ネコの病気    猫の顔面神経麻痺|心配なのは、顔ではなく目です

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猫の顔面神経麻痺|心配なのは、顔ではなく目です
顔面神経麻痺
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の顔面神経麻痺|心配なのは、顔ではなく目です」です。ではどうぞ!

片方の耳が垂れ、口の端が下がっている。

そちら側だけ、まばたきをしていない。

顔面神経麻痺は顔の片側の筋肉が動かなくなる病気です。

顔つきが変わるので、そこに目が行きます。けれど本当に心配なのは、目のほうです。まばたきができず、涙も減るため、角膜が乾いて傷ついてしまいます。

結論

顔面神経麻痺は顔面神経が障害され、顔の片側の筋肉が動かなくなる状態です。主な症状は、目を閉じられない・まばたきができないことで、さらに涙の分泌が減ることで角膜表面が乾燥し、眼の表面が傷つきやすく、また治りにくくなるため、角膜潰瘍のリスクが高まります。原因としては顔面神経が中耳腔を通るため、中耳炎や耳道の腫瘍が顔面神経麻痺を引き起こすことがあります。また猫の顔面神経麻痺のおよそ4分の1は原因が特定できず、特発性と呼ばれます。特発性の顔面神経麻痺には、特別な治療法はありません。まばたきができない場合や涙の分泌が減って乾性角結膜炎になった場合には、人工涙液や眼軟膏を用いて眼の表面を保護します。顔面神経麻痺は治療をしなくても2〜6週間で自然に治ることが多いとされていますが、麻痺が永続的に残る場合もあります。

この記事でわかること

  • 顔の片側が、動かなくなります
  • 顔面神経は、何をしているのか
  • 心配なのは、顔ではなく目です
  • 涙も、減ってしまいます
  • 原因は、耳のことが多いのです
  • 四分の一は、原因が分かりません
  • 治療は、目を守ることです
  • 見通しと、暮らし方のこと

顔の片側が、動かなくなります

まず、どんな見え方をするのかから。

三つの変化が、片側に出ます

まぶた、耳、口——この三つに変化が出ます。

まばたきをしない、耳が垂れる、口の端が下がる。

すべて同じ側に出るのが特徴です。

  • 片目だけ、まばたきをしていない
  • 片方の耳が、垂れたようになっている
  • 口の端が、下がっている
  • その側から、よだれがこぼれる
  • 食べるとき、こぼしやすくなった
  • 顔の左右差が、写真ではっきり分かる

痛みは、ありません

この麻痺そのものに、痛みはありません。

猫は、いつもどおりに過ごしています。

だから、気づくのが遅れることもあります。

「顔が変な気がする」という違和感は、たいてい正しいものです。

食べるのは、できます

ものを噛む筋肉は、別の神経が動かしています。

だから、食べられなくなることはありません。

ただし唇がうまく動かないので、こぼしやすくなります。

食器を少し高くすると、食べやすくなることがあります。

顔面神経は、何をしているのか

顔面神経の仕事
動きだけでは、ありません。

この神経の仕事を知ると、何が問題なのかが分かります。

顔の表情を、つくっています

まぶたを閉じる、耳を動かす、口や鼻を動かす——

顔の細かい動きは、この神経が担当しています。

猫の表情の豊かさも、この神経のおかげです。

そして、涙もつくらせています

ここが、見落とされやすいところです。

顔面神経は、涙をつくる指令も運んでいます。

だから、麻痺すると涙が減ります。

動きだけの問題ではない——そこが、この病気の厄介なところです。

心配なのは、顔ではなく目です

顔と目
見るところが、違います。

顔つきが変わると、そこに気を取られます。

けれど獣医師が心配しているのは、角膜のほうです。

まばたきは、涙を広げる動きです

主な症状は、目を閉じられない・まばたきができないことです。

まばたきはただ目を閉じる動きではありません。

涙を目の表面いっぱいに広げる——ワイパーのような役割をしています。

それができなければ、涙があっても届きません。

乾いた角膜は、傷つきます

角膜表面が乾燥し、眼の表面が傷つきやすく、また治りにくくなるため、角膜潰瘍のリスクが高まります。

角膜潰瘍深さによっては目を失いかねない病気です。

だから、この病気では角膜を見続けることになります。

見た目より、こちらを見てください

顔の左右差は、猫を困らせません。

けれど、乾いた角膜は猫を痛めます。

目が閉じているか黒目が濁っていないか——

そこを毎日見てあげてください。

涙も、減ってしまいます

乾くと起きること
守るものが、なくなります。

二重に乾く——それが、この病気の難しいところです。

広げられないうえに、量も減ります

涙の分泌が減ることで角膜表面が乾燥します。

まばたきで広げられないのに加えて、そもそも涙が少ないのです。

この状態を、乾性角結膜炎と呼びます。

だから、涙の量も測ります

涙の量を測る検査が行われます。

細い試験紙をまぶたにはさんで、一定時間でどれだけ濡れるかを見ます。

数十秒で終わる検査です。

ここが少なければ、涙を補う治療が必要になります。

そのままにすると、進みます

乾いた状態が続けば、角膜に色素が沈着し、濁ってきます。

血管が伸びてくることもあります。

そして猫では、角膜黒色壊死症のような病気にもつながりえます。

乾かさないことが、そのまま治療になります。

目を守るためにしてほしいこと

  • 指示された点眼を、回数どおり続ける
  • 寝る前には、眼軟膏を忘れない
  • エアコンの風を、直接当てない
  • 冬は加湿して、空気を乾かさない
  • 毎日、黒目に濁りがないか見る
  • 目やにが増えたら、その日に相談する

この六つが、そのまま治療になります。

神経は薬で治せませんが、角膜は守れます。

原因は、耳のことが多いのです

探すもの
耳を、まず疑います。

では、なぜ麻痺するのか。

神経が、中耳を通っています

顔面神経が中耳腔を通るため、中耳炎や耳道の腫瘍が顔面神経麻痺を引き起こすことがあります。

顔の症状なのに、耳を調べるのはこのためです。

中耳炎耳道の腫瘍まず疑われる相手になります。

耳の病気で治療中なら、伝えてください

外耳炎をくり返している

耳の治療を続けている——

そういう猫では、その情報が診断を早めます。

耳の手術のあとに起こることもあります。

ホルネル症候群と、一緒に出ることがあります

中耳のあたりにはいくつもの神経が通っています。

だからホルネル症候群同時に出ることがあります。

片方の瞳が小さく、まぶたが下がり、そのうえ耳も垂れて口も下がっている——

そのときは、耳の奥をしっかり調べてもらってください。

どちらも中耳の病気から起こることがあり、両方が出ることもあります
顔面神経麻痺 ホルネル症候群
どの神経か 顔面神経 交感神経
まばたき できなくなる できる
瞳孔 変わらない 小さくなる
耳と口 耳が垂れ、口の端が下がる 変わらない
角膜の危険 乾いて傷つきやすい 少ない

耳の症状も、一緒に見てください

耳が原因なら、そちらの症状も出ていることがあります。

頭を振る、耳をかく、耳が臭う——

頭が傾いている、ふらついている——

これらがあれば、必ず伝えてください。

顔の症状より、そちらのほうが原因にたどり着く早道になることがあります。

四分の一は、原因が分かりません

調べても原因が見つからないことがあります。

特発性と呼ばれます

猫の顔面神経麻痺のおよそ4分の1は原因が特定できず、特発性と呼ばれます。

四頭に一頭——めずらしいことではありません。

「調べたのに分からなかった」とがっかりしないでください。

受診したときに、行われること

顔の症状で来ても、目と耳を中心に調べることになります
調べること 何を見ているか
顔の動きの確認 どの筋肉が動かないか、どちら側か
耳の検査 外耳炎や中耳炎、腫瘍がないか
涙の量の測定 乾性角結膜炎になっていないか
角膜の染色 すでに傷ができていないか
画像検査 中耳の奥や、神経の通り道の様子

涙の量と角膜の傷は、その日のうちに分かります。

それでも、調べる意味があります

中耳炎や腫瘍がないと分かることには、大きな意味があります。

治すべきものがないと分かれば、目を守ることに集中できます。

そして、見通しも変わってきます。

治療は、目を守ることです

治療の中身を見ていきます。

特発性には、特別な治療がありません

特発性の顔面神経麻痺には、特別な治療法はありません。

神経を治す薬はないということです。

だから、できることに集中します。

目の表面を、守ります

まばたきができない場合や涙の分泌が減って乾性角結膜炎になった場合には、人工涙液や眼軟膏を用いて眼の表面を保護します。

人工涙液足りない涙を補うものです。

眼軟膏目の表面に膜をつくって、乾燥を防ぐものです。

夜のあいだは軟膏を使うことが多くなります。

回数が、多くなります

一日に何度も点眼することになります。

減らさないでください。

減らせば、そのぶん乾きます。

面倒に感じますが、これが角膜を守っています。

原因があれば、そちらも治します

中耳炎が見つかれば、その治療をします。

腫瘍があれば、その扱いを相談します。

原因が治れば、麻痺も戻ることがあります。

⚠ こんなときは、その日のうちに

黒目が、白く濁ってきた。

目を細めて、痛がっている。

目やにが、急に増えた。

目の表面が、乾いて見える。

この病気では、角膜潰瘍のリスクが高まっています。

見通しと、暮らし方のこと

最後に、これからのことです。

多くは、数週間で戻ります

顔面神経麻痺は治療をしなくても2〜6週間で自然に治ることが多いとされています。

一か月ほどで、顔つきが戻ってくることが多いということです。

その間、目を守り続けることが大事になります。

戻ってくる順番があります

顔の動きは、少しずつ戻ってきます。

まばたきが先に戻る猫もいれば、耳の動きが先に戻る猫もいます。

全部が同時に戻るわけではありません。

写真を撮っておくと、その変化が分かります。

残ることも、あります

ただし麻痺が永続的に残る場合もあります。

その場合、目薬は生涯続けることになります。

大変に思えますが、慣れます。

猫のほうも、顔が動かないことには適応します。

暮らしで、気をつけること

乾かさないこと。それがこの病気の生活上の目標になります
場面 気をつけること
乾燥する季節 加湿する。エアコンの風を当てない
食事のとき こぼしやすいので、食器を少し高くする
寝ている間 目が開いたままなら、就寝前に眼軟膏を
毎日 黒目の濁りと、目やにを確かめる
外出 外には出さない。ごみや風が目に入る

受診の間隔を、決めておいてください

  • 始まったころは、指示された間隔で通う
  • 角膜に傷がないか、染めて確かめてもらう
  • 涙の量を、ときどき測ってもらう
  • 顔の動きが戻ってきたかを、見てもらう
  • 麻痺が残るなら、その後の間隔を決めておく

家からは、角膜の傷が見えません。

だから、定期的に染めて確かめてもらう必要があります。

食べにくそうなら、工夫できます

唇が動かないと、食べ物をこぼしやすくなります。

浅い皿より、少し深さのある食器のほうが食べやすいことがあります。

ウェットフードのほうが、まとまって食べやすい猫もいます。

食べたあとは、口のまわりを拭いてあげてください。

🩺 優先順位のこと

「顔が戻るかどうか」を心配される方が多いのですが

診察で見ているのは、角膜のほうです。

顔は戻らなくても、猫は困りません。

けれど、角膜が傷つけば猫は痛みます。

この記事の要点

まばたきができなくなり、涙の分泌も減るため、角膜が乾いて傷つきやすくなります。

角膜潰瘍のリスクが高まるため、心配なのは顔の見た目より目のほうです。

顔面神経が中耳腔を通るため、中耳炎や耳道の腫瘍が原因になります。約4分の1は特発性です。

2〜6週間で自然に治ることが多いものの、永続的に残る場合もあります。

Q. 顔面神経麻痺とは、どんな病気ですか?

A. 顔面神経が障害され、顔の片側の筋肉が動かなくなる状態です。まばたきができない、耳が垂れる、口の端が下がるといった症状が出ます。

Q. いちばん心配なことは何ですか?

A. 角膜が乾いて傷つくことです。まばたきができず涙の分泌も減るため、眼の表面が傷つきやすく治りにくくなり、角膜潰瘍のリスクが高まります。

Q. 痛がっていないのですが

A. 麻痺そのものに痛みはありません。ただし角膜が傷つけば、そこから痛みが出ます。

Q. ごはんは食べられますか?

A. 食べられます。噛む筋肉は別の神経が動かしているためです。ただし唇が動かないので、こぼしやすくなります。

Q. 原因は何ですか?

A. 顔面神経が中耳腔を通るため、中耳炎や耳道の腫瘍が引き起こすことがあります。外傷や、耳の手術に伴って起こることもあります。

Q. なぜ耳を調べるのですか?

A. 顔面神経が中耳を通っているためです。顔の症状であっても、まず耳の奥を確かめることになります。

Q. 原因が分からないと言われました

A. およそ4分の1は原因が特定できず、特発性と呼ばれます。めずらしいことではありません。

Q. 特発性なら、治療はありますか?

A. 特別な治療法はありません。できるのは、目の表面を守ることです。

Q. どんな治療をしますか?

A. 人工涙液や眼軟膏を用いて、眼の表面を保護します。まばたきができない場合や、涙が減って乾性角結膜炎になった場合に行います。

Q. 目薬は、いつまで続けますか?

A. 麻痺が続くあいだは、続けることになります。永続的に残った場合は、生涯続けることもあります。

Q. 治りますか?

A. 治療をしなくても2〜6週間で自然に治ることが多いとされています。ただし、麻痺が永続的に残る場合もあります。

Q. 顔は元に戻りますか?

A. 戻ることが多いものです。ただし戻らなくても、猫の暮らしそのものには支障が出ません。大事なのは、そのあいだ角膜を守ることです。

Q. ホルネル症候群とは違いますか?

A. 別のものです。ホルネル症候群は交感神経の障害で、瞳孔が小さくなりますがまばたきはできます。ただし、両方が同時に出ることもあります。

Q. 家で気をつけることは?

A. 乾かさないことです。エアコンの風を直接当てず、冬は加湿してください。そして毎日、黒目の濁りや目やにを確かめてください。

Q. 予防できますか?

A. 耳の病気を放置しないことです。中耳炎から起こることがあるため、外耳炎の段階で治しきることが、この病気を遠ざけます。

Q. 両側に出ることはありますか?

A. 片側に出ることがほとんどです。ただし両側に出ると、顔の左右差が分かりにくくなります。まばたきをしているかどうかで気づくことになります。

まとめ|顔ではなく、黒目を見てください

顔の片側が動かなくなると、その見た目に気を取られます。

元に戻るのだろうか——そう心配されるのは自然なことです。

けれど、猫は顔の左右差では困りません。

困るのは、目が乾くことです。

まばたきができず、涙も減る。だから角膜が乾き、傷つき、治りにくくなります。

そこに、角膜潰瘍という危険があります。

だから、この病気でしてほしいのは目薬を切らさないことと、

毎日、黒目を見ることです。

顔は、多くの場合数週間で戻ります。そのあいだ、目を守り抜いてください。

今日できる3つ

  • 1そちら側の目が、きちんと閉じるか確かめる
  • 2黒目が乾いていないか、濁っていないか見る
  • 3耳の病気で治療中なら、そのことを必ず伝える

顔面神経麻痺で守るべきは、顔ではなく角膜です。目薬は、そのための道具です。

モフ@ペット好き

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