ネコの病気    猫のホルネル症候群|片目の異変は、体からの合図です

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猫のホルネル症候群|片目の異変は、体からの合図です
ホルネル症候群
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫のホルネル症候群|片目の異変は、体からの合図です」です。ではどうぞ!

片方の瞳だけ、小さくなっている。

そちらのまぶたが下がり、目が細く見える。

目頭から、白い膜が出てきている。

この組み合わせには、名前がついています。ホルネル症候群です。けれどこれは病名ではありません。交感神経のどこかが障害されている、という合図です。

結論

ホルネル症候群とは眼周囲に分布する交感神経に何らかの異常が起こり、交感神経の支配が消失することによっていくつかの特徴的な症状を示す状態です。瞳孔が小さくなる(縮瞳)、眼の開きが小さくなる、眼球が奥に引っ込む(眼球陥没)、第三眼瞼(瞬膜)が突出するといった症状が、主に片側に見られます。猫で多い原因は交通事故などの外傷によるものですが、中耳炎、内耳炎に起因した末梢前庭障害や、脳腫瘍、外傷に伴うことが多いとされています。診断では原因を特定するために耳の検査で外耳炎や中耳炎の有無を確認し、眼科検査や画像検査(レントゲン、CT、MRI検査)が行われることがあります。原因となっている疾患を治癒することで、ホルネル症候群は自然治癒することがあります。特発性の場合は無治療でも4〜6カ月ほどで症状が改善しますが、猫では特発性のホルネル症候群は稀で、何らかの原因疾患が隠れていることが多いため、慎重に検査を行う必要があります。

この記事でわかること

  • 四つの症状が、同時に出ます
  • これは、病名ではありません
  • 交感神経の道は、とても長いのです
  • 猫では、原因が隠れていることが多いのです
  • 耳から起こることがあります
  • 顔面神経麻痺とは、別のものです
  • 調べ方は、道すじをたどること
  • 治療と、見通しのこと

四つの症状が、同時に出ます

四つの症状
そろって、片側に出ます。

まず、何が起きているのかから。

瞳が、小さくなります

瞳孔が小さくなる(縮瞳)——これが、いちばん分かりやすい症状です。

暗いところに連れていっても、その目だけ開きません。

左右を並べて見ると、はっきり違いが分かります。

まぶたが、下がります

眼の開きが小さくなります。

上まぶたを持ち上げる筋肉にも交感神経が働いているためです。

片目だけ、眠そうに見える——そういう見え方になります。

目が引っ込み、白い膜が出ます

眼球が奥に引っ込む(眼球陥没)が起こります。

そして第三眼瞼(瞬膜)が突出してきます。

目頭から、白っぽい膜がせり出してくるのです。

眼球が引っ込んだぶん、そこにあった膜が押し出されてくると考えると分かりやすくなります。

家で、こう見えます

実際には、こんなふうに気づかれます。

  • 片目だけ、眠そうに見える
  • 片目だけ、小さく見える
  • 左右で、瞳の大きさが違う
  • 目頭に、白いものが出ている
  • 顔の片側だけ、印象が違う
  • 写真を撮ると、左右差がはっきり分かる

「なんとなく顔が違う」——その違和感が、正しいことが多いものです。

片側に、そろって出ます

これらの症状が、主に片側に見られます。

四つがばらばらに出るのではなく、そろって出る——そこが、この状態の特徴です。

だから、左右を比べれば気づけます。

これは、病名ではありません

ここが、この記事でいちばん大事なところです。

症状のセットに、つけられた名前です

ホルネル症候群は、眼周囲に分布する交感神経に何らかの異常が起こり、交感神経の支配が消失することによっていくつかの特徴的な症状を示す状態を指します。

「こういう症状が出ている」という状態の名前であって、「こういう病気にかかっている」という名前ではありません。

だから、原因を探すことになります

この診断がついたら、そこで終わりではありません。

むしろ、そこから始まります。

どこで神経が障害されているのか——それを探すのが本番です。

「ホルネル症候群ですね」で説明が終わったら、「原因は何でしょうか」と聞いてください。

痛みは、ありません

この症状自体は、痛みを伴いません。

猫は、けろりとしていることが多いものです。

けれど「痛がっていない=軽い」ではありません。

原因のほうが、重いことがあります。

交感神経の道は、とても長いのです

神経の道すじ
とても長い道を、通っています。

なぜ探す範囲が広くなるのか——

それは神経の通り道が長いからです。

脳から出て、胸まで下ります

目のまわりに届く交感神経は、脳から出発します。

そこから脊髄を下って、胸のあたりまで行きます。

いったん下まで行くのです。

そして、また上がってきます

胸のあたりで折り返し、首を通って頭のほうへ戻ります。

そして中耳のそばを抜けて、目に届きます。

ずいぶん遠回りな道です。

だから、探す場所も広くなります

この長い道のどこかで切れれば、同じ症状が出ます。

目の症状なのに、胸の中を調べることがあるのは、そのためです。

首の傷、胸の腫瘤、中耳の炎症——どれも原因になりえます。

目だけを見ていては、たどり着けません。

猫では、原因が隠れていることが多いのです

犬との違い
猫では、油断できません。

ここも、犬と猫で扱いが変わるところです。

特発性は、稀とされます

猫では特発性のホルネル症候群は稀です。

特発性とは原因が見つからないもののことです。

犬ではそれなりに見られるのですが、猫では違います。

だから、慎重に調べます

何らかの原因疾患が隠れていることが多いため、慎重に検査を行う必要があります。

「原因不明でしょう」で済ませない——それが猫での考え方です。

検査を勧められたら、受けておいてください。

外傷が、多い原因です

猫で多い原因は交通事故などの外傷によるものです。

首や胸を強く打ったとき、そこを通る神経が傷つくことがあります。

「事故のあと、目の様子が変わった」——その情報は、必ず伝えてください。

そのほか中耳炎、内耳炎に起因した末梢前庭障害や、脳腫瘍、外傷に伴うことが多いとされています。

どこで切れたかで、探す場所が変わります

ほかにどんな症状が出ているかが、場所を絞る手がかりになります
障害される場所 あわせて出やすい症状
脳の中 ふらつき、意識の変化、けいれん
首から胸のあたり 前足の動きの異常、呼吸の異常
頸部 けがの跡、首を触られるのを嫌がる
中耳・内耳 頭が傾く、ふらつく、顔の左右差
目のすぐ近く 目の症状だけが出る

だから、目以外の様子も見ておいてください。

「目だけです」という情報にも、意味があります。

耳から起こることがあります

猫で知っておいてほしい原因があります。

神経が、中耳のそばを通っています

交感神経は中耳のすぐそばを通っています。

だから中耳炎内耳炎が起きると、その神経が巻き込まれます。

だから、耳を調べます

原因を特定するために耳の検査で外耳炎や中耳炎の有無を確認します。

目の症状で受診したのに、耳を診られる——それには、こういう理由があります。

耳の中がきれいでも、その奥で炎症が起きていることもあります。

だから、画像検査まで進むことがあります。

耳の手術のあとに、出ることもあります

耳の奥の手術を受けたあとに起こることもあります。

神経がすぐそばを通っているためです。

この場合は、あらかじめ説明を受けていることが多いと思います。

多くは、時間とともに改善していきます。

顔面神経麻痺とは、別のものです

よく混同されるものがあります。

同じ「顔の左右差」でも、別の話です

顔面神経麻痺顔の筋肉が動かなくなる病気です。

まばたきができない、耳が垂れる、口の端が下がる——そういう症状になります。

いっぽうホルネル症候群では顔の筋肉は動きます。

変わるのは、瞳と、まぶたの開きと、目の位置だけです。

どちらも耳の病気から起こることがあるため、両方が出ることもあります
ホルネル症候群 顔面神経麻痺
何が起きているか 交感神経の障害 顔面神経の障害
瞳孔 小さくなる 変わらない
まばたき できる できなくなる
耳や口 変わらない 耳が垂れ、口の端が下がる
角膜の危険 少ない 乾いて傷つきやすい

両方が、同時に出ることもあります

中耳炎や内耳炎では、近くを通る複数の神経が、まとめて影響を受けることがあります。

だから、両方の症状が出ることもあります。

そのときは、耳の奥をしっかり調べてもらってください。

調べ方は、道すじをたどること

探すもの
どこで切れたかを、探します。

診断は神経の道すじをたどる作業になります。

順に、調べていきます

眼科検査や画像検査(レントゲン、CT、MRI検査)が行われることがあります。

耳の検査で外耳炎や中耳炎の有無を確認し、

首や胸に病変がないかも見ます。

広く見えますが、道すじに沿って探しているだけです。

伝えてほしいこと

  • いつから、目の様子が変わったか
  • けがをしそうな出来事がなかったか
  • 外に出す暮らしをしているか
  • 耳の病気で治療したことがあるか
  • 頭が傾く、ふらつくことがないか
  • 体重が減っていないか
  • ほかに、変わったことがないか

目とは関係なさそうな話ほど、この病気では役に立ちます。

受診の前に、しておくとよいこと

  • 正面から、顔の写真を撮っておく
  • 明るい場所と暗い場所の両方で撮る
  • いつから気づいたかを、書き出しておく
  • 思い当たる出来事を、時系列で整理する
  • ほかに変わったことがないか、書き出す

写真は、症状の記録としてそのまま使えます。

診察室で緊張すると、瞳が開いて分かりにくくなることもあるためです。

検査をしても、見つからないことがあります

調べても原因が特定できない——そういうこともあります。

原因が特定できない特発性のケースも少なくありません。

けれど猫では特発性は稀とされています。

だから、見つからなくても経過を見ていくことになります。

治療と、見通しのこと

この症状そのものを治す薬はありません。

原因を治すことが、治療になります

原因となっている疾患を治癒することで、ホルネル症候群は自然治癒することがあります。

中耳炎が原因なら、その治療をします。

そして炎症が治まれば、目の症状も戻っていきます。

目に何かをするのではなく、原因を治す——それがこの状態への向き合い方です。

特発性なら、時間で戻ります

特発性の場合は無治療でも4〜6カ月ほどで症状が改善します。

半年近くかかるということです。

その間、猫は困っていません。

見た目は気になりますが、待てる症状です。

見通しは、原因で決まります

症状そのものより、何が起こしていたかで見通しが変わります
原因 見通し
中耳炎・内耳炎 炎症が治まれば、戻ることが多い
耳の手術のあと 時間とともに改善することが多い
外傷 神経の傷み方による。時間がかかることも
腫瘤など そちらの治療しだいになる
特発性 無治療でも4〜6カ月ほどで改善する

だから、原因を調べることに意味があります。

生活に、支障は出ません

視力は、失われません。

まばたきもできますし、痛みもありません。

猫は、ふつうに暮らしています。

心配なのは、症状ではなく原因のほうです。

⚠ こんなときは、急いでください

頭が傾いている、ふらついている。

顔の左右差が、ほかにもある。

事故やけがのあとに、出た。

呼吸が苦しそう、元気がない。

これらは原因が重いことを示している可能性があります。

🩺 聞いてほしい二つの質問

「ホルネル症候群です」と言われたら、そこで話を終わらせないでください。

「原因は何でしょうか」

「何を調べればよいですか」

猫では、その先に本題があります。

この記事の要点

ホルネル症候群は病名ではなく、交感神経の障害で出る症状のセットです。

縮瞳、眼の開きが小さくなる、眼球陥没、第三眼瞼の突出が、主に片側に見られます。

猫で多い原因は交通事故などの外傷ですが、中耳炎・内耳炎、脳腫瘍に伴うこともあります。

猫では特発性は稀で、原因疾患が隠れていることが多いため慎重に検査します。

Q. ホルネル症候群とは、どんな状態ですか?

A. 眼周囲に分布する交感神経に異常が起こり、交感神経の支配が消失することで特徴的な症状を示す状態です。病名ではなく、症状のセットの名前です。

Q. どんな症状が出ますか?

A. 瞳孔が小さくなる(縮瞳)、眼の開きが小さくなる、眼球が奥に引っ込む(眼球陥没)、第三眼瞼(瞬膜)が突出するといった症状が、主に片側に見られます。

Q. 痛がっていないのですが

A. この症状自体に、痛みはありません。猫はけろりとしていることが多いものです。ただし、原因のほうが重いことがあります。

Q. 原因は何ですか?

A. 猫で多い原因は、交通事故などの外傷によるものです。そのほか、中耳炎、内耳炎に起因した末梢前庭障害や、脳腫瘍、外傷に伴うことが多いとされています。

Q. なぜ耳を調べるのですか?

A. 交感神経が中耳のすぐそばを通っているためです。原因を特定するために、耳の検査で外耳炎や中耳炎の有無を確認します。

Q. なぜ胸まで調べるのですか?

A. 交感神経の通り道が長いためです。脳から出て胸まで下り、折り返して首を通り、中耳のそばを抜けて目に届きます。

Q. どんな検査をしますか?

A. 眼科検査や画像検査(レントゲン、CT、MRI検査)が行われることがあります。あわせて、耳の状態も確認します。

Q. 原因が分からないこともありますか?

A. 原因が特定できない特発性のケースも少なくありません。ただし猫では特発性は稀とされ、何らかの原因疾患が隠れていることが多いとされています。

Q. 犬とは違うのですか?

A. 扱いが違います。犬では特発性が比較的よく見られますが、猫では稀なため、慎重に検査を行う必要があります。

Q. 治療はどうしますか?

A. 原因となっている疾患を治療します。原因が治癒することで、ホルネル症候群は自然治癒することがあります。

Q. 特発性なら、放っておいてよいですか?

A. 無治療でも4〜6カ月ほどで症状が改善します。ただし猫では原因が隠れていることが多いため、まず調べてもらってください。

Q. 視力に影響しますか?

A. 視力は失われません。まばたきもでき、痛みもありません。生活そのものに支障は出ないことがほとんどです。

Q. 顔面神経麻痺とは違いますか?

A. 別のものです。顔面神経麻痺では顔の筋肉が動かなくなり、まばたきができなくなりますが、ホルネル症候群では顔の筋肉は動きます。

Q. 両方が出ることはありますか?

A. あります。中耳炎や内耳炎では、近くを通る複数の神経がまとめて影響を受けることがあるためです。

Q. 外に出す猫なのですが

A. そのことを、必ず伝えてください。猫で多い原因は交通事故などの外傷であり、外に出す暮らしは大事な情報になります。

まとめ|症状は軽くても、原因は軽くないかもしれません

片目の瞳が小さい、まぶたが下がっている、白い膜が出ている——

この組み合わせを見たら、ホルネル症候群を考えます。

けれど、これは病名ではありません。

交感神経のどこかが障害されている、という合図です。

そして、その神経の道は脳から胸、首、耳を通って目まで——とても長いのです。

だから、目の症状で胸を調べることがあります。

猫は、この症状で困っていません。痛みもなく、視力も失いません。

けれど猫では、原因が隠れていることが多いとされています。

「様子を見ましょう」で終わらせず、「原因は何でしょうか」と聞いてください。目が教えてくれたことを、たどってあげてください。

今日できる3つ

  • 1明るい場所と暗い場所で、左右の瞳の大きさを比べる
  • 2まばたきができるか、顔の左右差がほかにないか見る
  • 3受診時に「原因は何でしょうか」と聞くと決めておく

この症状は、体からの合図です。合図の先にあるものを、確かめてください。

モフ@ペット好き

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