ネコの病気    猫の貧血|歯ぐきの色が、いちばん早い手がかりです

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猫の貧血|歯ぐきの色が、いちばん早い手がかりです
猫の貧血
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の貧血|歯ぐきの色が、いちばん早い手がかりです」です。ではどうぞ!

猫の口を、そっとめくってみてください。歯ぐきの色は、本来うすいピンク色をしています。

そこが白っぽく、あるいは紙のように色を失っているなら、貧血を起こしている可能性があります。

ただし——貧血は、病名ではありません。赤血球が減っているという「結果」であって、なぜ減ったのかは、そこからまた別に探すことになります。

結論

貧血は赤血球の数やヘモグロビンが減り、体に酸素を運べなくなる状態です。起き方は大きく三つ——作られない、壊される、失われる。検査ではまず新しい赤血球が盛んに作られている「再生性貧血」と、さほど作られていない「非再生性貧血」に分けます。再生性の代表はヘモプラズマ感染症、非再生性の背景には猫免疫不全ウイルス感染症、猫白血病ウイルス感染症、骨髄の腫瘍、慢性の炎症、慢性腎不全、甲状腺機能亢進症などがあります。とくに腎臓は赤血球をつくらせるホルモン(エリスロポエチン)を出しているため、進行した腎臓病では貧血が起こります。家で見るなら歯ぐき・唇の内側・舌・まぶたの色。白っぽければ、その日のうちに受診してください。

この記事でわかること

  • 貧血は、病名ではありません
  • 歯ぐきの色が、いちばん早い手がかりです
  • 赤血球が減る、三つの道
  • 「作られているか」で、二つに分かれます
  • 腎臓の病気からも、起こります
  • 猫は、かなり進むまで隠します
  • 治療は、原因ごとに変わります
  • 見つかったあと、見ていくこと

貧血は、病名ではありません

貧血とは、赤血球の数やヘモグロビンが減っている状態を指します。赤血球は酸素を体じゅうへ運ぶ役目をもっていますから、それが減れば、体は酸素不足に傾いていきます。

ここで大事なのは、「貧血です」と言われた時点では、まだ何も分かっていないということです。熱が出ている、と言われたのに近いかもしれません。起きていることは分かっても、なぜ起きたのかは別の話です。

ですから検査は、貧血を確かめたあとが本番になります。

急ぐかどうかは、速さで決まります

同じ数値の貧血でも、ゆっくり進んだものと、急に起きたものでは意味が違います。

ゆっくり進んだ貧血には、体が慣れていきます。そのぶん見た目には元気そうに見えることが多く、気づかれにくいという問題があります。

一方、急に起きた貧血では体が追いつけません。ぐったりする、呼吸が速い、口を開けて息をする——こうした様子があれば、その場で急を要します。

歯ぐきの色が、いちばん早い手がかりです

家で見る場所
どれも、道具なしで見られます。

貧血に共通する症状として、唇の内側や歯ぐき、舌、まぶたが白っぽく見えるようになります。血の色が薄くなるのですから、色の出る場所に現れるわけです。

これは道具のいらない観察です。毎日ではなくても、健康なときの色を一度見ておくだけで、変化に気づけます。

  • 歯ぐきが、うすいピンクではなく白っぽい
  • 唇の内側をめくると、色が抜けている
  • 舌の色が、いつもより淡い
  • まぶたの裏側が、白っぽい
  • 耳の内側の血管が、目立たなくなった
  • 肉球の色が、薄くなったように見える

ただし、黄色みを帯びているときは別の意味をもちます。赤血球が壊れると、その中身から黄疸が出ることがあるためです。白ではなく黄色っぽいと感じたら、そのことも伝えてください。

色以外にも、合図はあります

貧血に共通する症状としては、食べない、ふらつく、運動を嫌がるなど、なんとなく元気がない、いつもと違った行動が見られます。

貧血のときに見えるもの
様子 なぜそうなるか
元気がない、寝てばかり 酸素が足りず、動くと苦しいため
食欲が落ちる 全身の働きが落ちていくため
ふらつく 脳へ届く酸素が減っているため
呼吸が速い、浅い 足りない酸素を、回数で補おうとするため
脈が速い 心臓が、少ない赤血球を急いで回そうとするため
遊ばなくなった 運動そのものが、負担になっているため

⚠ この様子なら、その日のうちに

  • 歯ぐきが、はっきり白い
  • 静かにしているのに、呼吸が速い
  • 口を開けて息をしている
  • 立ち上がれない、ふらつく
  • 歯ぐきや白目が、黄色みを帯びている
  • 急に、まったく食べなくなった

運動は、酸素を使います。自分で歩かせず、キャリーに入れて静かに運んでください。興奮させないことが、そのまま体を守ることになります。

赤血球が減る、三つの道

三つの起き方
同じ「貧血」でも、道すじが違います。

赤血球が減る理由は、整理すると三つしかありません。作られていないのか、壊されているのか、失われているのか——この三つです。

三つの道と、その手がかり
起き方 代表的な原因 手がかり
作られない 慢性腎臓病、骨髄の腫瘍、慢性の炎症 ゆっくり進み、ほかの症状が先にあることが多い
壊される ヘモプラズマ感染症、免疫の異常、玉ねぎ中毒 黄疸が出る、急に悪くなることがある
失われる けが、消化管からの出血、ノミやダニの吸血 黒いタール状の便、目に見える出血
足りない 栄養の不足、鉄やビタミンの不足 食事の内容に偏りがある

外に出る猫では、寄生虫も関わります

ノミやダニは、猫の血を吸います。数が多ければ、それだけで貧血の原因になります。

さらにヘモプラズマ感染症のように、赤血球そのものに取りつく病原体もあります。これはノミなどを介して広がると考えられており、赤血球が壊されるタイプの貧血を起こします。

外へ出る猫、ほかの猫とけんかをする猫では、定期的な寄生虫の予防がそのまま貧血の予防になります。

「作られているか」で、二つに分かれます

再生性と非再生性
骨髄が反応しているか、していないか。

検査でまず確かめるのは、骨髄が反応しているかどうかです。

貧血は、新しい赤血球が盛んに作られている再生性貧血と、新しい赤血球がさほど作られていない非再生性貧血に分けられます。この分かれ道で、その先に探すものが変わります。

再生性なら、骨髄は働けています

減ったぶんを作ろうとして、骨髄が新しい赤血球を送り出している状態です。体は、ちゃんと反応できているということになります。

この場合、原因は骨髄の外にあります。どこかで失われているか、壊されているか——ヘモプラズマ感染症などが代表です。

原因を取り除くことができれば、赤血球は戻ってきます。見通しとしては、こちらのほうが明るいことが多いものです。

非再生性なら、作る側に問題があります

減っているのに、新しい赤血球があまり作られていない——作る仕組みそのものに問題がある状態です。

背景としては、猫免疫不全ウイルス感染症、猫白血病ウイルス感染症、骨髄の腫瘍などの腫瘍、慢性の炎症、慢性腎不全、甲状腺機能亢進症などが挙げられます。

こちらは、背景の病気と長く付き合っていくことになります。貧血だけを追いかけても、根本には届きません。

🩺 獣医療の現場では

「貧血ですね」で終わる説明は、まだ半分です。再生性なのか、非再生性なのか。そこを聞いておくと、話の見通しが立ちます。

再生性なら「どこで失われているか」を探す流れになり、非再生性なら「作れない理由」を探す流れになります。検査の順番そのものが変わってきます。

腎臓の病気からも、起こります

高齢の猫でとくに多いのが、腎臓の病気にともなう貧血です。

腎臓からは、骨髄の幹細胞が赤血球に分化するのに必要な「エリスロポエチン」というホルモンが分泌されています。つまり腎臓は、尿をつくるだけの臓器ではありません。赤血球をつくらせる指令も出しているのです。

ですから腎機能が低下するとエリスロポエチンが減少するため、進行した腎臓病では貧血が起きます。

慢性腎臓病が背景にある場合、貧血は「別に起きた問題」ではなく、腎臓の進み具合を映しているものと考えられます。

腎臓が原因なら、貧血の治療も変わります

この場合、鉄剤を足しても足りません。指令そのものが減っているためです。

腎不全に関連する貧血には、造血ホルモン製剤を使用することがあります。足りなくなった指令を、外から補うという考え方です。

同時に、腎臓そのものの治療も続けていきます。貧血が改善すると食欲や元気が戻ってくることも多く、暮らしの質に直結する部分でもあります。

甲状腺の病気が隠れていることもあります

非再生性貧血の背景には、甲状腺機能亢進症が挙げられることもあります。

高齢の猫では、腎臓・甲状腺・貧血が同時に絡み合っていることがめずらしくありません。ひとつだけを見ていると、全体を読み違えます。

だからこの年代では、血液検査をまとめて行う意味が大きくなります。

猫は、かなり進むまで隠します

貧血がゆっくり進んだ場合、猫はよく耐えます。「元気がない」と気づいたときには、すでにかなり進んでいた——そういうことが起こります。

理由のひとつは、猫の暮らし方にあります。もともと一日の大半を寝て過ごす動物ですから、「よく寝ている」が異常に見えません。

見え方のずれ
こう見える 本当は
よく寝ている 動くと苦しいので、動いていない
落ち着いてきた 遊ぶ体力が残っていない
歳のせい 酸素が足りていない
少食になった 食べる力も落ちている
高い所に登らない 登るだけの余力がない

ですから、「歳のせい」と片づける前に、色を見てください。口の中を一度めくるだけで、判断の材料が増えます。

治療は、原因ごとに変わります

気づいてからの流れ
ここは、急ぐ場面です。

貧血そのものを治す薬、というものはありません。原因が特定されている場合は、その原因に対する治療が最優先されます。

原因ごとの治療
原因 行われる治療
寄生虫や感染 駆除薬、抗菌薬などで原因を叩く
免疫の異常 免疫抑制剤を使い、赤血球への攻撃を止める
腎臓病 造血ホルモン製剤を使うことがある
出血 出血している場所を見つけ、止める
栄養の不足 鉄剤やビタミンを補い、食事を見直す
重い貧血 輸血で、まず酸素を運べる状態に戻す

輸血は、時間を稼ぐための治療です

貧血が進んでいる場合や緊急を要する場合には、輸血が行われることもあります。輸血によって、一時的に貧血の症状を改善することができます。

ただし、これは原因を治すものではありません。原因を探して手を打つまでの時間を稼ぐ——そういう位置づけの治療です。

猫にも血液型があり、合わない血を入れれば重い反応が出ます。供血してくれる猫の確保も必要になるため、どの病院でもすぐにできるとは限りません。そこも含めて、早めの受診が効いてきます。

免疫が関わっているとき

自分の免疫が、自分の赤血球を壊してしまうことがあります。この場合は免疫が関係している場合は免疫抑制剤が使用されます。

攻撃そのものを止めなければ、いくら輸血をしても壊されてしまうためです。

治療には時間がかかり、量の調整も慎重に行われます。途中で自己判断でやめないことが、とても大切になります。

見つかったあと、見ていくこと

貧血の治療では、数値が戻っているかどうかを繰り返し確かめていきます。同時に、家でも見ておけることがあります。

家で見ておきたいもの
見ること どう役立つか
歯ぐきの色 戻ってきているか、家で確かめられる
呼吸の速さ 楽になっていれば、酸素が届き始めている
遊ぶかどうか 体力の回復が、いちばん分かりやすく出る
食欲と体重 全体の調子を映す
便の色 黒いタール状なら、消化管の出血を疑う
白目の色 黄色みが出れば、赤血球が壊れている可能性

便の色は、見落とされやすい手がかりです

消化管から出血している場合、血は便に混じって出てきます。ただし胃や小腸からの出血では、赤ではなく黒いタール状になります。

「黒い便」は、汚れや食べ物のせいだと思われがちです。けれど貧血をともなっているなら、出血している場所の手がかりになります。

気づいたときは、写真を撮って持っていくと話が早く進みます。

予防としてできること

すべての貧血を防げるわけではありませんが、減らせるものはあります。

  • 栄養バランスの整った食事を与える
  • ノミ・ダニの予防を定期的に行う
  • 玉ねぎ・ねぎ類を絶対に食べさせない
  • 外に出さず、けんかによる感染を避ける
  • 年に一度、血液検査を受けておく
  • 高齢なら、腎臓の数値もあわせて確かめる

とくにねぎ類は、猫の赤血球を壊します。加熱しても、スープに溶けていても同じです。人の食べ物を分け与えないことが、そのまま予防になります。

よくある質問

Q. 猫の貧血とは、どんな状態ですか?

A. 赤血球の数やヘモグロビンが減り、体に酸素を運びにくくなった状態です。病名ではなく「結果」なので、なぜ減ったのかを別に探すことになります。

Q. 家で気づく方法はありますか?

A. 歯ぐきの色を見てください。唇の内側や歯ぐき、舌、まぶたが白っぽく見えるようになります。健康なときの色を一度見ておくと、変化に気づきやすくなります。

Q. どんな症状が出ますか?

A. 食べない、ふらつく、運動を嫌がるなど、なんとなく元気がない様子が見られます。進むと呼吸が速くなり、口を開けて息をすることもあります。

Q. 原因には何がありますか?

A. 赤血球が作られない、壊される、失われる——この三つに分かれます。腎臓病や骨髄の病気、感染症、出血、寄生虫、栄養の不足などが背景になります。

Q. 再生性貧血と非再生性貧血の違いは何ですか?

A. 新しい赤血球が盛んに作られているのが再生性、さほど作られていないのが非再生性です。再生性なら骨髄は働けており、非再生性なら作る側に問題があります。

Q. 腎臓の病気で貧血になるのはなぜですか?

A. 腎臓からエリスロポエチンというホルモンが出ているためです。これは骨髄の幹細胞が赤血球に分化するのに必要なもので、腎機能が低下すると減少するため、進行した腎臓病では貧血が起きます。

Q. どうやって診断しますか?

A. 血液検査です。赤血球の数やヘモグロビンの量を測って程度を確かめ、骨髄が反応しているかどうかで方向を分けます。原因を特定するために、追加の検査が必要になることもあります。

Q. 治療はどうしますか?

A. 原因が特定されている場合は、その原因に対する治療が最優先されます。腎不全に関連する貧血には造血ホルモン製剤を、免疫が関係している場合は免疫抑制剤を使用することがあります。

Q. 輸血をすれば治りますか?

A. 輸血は、一時的に症状を改善するための治療です。原因そのものを治すものではなく、手を打つまでの時間を稼ぐという位置づけになります。

Q. 玉ねぎは、少しでもだめですか?

A. だめです。ねぎ類は猫の赤血球を壊します。加熱しても、スープに溶けていても同じです。人の食べ物を分け与えないでください。

Q. 元気そうなのですが、様子を見てもよいですか?

A. ゆっくり進んだ貧血では、体が慣れて元気そうに見えます。「よく寝ている」「落ち着いてきた」が、実は動けなくなっているだけということがあります。色が白いと感じたなら、様子を見ないでください。

Q. 予防できますか?

A. すべては防げませんが、減らせるものはあります。栄養バランスの整った食事、ノミ・ダニの定期的な予防、ねぎ類を与えないこと、そして年に一度の血液検査です。

まとめ|口をめくるところから始まります

貧血は、じわじわ進みます。そして猫は、それをよく隠します。気づいたときには、かなり進んでいた——この病気では、それがいちばん多い形です。

けれど手がかりは、体の外に出ています。歯ぐきの色は、道具がなくても見られます。

そして「白い」と気づいたら、それは待つ理由ではありません。貧血は病名ではなく、何かが起きているという合図だからです。

作られていないのか、壊されているのか、失われているのか。その答えは、血液検査が教えてくれます。

今日できる3つ

  • 1猫の口をそっとめくり、健康なときの歯ぐきの色を覚えておく
  • 2静かにしているときの呼吸の速さを、一度数えておく
  • 3高齢なら、次の健康診断で腎臓の数値と赤血球をあわせて確かめる

色は、体の内側からの知らせです。白いと感じたら、その日のうちに動いてください。

モフ@ペット好き

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