犬の病気    角膜潰瘍を繰り返す犬|原因は、目の外にあります

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角膜潰瘍を繰り返す犬|原因は、目の外にあります
繰り返す角膜潰瘍
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「角膜潰瘍を繰り返す犬|原因は、目の外にあります」です。ではどうぞ!

点眼を始めると、良くなる。

やめると、また同じ場所が傷つく。

気づけば、何度も同じことを繰り返している——

角膜潰瘍でこうした経過をたどっているなら、探すべきものは目そのものではありません。

何が、角膜を傷つけているのか。

まつげ。まぶた。涙の量。顔の形。そして、行動の癖——

「傷つける側」が残っている限り、傷はまた作られます。

この記事では、繰り返す潰瘍の下地をひとつずつ見ていきます。

病気そのもののしくみや深さの段階については角膜潰瘍の記事で解説しています。

結論

角膜潰瘍を繰り返すとき、原因は目の外にあります。逆さまつげ・まぶたの巻き込み・涙の不足・顔の形・こする癖——「傷つける側」が残っている限り、何度でも同じことが起こります。そして、浅い傷なのに何週間も治らない場合は上皮が下の膜にくっつけないという別のしくみが働いていることがあります。「治療しても再発する」ことは、そのまま診察で伝えるべき情報です。下地を探す段階に来ているという合図になります。

この記事でわかること

  • 治す対象が、ずれていませんか
  • まつげとまぶた——直接こすっているもの
  • 涙が足りないという、下地
  • 顔の形と、目が閉じきらないこと
  • 浅いのに治らない潰瘍

治す対象が、ずれていませんか

繰り返しの構図
治す対象がずれていることがあります。

角膜潰瘍の治療は、傷を治すことです。

抗生剤で感染を抑え、保護剤で角膜を守り、こすらせないようにする——それで、傷は治ります。

けれど、傷を作ったものはそこに残ったままです。

繰り返しの構図
段階 起きていること
①下地がある まつげ、まぶた、涙の不足など
②角膜が傷つく 潰瘍ができる
③治療する 点眼で、いったん治る
④下地は残る 何も変わっていない
⑤また傷つく ②に戻る

③で終わらせている限り、⑤は必ず来ます。

「治らない病気」なのではありません。

毎回きちんと治っていて、毎回また作られている——それだけのことです。

だから、治す対象を①に移す必要があります。

「繰り返している」ことを、必ず伝えてください

受診のたびに「目が痛そうです」とだけ伝えていると、

そのつどの傷を治す治療で終わってしまうことがあります。

「これで3回目です」「いつも同じ側の目です」——

その情報が、下地を探すきっかけになります。

まつげとまぶた——直接こすっているもの

目の外にある原因
傷を治すだけでは、また同じことが起こります。

もっとも分かりやすい下地がまつげとまぶたです。

角膜を、物理的にこすり続けているもの——

まつげ・まぶたの問題
状態 何が起きているか
逆さまつげ まつげが内側を向き、角膜に当たる
重生まつげ 本来ない場所からまつげが生える
眼瞼内反 まぶたが内側に巻き込む
眼瞼外反 外側にめくれ、目が乾きやすくなる
まぶたの腫瘤 できものが角膜に当たる
共通 毎回、同じ場所に傷ができやすい

「いつも同じ場所が傷つく」——

これは、物理的に当たっているものを疑う強い手がかりです。

そして、こうした問題の多くは外科的に治せます。

まぶたの向きを直す手術、問題のあるまつげを処置する方法——

手術と聞くと身構えますが、何年も潰瘍を繰り返すことと比べれば負担は小さいという考え方もできます。

点眼のたびに嫌がられ、エリザベスカラーをつけ、何度も通院する——

それが年に何回もとなれば、犬にとっても飼い主にとっても負担は積み重なります。

そして何より、繰り返すたびに角膜に濁りが残っていく——

視力そのものが少しずつ削られていくことになりかねません。

「今回も治ったから」で終わらせずに、次を防ぐ話をしてみてください。

生まれつきのものが多い

まぶたやまつげの問題は生まれつきのものが少なくありません。

そのため、若いうちから繰り返しているならとくに疑う価値があります。

  • 1歳前後から、目のトラブルが続いている
  • いつも同じ側の目が悪くなる
  • ふだんから涙が多く、目のまわりが濡れている
  • まばたきの回数が多い
  • まぶたの形が左右で違って見える
  • 親や兄弟にも同じ傾向がある

「涙やけが治らない」という悩みの背景にまつげやまぶたの問題が隠れていることもあります。

涙の流れそのものについてはマルチーズの記事で切り分け方を解説しています。

涙が足りないという、下地

涙が足りないという下地
乾いた角膜は、小さな刺激でも傷つきます。

もうひとつの大きな下地が涙の不足です。

涙は角膜を潤し、守り、栄養を運ぶ役割を持っています。

その涙が足りなければ——

角膜は常に乾き、小さな刺激でも傷つくようになります。

涙の不足を疑うサイン
サイン 内容
ねばつく目やに 糸を引くような目やにが増える
白目の充血 いつも赤い状態が続く
角膜のくすみ 全体につやがなく見える
まばたきが増える 乾きを補おうとする
角膜が黒ずむ 長く続くと色素が沈着することも
潰瘍を繰り返す 守りが弱くなっている

「涙が少ない」のに「目やにが多い」——

一見、矛盾して見えます。

けれど、涙のうち水分の成分が減ると粘り気のある成分だけが残る——

だからねばつく目やにになるのです。

そして、これは検査で数値として測れます。

「涙の量を測ってもらえますか」——繰り返しているなら、そう聞いてみる価値があります。

涙が減る背景にも、原因があります

涙が減る背景にはいくつかの原因が考えられています。

  • 免疫のしくみが涙腺を攻撃してしまう
  • 薬の影響
  • ホルモンの病気
  • 神経の問題
  • 過去の炎症や手術の影響
  • 犬種としての傾向

涙を増やす点眼薬が使われることがあり、それで状況が大きく変わることもあります。

ただし、多くの場合生涯にわたる管理になります。

「治す」というより「続ける」——

そう聞くと重く感じるかもしれませんが、続けている限り潰瘍を繰り返さずに済むのなら意味のある管理です。

顔の形と、目が閉じきらないこと

顔の構造そのものが下地になることもあります。

とくに短頭種——

顔の形が生む下地
特徴 起きること
目が大きく突出している 物理的にぶつけやすい
まばたきで閉じきらない 角膜の中央が乾く
鼻のシワが目に近い 毛が角膜に当たる
涙が広がりにくい まばたきの効率が落ちる
まぶたの開きが大きい 乾燥面が広くなる
結果 同じ場所に潰瘍が繰り返しやすい

「寝ているあいだも目が完全に閉じていない」——

これは、飼い主が気づけることです。

眠っているときにそっと顔を見てみてください。

白目や角膜が見えているなら、その部分は一晩じゅう乾いていることになります。

この場合、就寝前に保護用の眼軟膏を使うといった対応が取られることがあります。

短頭種の目の管理についてはペキニーズの記事パグの記事でも解説しています。

行動の癖も、下地になります

見落とされやすいのが行動です。

  • 顔を床やソファにこすりつける癖がある
  • 草むらに顔を突っ込む
  • 他の犬と激しく遊ぶ
  • 車の窓から顔を出す
  • シャンプーの泡が目に入っている
  • 後ろ足でしきりに顔をかく

「顔をこすりつける癖」——

これ自体がかゆみのサインであることもあります。

アレルギーで目のまわりがかゆいからこすり、こするから角膜が傷つく——

そこまでさかのぼると皮膚の問題に行き着くことがあります。

体のほかの場所もかいていないか——そこも見てみてください。

足先をなめ続けている、耳を気にしている、お腹が赤い——

そうした様子が同時にあるなら、目だけの問題ではない可能性が高くなります。

アレルギーが下地にあると、目も耳も皮膚も同時に悪くなる——

そのつながりが見えれば、治療の方向がはっきりします。

同じ構図は外耳炎を繰り返す場合にも当てはまります。

浅いのに治らない潰瘍

上皮がくっつかない潰瘍
浅いのに治らない——そういう潰瘍があります。

最後に、下地とは別のしくみで治らない潰瘍について触れておきます。

上皮だけの浅い傷なのに何週間も治らない——

そうした難治性の潰瘍があることが知られています。

難治性潰瘍について
項目 内容
見た目 浅い。上皮だけ
経過 何週間も治らない
しくみ 上皮が、その下の膜に接着できない
報告のある犬種 ボクサー、フレンチブルドッグ、ゴールデンレトリーバーなど
年齢 中高齢で多いとされる
治療 点眼だけでは治らないことがある

上皮は再生します。

けれど、再生した上皮がその下の膜にくっつけない——

だから、また剥がれる。

この場合、接着できない部分を取り除く処置など別の対応が必要になります。

「1〜2週間治療しても変わらない」——

それは、はっきり伝えるべき情報です。

⚠ 経過を、記録しておいてください

いつから治療を始めたか

何回目の潰瘍か

片目か、両目か。いつも同じ側か

季節や状況に、傾向はあるか

過去にどんな薬を使ったか

この記録が、下地を見つける手がかりになります。

感染と、薬の使い方という落とし穴

下地の話とは別に、治療の進め方そのものが再発に関わっていることもあります。

治療での落とし穴
やりがちなこと 何が起きるか
良くなったら点眼をやめる 治りきる前に戻る
以前の目薬を使い回す 今の状態に合っていない
ステロイド入りを自己判断で使う 潰瘍が深くなることがある
再診に行かない 治ったかどうかを確認できない
カラーを早く外す こすって、また傷つく
点眼の間隔があく 効果が続かない

とくに「良くなったからやめる」——

痛みが引くのは治りきる前です。

見た目に問題がなくなっても、角膜の表面はまだ不安定という段階があります。

そこでやめると、また剥がれる——

これは「再発」に見えますが、実際には治りきっていなかったということでもあります。

だから、再診が要ります。

色素で染めて傷が残っていないかを確かめてもらう——

「もう大丈夫」を自分で判断しないことが繰り返しを減らします。

そして、感染が関わっている場合——

どの菌がいて、どの薬が効くのか調べてもらうという選択肢もあります。

繰り返している、薬を変えても変わらない——

そうした状況なら、培養と感受性の検査を相談してみてください。

推測で薬を変え続けるより、調べてから選ぶほうが結果的に早いことがあります。

眼科に詳しい病院という選択肢

繰り返している、治らない——

そうした場合、眼科に詳しい病院を紹介してもらうという選択肢があります。

眼科に詳しい病院でできること
できること 内容
詳しい検査 専門的な機器で、細かく調べられる
下地の特定 まつげ、まぶた、涙、神経など
外科的な処置 まぶたの手術など
難治性への対応 接着の問題への処置
相談 今後の見通しを聞ける

「かかりつけの先生に悪い気がする」——

そう感じる方もいますが、紹介は獣医療ではごくふつうのことです。

「一度、詳しく診てもらえるところはありますか」と聞いてみてください。

そのほうが、犬にとっても早い解決につながります。

紹介を受けたあとも、ふだんの診療はかかりつけで続ける——そういう形が一般的です。

「乗り換える」わけではありません。

詳しく調べてもらい、方針を決めて、また戻ってくる——

そうやって役割を分けるのが実際の進み方です。

そして、目の病気では時間が視力に直結します。

迷っている期間が長引くことのほうが結果として大きな損失になりかねません。

家でできる、下地を探す観察

受診の前に、家で見ておけることがいくつかあります。

  • 眠っているとき、目が完全に閉じているか
  • まぶたの縁を、明るい場所でよく見る
  • 目やにの性状(さらさらか、ねばつくか)
  • まばたきの回数が多くないか
  • 顔をこすりつける癖がないか
  • 体のほかの場所もかいていないか

「まぶたの縁をよく見る」——

明るい場所で、そっとまぶたをめくって縁を見てみてください。

まつげが内側を向いていないか。本来ない場所から生えていないか。

スマートフォンで拡大して撮ると見えやすくなります。

そして、その写真を診察で見せる——

犬が診察室で嫌がってよく見られないことは珍しくありません。

家で撮った落ち着いた状態の写真そのまま情報になります。

ただし、痛がっている目を無理に触らないでください。

症状が落ち着いているときに観察するほうが安全です。

そして、目のまわりを触られることに慣らしておく——

これは、点眼が生涯続く可能性のある犬では大きな意味を持ちます。

子犬のうちから、顔や目のまわりを触っておやつをもらう経験を積ませておくと、

治療そのものが格段に楽になります。

よくある質問

Q. 治療すると治るのに、また再発します

A. 傷を作っている原因が、目の外に残っているためです。まつげ、まぶた、涙の不足、顔の形、こする癖——そこに手を打たない限り、何度でも同じことが起こります。

Q. いつも同じ側の目が悪くなります

A. 物理的に当たっているものを疑う、強い手がかりです。逆さまつげ、まぶたの巻き込み、まぶたのできもの——そうしたものが片側にあると、毎回同じ場所が傷つきます。

Q. 涙が少ないのに目やにが多いのはなぜ?

A. 涙のうち水分の成分が減ると、粘り気のある成分だけが残るためです。だからねばつく目やにになります。涙の量は検査で数値として測れます。

Q. 涙を増やす治療はありますか?

A. 涙を増やす点眼薬が使われることがあります。それで状況が大きく変わることもありますが、多くは生涯にわたる管理になります。続けている限り潰瘍を繰り返さずに済むのなら、意味のある管理です。

Q. まぶたの手術は必要ですか?

A. 何年も潰瘍を繰り返すことと比べれば、負担は小さいという考え方もできます。まぶたの向きを直す、問題のあるまつげを処置する——根本的な解決になることがあります。獣医師と相談してください。

Q. 浅い傷なのに何週間も治りません

A. 上皮が、その下の膜に接着できないという難治性の潰瘍かもしれません。ボクサー、フレンチブルドッグ、ゴールデンレトリーバーなどで報告があります。点眼だけでは治らないため、別の処置が必要になります。

Q. 眼科の病院を紹介してもらえますか?

A. 「一度、詳しく診てもらえるところはありますか」と聞いてみてください。紹介は獣医療ではごくふつうのことです。目の病気では、迷っている時間が視力に直結します。

まとめ|傷ではなく、傷つけるものを

角膜潰瘍を繰り返しているとき、治すべきは傷ではありません。

傷をつけているものです。

まつげ。まぶた。涙の量。顔の形。こする癖。

そのどれかが残っている限り、何度でも同じことが起こります。

そして、「繰り返している」ことは診察で伝えるべき情報です。

「これで3回目です」「いつも同じ側です」——

その一言が、治療の方向を変えます。

下地が見つかれば、繰り返しは止められます。

まぶたの手術で終わることもあれば、涙の点眼を続けることになることもあります。

けれど、「なぜ起きているか」が分かっている状態分からないまま繰り返す状態まったく違います。

まず、下地を探す——そこから始めてください。

今日できる3つ

  • 1これまでの発症時期を書き出し、いつも同じ側かどうか確かめる
  • 2眠っているとき、目が完全に閉じているか見てみる
  • 3次の受診で「涙の量を測ってもらえますか」と聞いてみる

繰り返す潰瘍は、治っていないのではありません。毎回、また作られているのです。

モフ@ペット好き

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「角膜潰瘍を繰り返す犬|原因は、目の外にあります」でした。
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