

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の眼瞼欠損|まぶたが、生まれつき足りません」です。ではどうぞ!
保護した子猫の、目のふちの形がおかしい。
まぶたの外側が、切れているように見える。
眼瞼欠損は生まれつき、まぶたの一部が欠けている状態です。
けがでそうなったのではありません。そしてまぶたがないと、目を守るものがありません。だからこの病気は、治すというより、一生守っていく病気になります。
結論
眼瞼欠損とは生まれつき、まぶたの一部が欠損している状態です。眼瞼欠損は下まぶたに比べると、上まぶたで多いとされています。原因は遺伝的な要因や胎仔期の発育障害といわれています。まぶたには涙を目全体に広げ、乾燥を防ぎ、ごみを払い、被毛を目から遠ざけるという役割があります。そのためまぶたの一部が欠損していると、眼球が乾燥しやすいという問題が生じます。さらに眼球を保護するまぶたが不完全なため、角膜が傷つきやすくなり、角膜潰瘍のリスクが高まります。治療については先天的な瞼の異常が原因の場合は、手術によって瞼を形成するといった処置を行います。軽度であれば目を潤す点眼と、目に当たる毛の管理で守っていくことになります。
この記事でわかること
- ✓まぶたが、生まれつき欠けています
- ✓上まぶたに、多く見られます
- ✓まぶたは、何をしているのか
- ✓だから、角膜が傷つきます
- ✓保護した子猫で、見つかることがあります
- ✓治療は、守るか、作るか
- ✓一生、付き合う病気です
- ✓迎えるときに、知っておいてほしいこと
まぶたが、生まれつき欠けています

この病気で、まず知っておいてほしいことがあります。
けがではありません
眼瞼欠損とは生まれつき、まぶたの一部が欠損している状態です。
あとから欠けたのではなく、最初から作られなかったのです。
「何かあったのだろうか」と気に病む必要はありません。
生まれる前に決まっていたことです。
原因は、発育の段階にあります
原因は遺伝的な要因や胎仔期の発育障害といわれています。
お腹の中で目が作られていく途中に、まぶたになるはずの部分がうまくできなかった——そういうことです。
だから、防ぐ方法はありません。
清潔にしていれば防げたといった話ではないのです。
両目に出ることが多いものです
片目だけのこともありますが、両目に見られることが多いものです。
作られ方の問題なので、左右そろって出やすいと考えてください。
片目に見つかったら、必ず反対の目も確かめてもらってください。
上まぶたに、多く見られます
欠ける場所にも、傾向があります。
下より、上のほうが多いのです
眼瞼欠損は下まぶたに比べると、上まぶたで多いとされています。
そして上まぶたの外側(耳に近いほう)が欠けることが多いものです。
目のふちの、外側の線が途切れている——そういう見え方になります。
欠け方には、幅があります
ごく小さく欠けているだけのこともあれば、
上まぶたの半分近くが欠けていることもあります。
欠けが大きいほど、目を覆えない範囲も広くなります。
だから、症状の重さも変わってきます。
ほかの目の異常を伴うことがあります
目が作られる段階での問題なので、ほかの部分にも影響が出ていることがあります。
眼球そのものが小さいことや、目の中の構造に異常があることもあります。
まぶたの形だけでなく、目全体を診てもらってください。
まぶたは、何をしているのか

まぶたがないと、なぜ困るのか。
それを知るには、まぶたの仕事を見ておく必要があります。
涙を、広げています
まばたきのたびに、まぶたは涙を目の表面いっぱいに広げています。
ワイパーのような働きです。
涙の膜が保たれるから、角膜は透明でいられます。
乾燥から、守っています
覆うということ自体が、乾燥を防いでいます。
まぶたの一部が欠損しているため、眼球が乾燥しやすいという問題が生じます。
覆いきれない部分は、いつも風にさらされている——そういう状態になります。
毛を、遠ざけています
まぶたの縁には毛の生え方を整える構造があります。
そこが欠けていると、顔の毛がそのまま角膜に当たります。
毛が、一日じゅう角膜をこすっている——この刺激が、大きな負担になります。
だから、角膜が傷つきます
守るものがなければ、その下にあるものが傷みます。
潰瘍のリスクが高まります
眼球を保護するまぶたが不完全なため、角膜が傷つきやすくなり、角膜潰瘍のリスクが高まります。
角膜潰瘍は深さによっては、目そのものを失いかねない病気です。
だから、この病気では角膜を見続けることになります。
慢性の炎症になります
刺激が毎日続くので、角膜炎が慢性化しやすいものです。
血管が伸びてくる、色素が沈着してくる——そういう変化が起きてきます。
これは、角膜が自分を守ろうとしている反応でもあります。
ただし、透明さは失われていきます。
黒い斑ができることもあります
慢性の刺激が続いた角膜には、角膜黒色壊死症が起こることがあります。
黒目に黒い斑ができる、猫特有の病気です。
まぶたが足りない猫では、この病気にも気をつけて見ておいてください。
⚠ こんなときは、受診してください
目を細めるようになった。
黒目が、白く濁ってきた。
涙や目やにが、急に増えた。
黒目に、黒い斑ができた。
この病気の猫では、角膜のトラブルが起きやすいことを覚えておいてください。
起こりうることを、まとめておきます
まぶたが足りないことで、こういう連鎖が起きます。
| 起きること | なぜそうなるか |
|---|---|
| 目が乾く | 覆いきれない部分が、風にさらされ続ける |
| 涙が多い | 乾きと刺激に対して、涙が増える |
| 目やにが多い | 慢性の炎症が続いている |
| 角膜が濁る | 血管が伸び、色素が沈着してくる |
| 潰瘍ができる | こすれ続けた角膜が、欠けてしまう |
| 黒い斑ができる | 慢性の刺激が、壊死を招くことがある |
逆に言えば、守れば起きにくくなります。
保護した子猫で、見つかることがあります
この病気は生まれつきのものです。
だから気づかれる場面にも、特徴があります。
目のふちの線が、途切れています
正面から顔を見たとき、上まぶたの外側の線が途切れて見える——
そこだけ、まつげが生えていない——
そういう形で気づかれます。
「そういう顔立ちなのかな」と思ってしまうこともあります。
目やにや涙で、気づかれることもあります
いつも涙が出ている、目やにが多い——
そういう症状で受診して、まぶたの形が原因だったと分かることもあります。
結膜炎として治療しても、よくならない——そのときは、まぶたの形を見てもらってください。
迎えたときに、確かめてください
- 正面から見て、まぶたの線が途切れていないか
- まつげの生えていない部分がないか
- まばたきをしたとき、目が完全に閉じるか
- いつも涙が出ていないか
- 目やにが多くないか
- 左右の目の形が、そろっているか
子猫を迎えたら、一度は目を診てもらってください。
早く分かれば、その日から守り方を始められます。
治療は、守るか、作るか

治療の考え方は二つあります。
守る——点眼と、毛の管理
欠けが小さい場合、目を潤しながら守っていく方法をとります。
人工涙液など、目の表面を潤す点眼を毎日使います。
そして角膜に当たっている毛を、こまめに管理します。
刺激を減らし、乾燥を減らす——それがこの方法の目的です。
作る——まぶたの再建手術
欠けが大きく、角膜への負担が強い場合、先天的な瞼の異常が原因の場合は、手術によって瞼を形成するといった処置を行います。
周りの皮膚や組織を使って、欠けている部分を作る手術です。
専門的な技術が必要になります。
眼科を扱う施設を紹介されることもあります。
どちらを選ぶかは、負担で決まります
| 状態 | 考えられる進め方 |
|---|---|
| 欠けが小さい | 点眼と毛の管理で、守っていく |
| 角膜がきれいなまま | 経過を見ながら、続ける |
| くり返し傷ができる | 手術を考える段階に入る |
| 欠けが大きい | 再建手術を検討する |
| すでに角膜が濁っている | そちらの治療も、あわせて行う |
一生、付き合う病気です

この病気には、「治った」という終わりがありません。
毎日の点眼が、治療になります
目を潤す点眼を、続けていくことがこの病気の中心になります。
一日に何回か、毎日——それが何年も続きます。
「今日は調子がいいから」でやめないことが、角膜を守ります。
毛の管理も、続きます
目に当たる毛は、伸びてきます。
定期的に、短く整えてもらってください。
自分でハサミを使うのは危ないので、病院やトリマーに相談するほうが安全です。
受診の間隔を、決めておいてください
この病気では「何かあったら行く」では遅くなります。
| 時期 | 確かめること |
|---|---|
| 見つかったとき | 角膜の状態と、欠けの大きさを評価する |
| 最初の数か月 | 点眼で守れているか、角膜に傷が出ないか |
| 落ち着いたら | 数か月ごとに、角膜を染めて確かめる |
| 症状が出たら | そのつど。待たずに受診する |
| 家では | 毎日、白い濁りや細めていないかを見る |
「次はいつ来ますか」を、毎回聞いておいてください。
環境も、味方にできます
乾燥は、この病気の猫にとって大敵です。
- エアコンの風が、直接当たらないようにする
- 冬は、加湿する
- ほこりの少ない環境を保つ
- 外に出さない(風とごみを避ける)
- 毎日、目の様子を見る
どれも大きな手間ではありません。けれど、積み重なると差が出ます。
迎えるときに、知っておいてほしいこと
最後に、この病気の猫を迎える方へ。
うつるものでも、悪化する一方でもありません
生まれつきの形なので、ほかの猫にうつることはありません。
そしてまぶたの欠けそのものが広がっていくこともありません。
問題になるのは、その結果として角膜が受ける負担です。
そこを守れば、ふつうに暮らしていけます。
手間はかかりますが、できることです
毎日の点眼と定期的な受診——
これを続けられるかどうかが、迎えるときに考えることです。
難しい介護が必要な病気ではありません。
けれど、続ける覚悟は要ります。
かかる手間を、具体的にしておきます
- 目を潤す点眼を、一日に数回さす
- 目のまわりの毛を、定期的に整えてもらう
- 数か月ごとに、角膜を診てもらう
- 目やにを、こまめに拭く
- 乾燥しない環境を、保つ
- 異常が出たら、その日に受診する
点眼を嫌がる猫では、そこが最大の課題になります。
迎える前に、一度やってみると現実味が分かります。
見た目のことより、機能のこと
まぶたの形が気になるという方もいるかもしれません。
けれど、猫にとって困るのは見た目ではありません。
乾くこと、こすれること、傷つくこと——そこだけが問題です。
手術をするかどうかも、見た目ではなく角膜の状態で判断してください。
🩺 迎えた方へ
この病気は、防げたものではありません。
生まれる前に決まっていたことです。
できるのはこれから守ることだけです。
そして、それは十分にできることです。
この記事の要点
眼瞼欠損は、生まれつきまぶたの一部が欠損している状態です。
下まぶたに比べると、上まぶたで多いとされています。
まぶたが不完全なため眼球が乾燥しやすく、角膜が傷つきやすくなります。
治療は、点眼と毛の管理で守るか、手術によって瞼を形成するかです。
Q. 眼瞼欠損とは、どんな状態ですか?
A. 生まれつき、まぶたの一部が欠損している状態です。けがであとから欠けたのではなく、最初から作られなかったものです。
Q. どこが欠けることが多いですか?
A. 下まぶたに比べると、上まぶたで多いとされています。とくに上まぶたの外側、耳に近いほうが欠けることが多いものです。
Q. 原因は何ですか?
A. 遺伝的な要因や、胎仔期の発育障害といわれています。お腹の中で目が作られる途中に、まぶたになるはずの部分がうまくできなかった状態です。
Q. 予防できましたか?
A. 防ぐ方法はありません。生まれる前に決まっていたことなので、飼い主さんが気に病む必要はまったくありません。
Q. 片目だけのこともありますか?
A. あります。ただし両目に見られることが多いものです。片目に見つかったら、反対の目も必ず確かめてもらってください。
Q. 何が困るのですか?
A. まぶたの一部が欠損しているため、眼球が乾燥しやすくなります。また、被毛が直接角膜に当たり、刺激が続くことになります。
Q. 角膜に影響しますか?
A. 眼球を保護するまぶたが不完全なため、角膜が傷つきやすくなり、角膜潰瘍のリスクが高まります。慢性の角膜炎になることもあります。
Q. 治療はどうしますか?
A. 先天的な瞼の異常が原因の場合は、手術によって瞼を形成するといった処置を行います。欠けが小さければ、点眼と毛の管理で守っていきます。
Q. 手術は必ず必要ですか?
A. 欠けの大きさと、角膜への負担で決まります。角膜がきれいに保てているなら、点眼で守りながら経過を見ることもあります。
Q. 点眼は、いつまで続けますか?
A. 基本的には、ずっと続けることになります。まぶたの形が変わるわけではないので、守り続ける必要があります。
Q. ほかの猫にうつりますか?
A. うつりません。生まれつきの形であり、感染症ではありません。
Q. 欠けが広がることはありますか?
A. まぶたの欠け自体が広がることはありません。問題になるのは、その結果として角膜が受ける負担のほうです。
Q. ほかの異常を伴いますか?
A. 伴うことがあります。眼球そのものが小さい場合や、目の中の構造に異常がある場合もあります。まぶただけでなく、目全体を診てもらってください。
Q. ふつうに暮らせますか?
A. 暮らせます。毎日の点眼と定期的な受診で角膜を守れば、生活そのものに大きな支障は出ません。
Q. 見た目は治せますか?
A. 手術で形を作ることはできます。ただし判断は見た目ではなく、角膜がどれだけ負担を受けているかで決めてください。
Q. 目薬は、どんなものを使いますか?
A. 目の表面を潤す点眼が中心になります。炎症や傷があれば、それに応じた薬が加わります。市販のものを自己判断で使わず、処方されたものを使ってください。
まとめ|守り方を、その日から始められます
眼瞼欠損は、生まれつきまぶたが足りないという状態です。
けがでもなければ、病気がうつったのでもありません。
防げたものでもありません。
困るのはまぶたがないと、目を守れないということです。
乾き、毛がこすれ、角膜が傷ついていきます。
けれど、そこは手当てできます。
潤す点眼を続け、当たる毛を整え、乾燥を減らす。そして、角膜を見続ける。
欠けが大きければ、まぶたを作るという道もあります。
治すというより、守る病気です。そして守り方は、気づいたその日から始められます。
今日できる3つ
- 1正面から見て、まぶたの線が途切れていないか確かめる
- 2まばたきで目が完全に閉じるか、しばらく見てみる
- 3当てはまるなら、動物病院で角膜の状態を診てもらう
まぶたは、目を守るためにあります。足りないぶんは、こちらが補ってあげてください。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「猫の眼瞼欠損|まぶたが、生まれつき足りません」でした。
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