

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬のグレーコリー症候群|よくなったり、悪くなったりを繰り返すなら」です。ではどうぞ!
熱が出て、元気がなくなる。
けれど、しばらくするとよくなる——
そして、また熱が出る。
「治ったと思ったのに」を何度も繰り返している——
その犬がコリー系で毛色が灰色がかっているなら——
考えてほしい病気があります。
グレーコリー症候群——
周期性好中球減少症とも呼ばれます。
感染と戦う細胞が周期的に減ってしまう——
だから、よくなったり悪くなったりを繰り返すのです。
その「繰り返し」こそが診断への手がかりになります。
結論
グレーコリー症候群は灰色の被毛を持つコリーにみられる先天性の血液の病気です。好中球が減少することが原因で、「発熱」「食欲減退」「下痢」「呼吸不全」などの症状がみられます。原因となる遺伝子は常染色体上にあり、一対の遺伝子両方に変異があると発症する劣性(潜性)遺伝です。生後2〜6か月齢で発症することが多い病気ですが、まれに症状が穏やかなケースもあり、その場合は2歳頃になるまで目立った症状は現れません。コリー系犬種は遺伝的に発症しやすく、とくに毛色がグレーあるいはシルバーのコリーは発症しやすい傾向があります。
この記事でわかること
- ✓毛色が、手がかりになります
- ✓好中球が、周期的に減ります
- ✓「よくなった」「また悪くなった」を繰り返します
- ✓多くは、生後2〜6か月で気づかれます
- ✓両親がともに、持っています
- ✓予後について、正直に書きます
- ✓できることと、支え方
毛色が、手がかりになります

病気の名前に毛色が入っている——
そういう病気はそう多くありません。
コリー系犬種は遺伝的に周期性好中球減少症を発症しやすく
とくに毛色がグレーあるいはシルバーのコリーは発症しやすい傾向があります。
| 手がかり | 内容 |
|---|---|
| 犬種 | コリー系 |
| 毛色 | グレー、あるいはシルバー |
| 時期 | 生後2〜6か月齢が多い |
| 症状 | 発熱、食欲減退、下痢、呼吸不全 |
| 特徴 | 繰り返す。周期がある |
| 穏やかな場合 | 2歳頃まで目立たないこともある |
「毛色で分かる」というのは言いすぎですが
疑うきっかけにはなります。
そして、この病気では疑うことがそのまま診断につながります。
受診のときに、犬種と毛色を伝えてください
見れば分かることだと思われるかもしれません。
けれど、「グレーのコリーです」と言葉にして伝えることに意味があります。
この病気を思い出すきっかけになるからです。
まれな病気ほど思い浮かべるきっかけが必要になります。
飼い主がその一言を言えるかで
たどり着く速さが変わります。
好中球が、周期的に減ります

好中球とは白血球のひとつ——
入ってきた細菌とまっ先に戦う細胞です。
それが減ってしまうと感染に弱くなります。
| 起きること | 見えること |
|---|---|
| 好中球が減る | 感染と戦う力が落ちる |
| 細菌が入りこむ | 発熱する |
| 体調が崩れる | 食欲減退 |
| 消化管で起きれば | 下痢 |
| 呼吸器で起きれば | 呼吸不全 |
| 数が戻れば | 症状が落ち着く |
「周期性」という名前がこの病気の性質を表しています。
減っている時期と戻っている時期が繰り返される——
だから、症状も波を打ちます。
そして、この「波」こそが
ほかの病気と見分けるいちばんの特徴です。
血液検査で、確かめられます
好中球の数は血液検査で調べられます。
ただし、この病気にはひとつの難しさがあります。
- 減っている時期に検査すれば、はっきり分かる
- 戻っている時期なら、数は正常に見える
- だから、いつ調べるかで結果が変わる
- 一度の検査で「異常なし」でも、否定できない
- 時期をずらして、何度か調べることがある
- 記録があれば、調べる時期を狙える
ここでも、記録が生きます。
「そろそろ熱が出るころです」と言えれば
その時期に合わせて調べることができます。
「検査では問題なしと言われました」という結果が
この病気を否定するものとは限らないのです。
「よくなった」「また悪くなった」を繰り返します
ここが、診断を遅らせるところです。
熱が出て、受診する——
薬をもらって、よくなる——
「治った」と思う——
けれど、しばらくするとまた熱が出る——
- 「体が弱い子なのかな」と思ってしまう
- そのたびに、別の病気として扱われる
- 薬が効いたように見える
- けれど、自然に戻っていただけのことも
- 繰り返していることが、伝わらない
- だから、記録が必要になる
この病気で飼い主にできるいちばんのことは
記録することです。
| 記録すること | なぜ大事か |
|---|---|
| 熱が出た日 | 周期が見えてくる |
| 症状の内容 | 発熱、下痢、食欲など |
| 何日続いたか | 波の長さが分かる |
| よくなった日 | 間隔が計算できる |
| 受けた治療 | 薬で治ったのか、自然に戻ったのか |
| 次に出た日 | 周期性が確かめられる |
カレンダーに印をつけるだけでもかまいません。
「だいたい○日おきに熱が出ます」——
この一言が言えるかどうかで
診断までの道のりが変わります。
⚠ 繰り返していることを、必ず伝えてください
受診のたびに「今回の症状」を説明していると
繰り返しているといういちばん大事な情報が抜け落ちます。
「これで3回目です」
「前回は○週間前でした」——
この情報が診断を動かします。
記録を持って受診してください。
多くは、生後2〜6か月で気づかれます
この病気は先天性——
つまり、生まれたときから持っています。
生後2〜6か月齢で発症することが多いとされています。
子犬を迎えてまもなく——
いちばん元気なはずの時期に繰り返し体調を崩す——
- ワクチンの時期と重なり、判断が難しいことがある
- 「子犬だから体調を崩しやすい」と思われがち
- 環境が変わったストレスだと考えられることも
- けれど、繰り返すなら別の可能性を考える
- 迎えた先に、兄弟の様子を聞いてみる
- 同じことが起きているなら、大きな手がかりになる
そして、まれに症状が穏やかなケースもあります。
その場合は2歳頃になるまで目立った症状は現れません。
「子犬のころは何ともなかった」からこの病気ではない——
とは、言い切れないということです。
2歳を過ぎて急に繰り返し始めた——
そういう場合にも犬種と毛色が当てはまるなら
一度、話に出してみてください。
両親がともに、持っています

原因となる遺伝子は常染色体上にあり
一対の遺伝子両方に変異があると発症します。
これを劣性(潜性)遺伝と呼びます。
| 状態 | 起きること |
|---|---|
| 両方に変異がある | 発症する |
| 片方だけに変異 | 発症しないが、持っている |
| どちらにもない | 発症も、伝えることもない |
| 両親がともに持つ | 発症する子が生まれることがある |
| 親は健康に見える | 片方だけなら、症状が出ないため |
| だから | 気づかないうちに、伝わっていく |
両親はどちらも健康に見えます。
けれど、どちらも持っていた——
それが重なったときに発症する子が生まれます。
遺伝のしかたは病気によって違います。
A型血友病のようにオスに出るものもあれば
この病気のように両親から受け継ぐものもあります。
いずれも、飼い主のせいではありません。
迎えた先に、伝える価値があります
この病気が分かったとき——
迎えた先に伝えるかどうかで迷われるかもしれません。
| 伝えることで | 起きること |
|---|---|
| 同じ組み合わせを避けられる | 次の世代に、発症する子が減る |
| 兄弟の情報が得られる | 同じ症状が出ているか分かる |
| 検査を考えてもらえる | 持っているかどうかを調べられることも |
| ほかの飼い主も助かる | 早く気づけるようになる |
| 責める話ではない | 知らずに起きたことだから |
| だから | 伝える価値がある |
「言いにくい」という気持ちはよく分かります。
けれど、誰も望んで起こしたことではありません。
知らせることが次を変えます。
予後について、正直に書きます
ここは、書くかどうか迷うところです。
けれど、知らないままより知っているほうがよいこともあります。
周期性好中球減少症の犬が4歳を超えて生存することは難しいとされています。
厳しい数字です。
感染と戦う力が周期的に落ちる——
そのたびに体が消耗していくからです。
🩺 知ることで、変えられること
この数字を読んで絶望してほしいわけではありません。
知っておくことで変わることがあるからです。
感染を早く見つける早く手当てする無理をさせない——
その積み重ねが一日ずつ時間をつくります。
そして、限られた時間をどう過ごすかを考えることも
飼い主にできる大切なことです。
症状が穏やかなケースもあります。
すべての犬が同じ経過をたどるわけではありません。
その子の状態をいちばん知っているのはかかりつけの獣医師です。
この記事の数字ではなく目の前の子について聞いてください。
治療で行われること
この病気を根本から治す方法はいまのところありません。
行われるのは波が来たときにそれを支えることです。
- 感染が起きていれば、それに対する治療を行う
- 発熱や脱水に対して、体を支える処置をする
- 下痢が続けば、そちらへの対応も行う
- 呼吸が苦しければ、酸素が使われることも
- 重ければ、入院して見ることになる
- 波が過ぎれば、いったん落ち着く
「そのたびに対応する」という付き合い方になります。
だから、早く気づいて早く始めることが
そのまま結果につながります。
そして、波と波の間——
元気に過ごしている時期を大事にしてあげてください。
できることと、支え方

この病気で暮らしのなかでできることは
感染を遠ざけることです。
- 清潔な環境を保つ
- 体調を崩している犬に、近づけない
- 食器や寝床を、こまめに洗う
- 小さな傷も、放っておかない
- 熱が出たら、早めに受診する
- 「様子を見る」時間を、短くする
ふつうの犬なら自力で抑えられる感染が
この病気では広がってしまいます。
だから、早さがすべてです。
「明日でいいか」を「今日行こう」に変える——
それが、この病気での支え方です。
熱が出たときの、動き方
波が来たと分かったとき——
あらかじめ決めておくと迷わずに済みます。
| 段階 | すること |
|---|---|
| いつもと違うと感じたら | 体温を測る。食欲を確かめる |
| 熱がある | 連絡する。様子を見る時間を短く |
| 下痢がある | 回数と状態を記録して、伝える |
| 呼吸が苦しそう | 急いで受診する |
| 受診時 | 記録を見せる。「何回目か」を伝える |
| 落ち着いたら | 終わった日も、記録する |
体温を測ることに慣れておくと判断が早くなります。
元気なときの平熱を知っておいてください。
比べる基準があることがこの病気ではとくに大事です。
「なんとなく元気がない」という感覚を
数字にできるようにしておいてください。
かかりつけと、つながっておく
繰り返す病気だからこそひとつの病院で診てもらうことに意味があります。
| こんなとき | できること |
|---|---|
| 夜間に熱が出た | 連絡先を、あらかじめ調べておく |
| 周期が読めてきた | 次の波の前に、相談しておく |
| 旅行に行く | 行き先の病院も、調べておく |
| 預ける | 病名と、注意点を伝えておく |
| 迷ったとき | 電話で相談できる関係をつくっておく |
| いつも | 記録を持っていく |
「また来た」と思われるのでは——
そう気にする必要はありません。
繰り返すことがこの病気の性質です。
早く来てもらうほうが診るほうも助かります。
そして、免疫の働きが関わる病気という点では自己免疫性疾患とはまた別の話です。
あちらは免疫が強すぎて自分を攻撃するもの——
こちらは戦う細胞そのものが足りなくなるもの——
方向が逆なのです。
だから、免疫を抑える薬はこの病気には使いません。
すでに足りていないものをさらに抑えることになるからです。
同じ「血液の病気」でもやることがまったく違う——
診断が大事だという理由がここにあります。
よくある質問
Q. グレーコリー症候群とは、どんな病気ですか?
A. 灰色の被毛を持つコリーにみられる、先天性の血液の病気です。好中球が減少することが原因で、発熱、食欲減退、下痢、呼吸不全などの症状がみられます。
Q. 好中球とは何ですか?
A. 白血球のひとつで、入ってきた細菌とまっ先に戦う細胞です。これが減ると、感染に弱くなります。
Q. なぜ繰り返すのですか?
A. 好中球が周期的に減るためです。減っている時期に症状が出て、数が戻ると落ち着きます。この波が繰り返されるため、「よくなった」「また悪くなった」を繰り返すことになります。
Q. いつごろ発症しますか?
A. 生後2〜6か月齢で発症することが多い病気です。ただし、まれに症状が穏やかなケースもあり、その場合は2歳頃になるまで目立った症状は現れません。
Q. どんな犬に多いですか?
A. コリー系犬種は遺伝的に発症しやすいとされています。とくに、毛色がグレーあるいはシルバーのコリーは発症しやすい傾向があります。
Q. 遺伝するのですか?
A. 劣性(潜性)遺伝です。原因となる遺伝子が常染色体上にあり、一対の遺伝子両方に変異があると発症します。両親はどちらも健康に見えても、ともに持っていることがあります。
Q. 家でできることはありますか?
A. 感染を遠ざけることです。清潔な環境を保ち、体調を崩している犬に近づけないようにしてください。そして、熱が出たら早めに受診することが何より大切です。
Q. 記録は、何を書けばよいですか?
A. 熱が出た日と、よくなった日です。そこに症状の内容と、受けた治療を書き添えてください。「だいたい○日おきに熱が出ます」と言えることが、診断を大きく助けます。
Q. 血液検査で「異常なし」と言われましたが、違うのでしょうか?
A. 否定はできません。好中球は周期的に減るため、戻っている時期に調べれば数は正常に見えます。記録があれば、症状が出やすい時期に合わせて調べることができます。
Q. 免疫を強くする薬はありますか?
A. 根本から治す方法は、いまのところありません。波が来たときに、感染への治療や体を支える処置を行うという付き合い方になります。なお、免疫を抑える薬は、この病気には使いません。
Q. 予後はどうなのでしょうか?
A. 4歳を超えて生存することは難しいとされています。ただし、症状が穏やかなケースもあり、すべての犬が同じ経過をたどるわけではありません。その子の状態については、かかりつけの獣医師に聞いてください。
まとめ|カレンダーに、印をつけてください
この病気で飼い主にできることはふたつです。
記録することと早く受診すること——
熱が出た日にカレンダーへ印をつける——
それだけで周期が見えてきます。
そして、その周期が診断を運んできます。
まれな病気ほど飼い主の持っている情報がものを言います。
「同じことを繰り返しています」——
その一言から始めてください。
そして、波と波の間——
元気に過ごせている時間を大切にしてください。
この病気は厳しいものですが
その時間まで奪うものではありません。
今日できる3つ
- 1熱が出た日を、カレンダーに記録し始める
- 2受診のときに「これで何回目か」を必ず伝える
- 3迎えた先に、兄弟の様子を聞いてみる
繰り返すことには、理由があります。その周期が、答えを教えてくれます。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「犬のグレーコリー症候群|よくなったり、悪くなったりを繰り返すなら」でした。
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