

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「セルカークレックスの飼い方|巻き毛はとかしすぎない」です。ではどうぞ!
全身を覆う、やわらかい巻き毛。ひげまでカールしている個体もいます。セルカークレックスは、「羊のような猫」と呼ばれることがあります。
がっしりとした骨太の体つきに、もこもことした被毛。その独特の姿は、一度見たら忘れられません。
この猫を飼ううえで、まず知っておいてほしいことがあります。
巻き毛の手入れは、他の長毛種とは方針が逆だということです。
長毛の猫といえば、「毎日しっかりとかす」のが基本です。しかしこの猫種では、とかしすぎると巻きが伸びてしまいます。
この記事では、巻き毛をどう扱うかを中心に、巻き毛が生まれる仕組みとペルシャ由来の健康上の課題について書いていきます。
結論
セルカークレックスの巻き毛は、とかしすぎると伸びてしまいます。ブラッシングは週1〜2回、目の粗いコームで、もつれをほぐす程度にとどめてください。そして繁殖にペルシャが使われてきたため、多発性嚢胞腎(PKD)と肥大型心筋症(HCM)のリスクを引き継いでいます。両親の検査を必ず確認してください。
この記事でわかること
- ✓セルカークレックスの体重・寿命・価格の目安
- ✓巻き毛が生まれる仕組みと、ストレートの個体
- ✓とかしすぎてはいけない理由と、正しい手入れ
- ✓ペルシャ由来のPKD・HCMという課題
- ✓穏やかで人懐こい性格と、暮らしの相性
セルカークレックスの基本データ
まずは数字で全体像をつかみます。

体重はオスで4〜7kg、メスで3〜5kgほど。骨太でがっしりした体つきをしており、そこに密度の高い被毛が乗るため実際よりさらに大きく見えます。
平均寿命は12〜15歳とされます。被毛には長毛と短毛の両方があり、どちらも巻き毛です。
1987年に見つかった、1匹の猫から
セルカークレックスの歴史は、比較的新しいものです。
1987年、アメリカの保護施設で巻き毛を持つ1匹の子猫が見つかりました。この個体をペルシャと交配させたところ、巻き毛の子猫が生まれ、猫種として確立されていきます。
繁殖にペルシャが多く使われたのは、この経緯によるものです。現在のセルカークレックスのがっしりした体つきと丸い顔は、ペルシャから受け継いだものだと言えます。
そしてペルシャの遺伝的な課題も、一緒に引き継ぐことになりました。この点は後で詳しく触れます。
ラパーマとは別の巻き毛
巻き毛を持つ猫種には、セルカークレックスのほかにラパーマやデボンレックスなどがあります。
ただしこれらは別々の遺伝子によるものです。セルカークレックスの巻き毛はSe遺伝子と呼ばれるもので、ラパーマのLp遺伝子とは異なります。
| 猫種 | 毛質の特徴 |
|---|---|
| セルカークレックス | やわらかく、密度が高い。もこもこ |
| ラパーマ | ゆるやかなウェーブ。軽い質感 |
| デボンレックス | 短く細い。巻きが細かい |
| コーニッシュレックス | 非常に短く、波打つ |
セルカークレックスの毛は、最もボリュームがあるのが特徴です。他の巻き毛種が細く軽い毛質なのに対し、この猫種は密でふわふわとしています。
巻き毛が生まれる仕組み

セルカークレックスの巻き毛は、片方の親から受け継ぐだけで現れるタイプの遺伝子によるものです。
1腹に、ストレートの個体も生まれる
そのため、巻き毛の親とストレートの親を交配させると、生まれる子猫はおよそ半々に分かれます。
巻き毛で生まれた個体がセルカークレックスとして流通し、ストレートで生まれた個体も同じ猫種として登録されます。
ストレートの個体は「失敗」ではありません。同じ親から生まれ、性格も体格も同じ。違うのは毛の質感だけです。
むしろ手入れの面では扱いやすく、価格も抑えめになることがあります。選択肢として検討する価値は十分にあります。
巻きの強さは、成長とともに変わる
この猫種でよく知られているのが、巻きの強さが年齢によって変化するという点です。
- 生まれたときは、巻き毛がはっきり出ている
- 生後数か月で、一度巻きがゆるむことがある
- その後、成長とともに再び巻きが強くなる
- 完全に落ち着くのは1〜2歳ごろ
- 季節や体調によっても、巻きの見え方は変わる
- 湿度が高いと、巻きが強く見えることもある
子猫の時点で巻きが弱くても、落胆する必要はありません。その後変わっていく可能性があります。
逆に「今は巻きが強い」からといって、その状態が続くとも限りません。巻きの強さで選びすぎないほうが、この猫種とは長くうまく付き合えます。
とかしすぎてはいけない

ここが、この記事でいちばん実用的な部分です。
なぜ、とかしすぎると巻きが伸びるのか
巻き毛は、毛が自然にカールした状態です。そこにブラシやコームを通すと、物理的に毛がまっすぐ引き伸ばされます。
一度や二度なら元に戻りますが、頻度が高いと巻きが戻りにくくなります。とくに目の細かい櫛やスリッカーブラシを毎日使うと、影響がはっきり出ます。
「長毛だからしっかりとかそう」という発想は、この猫種では逆効果になります。
正しい手入れの方針
では、どうすればよいのか。方針はシンプルです。
- ブラッシングは週1〜2回にとどめる
- 目の粗いコームを使う
- 全体を梳かすのではなく、もつれた部分だけをほぐす
- スリッカーブラシは、抜け毛が多い時期だけ軽く
- 指でほぐすだけでも十分な場合が多い
- 換毛期は頻度を上げるが、それでも週3回程度まで
放置してよいという意味ではありません。密度が高い被毛なので、まったく手をかけなければ毛玉ができ、皮膚のトラブルにつながります。
「もつれだけを取る」——この線引きが、この猫種の手入れの要点です。
シャンプーと乾かし方
洗ったあとの乾かし方でも、巻きの見え方は変わります。
| 方法 | 巻きへの影響 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| 自然乾燥 | 巻きが保たれる | この猫種に最適 |
| タオルで押さえて水を取る | 巻きを崩さない | おすすめ |
| タオルでこすって拭く | 巻きが崩れる | 避けたい |
| ドライヤーの強風 | 巻きが伸びる | 避けたい |
| ドライヤーの弱風・低温 | 影響は小さい | 急ぐときは可 |
タオルで「押さえて」水分を取るのが基本です。こすると巻きがほぐれてしまいます。
ただし、生乾きのまま放置すると皮膚のトラブルにつながります。自然乾燥を選ぶ場合は、暖かい部屋で確実に乾かしてください。
ペルシャ由来の、健康上の課題

繁殖にペルシャが多く使われてきたため、その系統の遺伝性疾患を引き継いでいます。
| 疾患 | 内容 | 対策 |
|---|---|---|
| 多発性嚢胞腎(PKD) | 腎臓に嚢胞ができ、機能が落ちる | 両親の遺伝子検査で防げる |
| 肥大型心筋症(HCM) | 心臓の筋肉が厚くなる | 両親の心エコー検査を確認 |
| 急性腎不全 | 腎機能が急激に落ちる | 早期の受診 |
| 肥満 | 毛と骨格で体型が見えない | 月1回の体重測定 |
| 皮膚のトラブル | 密な毛で蒸れやすい | もつれを放置しない |
多発性嚢胞腎(PKD)
腎臓に液体のたまった袋が多数でき、腎機能が少しずつ失われていく病気です。片方の親から受け継ぐだけで発症しうるタイプです。
この病気は、両親の遺伝子検査で確実に防げます。詳しい経過はペルシャ猫の飼い方にまとめてあります。
⚠ 水を飲む量が増えたら、すぐに受診してください
急に水をよく飲むようになった、トイレの回数や尿の量が増えた——これは腎臓の働きが落ちているサインである可能性があります。
猫の腎臓の病気は、飼い主が気づいた時点で機能の大半が失われていることが少なくありません。
肥大型心筋症(HCM)
心臓の筋肉が異常に厚くなり、血液をうまく送り出せなくなる病気です。初期にはほとんど症状が出ません。
家庭でできる最も有効な観察は、安静時の呼吸数を数えることです。寝ているときの胸の動きを1分間数え、その子の普段の回数を把握しておいてください。
後ろ足が急に動かなくなった場合は緊急事態です。心臓でできた血のかたまりが血管を詰まらせている可能性があります。
肥満が見えにくい体型
骨太でがっしりした体型に、密度の高い巻き毛。この組み合わせは、肥満をほぼ完全に隠します。
- フードは1日の量を計量して与える。目分量にしない
- おやつは1日の総カロリーの1割以内に収める
- 月に一度、同じ曜日に体重を測って記録する
- 見た目ではなく、触って肋骨に指が当たるかで判断する
- 去勢・避妊後は必要カロリーが下がる。量を見直す
- 1日10分でも、おもちゃを動かして遊ぶ時間をつくる
性格|穏やかで、人懐こい
この猫種の性格は、見た目の印象そのままです。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 穏やかで落ち着いている | 激しく走り回らない |
| 人懐こい | そばに来て、抱っこも比較的受け入れる |
| 他の動物とも折り合う | 攻撃性が出にくい |
| 鳴き声は小さい | うるさい猫種ではない |
| 環境の変化に比較的強い | 来客や物音にも動じにくい |
| 運動量は控えめ | そのぶん太りやすい |
ペルシャ由来の穏やかさに、適度な社交性が加わっています。初めて猫を飼う方にも扱いやすい猫種です。
抱っこや手入れも比較的受け入れやすく、体を触ることに慣らしやすいのは大きな利点になります。
運動量は控えめですが、まったく遊ばないわけではありません。1日10分でも、おもちゃを動かして遊ぶ時間をつくると運動不足と肥満の両方を防げます。
多頭飼いにも向いています。攻撃性が出にくく、他の猫や犬とも折り合いをつけやすい猫種です。
ただし密な被毛は蒸れやすいため、夏の室温には注意してください。とくに長毛の個体では、室温28度以下を目安に保つことをおすすめします。
長毛と短毛、どちらを選ぶか
セルカークレックスには、長毛と短毛の両方がいます。どちらも巻き毛であることに変わりはありません。
| 項目 | 長毛 | 短毛 |
|---|---|---|
| 見た目 | もこもこ。羊のよう | ウェーブがはっきり見える |
| 手入れ | 週1〜2回 | 週1回程度で足りる |
| 毛玉 | できやすい | できにくい |
| 換毛期の抜け毛 | 多い | やや少ない |
| 暑さ | 熱がこもりやすい | 比較的平気 |
| 価格 | やや高め | 抑えめのことも |
手入れの負担を抑えたい方には、短毛が向いています。巻き毛らしさは、むしろ短毛のほうがはっきり見えるという意見もあります。
一方、この猫種らしい「もこもこ感」を求めるなら長毛です。ただし毛玉の管理は必要になります。
どちらを選んでも、性格も健康上の課題も変わりません。生活に合うほうを選んで構いません。
お迎え費用と、毎年かかるお金
| 項目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 子猫の価格 | 25〜45万円 | 頭数が少なく高め |
| 初期の用品一式 | 4〜7万円 | 目の粗いコームを用意 |
| 初年度の医療 | 3〜5万円 | ワクチン、健康診断、避妊去勢 |
| 年間のフード代 | 5〜8万円 | 体格が大きいぶん量も多い |
| 年間の医療・予防 | 3〜10万円 | 心エコーを加えると増える |
| ペット保険 | 3〜6万円 | 加入後に発症した病気が対象 |
頭数が少ないため、子猫の価格は高めです。とくに巻きの強い個体は高値がつく傾向があります。
生涯でかかる金額は、12〜15年暮らすとしておおよそ170〜260万円が目安になります。
迎えるときに確認したいこと
- 両親がPKD(多発性嚢胞腎)の遺伝子検査を受けているか
- 両親が心臓の検査(心エコー)を受けているか
- 検査結果の書面を見せてもらえるか
- 被毛にもつれや毛玉がないか、実際に触らせてもらう
- 親猫に会わせてもらえるか、巻きの状態を見せてもらえるか
- 引き渡し後の相談に応じてくれるか
PKDとHCM、この2つの検査は必ず聞いてください。ペルシャの系統を引く以上、避けて通れない確認事項です。
そして巻きの強さで選びすぎないこと。成長とともに変わっていく特徴であり、子猫の時点の状態が続くとは限りません。
ストレートの個体という選択肢も検討してみてください。性格も体格も同じで、手入れは楽になり、価格も抑えられます。
この猫種は頭数が少なく、ペットショップで見かける機会は限られます。専門のブリーダーを探して問い合わせることになるのが一般的です。
待つ期間が生じることもありますが、その時間は準備の時間でもあります。目の粗いコームを用意し、手入れの方針を家族で共有しておいてください。
よくある質問
Q. なぜ、とかしすぎてはいけないのですか?
A. ブラシやコームを通すと、毛が物理的に引き伸ばされるためです。頻度が高いと巻きが戻りにくくなります。週1〜2回、目の粗いコームで、もつれた部分だけをほぐしてください。
Q. 放置してもいいということですか?
A. 違います。密度が高い被毛なので、まったく手をかけなければ毛玉ができ、皮膚のトラブルにつながります。「全体を梳かす」のではなく「もつれだけを取る」——この線引きが要点です。
Q. 子猫の巻きが弱いのですが、大丈夫でしょうか?
A. 心配ありません。巻きの強さは成長とともに変化します。生後数か月で一度ゆるみ、その後また強くなることが知られています。落ち着くのは1〜2歳ごろです。
Q. ストレートの個体は、セルカークレックスではないのですか?
A. 同じ猫種として登録されます。巻き毛は片方の親から受け継ぐだけで現れるため、1腹にストレートも生まれます。性格も体格も同じで、手入れは楽、価格も抑えめです。
Q. シャンプーのあとは、どう乾かせばいいですか?
A. タオルで押さえて水分を取り、自然乾燥が基本です。こすると巻きが崩れ、ドライヤーの強風は巻きを伸ばします。ただし生乾きは皮膚トラブルのもとになるので、暖かい部屋で確実に乾かしてください。
Q. 多発性嚢胞腎は防げますか?
A. 両親が遺伝子検査で陰性であれば、受け継ぐことはありません。繁殖にペルシャが使われてきた猫種なので、この確認は特に重要になります。
Q. 初めて猫を飼うのですが向いていますか?
A. 性格面では非常に向いています。穏やかで人懐こく、抱っこや手入れも受け入れやすい猫種です。ただし体重管理と、両親の検査の確認だけは最初から意識してください。
まとめ|手をかけすぎないことが、この猫のコツ
セルカークレックスは、もこもことした巻き毛と穏やかな性格を持った、扱いやすい猫です。
その手入れは、他の長毛種とは方針が逆になります。頻度を上げればよいわけではなく、もつれだけを取るという線引きが要点です。
そして健康面では、ペルシャ由来の2つの疾患を引き継いでいます。迎えるときの確認が、そのまま10年以上を左右します。
迎える前・迎えた後に、この3つを
- 1「両親はPKDの検査と心臓の検査を受けていますか」と確認する
- 2ブラッシングは週1〜2回、目の粗いコームでもつれだけをほぐす
- 3月に一度、触って肋骨を確かめながら体重を測って記録する
この猫の毛は、放っておくのでも梳かし倒すのでもありません。ちょうどよい加減を知っている飼い主のもとで、いちばん美しくなります。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「セルカークレックスの飼い方|巻き毛はとかしすぎない」でした。
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