

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「アメリカンコッカースパニエル|垂れ耳と外耳炎の話」です。ではどうぞ!
頭を振る音で目が覚めた——
ぶるぶる、ぶるぶると何度も耳を鳴らす。
近づいてみると、甘酸っぱいにおいがする。
耳をめくると、内側が赤い。
アメリカンコッカースパニエルでもっとも多い悩み——
それが、外耳炎です。
そして、これは毎日の手入れでかなり防げるものでもあります。
この記事では、垂れ耳のなかで何が起きているのかと、何をすれば防げるのかを書いていきます。
結論
アメリカンコッカースパニエルでもっとも多いのが外耳炎です。垂れた耳がふたになり、内側に湿気がこもる——そこで菌や酵母が増えることで起こります。週に一度、耳をめくってにおいと色を確認する——これだけで、早い段階で気づけます。そして、シャンプーや水遊びのあとは必ず耳の水気を取ること。「拭いたら乾かす」が手入れの原則です。
この記事でわかること
- ✓垂れ耳のなかで、起きていること
- ✓週に一度、耳をめくる
- ✓耳の手入れの、やり方
- ✓被毛の手入れと、皮膚
- ✓そのほかに、注意したい病気
垂れ耳のなかで、起きていること

この犬種の耳は長く、垂れています。
そして、耳の内側にも毛が生えています。
つまり——
耳の穴が、厚いふたで覆われている状態です。
| 条件 | 耳のなかで起きること |
|---|---|
| 空気が通らない | 湿気が抜けない |
| 体温で温まる | 菌が増えやすい温度になる |
| 耳のなかに毛がある | さらに通気が悪くなる |
| 脂の分泌が多い | 菌の栄養になる |
| 結果 | 菌や酵母が増え、炎症が起こる |
「湿気・温度・栄養」——
菌が増えるための条件がそろってしまうのが垂れ耳の構造です。
これは、犬の側の問題ではありません。
構造上、そうなりやすいというだけ——
だからこそ、人の側の手入れでかなり変えられます。
放置すると、どうなるか
外耳炎を繰り返し放置していると——
| 段階 | 起きること |
|---|---|
| 初期 | においと、軽いかゆみ |
| 進行 | 耳垢が増え、赤みと痛みが出る |
| 慢性化 | 耳の中が腫れて、通り道が狭くなる |
| さらに進むと | 薬が届きにくくなり、治りにくくなる |
| 最終的に | 外科的な処置が必要になることも |
「そのうち治る」で放置しないでください。
外耳炎は、繰り返すほど治りにくくなります。
耳の中の組織が変化してしまうと、
薬を入れても届かなくなる——
だから、早い段階で気づくことに意味があります。
週に一度、耳をめくる

やることは、単純です。
週に一度、耳をめくって見る——
- におい——甘酸っぱい、酸っぱいにおいがしないか
- 色——耳の内側が赤くなっていないか
- 耳垢——黒い・茶色い汚れが増えていないか
- しぐさ——頭を振る、耳をかく回数が増えていないか
- 反応——触ると嫌がるようになっていないか
- 左右差——片方だけおかしくないか
いちばん早く出るサインは「におい」です。
見た目に変化がなくても、においは先に出ます。
耳をめくって、鼻を近づけてみてください。
「いつもと違う」と感じたら——
その時点で受診すれば短い治療で済みます。
⚠ 片方だけの症状は、別の原因も疑ってください
片耳だけが繰り返し悪くなる場合、
異物が入っている、腫瘍があるといった別の原因が隠れていることがあります。
両耳が同じように悪くなるのはアレルギーが背景にあることもあります。
「いつも同じ側だけ」という気づきは診察のときに必ず伝えてください。
耳の手入れの、やり方

手入れの原則は2つです。
「奥に入れない」と「乾かすまでが手入れ」。
| 手順 | やること | 注意 |
|---|---|---|
| 1 | 耳をめくって状態を見る | においと色を確認 |
| 2 | 見える範囲を拭く | 綿棒を奥に入れない |
| 3 | 水気を取る | 乾いた布かコットンで |
| 4 | 耳を持ち上げて風を通す | 数分でも効果がある |
| 頻度 | 週1回が目安 | 汚れやすい子は増やす |
「綿棒を奥に入れない」——
これは、重要です。
奥に押し込むと、耳垢をさらに奥へ詰めることになります。
見える範囲だけ——
奥の汚れは、動物病院で取ってもらってください。
シャンプーと、水遊びのあと
外耳炎がいちばん起きやすいタイミング——
それが、耳が濡れたあとです。
- シャンプー後は、必ず耳の水気を取る
- 耳に水が入らないよう、洗い方を工夫する
- 水遊び・プールのあとも同じ
- 雨の日の散歩のあとも、耳を確認する
- ドライヤーは、耳から離して弱風で
- 「乾かすまでが手入れ」と覚える
スパニエルという犬種はもともと水辺の猟にも使われてきました。
水を好む子も多い——
遊ばせるのは構いません。
ただし、そのあとの耳の乾燥だけは省かないでください。
被毛の手入れと、皮膚

この犬種のもうひとつの特徴が長く豊かな飾り毛です。
耳、胸、脚、腹——
その美しさはこの犬種の魅力ですが、
手入れを怠ればすぐにもつれます。
| 場所 | 頻度 | 理由 |
|---|---|---|
| 全身 | 毎日 | 1日でももつれる |
| 耳のまわり | 毎日 | とくにもつれやすい |
| 脇・内股 | 毎日 | 擦れてもつれる |
| トリミング | 月1回程度 | 長さの管理 |
| 足の裏の毛 | 月1回 | 滑り防止 |
| シャンプー | 月1〜2回 | 皮膚の状態に合わせる |
「毎日」——
この犬種を迎えるなら、毎日15分のブラッシングの時間を見込んでおいてください。
もつれを放置すると——
その下の皮膚が蒸れ、炎症を起こします。
被毛の手入れは、見た目のためだけではありません。
とくに、耳の飾り毛——
長く垂れた耳の毛は、食事のときに器に入り、汚れて固まります。
食器を高い位置に置く、食事のときだけ耳をまとめておく——
そうした工夫で毎日の汚れは減らせます。
皮膚のトラブルも、多い犬種です
この犬種では、皮膚の問題も比較的多く報告されています。
脂の分泌が多くなる脂漏症やアレルギー性の皮膚炎——
- 体をかき続けていないか、毎日見る
- 脂っぽいにおいが強くなっていないか確認する
- フケが増えていないか見る
- 足先を舐め続けていないか確認する
- 皮膚が赤くなっている場所がないか探す
- 季節による変化を記録する
外耳炎と皮膚炎は背景がつながっていることがあります。
アレルギーが下地にあると、耳も皮膚も同時に悪くなる——
「耳の治療をしてもすぐ再発する」という場合、
皮膚全体の問題として診てもらうほうが近道になることがあります。
そのほかに、注意したい病気
耳と皮膚のほかにも知っておきたいことがあります。
| 病気 | 気づきたいサイン |
|---|---|
| 白内障 | 目が白く濁る。ぶつかるようになる |
| 緑内障 | 目を痛がる。充血。急に見えなくなる |
| 進行性網膜萎縮 | 暗い場所で歩けなくなる |
| 甲状腺機能低下症 | 元気がない。太る。毛が薄くなる |
| 外耳炎 | におい。頭を振る |
| 膝蓋骨脱臼 | 片足を上げて歩く |
目の病気が複数挙がるのがこの犬種の特徴です。
とくに緑内障は急に進むことがあります。
目を痛がる、充血している——
そうした様子があればその日のうちに受診してください。
視力を失う前に手を打てるかどうかが分かれ目になります。
年1回の健康診断で、何を見るか
健康なうちから年1回の健康診断を習慣にしてください。
- 耳の状態を、毎回見てもらう
- 目の検査を含めてもらう
- 血液検査で、甲状腺の値も確認する
- 皮膚の状態を診てもらう
- 体重の推移を記録・共有する
- 7歳を過ぎたら、年2回に増やす
「甲状腺の値」——
元気がない、太ってきた、毛が薄くなってきた——
これらを「歳のせい」と考えてしまうことがよくあります。
血液検査で分かる病気ですから、健康診断に含めてもらってください。
イングリッシュコッカーとの、違い
「コッカースパニエル」には2つの犬種があります。
| 項目 | アメリカン | イングリッシュ |
|---|---|---|
| 体重 | 7〜14kg程度 | 12〜15kg程度 |
| 頭部 | 丸く、マズルが短い | 細長く、マズルが長い |
| 目 | 大きく丸い | やや小さめ |
| 被毛 | より長く、豊か | やや短め |
| 手入れの手間 | より多い | やや少ない |
| 気質 | 愛玩犬寄り | 猟犬らしさが残る |
もとは同じ犬種でした。
アメリカで、見た目を重視して改良されたのがアメリカンコッカースパニエル——
丸い頭、大きな目、長く豊かな被毛。
一方、イングリッシュコッカースパニエルは猟犬としての性質をより残しています。
手入れの手間で言えば、アメリカンのほうがはっきり多い——
迎える前に、この違いは知っておいてください。
ただし、垂れ耳であることはどちらも同じです。
耳の手入れの必要性に違いはありません。
食事と、体重管理
この犬種は、食欲が旺盛だと言われます。
そして、長い被毛に覆われているため
見た目では太り具合が分かりません。
| 確かめ方 | 適正な状態 | 太っている状態 |
|---|---|---|
| 肋骨を触る | 薄い脂肪ごしに骨が指に当たる | 押しても骨が分からない |
| 上から見る | 腰にくびれがある | 寸胴に見える |
| 横から見る | お腹が持ち上がっている | お腹が垂れている |
| 記録 | 月1回、体重を記録する | 気づかないうちに増える |
ブラッシングのときに肋骨を触る——
毎日その習慣があれば、変化にすぐ気づけます。
- フードはキッチンスケールで量る
- おやつは1日の総カロリーの1割まで
- 月に一度、体重を測って記録する
- 人の食べ物を分け与えない
- 避妊・去勢後は必要カロリーが下がる
- 皮膚に不調があるときは、食事内容も相談する
体重が増えると、膝や腰への負担も増えます。
この犬種では膝蓋骨脱臼も報告されていますから、
体重管理はそこにも効いてきます。
気質と、暮らし
健康面の話が続きましたが——
気質は、この犬種の大きな魅力です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 体重 | 7〜14kg程度 |
| 平均寿命 | 12〜15年 |
| 気質 | 明るく、人が好き。愛想がいい |
| 運動量 | 1日2回、各30分程度 |
| 手入れ | 毎日のブラッシングが必要 |
| 吠えやすさ | 比較的よく吠える |
もともとは、鳥猟犬です。
人と一緒に働く犬として作られてきました。
だから、人が好き——
そばにいたがり、喜びを全身で表します。
尾を振るというより、腰ごと振る——
その明るさが、この犬種が長く愛されてきた理由です。
しつけと、この犬種の学び方
人と一緒に働く犬として作られてきた犬種ですから、
人の指示に応えること自体は得意です。
ただし、感受性が強い——
強く叱ると、萎縮してしまうことがあります。
「してほしいことを教える」形で進めてください。
- できたときに、はっきりほめる
- 強い叱り方は、この犬種には向かない
- 短い時間を、毎日繰り返す
- 家族で、合図と対応を統一する
- 耳・目・足に触られることを、子犬期から慣らす
- ブラッシングを「良い時間」として覚えさせる
「耳に触られることに慣らす」——
この犬種では、とくに重要です。
耳の手入れは、生涯続きます。
子犬のうちに「耳を触られるのは嫌ではない」と覚えてもらってください。
留守番と、吠え
人が好きな犬種である以上
長時間の留守番は得意ではありません。
- 子犬期から、短い留守番に慣らしていく
- 出かけるときも帰るときも、大げさにしない
- 留守中に楽しめる玩具を用意する
- 出かける前に、散歩で運動させておく
- 安心できる居場所を作っておく
- 吠え続けるなら、録画して様子を確認する
「録画して確認する」——
留守中にずっと吠えている、落ち着かず歩き回っている——
そうした様子が見えたら分離不安の可能性があります。
叱っても解決しません。
不安が原因ですから、安心を積み重ねる形で対処してください。
そして、吠えについて——
この犬種は比較的よく吠えます。
もともと、獲物を見つけて人に知らせる仕事をしてきた犬種です。
「知らせる」こと自体は自然な行動——
やめさせるのではなく、「知らせたら、そこで終わり」という形に整えていくほうがうまくいきます。
吠えたら来てくれた、という経験を積ませないことも大切です。
迎える前に、確認したいこと
目と耳、そして皮膚——
この犬種で気をつけたいことの多くは遺伝的な背景を持ちます。
| 確認すること | なぜ必要か |
|---|---|
| 両親の目の検査結果 | 白内障・網膜の病気が知られている |
| 両親の耳の状態 | 外耳炎の起こしやすさに差がある |
| 両親の皮膚の状態 | アレルギーの傾向 |
| 膝の検査結果 | 膝蓋骨脱臼の有無 |
| 生後56日を過ぎているか | 法律で定められた基準 |
| 質問への答え方 | 繁殖者の姿勢が表れる |
「検査済みです」という言葉だけで満足しないでください。
結果の内容を、書面で見せてもらう——
それが確認するということです。
そして、手入れの手間についても率直に聞いてください。
- 両親に会い、目・耳・皮膚の状態を自分の目で見る
- 検査結果を書面で受け取る
- 毎日のブラッシングが必要なことを理解しておく
- トリミングにかかる費用も見込んでおく
- 耳の手入れを、迎えた日から習慣にする
- かかりつけの動物病院を、早めに決めておく
「トリミング費用」も見込んでおいてください。
月1回程度——
10年以上続く費用として考えておく必要があります。
よくある質問
Q. 外耳炎はどうすれば防げますか?
A. 週に一度、耳をめくってにおいと色を確認してください。そして、シャンプーや水遊びのあとは必ず耳の水気を取ること。「拭いたら乾かす」が手入れの原則です。
Q. 耳の掃除はどこまでやればいいですか?
A. 見える範囲だけです。綿棒を奥に入れると、耳垢をさらに奥へ押し込むことになります。奥の汚れは動物病院で取ってもらってください。
Q. 外耳炎の最初のサインは?
A. においです。見た目に変化がなくても、においは先に出ます。甘酸っぱい、酸っぱいにおいがしたら、その時点で受診すれば短い治療で済みます。
Q. 何度も再発します。どうすれば?
A. 皮膚全体の問題として診てもらってください。アレルギーが下地にあると、耳も皮膚も同時に悪くなります。耳だけを治療しても再発を繰り返すことがあります。
Q. ブラッシングはどれくらい必要ですか?
A. 毎日15分程度を見込んでください。とくに耳のまわり・脇・内股はもつれやすい場所です。もつれを放置すると、その下の皮膚が蒸れて炎症を起こします。
Q. 目の病気が多いと聞きました
A. 白内障・緑内障・進行性網膜萎縮などが知られています。とくに緑内障は急に進むことがあります。目を痛がる、充血しているといった様子があれば、その日のうちに受診してください。
Q. 性格はどんな犬種ですか?
A. 明るく、人が好きで、愛想のいい犬種です。もともと人と一緒に働く鳥猟犬でした。そのぶん長時間の留守番は得意ではないため、子犬期から慣らしておいてください。
まとめ|耳をめくる習慣が、10年を変える
アメリカンコッカースパニエルでもっとも多い悩みは外耳炎です。
垂れた耳がふたになり、内側に湿気がこもる——
それは、構造上避けられないことです。
けれど、手入れでかなり防げます。
週に一度、耳をめくってにおいを確かめる——
濡れたら、必ず乾かす——
この2つだけで繰り返す外耳炎の多くは防げます。
そして、毎日のブラッシング。
手間のかかる犬種ですが、
その手間に応えるだけの明るさをこの犬種は持っています。
今日から始める3つ
- 1週に一度、耳をめくってにおいと色を確認する日を決める
- 2シャンプーや水遊びのあと、耳の水気を必ず取る
- 3毎日15分、ブラッシングの時間を生活に組み込む
耳をめくる——たったそれだけの習慣です。その数十秒が、繰り返す外耳炎を防ぎます。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「アメリカンコッカースパニエル|垂れ耳と外耳炎の話」でした。
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