犬の病気    犬の角膜潰瘍|深さで変わる、危険の度合い

 プロモーションが含まれています
急上昇ワード
犬の角膜潰瘍|深さで変わる、危険の度合い
犬の角膜潰瘍
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬の角膜潰瘍|深さで変わる、危険の度合い」です。ではどうぞ!

目を細めている。

涙が止まらない。

前足で、しきりに目をこすっている。

こうしたとき、角膜潰瘍という病気の可能性があります。

角膜——目の表面を覆う透明な組織傷ついて、えぐれている状態です。

この病気で知っておいてほしいのは、「深さ」で危険度がまったく違うということです。

上皮だけの浅い傷なら数日で治ることも多い。

けれど、実質まで及び、さらにデスメ膜まで達した状態穴が開く直前——視力を失う瀬戸際です。

そして、その差は見た目では分かりません。

この記事では、角膜の構造から深さの段階、そして受診の判断までを整理していきます。

結論

角膜潰瘍は傷の深さによって危険度がまったく違います。角膜は上皮・実質・デスメ膜・内皮の4層——上皮だけの表在性なら数日で治ることも多いのですが、実質に及ぶ深部性は治療が長引きます。さらに進んでデスメ膜瘤(穿孔の直前)になれば非常に危険な状態です。目を細める・涙が増える・目をこする——この3つのどれかがあればその日のうちに受診してください。市販の目薬や人用の点眼薬は、絶対に使わないでください。

この記事でわかること

  • 角膜は、4つの層でできている
  • 深さで変わる、3つの段階
  • 気づきのサインは、痛みから
  • 治療——深さによって変わる
  • してはいけないこと

角膜は、4つの層でできている

角膜の4つの層
角膜は薄い組織で、4つの層でできています。

角膜とは、目の表面を覆う透明な組織です。

薄い膜のように見えますが、実は4つの層からできています。

角膜の4層構造
位置 特徴
上皮 いちばん外側 再生が早い。数日で修復されることも
実質 上皮の内側 角膜の厚みの大半。再生は遅い
デスメ膜 実質の内側 非常に薄い膜。ここが最後の砦
内皮 いちばん内側 角膜の水分を調整する

角膜潰瘍とは、この構造が局所的に溶けて凹んだ状態を指します。

どこまで削れているか——それが、この病気の見通しを決めます。

上皮だけなら再生が早いので比較的順調に治ります。

けれど、実質まで削れると話が変わります。

実質は再生が遅く治っても濁りが残ることがあります。

そして、角膜が透明であることには理由があります。

光をまっすぐ通すため——そこが濁ればその分、見えにくくなります。

「傷が治る」ことと「元どおり透明になる」ことは別——

だからこそ、浅いうちに治療を始めることにはっきりした意味があります。

深さで変わる、3つの段階

潰瘍の深さと危険度
深くなるほど、急ぐ必要が出てきます。

潰瘍の深さは、大きく3つの段階で考えられます。

①表在性角膜潰瘍——上皮だけの傷

上皮の層だけが削れている状態です。

上皮は再生が早いため、適切な治療で数日から1週間ほどで治ることが多いとされています。

ただし、「浅いから放っておいていい」ということではありません。

細菌が入り込めば一気に深くなることがありますし、犬がこすれば傷は広がります。

痛みがあれば、犬はこすります。

そしてこすれば、もっと痛くなる——

この悪循環を止めること治療の最初の一歩になります。

エリザベスカラーは「かわいそうだから」と外さないでください。

数日つけておくこと視力を守ることにつながります。

②深部性角膜潰瘍——実質に及ぶ

傷が実質まで達した状態です。

治療が長引きます。そして、治ったあとも白い濁りが残ることがあります。

ここまで来るとより積極的な治療が必要になり、外科的な処置が検討されることもあります。

③デスメ膜瘤——穿孔の直前

もっとも危険な段階です。

実質がすべて溶けてしまい、デスメ膜という薄い膜1枚だけが残っている状態——

眼の中の圧力に押されて、その部分がぷっくりと隆起して見えます。

これがデスメ膜瘤です。

次に起こるのは、穿孔——角膜に穴が開いて、眼の中身が出てしまうという事態です。

⚠ この段階は、待てません

デスメ膜瘤や穿孔緊急事態です。

その日のうち——できるだけ早く動物病院へ連絡してください。

そして、絶対に目をこすらせないでください。

移動中も、エリザベスカラーがあれば着けてください。こすった衝撃で穴が開くことがあります。

気づきのサインは、痛みから

角膜潰瘍を疑うサイン
痛みのサインが先に出ることが多い病気です。

角膜には神経がたくさん通っています。

そのため、傷ついたときの痛みはかなり強い——

「目が白い」より先に「痛がるしぐさ」が出ることが多いのは、そのためです。

  • 目を細める、まばたきが増える
  • 涙が増える。透明な涙が流れ続ける
  • 前足で目をこする
  • 床やソファに顔をこすりつける
  • 白目が充血する
  • 目のまわりを触られるのを嫌がる

「目を細めて、涙が増えた」——

この2つだけで受診の理由になります。

そして、目が白く濁って見えることもあります。

これは角膜がむくんでいることによる変化で、角膜浮腫と呼ばれます。

「目が白い」の中身は、いくつもあります

飼い主が「目が白くなった」と感じたとき、その中身はひとつではありません。

「目が白い」の中身
見え方 考えられるもの
表面が曇る。青白い 角膜のむくみ(角膜浮腫)
白い斑点・線状の跡 角膜の傷や、治ったあとの濁り
目の奥が白い 白内障
灰色がかって見える 核硬化症(加齢の変化)
充血を伴う 緑内障、ブドウ膜炎など

見分けは、飼い主の仕事ではありません。

大切なのは「いつから」「片目か両目か」「痛がっているか」を伝えられるようにしておくことです。

痛がっているかどうか——これが、急ぐべきかどうかの大きな手がかりになります。

加齢による変化なら痛みは出ませんが、角膜潰瘍や緑内障では強い痛みが出ます。

治療——深さによって変わる

治療の内容は、潰瘍の深さと原因によって変わります。

内科的な治療
治療 内容
抗生剤の点眼 細菌の感染を防ぐ・抑える
消炎剤の点眼 炎症を抑える
角膜保護剤 ヒアルロン酸ナトリウムなど
自己血清点眼 犬自身の血液から作る点眼薬
コンタクトレンズ 患部を物理的に保護する
エリザベスカラー こすらせない。これも治療のうち

自己血清点眼——これは、その犬自身の血液から作る点眼薬です。

角膜が溶けるのを抑える働きが期待され、潰瘍が深い場合に用いられることがあります。

そして、内科的な治療で改善しない場合症状が重い場合には外科的な処置が検討されます。

  • 結膜フラップ——結膜で患部を覆う
  • 第三眼瞼(瞬膜)フラップ——瞬膜で覆う
  • 角膜縫合——傷を縫い合わせる
  • いずれも、角膜を守り、治りを助ける目的
  • 穿孔している場合は、緊急の対応になる
  • 眼科に詳しい病院を紹介されることもある

「フラップ」とは目の組織で傷ついた角膜を覆うという考え方です。

覆うことで刺激から守り、血液の成分が届きやすくして治りを助けます。

「目を覆ってしまって見えなくならないのか」——

そう心配される方もいますが、これは一時的な処置です。

角膜が治ったあとに覆いを外します。

そして、そのまま放置して穿孔させてしまうことのほうが視力にとってははるかに大きな損失になります。

目を守るために、いったん覆う——そういう治療だと考えてください。

治りにくい潰瘍もあります

浅い傷なのに、なかなか治らない——

そうした難治性の潰瘍があることも知られています。

ボクサー、フレンチブルドッグ、ゴールデンレトリーバーなどでは、上皮細胞がその下の基底膜にうまく接着できないことによる潰瘍が報告されています。

この場合、ふつうの点眼だけでは治りません。

接着できない部分を取り除く処置など、別の対応が必要になります。

「1〜2週間治療しても良くならない」なら、そのことをはっきり伝えてください。

繰り返す場合の考え方についてはこちらの記事でまとめています。

してはいけないこと

やってはいけないこと
自己判断が、取り返しのつかない結果を招きます。

この病気で絶対に避けてほしいことがあります。

市販の目薬や、人用の点眼薬を使うことです。

してはいけないこと
やりがちなこと なぜ危険か
市販の目薬をさす 成分が合わず、悪化させることがある
人用の点眼薬を使う ステロイドが入っていると、潰瘍が深くなる
以前もらった目薬を使う 今の状態に合っているとは限らない
自分で洗おうとする 刺激で悪化する
様子を見る 数日で深部に進むことがある
こすらせたままにする 穴が開くことがある

とくに危険なのがステロイドの入った目薬です。

炎症を抑える薬ですが、角膜に潰瘍があるときに使うと傷が深くなることがあります。

「前に処方された目薬が残っている」——

それを自己判断で使わないでください。以前の症状と今の症状が同じとは限りません。

受診までにできること

  • すぐに動物病院へ連絡する
  • エリザベスカラーがあれば着ける
  • こすらせない。前足を押さえるのではなく、環境で防ぐ
  • いつから症状が出たかを記録する
  • 目の写真を撮っておく(フラッシュは使わない)
  • 片目か両目かを確認する

「フラッシュは使わない」——

強い光は痛がっている目にはつらい刺激になります。

明るい場所で、自然光で撮るようにしてください。

そして、移動中もこすらせないこと。

キャリーの中で顔をこすりつけることがあります。そこまで気を配ってください。

そして、受診は「今日中」を目安に——翌日まで待つあいだに深部へ進むことが実際にあります。

かかりつけが休診なら、夜間対応の病院を探してください。目の病気は、半日の差が視力の差になることがあります。

原因と、なりやすい犬

角膜潰瘍の原因はひとつではありません。

角膜潰瘍の原因
原因 内容
外傷 草むら、他の犬との遊び、爪でこする
まつげの異常 逆さまつげなどが角膜を刺激する
まぶたの異常 内側に巻き込むと、毛が当たり続ける
涙の不足 乾性角結膜炎。角膜が乾いて傷つく
感染 細菌などが入り込む
目が閉じきらない 短頭種では、寝ているあいだも乾く

とくに注意したいのが短頭種です。

目が大きく突出しているため物理的にぶつけやすくまばたきで目が閉じきらないこともあります。

寝ているあいだに目が乾く——そこから傷ができることもあるのです。

短頭種の目の管理についてはペキニーズの記事でも解説しています。

そして、原因が残っている限り潰瘍は繰り返します。

逆さまつげ、まぶたの巻き込み、涙の不足——そうした下地を見つけて対処することが根本的な解決になります。

逆さまつげまぶたの巻き込み外科的に治せることがあります。「何度も潰瘍を繰り返している」なら、そうした手術を検討する段階かもしれません。

そして涙の不足(乾性角結膜炎)。涙が足りないと角膜が常に乾き、小さな刺激でも傷つくようになります。

目やにがねばつく、白目が充血している、角膜が全体的に曇っている——そうした様子があれば涙の量を測る検査を受けてみてください。涙を増やす点眼薬状況が大きく変わることがあります。

診断は、どう行われるか

「傷がどこまで届いているか」を調べるために、いくつかの検査が行われます。

行われる検査
検査 何を見るか
フルオレセイン染色 特殊な色素で、傷の範囲を光らせる
細隙灯(スリットランプ) 光を細く当て、傷の深さを見る
涙液量の検査 涙が足りているかを測る
まぶた・まつげの確認 刺激している原因がないか
眼圧の測定 緑内障などとの見分け
培養検査 必要に応じて、菌を調べる

フルオレセイン染色——これは、角膜潰瘍の診断で中心になる検査です。

色素をつけて特殊な光を当てる傷のある部分だけが緑色に光ります。

肉眼では分からない小さな傷もこの方法なら見えます。

そして、傷の範囲を記録しておくこと治療が効いているかどうかを次の受診で確かめられます。

再診に、必ず行ってください

角膜潰瘍では「言われた日に再診に行く」ことがとくに重要です。

治っているように見えても深くなっていることがある——そしてその逆もあるからです。

  • 指示された日に、必ず再診を受ける
  • 点眼の回数と時間を守る
  • 良くなったように見えても、自己判断でやめない
  • 悪化したと感じたら、予定日を待たずに連絡する
  • エリザベスカラーを勝手に外さない
  • 点眼が難しければ、そのことを相談する

「点眼が難しい」——これは、遠慮せず正直に伝えてよいことです。

嫌がって暴れる犬に1日に何度も点眼するのは、けっして簡単なことではありません。

回数を減らせる薬に変える、やり方を教えてもらう——対応してもらえることがあります。

「できていない」まま通い続けるのがいちばん良くない形です。正直に伝えれば、そこから調整してもらえます。

よくある質問

Q. 角膜潰瘍とは何ですか?

A. 目の表面を覆う角膜が、局所的に溶けて凹んだ状態です。角膜は上皮・実質・デスメ膜・内皮の4層でできており、どこまで削れているかによって危険度がまったく変わります。

Q. どんなサインが出ますか?

A. 目を細める、涙が増える、前足で目をこする——この3つが代表的です。角膜には神経が多く通っているため、痛みのサインが先に出ることが多い病気です。

Q. すぐ病院へ行くべきですか?

A. その日のうちに受診してください。浅い傷でも、数日で深部に進むことがあります。とくに目が突出して見える、白く濁っている場合は急いでください。

Q. デスメ膜瘤とは何ですか?

A. 角膜に穴が開く直前の、もっとも危険な状態です。実質がすべて溶け、デスメ膜という薄い膜1枚だけが残り、眼の中の圧力で隆起して見えます。緊急の対応が必要です。

Q. 市販の目薬を使ってもいいですか?

A. 使わないでください。とくにステロイドが入った目薬は、角膜に潰瘍があるときに使うと傷が深くなることがあります。以前処方された目薬も、自己判断で使わないでください。

Q. 治ったあとに濁りが残りますか?

A. 浅い傷なら跡が残らないことが多いのですが、実質まで及んだ場合は白い濁りが残ることがあります。だからこそ、浅いうちに治療を始めることに意味があります。

Q. なりやすい犬種はありますか?

A. 目が大きく突出している短頭種は、ぶつけやすく乾きやすいため注意が必要です。また、ボクサーやフレンチブルドッグ、ゴールデンレトリーバーなどでは治りにくい難治性の潰瘍が報告されています。

まとめ|深さは、見た目では分からない

角膜潰瘍は深さで危険度がまったく変わる病気です。

上皮だけなら数日で治ることも多い。

実質まで及べば治療は長引き、濁りが残ることもある。

デスメ膜瘤まで来れば穴が開く直前——

そして、この差は飼い主には分かりません。

目を細める。涙が増える。目をこする。

この3つのどれかがあれば、その日のうちに受診してください。

そして、市販の目薬を使わないこと。

良かれと思ってさした一滴が、傷を深くすることがあります。

角膜は光を通すための透明な組織です。

そこを守りきれるかどうかそのまま見える世界を守ることにつながります。

今日できる3つ

  • 1目を細める・涙が増える・目をこする——この3つを家族で共有する
  • 2エリザベスカラーが手元にあるか確認しておく
  • 3以前もらった目薬を、自己判断で使わないと決めておく

角膜の傷は、深さが見た目では分かりません。だからこそ、迷わず受診してください。

モフ@ペット好き

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「犬の角膜潰瘍|深さで変わる、危険の度合い」でした。
下記の#タグキーワードからも、関連記事を検索できます。

記事上に掲載された情報は投稿日現在のものです
Others
同じカテゴリの記事


この記事を書いた人

モフ@ペット好き 犬猫の悩みを即解決!は、愛猫・愛犬のしつけに悩む方、爪とぎや夜鳴き・吠えなどの問題行動を改善したい方、初めてペットを迎えて飼い方に不安を感じている方まで、犬猫に関する悩みに応える専門情報メディアです。

記事一覧はこちら
Category
カテゴリー
Recommendation
おすすめタグ
犬のしぐさ
犬のしつけ
犬の種類
ネコのサイン
ネコの種類
急上昇ワード