寝ているときに、音がします
いびきや異常呼吸音がこの病気の代表的な症状です。
ズーズー、ガーガーという音が寝ているときに聞こえます。
起きているときにも、鼻の音がすることがあります。
吸うときに、苦しくなります
上のほうが狭くなっているので、
吸うときに苦労します。
気管支の病気とは、逆です。
喘息では、吐くときに苦労します。
進むと、口を開けます
鼻から十分に息が入らなくなれば、口で呼吸するようになります。
猫の開口呼吸は、それだけで受診の理由です。
そこまで進む前に、調べてもらってください。
塊は、少しずつ大きくなります。
だから、症状もじわじわ重くなっていきます。
音の出方で、場所が分かります
| 音の出るとき | 考えられる場所 |
|---|---|
| 吸うときに、ズーズー | 鼻の奥やのど。上のほうが狭い |
| 寝ているときのいびき | 鼻咽頭に、塊がある可能性 |
| 吐くときにヒューヒュー | 気管支。喘息などを考える |
| 湿った音 | 肺のほうの問題を考える |
| 音がしないのに速い | 肺や胸腔の問題を考える |
この病気では、吸うときに音が出ます。
診断は、奥をのぞくこと
どうやって見つけるのかです。
鼻の奥は、外から見えません
口を開けて見ても、鼻咽頭は見えません。
軟口蓋の裏側にあるからです。
だから、麻酔をかけて調べることになります。
鎮静や麻酔をかけて、確かめます
軟口蓋を持ち上げて、その奥をのぞく——
あるいは、内視鏡で見る——
そこで塊が見つかれば、診断がつきます。
耳の中にある場合は、耳鏡で見えることもあります。
「麻酔をかけて調べましょう」と言われるのは、そこが見えない場所だからです。
起きたままでは、確かめようがありません。
受診のときに、伝えてほしいこと
- いつから、その音がしているか
- 寝ているときの呼吸音(録音があるとよい)
- 耳の症状も、あるかどうか
- 片側だけか、両側か
- これまでに受けた治療と、その反応
- 飲み込みにくそうにしていないか
録音は、いちばん分かりやすい情報です。
診察室では、緊張して音が出ないことがあります。
画像検査も、行われます
CT検査などでどこまで広がっているかを確かめます。
中耳や鼓室胞の中まで入り込んでいるか——
それによって、手術の方法が変わります。
だから、撮る意味があります。
治療は、取ることです

薬では、治りません。
外科的に、切除します
鼻咽頭ポリープの外科的治療は、ポリープの切除(外耳道切開を伴う場合もある)、中耳の一部(鼓室胞)を切開する鼓室胞骨切り術などが行われます。
塊を取り除けば、症状は消えます。
取ることが、そのまま治療です。
深いところにあれば、骨を開けます
腹側鼓室胞骨切り術は、ポリープが中耳や鼓室胞内に深く浸潤している場合に用いられます。
のどの下側から入って、中耳の骨を開ける手術です。
根元から取れるぶん、
再発しにくくなります。
引き抜くだけで済むこともあります
鼻の奥や耳の中に出ている部分を、そのまま引き抜く方法もあります。
負担は小さいのですが、根元が残ることがあります。
どちらを選ぶかは、広がり方しだいです。
「まず引き抜いてみて、再発したら奥から取る」という進め方をとることもあります。
取り方で、再発のしやすさが変わります
知っておいてほしいことです。
まれに、再発します
一般的には外科切除によって予後は良好ですが、稀に再発することもあります。
根元が残っていれば、また伸びてくるのです。
だから、取り方が問題になります。
根元まで取れば、再発しにくくなります
| 術式 | 特徴 |
|---|---|
| 引き抜く(牽引) | 負担は小さいが、根元が残ることがある |
| 外耳道を切開して取る | 耳側にある場合に用いられる |
| 鼓室胞骨切り術 | 中耳を開けて、根元から取り除く |
| 腹側鼓室胞骨切り術 | 深く入り込んでいる場合に用いる |
| 選び方 | 広がりを画像で確かめてから決める |
術後に、症状が出ることがあります
中耳のそばには、神経が通っています。
手術のあと、ホルネル症候群が出ることがあります。
片方の瞳が小さくなり、まぶたが下がる——
多くは、時間とともに改善します。
あらかじめ説明を受けておくと、慌てずに済みます。
「起こりうること」として聞いておいてください。
術後に、してほしいこと
- 指示された薬を、最後まで続ける
- カラーを、勝手に外さない
- 寝ているときの呼吸音を、聞いておく
- 耳の汚れが戻ってこないか、見る
- 顔の左右差が出たら、伝える
- 再診を、飛ばさない
術後しばらくは、腫れで音が残ることもあります。
徐々に静かになっていくかどうかを見ていてください。
取ったあとも、見ておいてください
再発がないかをしばらく見ていくことになります。
いびきのような呼吸が戻ってこないか——
耳が、また汚れてこないか——
そこが、再発の目印になります。
再発しても、また取れば治ります。
そこも含めて、付き合っていける病気です。
⚠ こんなときは、受診してください
いびきのような呼吸が、続いている。
片側の外耳炎が、治療しても治らない。
飲み込みにくそうにしている。
口を開けて呼吸している。
とくに最後は、その場で連絡してください。
🩺 言葉に、驚かないでください
「ポリープ」と聞くと、悪いものを想像されると思います。
けれどこれは炎症性の隆起物で、腫瘍ではありません。
取れば、予後は良好とされています。
怖がらずに、まず調べてもらってください。
この記事の要点
若い猫で発症し、持続する上部呼吸器の症状や耳の症状が現れます。
慢性的な炎症が原因と考えられており、腫瘍ではありません。
いびきや異常呼吸音、鼻汁、嚥下困難、耳だれや頭を振るといった症状が出ます。
外科切除によって予後は良好ですが、稀に再発することもあります。
Q. 鼻咽頭ポリープとは、どんな病気ですか?
A. 若い猫で発症し、持続する鼻などの上部呼吸器の症状や耳の症状が現れる疾患です。慢性的な炎症が原因で起こるとも考えられています。
Q. 腫瘍ですか?
A. 腫瘍ではありません。炎症性の隆起物であり、細胞が異常に増えているのではなく炎症で盛り上がっているものです。
Q. どんな症状が出ますか?
A. 呼吸困難、いびきや異常呼吸音、鼻汁や嚥下困難、耳だれ、頭を振る、耳を掻くといった外耳炎の症状です。
Q. なぜ鼻と耳の両方に出るのですか?
A. 中耳と鼻の奥が、耳管という管でつながっているためです。そこを通って鼻の奥へ出ることも、外耳道へ出ることもあります。
Q. 何歳くらいで多いですか?
A. 若い猫で発症します。高齢の猫で鼻や耳に塊が見つかった場合は、腫瘍を先に考えることになります。
Q. 薬では治りませんか?
A. 治りません。塊そのものを取り除かなければ、症状は続きます。
Q. どうやって診断しますか?
A. 鎮静や麻酔をかけて、鼻の奥をのぞきます。軟口蓋を持ち上げて確認したり、内視鏡で見たりします。CT検査で広がりを確かめることもあります。
Q. どんな手術をしますか?
A. ポリープの切除を行います。外耳道切開を伴う場合や、中耳の一部(鼓室胞)を切開する鼓室胞骨切り術が行われることもあります。
Q. 腹側鼓室胞骨切り術とは何ですか?
A. ポリープが中耳や鼓室胞内に深く浸潤している場合に用いられる術式です。のどの下側から入って中耳の骨を開け、根元から取り除きます。
Q. 引き抜くだけではだめですか?
A. 負担は小さいのですが、根元が残ることがあります。残れば、また伸びてくることがあります。
Q. 治りますか?
A. 一般的には、外科切除によって予後は良好です。取れば症状が消えることが多い病気です。
Q. 再発しますか?
A. 稀に再発することもあります。根元が残っていれば、また伸びてくることがあるためです。
Q. 手術のあと、目の様子が変わりました
A. ホルネル症候群かもしれません。中耳のそばには神経が通っているため、手術に伴って起こることがあります。多くは時間とともに改善します。
Q. 取ったものは、調べてもらえますか?
A. 病理検査に出してもらってください。本当にポリープだったのかを確かめるところまでが診療です。
Q. 片側の外耳炎が治りません
A. この病気を疑う理由になります。耳の中にポリープが出ていれば、外耳炎の治療では治りません。
Q. 録音は役に立ちますか?
A. とても役に立ちます。診察室では緊張して音が出ないことがあるため、寝ているときの呼吸音を録っておいてください。
Q. 術後も、音が残っています
A. 術後しばらくは、腫れで音が残ることがあります。徐々に静かになっていくかどうかを見ていてください。気になるときは、再診で相談してください。
まとめ|若い猫のいびきは、調べる価値があります
若い猫なのに、いびきのような呼吸をしている。
片側の耳が、いつまでも汚れている。
治療しているのに、治らない。
そのとき、鼻咽頭ポリープが隠れていることがあります。
「ポリープ」と聞くと不安になると思います。
けれどこれは腫瘍ではなく、炎症性の隆起物です。
そして、取れば予後は良好とされています。
薬では治りません。けれど、取れば治ります。
鼻のことも耳のことも、まとめて伝えてください。その組み合わせが、この病気にたどり着く手がかりです。
今日できる3つ
- 1寝ているときの呼吸音を、録音してみる
- 2片側の耳だけ汚れていないか、左右を比べる
- 3鼻と耳、両方の症状をまとめて伝える
若い猫のいびきは、ふつうではありません。取れば治る病気が、隠れていることがあります。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「猫の鼻咽頭ポリープ|腫瘍ではなく、炎症の塊です」でした。
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