

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「マルチーズの飼い方|涙やけの原因を、拭く前に見つける」です。ではどうぞ!
白い顔に、茶色い筋。
マルチーズを飼っている方なら、一度は気にしたことがあるのではないでしょうか。
涙やけ。
毎日拭いても、なかなか消えません。
それもそのはずで——
涙やけは、涙があふれ続けていることの結果だからです。
拭くというのは、あふれた分を後から片づけているだけ——
あふれる理由のほうに目を向けなければ、状況は変わりません。
この記事では、涙やけの原因をどう切り分けるかと、シングルコートという被毛の扱い方を書いていきます。
結論
マルチーズの涙やけは、拭いて済ませるものではありません。原因の多くは鼻涙管の狭さ・逆さまつげ・まぶたの内反——いずれも治療できるものです。まず受診して、原因を確かめてください。そして被毛はシングルコート——換毛期がなく抜け毛は少ない反面、毛が伸び続けるため月1回のトリミングが必要になります。
この記事でわかること
- ✓涙やけは、結果でしかない
- ✓原因を4つに分けて考える
- ✓受診前に確認しておくこと
- ✓シングルコートという被毛
- ✓小さな体を、家のなかで守る
涙やけは、結果でしかない

まず、涙やけがどうやってできるのかを整理しておきます。
涙には、鉄分を含む成分が含まれています。
それが空気に触れて酸化すると、茶色や赤茶色に変色します。
白い毛では、この変色がはっきり目立つ——これが涙やけの正体です。
つまり、涙が目からあふれて毛を濡らし続けている状態が背景にあります。
| 状態 | 何が起きているか |
|---|---|
| 正常 | 涙は鼻涙管を通って鼻へ流れる |
| 排出路が詰まる | 行き場を失った涙が目からあふれる |
| 涙の量が増える | 排出が追いつかずあふれる |
| 毛が濡れ続ける | 酸化して茶色く変色する |
| 湿った状態が続く | 菌が増え、においや炎症が出る |
ここで重要なのは、「拭く」ことではあふれる量が変わらないという点です。
拭くのは、変色と菌の増殖を防ぐための対症療法——
必要な作業ですが、それだけでは根本は変わりません。
原因を、4つに分けて考える
涙があふれる理由は、大きく分けて4つあります。
1. 鼻涙管が狭い、詰まっている
これが、もっとも多い原因とされています。
鼻涙管(びるいかん)は、涙を目から鼻へ流す排水路です。
マルチーズやトイプードルでは、生まれつきこの管が狭い、あるいは詰まっていることが多いと言われています。
排水路が細ければ、涙は目からあふれるしかありません。
動物病院では、鼻涙管を洗浄する処置が行われることがあります。
2. 逆さまつげ・重生睫毛
まつげが目の方向に向かって生えている——これも、この犬種に多い状態です。
毛が角膜に当たり続ければ、目は刺激を受けます。
刺激を受ければ、涙の量は増えます。
これは、処置で改善できる問題です。まつげを抜く、あるいは処置を行うことで刺激をなくせます。
3. まぶたが内側に巻いている
眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)——まぶたの縁が内側に巻き込まれる状態です。
まぶたの毛が、常に角膜をこすることになります。
程度によっては、外科的な処置が検討されます。
放置すると角膜に傷がつき、潰瘍につながることもあります。
4. アレルギー・炎症・食事
結膜炎やアレルギーで、涙の量そのものが増えることもあります。
食事との関連を指摘する声もありますが、まずは目そのものの状態を確認するのが順番です。
⚠ 「体質だから」で終わらせないでください
涙やけの原因の多くは、治療や処置で改善できるものです。
鼻涙管の洗浄、逆さまつげの処置、まぶたの手術——いずれも、獣医療で対応できる範囲にあります。
「白い犬だから仕方ない」と諦める前に、一度、目の状態を診てもらってください。
受診前に、確認しておくこと

受診の際に、この情報があると診断が早くなります。
- いつから涙やけが出始めたか
- 片目だけか、両目か——片目なら局所的な原因を疑う
- 目を細めていないか——痛みのサイン
- 涙の量が急に増えていないか
- 前足で目をこすっていないか
- 写真を撮って、変化を比較できるようにする
とくに「片目か両目か」は重要な手がかりになります。
片目だけであれば、その目に何か起きている可能性が高くなります。
異物、傷、その側の鼻涙管の詰まり——原因を絞り込みやすくなります。
そして「いつから」。
「昔からです」と答える方が多いのですが、思い返すとある時期から始まっていることが少なくありません。
スマートフォンの写真を遡ると、時期がはっきり分かることがあります。
毎日のケアは、それでも必要

原因への対応と並行して、毎日の手入れも続けてください。
濡れた状態が続けば、そこに菌が増えます。
- 目やには、固まる前に取る
- ぬるま湯で湿らせたコットンで、やさしく拭く
- 拭いたあとは、乾いた布で水気を取る
- ゴシゴシこすらない——皮膚を傷める
- 目に入る可能性のある薬品は使わない
- 目の周りの毛が角膜に触れていないか確認する
ここでも「水気を取る」のがもっとも重要です。
濡らしたまま放置すれば、拭く前より悪い状態になります。
そして目の周りの毛。
伸びた毛が角膜に触れ続けていると、それ自体が涙を増やす原因になります。
トリミングのときに、「目に毛が入らないように」と伝えてください。
シングルコートという、被毛

マルチーズの被毛は、シングルコートです。
下毛(アンダーコート)を持っていません。
| 項目 | シングルコート | ダブルコート |
|---|---|---|
| 下毛 | ない | ある |
| 換毛期 | ない | 春と秋に大量に抜ける |
| 抜け毛 | 少ない。少しずつ抜ける | 時期によって非常に多い |
| 毛の伸び方 | 伸び続ける | 一定の長さで止まる |
| トリミング | 月1回程度が必要 | 基本的に不要 |
| 寒さ | 弱い | 強い |
抜け毛が少ないのは、換毛期がないからです。
室内で飼ううえでは、大きな利点になります。
ただし、その代わりに毛が伸び続けます。
人の髪と同じで、切らなければ伸び続ける——だから、定期的なトリミングが欠かせません。
カットスタイルという楽しみ
毛が伸び続ける犬種ですから、カットの自由度が高いという面もあります。
床に届くほど伸ばした「フルコート」は、ドッグショーで見られる伝統的なスタイルです。
家庭犬としては、短めに整えるほうが実用的でしょう。
短くすれば、毛玉のリスクが下がり、毎日のブラッシングも楽になります。
シングルコートの犬種ですから、短く刈っても毛が生えなくなる心配は基本的にありません。
ただし寒さには弱くなります。冬場に短くする場合は、服で補ってください。
トリミングは、生活のために必要
月1回程度が目安になります。
これは、見た目のためだけではありません。
| 場所 | 放置すると | 頻度 |
|---|---|---|
| 目の周り | 毛が角膜を刺激する | 月1回 |
| 足裏 | 滑って転ぶ | 月1回 |
| 肛門まわり | 排泄物が付着する | 月1回 |
| 耳の中 | 通気が悪くなる | 月1回 |
| 全身 | 毛玉になり、皮膚が蒸れる | 月1回 |
年間で5〜12万円ほど——この犬種を飼ううえで、織り込んでおきたい費用です。
そして毎日のブラッシング。
毛が長く伸びる犬種ですから、放置すれば絡んで毛玉になります。
毛玉ができると、その下の皮膚は通気を失います。湿気がこもり、炎症が起こります。
耳のうしろ、脇の下、内股——この3か所は、とくに毛玉ができやすい場所です。
小さな体を、家のなかで守る
マルチーズの体重は、2〜3kg程度です。
非常に小さな犬ですから、家のなかでの事故に注意が必要になります。
| 場所 | 対策 | 理由 |
|---|---|---|
| フローリング | マットを敷く | 滑りが膝を壊す |
| ソファ | スロープを置く | 飛び降りが骨折の主因 |
| 階段 | ゲートで封鎖 | 落下の危険 |
| 散歩の道具 | ハーネスを使う | 気管が細い |
| 足元 | 踏まないよう注意する | 白い体は床で見えにくい |
膝蓋骨脱臼はこの犬種で多い疾患です。
スキップするような歩き方、片足を上げたまま数歩進む——これらが最初のサインです。
- 床を滑らないようにする
- 足裏の毛を月に一度整える——滑りの直接の原因になる
- 太らせない
- 後ろ足の筋肉を落とさない——散歩は続ける
- ソファやベッドから飛び降りさせない
- 二本足で立たせる習慣をつくらない
足裏の毛は、見落とされやすい要素です。
肉球のあいだから伸びた毛が床への接地を妨げ、滑りやすくします。
月に一度のトリミングで整えてもらってください。
そのほかに、注意したい病気
目と被毛のほかにも、この犬種で知っておきたい病気があります。
| 病気 | 内容 | 気づき方 |
|---|---|---|
| 膝蓋骨脱臼 | 小型犬に非常に多い | スキップするような歩き方 |
| 気管虚脱 | 気管がつぶれる | ガーガーという咳 |
| 僧帽弁閉鎖不全症 | 高齢期に増える心臓病 | 乾いた咳・疲れやすい |
| 低血糖 | 子犬期に注意 | ぐったりする・震える |
| 皮膚炎 | 毛玉の下で蒸れる | 赤み・におい |
僧帽弁閉鎖不全症は、小型犬の高齢期でもっとも多い心臓の病気です。
初期には症状が出ず、健康診断の聴診で心雑音として見つかることがほとんどです。
- 年1回、高齢期は年2回の健康診断を受ける
- 安静時の呼吸数を、家で数える習慣をつける
- 眠っているとき、胸の上下を15秒数えて4倍する
- 1分あたり40回を超えたら受診の理由
- 乾いた咳が出るようになったら伝える
- 散歩を嫌がるようになったら、心臓も疑う
安静時の呼吸数は、家庭でできるもっとも有用な指標です。
特別な機械も費用もかかりません。元気なうちから数えて、普段の数を知っておいてください。
性格と、暮らしの実際
マルチーズは、3000年以上の歴史を持つとされる古い愛玩犬種です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 体重 | 2〜3.2kg |
| 平均寿命 | 12〜15年 |
| 性格 | 甘えん坊・活発・賢い |
| 吠え | 警戒吠えがある。対策が必要 |
| 運動量 | 1日1〜2回、各15〜20分 |
| 被毛 | シングルコート。トリミング必須 |
地中海のマルタ島が名前の由来だとされています。
古代から、貴族の愛玩犬として扱われてきた犬種です。
その歴史のとおり、人のそばにいることを好みます。
甘えん坊で、飼い主から離れたがらない——そのぶん、留守番が苦手な個体もいます。
- 留守番の練習は、短時間から始める
- 出かけるときも帰るときも、大げさにしない
- 子犬期の社会化で、警戒吠えを減らす
- 賢い犬種なので、教えれば早く覚える
- 叱るより、できたときにほめる
- 寒さに弱いので、冬は服を検討する
シングルコートで下毛がないため、寒さには弱い犬種です。
冬の散歩には服を着せることを検討してください。
室内でも、床に近い位置ほど冷えます。寝床は床から少し上げるだけでも違ってきます。
そして賢さ。
この犬種は、覚えが早くしつけの入りやすい犬種です。
「やったら、いいことがある」という形で教えれば、驚くほど早く身につきます。
とくに、体を触られることに慣らしておくことがこの犬種では効いてきます。
毎日の目まわりのケア、ブラッシング、月1回のトリミング——そのすべてが、触らせてくれることを前提にしているからです。
食事と涙やけの、関係
「フードを変えたら涙やけが治った」——こうした話を聞いたことがあるかもしれません。
実際、食物アレルギーが背景にある場合には改善することがあります。
ただし、順番があります。
| 順番 | すること | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 目の状態を診てもらう | 鼻涙管・まつげ・まぶたを確認 |
| 2 | 治療できる原因に対応する | 多くはここで改善する |
| 3 | それでも残るなら食事を検討 | アレルギーの可能性を見る |
| 4 | 除去食は獣医師の指導で | 自己判断では原因が分からなくなる |
フードを次々に変えるのは、おすすめできません。
何に反応しているのかが分からなくなるためです。
- フードを変えた時期と、症状の変化を記録する
- おやつも含めて、口に入れたものをすべて書き出す
- 変更は1つずつ、期間を空けて行う
- 除去食は、獣医師の指導のもとで試す
- 「涙やけに効く」とうたう製品を鵜呑みにしない
- まずは目そのものの評価を優先する
目の構造に原因があるのに食事だけを変え続ける——
これでは、時間もお金もかかるばかりになります。
順番を守ることが、いちばんの近道です。
よくある質問
Q. 涙やけは、拭けば消えますか?
A. 拭くだけでは、根本的には変わりません。涙やけは、涙があふれ続けていることの結果です。拭くのは変色と菌の増殖を防ぐために必要ですが、あふれる原因のほうを確かめてください。
Q. 涙やけは病気なのですか?
A. 背景に治療できる原因があることが多くなります。鼻涙管の狭さや閉塞、逆さまつげ、まぶたの内反——いずれも獣医療で対応できる範囲です。「体質だから」と諦めないでください。
Q. 片目だけ涙やけが出ています。
A. その目に何か起きている可能性が高くなります。異物、傷、片側の鼻涙管の詰まりなどが考えられます。両目より原因を絞り込みやすいので、早めに受診してください。
Q. 抜け毛は少ないのですか?
A. 非常に少ない犬種です。下毛のないシングルコートで、換毛期がありません。毛は少しずつ抜けるため、ダブルコートの犬種に比べて掃除の負担が小さくなります。
Q. トリミングは必要ですか?
A. 月1回程度、必要です。毛が伸び続ける犬種のため、放置すると目に毛が入り、足裏で滑り、肛門まわりが汚れます。見た目のためではなく、生活のために必要な出費だと考えてください。
Q. 寒さに弱いのですか?
A. 弱い犬種です。下毛がないため、断熱の層を持っていません。冬の散歩には服を着せることを検討してください。室内でも、床に近い位置は冷えます。
Q. 留守番が苦手なようです。
A. 人のそばにいることを好む犬種です。留守番の練習は短時間から始め、少しずつ延ばしてください。出かけるときも帰るときも、大げさにしないのがコツです。改善しない場合は、行動診療を扱う獣医師に相談してください。
まとめ|拭く前に、原因を確かめる
マルチーズの涙やけは、拭いて済ませるものではありません。
涙があふれ続けていることの結果——あふれる理由のほうに目を向けてください。
鼻涙管の狭さ。逆さまつげ。まぶたの内反。炎症——
その多くは、獣医療で対応できるものです。
「白い犬だから仕方ない」と諦める前に、一度、目を診てもらってください。原因が分かれば、毎日の拭き取りもぐっと楽になります。何より、犬自身が感じている目の不快そのものが減ります。
そして被毛。
換毛期がなく抜け毛は少ない——けれど毛は伸び続けます。
月1回のトリミングと、毎日のブラッシング。これがこの犬種を飼う前提になります。
手はかかります。けれど抜け毛は少なく、においも少なく、運動量も多くを求めません。
3000年のあいだ、人のそばにいるために選ばれ続けてきた犬——室内で暮らすことに、これほど向いた犬種もそう多くありません。
今日から始める3つ
- 1涙やけがいつから出たかを、写真を遡って確かめる
- 2片目か両目かを確認し、目を細めていないか見る
- 3トリミングで「目に毛が入らないように」と伝える
涙やけは、体質ではなく症状であることが少なくありません。拭き続ける前に、一度原因を確かめてみてください。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「マルチーズの飼い方|涙やけの原因を、拭く前に見つける」でした。
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