

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫のノミ刺咬性皮膚炎|こちらは、数が効いてきます」です。ではどうぞ!
ノミによる皮膚炎には、二つの種類があります。
ひとつはノミアレルギー性皮膚炎。唾液に対するアレルギー反応で起こるものです。
もうひとつが、こちらです。ノミ刺咬性皮膚炎はノミに咬まれたことによる物理的な刺激からきているものです。
この二つは、まったく異なる病態です。そして、数と症状の関係がちょうど逆になります。
結論
ノミ刺咬性皮膚炎はノミに咬まれたことによる物理的な刺激で起こる皮膚炎です。ノミアレルギー性皮膚炎が唾液をアレルゲンとするアレルギー反応であるのに対し、こちらは咬まれた刺激からきているという点で、まったく異なる病態になります。そのため症状は比較的軽度ですが、刺された数だけ症状が出るという関係があります。問題になるのは大量寄生で、子猫に大量に寄生したときは、貧血や体重が落ちるといった症状が出る場合があります。非常に多くのノミが寄生していれば、長期間にわたって多量の血を吸われることになり、重大な貧血の原因になる鉄欠乏性貧血と呼ばれます。対策はノミ予防を行うことが中心で、動物病院で処方されるスポットタイプや経口タイプの薬剤は、1回の使用で1〜2か月効果が持続し、再発を予防する効果もあります。
この記事でわかること
- ✓アレルギーとは、別のものです
- ✓数と症状が、比例します
- ✓症状は、比較的軽度です
- ✓大量寄生では、貧血になります
- ✓子猫では、命に関わります
- ✓ノミを見つける方法
- ✓駆除のしかたと、注意点
- ✓環境を片づけないと、終わりません
アレルギーとは、別のものです

同じ「ノミによる皮膚炎」でも、体の中で起きていることが違います。
ノミアレルギー性皮膚炎はノミの唾液がアレルゲンとなり皮膚がアレルギー反応を起こしているのに対し、ノミ刺咬性皮膚炎はノミに咬まれたことによる物理的な刺激からきているという点で、まったく異なる病態です。
| ノミ刺咬性皮膚炎 | ノミアレルギー性皮膚炎 | |
|---|---|---|
| 原因 | 咬まれた刺激そのもの | 唾液へのアレルギー反応 |
| 数との関係 | 刺された数だけ症状が出る | 数は関係ない |
| 症状の強さ | 比較的軽度 | 激しいかゆみ |
| 出る場所 | 刺されたところ | 腰から尾の付け根に集まる |
| こわいところ | 大量寄生による貧血 | 1匹でも激しい症状が出る |
| 治療の中心 | ノミの駆除 | ノミの駆除とアレルギーを抑える治療 |
蚊に刺されるのと、同じ理屈です
人が蚊に刺されたときのことを考えると分かりやすくなります。
一か所刺されれば、そこがかゆい。十か所刺されれば、十か所かゆい。刺された数だけ、症状が出ます。
これが刺咬性——刺されたことそのものによる反応です。
けれど、なかには一か所刺されただけで、腕全体が腫れる人がいます。それがアレルギーです。
猫でも、同じことが起きています。
数と症状が、比例します

この皮膚炎では、ノミが多いほど症状が重くなります。
逆にいえば少なければ、たいしたことにはなりません。
そこが、アレルギーとの決定的な違いです。
だから、気づかれにくいことがあります
少数の寄生では、軽くかゆがる程度で済みます。
猫は多少かゆくても、ふつうに暮らします。飼い主が気づかないうちに、数が増えていく——そういう経過をたどることがあります。
そして気づいたときには、かなりの数になっていることがあります。
- ときどき、体をかいている
- 毛づくろいが、以前より長くなった
- 皮膚に、小さな赤い点がある
- 毛の根元に、黒い粒が付いている
- 寝床に、黒い粒が落ちている
- くしですくと、何かが動く
黒い粒は、ノミの糞です。それがあるということは、いま吸血されているということです。
症状は、比較的軽度です
ノミ刺咬性皮膚炎はノミ予防を行うことが重要で、症状は比較的軽度です。
赤み、軽いかゆみ、小さなかさぶた——そのくらいで収まることが多いものです。
ただし放っておいてよいという意味ではありません。
かき傷から、別の問題が起きます
かゆければ、猫はかきます。ノミによる刺し咬みは小さな傷を作り、これが感染してかさぶたや潰瘍の形成につながることもあります。
そうなると細菌による皮膚の炎症が重なり、治療が長引きます。
「軽い皮膚炎」で済ませられるかどうかは、早く手を打てるかどうかで決まります。
じゅくじゅくした傷になってからでは、抗生物質や、傷の手当てが必要になります。そうなる前に、ノミを断ってしまうほうが早いのです。
ほかの病気も、運んできます
ノミが問題になるのは、皮膚炎だけではありません。
| ノミが関わるもの | どういうことか |
|---|---|
| ノミアレルギー性皮膚炎 | 唾液へのアレルギー。激しいかゆみが出る |
| 瓜実条虫 | ノミを飲み込むことで、腸に寄生する |
| ヘモプラズマ感染症 | 赤血球に取りつく細菌を、ノミが運ぶ |
| 猫ひっかき病 | 猫のあいだで、ノミが菌を運んでいる |
| 貧血 | 大量寄生で、鉄欠乏性貧血になる |
| 人への被害 | 人も刺され、足首などがかゆくなる |
瓜実条虫、ヘモプラズマ感染症、猫ひっかき病——どれもノミが関わっています。
ノミを片づけることは、これらをまとめて防ぐことでもあります。
大量寄生では、貧血になります
この皮膚炎で、いちばん警戒すべきなのがここです。
非常に多くのノミが寄生していれば、長期間にわたって多量の血を吸われることになり、これは重大な貧血の原因になる鉄欠乏性貧血と呼ばれます。
ノミ一匹が吸う血は、ごくわずかです。けれど何十匹、何百匹が毎日吸い続ければ話が変わります。
鉄が足りなくなります
血を失い続けると、血をつくる材料である鉄も一緒に出ていってしまいます。
そのため鉄欠乏性貧血という形になります。
貧血の分類でいえば、「失われている」タイプにあたります。
ノミを駆除しただけでは、すぐには戻りません。血をつくり直すのに、時間がかかるためです。
そのため、貧血が進んでいる猫では鉄剤を使ったり、栄養を整えたりする手当てが必要になることがあります。
重い場合は、輸血が検討されることもあります。ノミ由来の貧血が、そこまで進むことがあるのです。
子猫では、命に関わります

子猫に大量に寄生したときは、貧血や体重が落ちるといった症状が出る場合もあります。
理由は単純です。子猫の血液量は、もともとごくわずかだからです。
大人の猫なら耐えられる量でも、子猫では致命的になることがあります。
保護した子猫では、まずここを見ます
外で保護した子猫には、ノミが付いていることがほとんどです。
そして、痩せて弱っている子猫ほどノミの数も多い傾向があります。
- 歯ぐきや唇の内側が、白っぽい
- ぐったりして、動かない
- 体重が、増えていかない
- 毛の中に、黒い粒が大量にある
- 皮膚に、赤い点がたくさんある
- 呼吸が速い
⚠ この様子なら、その日のうちに
子猫の歯ぐきが白い——これは、待てない状態です。
大量のノミが付いている子猫では、貧血が急に進むことがあります。駆除だけでなく、体を支える治療が必要になることもあります。
自己流で駆除しないでください
弱っている子猫に、市販の薬を自己判断で使うのは危険です。
体重が足りない子猫には使えない薬がありますし、弱った体には負担になることもあります。
まず受診してください。月齢と体重に合った方法を、選んでもらえます。貧血の程度も、あわせて確かめてもらえます。
ノミの一生を、知っておいてください
なぜ何か月もかかるのか。ノミの育ち方を知ると納得できます。
| 段階 | どこにいるか | 薬は効くか |
|---|---|---|
| 成虫 | 猫の体の上 | 効く。駆除薬で落ちる |
| 卵 | 猫から落ちて、床や寝床へ | 届きにくい |
| 幼虫 | カーペットの奥、床の隙間 | 届きにくい |
| さなぎ | 同じく環境の中 | ほとんど効かない |
| また成虫へ | 猫を見つけて飛び乗る | ここでようやく効く |
猫の上にいる成虫は、全体の一割にも満たないといわれます。
残りは環境の中で、次に猫が通りかかるのを待っています。だから、数か月かけて減らすしかないのです。
ノミを見つける方法
この皮膚炎では、ノミがいることを確かめることが出発点になります。
アレルギーと違って、数がいる病気ですから、探せば見つかることが多いものです。
糞を探すほうが、確実です
ノミ本体は素早く、毛の中を移動します。糞のほうが、見つけやすいものです。
毛の根元にある黒い小さな粒を取って、濡らした白い紙の上に置いてみてください。
赤くにじめば、それはノミの糞です。吸った血が含まれているためです。
ただの汚れなら、にじみません。この方法なら、道具もいらず家で確かめられます。
探す場所にも、こつがあります
ノミはしっぽの付け根、腰、首のうしろに多く集まります。
目の細かいくしで、毛の流れに逆らってすいてみてください。くしに黒い粒が付いてくれば、そこにいるということです。
駆除のしかたと、注意点

治療には、ノミの駆除やかゆみを和らげるための薬物療法が一般的に使用されます。
動物病院で処方されるスポットタイプや経口タイプの薬剤は、1回の使用で1〜2か月効果が持続し、再発を予防する効果もあります。
やってはいけないこと
良かれと思って、かえって危険なことをしてしまうことがあります。
- 人用の殺虫剤を、猫にかけない
- 犬用の薬を、猫に流用しない
- ノミを手で潰さない(卵が飛び散る)
- 猫だけ処置して、環境を放置しない
- 一回で終わりにしない
- 弱っている子猫に、自己判断で使わない
とくに犬用の薬には注意してください。除虫菊由来の成分など、犬では平気でも猫では中毒を起こすものがあります。
潰さないでください
見つけたノミを、つい潰したくなります。
けれど潰すと、卵が飛び散ります。そして、体内にいた条虫の卵も一緒に広がります。
捕まえたノミは洗剤を溶かした水に沈めるのが確実です。そのまま流してしまってください。
シャンプーだけでは、足りません
ノミ取りシャンプーで洗えば、そのときに付いている成虫は落ちます。
けれど効果はその場かぎりです。洗い終われば、また環境から新しいノミが乗ってきます。
そして、猫にとってシャンプーは大きな負担です。弱っている猫や子猫では、体温が下がる危険もあります。
持続的に効く薬を使うほうが、猫にとっても楽で確実です。洗うより、そちらを優先してください。
環境を片づけないと、終わりません
ノミ対策で、いちばん見落とされるのが環境です。
ノミは猫に寄生するだけでなく、環境中にも卵や幼虫を産みます。
猫の体にいる成虫は、全体のごく一部にすぎません。
だから、掃除も治療のうちです
- 猫と同居動物すべてに、駆除薬を使う
- 寝床や毛布を、高温で洗う
- 掃除機を、こまめにかける
- 掃除機のごみは、その都度捨てる
- カーペットや畳の隙間も、忘れずに
- 数か月かけて、続ける
卵、幼虫、さなぎ、成虫——段階のあるものは、一度では片づきません。
とくにさなぎの状態は薬が効きにくく、しばらくしてから成虫になって出てきます。
「いなくなったのに、また出てきた」のはそのためです。根気よく続けてください。
室内飼いでも、入ってきます
「外に出していないのに」と思われるかもしれません。
けれどノミは、人の衣類や靴、荷物について入ってきます。
散歩する犬が同居していれば、そこから持ち込まれることもあります。
室内飼いでも、季節によっては予防を続ける意味があります。とくに暖房のある家では、冬でもノミは活動します。
よくある質問
Q. ノミ刺咬性皮膚炎とは、どんな病気ですか?
A. ノミに咬まれたことによる、物理的な刺激で起こる皮膚炎です。アレルギー反応ではなく、刺された刺激そのものが原因になります。
Q. ノミアレルギー性皮膚炎とは、どう違いますか?
A. まったく異なる病態です。アレルギー性は唾液へのアレルギー反応で、寄生数に関係なく激しい症状が出ます。刺咬性は咬まれた刺激からくるもので、症状は比較的軽度です。
Q. 症状はどのくらい重いですか?
A. 比較的軽度です。赤み、軽いかゆみ、小さなかさぶた程度で収まることが多いものです。ただし、かき傷から細菌がつくと長引きます。
Q. 数が多いと、どうなりますか?
A. 刺された数だけ症状が出ます。そして大量寄生では、長期間にわたって多量の血を吸われ、重大な貧血の原因になる鉄欠乏性貧血を起こすことがあります。
Q. 子猫では危険ですか?
A. 命に関わることがあります。子猫の血液量はもともとわずかなため、大量に寄生されると貧血が急に進みます。歯ぐきが白ければ、その日のうちに受診してください。
Q. ノミがいるか、家で確かめられますか?
A. 糞を探してください。毛の根元の黒い小さな粒を、濡らした白い紙の上に置くと赤くにじみます。吸った血が含まれているためです。
Q. どこを探せばよいですか?
A. しっぽの付け根、腰、首のうしろです。目の細かいくしで、毛の流れに逆らってすいてみてください。
Q. 治療はどうしますか?
A. ノミの駆除が中心です。動物病院で処方されるスポットタイプや経口タイプの薬剤は、1回の使用で1〜2か月効果が持続し、再発を予防する効果もあります。
Q. 見つけたノミは、潰してよいですか?
A. 潰さないでください。卵が飛び散りますし、体内にいた条虫の卵も広がります。洗剤を溶かした水に沈めて処分してください。
Q. 犬用のノミ薬を使ってもよいですか?
A. 使わないでください。犬では平気でも、猫では中毒を起こす成分があります。必ず猫用のものを、獣医師に相談して使ってください。
Q. 環境の掃除も必要ですか?
A. 必要です。ノミは環境中にも卵や幼虫を産み、猫の体にいる成虫はごく一部です。寝床を洗い、掃除機をこまめにかけ、数か月かけて減らしてください。
Q. 室内飼いでも起こりますか?
A. 起こります。ノミは人の衣類や靴、同居している犬を通じて持ち込まれます。外に出していないから安心、とはなりません。
まとめ|こちらは、数を減らせば終わります
この皮膚炎は、ノミアレルギー性皮膚炎とは別のものです。
咬まれた刺激そのものが原因なので、数が減れば、症状も減ります。
そこが救いでもあります。アレルギーのように一匹でも激しく反応するということは、ありません。
けれど逆に、数が増えれば貧血まで進みます。とくに子猫では、それが命に関わります。
黒い粒を見つけたら、その日から対策を始めてください。そして猫だけでなく、家の中も片づけてください。
ノミは、皮膚炎だけを持ってくるわけではありません。条虫も、貧血も、別の感染症も同じ道から入ってきます。
ノミを断つことは、それらをまとめて断つことです。面倒に見える対策ですが、それだけの見返りがあります。
今日できる3つ
- 1しっぽの付け根をくしですいて、黒い粒がないか確かめる
- 2その粒を濡れた白い紙に置いて、赤くにじむか見てみる
- 3子猫がいるなら、歯ぐきの色を確かめる
この皮膚炎は、数を減らせば軽くなります。だから、いるかどうかを確かめることから始めてください。

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