

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫のゴロゴロの正体|25Hzの振動が骨を治すという説がある」です。ではどうぞ!
膝の上で丸くなった猫が、静かにゴロゴロと喉を鳴らしはじめる。手のひらに伝わる細かな振動。猫と暮らす人にとって、これ以上ないほど幸せな時間です。
この音を「猫が満足しているサイン」だと思っている方は多いでしょう。それは正しいのですが、それだけではありません。
驚くことに、猫は痛みを感じているときや、強い不安を抱えているときにもゴロゴロと鳴らします。動物病院の診察台の上で、あるいは命の最期の場面でも鳴らすことが知られています。
なぜ正反対の状況で同じ音を出すのか。その謎を解く鍵が、この音の周波数にあります。ゴロゴロ音は20〜120Hzの低周波振動で、この帯域には骨や組織の修復を促す作用が報告されているのです。
結論
猫のゴロゴロ音は、喉の内側の筋肉(内喉頭筋)を1秒間に25回前後振動させて出しています。周波数は20〜120Hzで、機嫌がよいときは25Hz前後。この帯域には骨や組織の修復を促す作用があるとされ、「自分の傷を治すための音」という説があります。だから痛いときにも鳴らすのです。
この記事でわかること
- ✓ゴロゴロ音が生まれる、体の仕組み
- ✓鳴き声とは別の仕組みで出している証拠
- ✓20〜120Hzという周波数が持つ意味
- ✓「傷を治すための音」という説の根拠
- ✓シーン別・ゴロゴロが表している5つの気持ち
ゴロゴロ音は、どうやって出しているのか

実は、ゴロゴロ音が鳴る仕組みは完全には解明されていません。身近な現象でありながら、いまだ研究途上の分野です。
現在最も有力とされているのが、喉の内側にある筋肉(内喉頭筋)が振動しているという説です。
脳から送られた信号によってこの筋肉が1秒間に25回前後という速さで収縮・弛緩を繰り返します。そこを空気が通ることで、流れが断続的に遮られ、あの独特の振動音が生まれると考えられています。
鳴き声とは、まったく別の仕組み
ここが重要なポイントです。「ニャー」という鳴き声は声帯を震わせて出しますが、ゴロゴロ音はそうではありません。
その証拠に、猫は口を閉じたままゴロゴロ鳴らせます。そして息を吸うときも吐くときも、音が途切れません。
鳴き声であれば、息を吐くときにしか出せません。呼吸の両方向で音が続くというのは、声帯とは別の場所で音が作られている証拠なのです。
さらに研究によって、吸うときと吐くときで周波数がわずかに違うことも分かってきています。
生後2日目から鳴らしはじめる
子猫は、生まれてわずか2日ほどでゴロゴロ鳴らしはじめます。目もまだ開いていない時期です。
この時期の子猫にとって、ゴロゴロは母猫に「ここにいるよ」「元気だよ」と伝える手段です。母猫のほうも授乳中にゴロゴロ鳴らし、その振動が子猫に安心を伝えます。
つまりゴロゴロ音は、猫が生涯で最初に身につけるコミュニケーション手段だといえます。成猫になって人に対して鳴らすのは、この母子のやりとりの延長線上にあると考えられています。
20〜120Hzという周波数が持つ意味

ゴロゴロ音の周波数は20〜120Hzの幅があります。そして状況によって、その値が変わることが分かっています。
機嫌がよくリラックスしているときは25Hz前後。一方でストレスを感じているときは40Hz前後まで上がることが多いとされます。
つまり同じゴロゴロでも、音の性質が違うのです。飼い主が「今日のゴロゴロはいつもと違う気がする」と感じるとき、その直感は的外れではないかもしれません。
「傷を治すための音」という説

ここからが、この音の最も興味深い部分です。
医学の分野では、特定の周波数の振動が骨や組織の治癒を促進するという研究があります。報告によれば、25〜50Hzの振動は骨の修復や形成を、50〜150Hzは筋肉・腱・靱帯・神経組織の再生を助けるとされています。
お気づきでしょうか。この帯域は、猫のゴロゴロ音の周波数とほぼ完全に重なります。
ここから生まれたのが、「猫は自分の傷を治すためにゴロゴロ鳴らしている」という仮説です。
なぜ「治すための音」が必要だったのか
野生時代の猫は、狩りや縄張り争いで小さな傷が絶えませんでした。そして猫は待ち伏せ型のハンターであり、獲物を待つ長い時間を、じっと動かずに過ごします。
動かない時間が長ければ、骨や筋肉は衰えます。そこで休んでいる間に自分の体を振動させ、骨と筋肉を維持し、傷の治りを早める——そんな仕組みを身につけたのではないか、と考えられているのです。
これはまだ仮説の段階であり、確定した事実ではありません。しかし「猫が痛いときや不調のときにもゴロゴロ鳴らす」という一見矛盾した現象を、うまく説明できる説だといえます。
シーン別|ゴロゴロが表している5つの気持ち

ゴロゴロには複数の意味があります。状況とあわせて読み解くことで、猫が何を伝えようとしているのかが見えてきます。
1. 満足・リラックス(最も多い)
撫でられているとき、日向で丸くなっているとき、飼い主の膝の上にいるとき——最も一般的なのが、この満足のゴロゴロです。
このときの猫は、体全体の力が抜けています。耳は自然な角度で前を向き、尻尾はゆったりと動くか、静かに置かれています。目は半分閉じ、いわゆる「猫の目つぶり」を見せることもあります。
2. 要求(ごはん・かまってほしい)
食事の時間が近づくと鳴らすゴロゴロは、リラックスのそれとは音の質が違います。
研究によれば、要求時のゴロゴロには通常より高い周波数の成分が混ざることが分かっています。この音は人間にとって「無視しにくい」性質を持つとされ、赤ん坊の泣き声に近い成分が含まれるという指摘もあります。
猫は経験的に、この音が人に効くことを学習しています。つまり人間に向けて最適化されたおねだりなのです。
3. 母子のコミュニケーション
前述のとおり、子猫は生後2日目から鳴らしはじめます。授乳中の子猫と母猫は、互いにゴロゴロ鳴らし合っています。
成猫が人に対して鳴らすのは、飼い主を母猫のような存在として認識しているという見方もあります。膝の上で鳴らすのは、そのまま子猫時代の再現なのかもしれません。
4. 自分を落ち着かせる
動物病院の診察台の上でゴロゴロ鳴らす猫がいます。リラックスしているわけではなく、強い緊張のなかで自分を鎮めようとしている状態です。
人間が緊張したときに深呼吸するのと、似た働きだと考えられています。このときの周波数は40Hz前後まで上がることが多いとされます。
5. 痛みや不調をやわらげる
そして最も注意すべきなのが、この5つ目です。猫は具合が悪いときにもゴロゴロ鳴らします。
骨折している猫、内臓に問題を抱えた猫、そして命の最期を迎えようとしている猫がゴロゴロ鳴らすことが報告されています。
「ゴロゴロ鳴らしているから大丈夫」という判断は、この点で危険です。実際に不調のサインとしてのゴロゴロをどう見分けるかは、喉をゴロゴロ鳴らす理由の見分け方の記事で詳しく解説しています。
ゴロゴロだけで判断しない|一緒に見るべきサイン
ゴロゴロ音は、それ単独では意味が確定しません。体の他の部分が出しているサインとあわせて読むことで、はじめて猫の気持ちが見えてきます。
| 体の部分 | リラックスしているとき | 緊張・不調のとき |
|---|---|---|
| 耳 | 自然に前を向いている | 後ろに倒れる、横に開く |
| 瞳孔 | 細長い、または普通 | まん丸に開いている |
| ひげ | ゆるやかに横へ広がる | 前に張る、または頬に貼りつく |
| 体の力 | 抜けている、伸びている | こわばる、縮こまる |
| 尻尾 | ゆったり動く、静か | 太くなる、細かく震える |
| 姿勢 | 横になる、お腹を見せる | うずくまる、隠れる |
特に注目したいのが耳です。猫の耳は感情を最も正直に映す部位で、後ろに倒れていれば不安や警戒を表しています。
ゴロゴロ鳴らしていても耳が後ろを向いているなら、それは満足ではなく自分を落ち着かせようとしている状態かもしれません。
観察するときのチェックポイント
- 耳の向き(前を向いているか、後ろに倒れているか)
- 瞳孔の大きさ(明るさに対して不自然に開いていないか)
- 体の力み(抱いたとき、こわばっていないか)
- 姿勢(伸びているか、縮こまっているか)
- その場から動くかどうか(じっとして動かないのは要注意)
これらを普段から見ておくと、「いつもと違う」に気づける精度が上がります。猫は不調を隠す動物なので、平常時の様子を知っていることが何よりの武器になります。
子猫と高齢猫のゴロゴロ
ゴロゴロの意味は、猫の年齢によっても変わってきます。
子猫のゴロゴロ
生後2日目から鳴らしはじめる子猫にとって、ゴロゴロは生存に直結するコミュニケーションです。
目も見えず、耳もまだよく聞こえない時期の子猫は、この振動によって母猫の位置を知り、自分の存在を伝えます。授乳中にゴロゴロ鳴らすのは「ちゃんと飲めているよ」という合図でもあります。
保護した子猫がゴロゴロ鳴らしはじめたら、それは環境に安心しはじめたサインと考えてよいでしょう。
高齢猫のゴロゴロ
一方で、高齢の猫のゴロゴロには注意が必要です。
シニア期の猫は、関節炎や口内炎、腎臓病など慢性的な不調を抱えていることが増えます。そして猫は痛みを表に出さない動物です。
「最近よくゴロゴロ鳴らすようになった」という変化が、実は痛みを自分でやわらげようとしている結果である可能性もあります。
次のような変化があれば、ゴロゴロの有無にかかわらず動物病院で相談してください。
- 高い場所へ飛び乗らなくなった(関節の痛み)
- 毛づくろいが減り、毛づやが落ちてきた
- 食べる量が減った、硬いフードを避けるようになった
- 水を飲む量が増えた(腎臓病のサイン)
- 寝ている時間が明らかに増えた
ゴロゴロは、人間にも効いている
猫のゴロゴロが人間に与える影響についても、いくつかの指摘があります。
猫を撫でながらゴロゴロ音を聞いていると、血圧が下がる、ストレスホルモンが減るといった変化が報告されています。
これは音そのものの効果というより、「猫を撫でている」という行為全体がもたらすリラックス効果と考えるほうが妥当でしょう。しかし飼い主として、この時間が心身にいい影響を与えていることは実感として理解できるはずです。
| 場面 | 猫の状態 | 見分けるポイント |
|---|---|---|
| 膝の上・撫でられている | 満足・リラックス | 体の力が抜け、目が半分閉じている |
| 食事の前・帰宅時 | 要求 | 高い音が混ざる。すり寄りや鳴き声を伴う |
| 寝床・母猫のそば | 安心・母子の交流 | 静かで穏やかな音 |
| 動物病院・知らない場所 | 緊張・自己鎮静 | 体がこわばり、耳が後ろを向く |
| じっとして動かない | 不調の可能性 | 食欲低下や隠れる行動を伴う |
ゴロゴロを引き出すために、飼い主ができること
ゴロゴロは強制できるものではありませんが、猫が安心できる環境を整えることで、自然と増えていきます。
| やり方 | なぜ効くのか |
|---|---|
| 猫のほうから来るまで待つ | 主導権を猫に渡すと安心度が上がる |
| 顎の下・頬・耳の付け根を撫でる | 猫が自分で毛づくろいしにくい場所 |
| ゆっくりまばたきを返す | 「敵意はない」という猫の合図 |
| 高い場所に居場所を作る | 見下ろせる位置は猫にとって安全地帯 |
| 静かな声で話しかける | 大きな音や高い声は猫を緊張させる |
特に効果的なのが「猫のほうから来るまで待つ」ことです。追いかけて抱き上げるより、自分から膝に乗ってきたときのほうが、猫は深くリラックスします。
逆に、次のような接し方は避けてください。
- 寝ているところを無理に起こして抱き上げる
- 嫌がっているのに押さえつけて撫で続ける
- お腹や尻尾など、猫が嫌がりやすい場所を触る
- 大きな声で名前を呼びながら近づく
- 抱っこしたまま歩き回る、動きを制限する
猫のゴロゴロは信頼の結果として出てくる音です。引き出そうとするより、安心できる関係を積み重ねることが近道になります。
よくある質問
Q. すべての猫がゴロゴロ鳴らしますか?
A. ほとんどの猫が鳴らしますが、個体差があります。めったに鳴らさない猫もいれば、常に鳴らしている猫もいます。鳴らさないからといって不幸せなわけではなく、その子の表現方法の違いだと考えてください。
Q. ライオンやトラもゴロゴロ鳴らしますか?
A. 大型のネコ科動物は、猫と同じようには鳴らせません。ライオンやトラは喉の構造が違い、代わりに大きな咆哮を出せます。一方でチーターやピューマなど、咆哮できない種はゴロゴロ鳴らすことが知られています。
Q. ゴロゴロ音が急に大きくなりました。何かありますか?
A. 音の大きさや質の変化は、状況の変化を示している可能性があります。ただし音だけで判断するのは困難です。食欲、活動量、隠れる行動といった他の様子とあわせて観察してください。
Q. なぜ痛いときにも鳴らすのですか?
A. 有力な説が「自己治癒のため」です。ゴロゴロ音の周波数帯(20〜120Hz)は、骨や組織の修復を促すとされる帯域とほぼ重なります。自分の体を振動させることで、傷の治りを早めているのではないかと考えられています。
Q. ゴロゴロ鳴らしているときに撫でてもいいですか?
A. リラックスしている場面であれば問題ありません。ただし体がこわばっている、耳が後ろを向いているといった場合は、緊張や不調のサインかもしれません。無理に触らず、様子を見てください。
Q. ゴロゴロ音を人間が真似すると、猫は反応しますか?
A. 反応する猫はいますが、猫が出す振動を人間の声で再現するのは困難です。周波数も出し方もまったく違うためです。猫とのコミュニケーションでは、ゆっくりまばたきをする「猫の目つぶり」のほうが伝わりやすいでしょう。
Q. ゴロゴロ音は健康にいいと聞きました。本当ですか?
A. 猫を撫でながら過ごす時間に血圧低下やストレス軽減といった効果が報告されています。ただし音そのものの効果というより、猫とふれあう行為全体がもたらすものと考えるのが妥当です。
まとめ|ゴロゴロは「幸せ」だけの音ではない
猫のゴロゴロ音は、喉の内側の筋肉を1秒間に25回前後振動させて生み出されています。声帯を使う鳴き声とは別の仕組みであり、だから口を閉じたままでも、息を吸いながらでも鳴らせるのです。
周波数は20〜120Hz。この帯域には骨や組織の修復を促す作用が報告されており、そこから「自分の傷を治すための音」という説が生まれました。
だからこそ猫は、幸せなときだけでなく、痛いときにも、不安なときにも鳴らします。「ゴロゴロ鳴らしているから大丈夫」とは限らないのです。
それでも、膝の上で鳴らしてくれるゴロゴロが信頼と安心の表れであることに変わりはありません。その音の正体を知ったうえで、もう一度その振動を手のひらで感じてみてください。
今日から試してみたい3つのこと
- 1ゴロゴロの音質を意識して聞き分けてみる(穏やかか、高い音が混ざるか)
- 2鳴らしているときの耳・尻尾・体の力み具合をあわせて観察する
- 3じっとして動かないのに鳴らしているときは、食欲と活動量を確認する
ゴロゴロは、猫が最初に覚えるコミュニケーションです。その音に耳を澄ませることが、猫の言葉を聞くということなのかもしれません。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「猫のゴロゴロの正体|25Hzの振動が骨を治すという説がある」でした。
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