

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の結膜炎|目だけの話とは、限りません」です。ではどうぞ!
目が赤い。目やにが出ている。
そういうとき、「目にごみでも入ったのかな」と考えるのが自然だと思います。
けれど猫の場合、その多くは感染が原因です。
そしてくしゃみや鼻水も一緒に出ているなら、それは目の病気というより猫風邪の一部として見たほうが、話が早く進みます。
結論
結膜炎はまぶたの裏から白目の表面をおおう「結膜」に炎症が起こる病気です。猫では感染性のものが中心で、猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、クラミジア、マイコプラズマなどが代表的な原因になります。猫クラミジア症と猫ウイルス性鼻気管炎は、生まれたばかりの子猫や1歳未満の若い猫でよく結膜炎を起こすとされています。このほかアレルギー性、免疫介在性(好酸球性角結膜炎など)、涙の膜の異常、異物や外傷によっても起こります。とくに猫ヘルペスウイルスは、症状が回復してもその約8割が三叉神経の神経節に潜伏し、抵抗力が弱まると再発します。そのため季節の変わり目やストレスで再発をくり返したり、慢性的な鼻炎や結膜炎を起こすことがあります。治療は原因によって変わるため、手元にある目薬を自己判断で使わず、何が原因かを確かめてから始めてください。
この記事でわかること
- ✓結膜は、目の内張りです
- ✓猫では、たいてい感染です
- ✓くしゃみと一緒なら、猫風邪の一部です
- ✓片目か両目かを、見ておいてください
- ✓ヘルペスは、居座ります
- ✓手元の目薬を、使わないでください
- ✓子猫の場合は、急いでください
- ✓治療と、予防のこと
結膜は、目の内張りです
結膜とは、まぶたの裏側から白目の表面にかけてをおおう、薄い膜のことです。
目の内張りのようなものだと思ってください。
赤くなるのは、血管が浮くからです
結膜には細い血管がたくさん通っています。
炎症が起きると、その血管が広がります。
だから、目が赤く見えます。白目が充血して見えるのは、そのためです。
腫れが強いと、結膜そのものがぷくっとふくらむこともあります。
目やには、体の反応です
炎症が起きると、分泌物が増えます。これが目やにです。
色や質は、手がかりになります。
| 目やにの様子 | 考えること |
|---|---|
| 透明で、さらさら | 刺激や初期の炎症。涙が多いだけのことも |
| 白っぽく、ねばる | 炎症が続いている |
| 黄色や緑がかっている | 細菌がからんでいることがある |
| 茶色く乾いている | 涙が乾いたもの。量が多ければ注意 |
| 血が混じる | その日のうちに受診してください |
色だけで原因は決まりません。けれど、伝えると役に立つ情報です。
猫では、たいてい感染です

結膜炎と聞くと、花粉やほこりのアレルギーを思い浮かべる方が多いと思います。
人ではよくある話ですし、猫にもアレルギー性のものはあります。
けれど猫では、感染性のものが中心になります。
代表は、この四つです
猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、クラミジア、マイコプラズマ——
これらが、猫の結膜炎の主な相手です。
いちばん多いのが猫ヘルペスウイルスで、いわゆる猫風邪の中心にいます。
目の症状が強く出やすいのがクラミジアです。
若い猫ほど、感染を疑います
猫クラミジア症と猫ウイルス性鼻気管炎は、生まれたばかりの子猫や1歳未満の若い猫でよく結膜炎を起こすとされています。
保護したばかりの子猫の目が開かない、目やにでふさがっている——これはよく見る場面です。
多頭飼いの家では、次々に広がることもあります。
一匹が目をしょぼしょぼさせ始めたら、ほかの猫の目も見ておいてください。
くしゃみと一緒なら、猫風邪の一部です
目だけを見ていると、目の病気だと思ってしまいます。
けれど、体全体を見ると別の景色になることがあります。
一緒に出ていないか、確かめてください
- くしゃみをしている
- 鼻水が出ている
- 鼻がつまって、口で息をしている
- よだれが多い、口を気にしている
- 食欲が落ちている
- 元気がない、寝てばかりいる
これらが一緒に出ているなら、目だけの問題ではありません。
猫風邪——つまり鼻炎を含む上部気道の感染として扱うことになります。
伝えるときに、まとめて言ってください
受診したとき、目のことだけ話すと、話が目にとどまってしまいます。
「三日前からくしゃみもしています」——この一言が、診断を大きく前に進めます。
いつから・どちらの目から・ほかに何があるか。この三つを持っていってください。
片目か両目かを、見ておいてください

受診する前に、ぜひ確かめておいてほしいことがあります。
片目なのか、両目なのか。そしてどちらの目から始まったかです。
片目だけなら、その目の事情を考えます
片目だけに起きているなら、その目に何かがあった可能性を先に考えます。
ごみが入った、草でこすった、爪が当たった——そういう出来事です。
ただしヘルペスも、片目から始まることがあります。片目だから感染ではない、とは言えません。
両目なら、感染や全身を考えます
両目に同時に出ているなら、外から入ったものではなく体の中から来ているものを考えます。
感染症であれば、同居猫にもうつりうるということです。
食器やトイレを分ける、手を洗ってから次の猫に触る——そのくらいの用心はしておいてください。
ヘルペスは、居座ります

この病気で、知っておいてほしいことがあります。
猫ヘルペスウイルスは、治りきりません。
神経に、潜みます
症状が回復しても、その約8割は三叉神経の神経節に潜伏します。
そして抵抗力が弱まると、再発します。
つまり、一度かかった猫は、生涯持ち続けることになります。
これは、治療がうまくいかなかったという話ではありません。このウイルスの性質そのものです。
引き金は、たいていストレスです
季節の変わり目やストレスで抵抗力が下がると、再発をくり返したり、慢性的な鼻炎や結膜炎を起こすことがあります。
だからこの病気では、「治す」より「出にくくする」という考え方になります。
| 引き金になりやすいこと | できること |
|---|---|
| 引っ越し・模様替え | 隠れられる場所を残しておく |
| 新しい猫を迎える | 顔合わせをゆっくり進める |
| 季節の変わり目 | 室温の急な変化を減らす |
| 入院・ペットホテル | 予定が分かっているなら、体調を整えておく |
| ほかの病気 | 持病があるなら、そちらを安定させておく |
完全に消えなくても、困りません
「一生持ち続ける」と聞くと、重く感じられると思います。
けれど、多くの猫は、ふだんは何ごともなく暮らしています。
出たときに手当てをして、出にくい暮らしを整える。それで十分に付き合っていけます。
手元の目薬を、使わないでください

ここが、この病気でいちばん事故が起きるところです。
人用の目薬は、別のものです
目薬くらいなら、家にあるもので——そう考えたくなる気持ちは分かります。
けれど人用の目薬は、猫に安全とは限りません。
成分も濃度も、猫のために作られたものではありません。
前にもらった目薬も、使わないでください
以前もらって余っている目薬を使いたくなることがあると思います。
けれど、今回の原因が前回と同じとは限りません。
そして、開封してから時間がたった目薬は中で細菌が増えていることもあります。
⚠ ステロイドの目薬は、とくに危険です
炎症を抑える目薬には、ステロイドが入っているものがあります。
よく効くのですが、角膜に傷があるときに使うと、その傷を深くしてしまいます。
ヘルペスによる結膜炎では、角膜にも傷ができていることが少なくありません。
だから、傷の有無を確かめずにステロイドを使うのは危険なのです。
動物病院では染色液で角膜の傷を確かめてから薬を選びます。この手順が、事故を防いでいます。
目やには、湿らせてから拭いてください
乾いた目やにを無理にはがすと、皮膚が切れます。
ぬるま湯で湿らせたコットンを、少し当てておく——そうすると、ふやけて取れやすくなります。
目のほうへ向かって拭かず、外へ向かって拭くのがこつです。
そして、左右で別のコットンを使ってください。片目から反対の目へ、運んでしまわないためです。
その日のうちに、連れていってほしいとき
結膜炎の多くは、数日のうちに受診すれば間に合います。
ただし、すぐ動いてほしい場合もあります。
- 目を開けられない、ずっと細めている
- 黒目が白く濁って見える
- 目やにに血が混じっている
- まぶたが大きく腫れ上がっている
- 目を強くこすり続けている
- 子猫で、目のあたりがふくらんでいる
これらは、結膜より奥に話が及んでいるおそれがあります。
とくに黒目の濁りは、角膜炎を疑うところです。
子猫の場合は、急いでください
子猫の結膜炎は、大人の猫とは別に考えてください。
目が開く前でも、起こります
生まれたばかりの子猫は、まだ目が開いていません。
その状態で感染が起こると、閉じたまぶたの中に膿がたまることがあります。
まぶたが腫れている、目のあたりがふくらんでいる——そう見えたら、すぐ連れていってください。
放っておくと、くっつきます
炎症が強いまま時間がたつと、まぶたの裏と目の表面がくっついてしまうことがあります。
こうなると、あとから治すのが難しくなります。
子猫の目の異常を「そのうち治る」で置かない——これは、覚えておいてほしいことです。
🩺 迷ったときの、目安
子猫の目やには、よくあることです。
けれどよくあることと、放っておいてよいことは別です。
目は、取り返しがつかなくなる場所のひとつです。迷ったら、早いほうを選んでください。
治療と、予防のこと
治療は原因によって変わります。
原因に合わせて、薬を選びます
| 原因 | 考えられる治療 |
|---|---|
| ヘルペスウイルス | 抗ウイルス薬。目の状態に応じた点眼 |
| クラミジア・マイコプラズマ | 効く抗生物質を、決められた期間続ける |
| 細菌の二次感染 | 抗生物質の点眼 |
| 異物・外傷 | 取り除き、傷の手当てをする |
| 共通して | 角膜に傷がないか、先に確かめる |
途中でやめないことも大事です。
見た目がよくなっても、決められた期間は続けてください。途中でやめると、ぶり返します。
予防は、ワクチンと暮らしです
目をきれいにしていれば防げる——という話ではありません。
実際に効くのは、ワクチンのほうです。
混合ワクチンには、ヘルペスウイルスとカリシウイルスが含まれています。
ワクチンは、かからなくするというより症状を軽くするものと考えてください。それでも、その差は大きいものです。
- 混合ワクチンを、決められた間隔で受ける
- 完全室内飼育にして、外の猫と接触させない
- 新しい猫を迎えるときは、先に健康を確かめる
- 多頭飼いなら、食器とトイレを清潔に保つ
- ストレスの少ない環境を整える
- 週に一度は、左右の目を見比べる
この記事の要点
猫の結膜炎は、感染性のものが中心です。
くしゃみや鼻水と一緒なら、目だけの病気ではありません。
ヘルペスは約8割が神経節に潜伏し、ストレスで再発します。付き合っていく病気です。
手元の目薬を自己判断で使わないこと。とくにステロイドは、角膜の傷を深くします。
Q. 猫の結膜炎とは、どんな病気ですか?
A. まぶたの裏から白目の表面をおおう結膜に、炎症が起こる病気です。目が赤くなる、目やにが増える、涙が多い、まぶたが腫れるといった症状が出ます。
Q. 原因は何が多いのですか?
A. 猫では感染性のものが中心です。猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、クラミジア、マイコプラズマなどが代表的な原因になります。
Q. アレルギーではないのですか?
A. アレルギー性のものもあります。ただし猫では、感染性のほうが中心になります。このほか免疫介在性のもの、涙の膜の異常、異物や外傷でも起こります。
Q. 子猫に多いのですか?
A. 若い猫でよく見られます。猫クラミジア症と猫ウイルス性鼻気管炎は、生まれたばかりの子猫や1歳未満の若い猫でよく結膜炎を起こすとされています。
Q. くしゃみもしています
A. それは大事な情報です。目と鼻の症状が一緒に出ているなら、猫風邪として扱うことになります。受診のときに必ず伝えてください。
Q. 片目だけなのですが
A. 異物や外傷を先に考えます。ただしヘルペスも片目から始まることがあるため、片目だから感染ではない、とは言えません。
Q. 人間の目薬を使ってよいですか?
A. 使わないでください。人用の目薬は猫に安全とは限りません。とくにステロイドが入ったものは、角膜に傷があるときに使うと傷を深くしてしまいます。
Q. 前にもらった目薬が余っています
A. それも使わないでください。今回の原因が前回と同じとは限らず、違えば悪化させることがあります。開封から時間がたったものは、中で細菌が増えていることもあります。
Q. ヘルペスは治りますか?
A. 症状は治まりますが、ウイルスは消えません。回復しても約8割は三叉神経の神経節に潜伏し、抵抗力が弱まると再発します。「治す」より「出にくくする」という付き合い方になります。
Q. 何度もくり返しています
A. ヘルペスの再燃を考えます。季節の変わり目やストレスで抵抗力が下がると、再発をくり返したり慢性的な鼻炎や結膜炎を起こすことがあります。暮らしの中の引き金を減らすことが手当てになります。
Q. ほかの猫にうつりますか?
A. 感染性のものであれば、うつります。食器やトイレを分け、触った手を洗ってから次の猫に触ってください。同居猫の目も、毎日見ておいてください。
Q. 目やには、どう拭けばよいですか?
A. ぬるま湯で湿らせてから、外へ向かって拭いてください。乾いたものを無理にはがすと皮膚が切れます。左右で別のコットンを使い、片目から反対の目へ運ばないようにしてください。
Q. ワクチンで防げますか?
A. 混合ワクチンに、ヘルペスとカリシが含まれています。かからなくするというより、症状を軽くするものと考えてください。それでも、その差は大きいものです。
Q. よくなったら、目薬をやめてよいですか?
A. 決められた期間は続けてください。見た目がよくなっても、途中でやめるとぶり返します。やめる時期は、獣医師に確かめてください。
まとめ|目を見るときは、鼻も見てください
猫の目が赤いとき、目だけを見てしまいがちです。
けれど猫の結膜炎は、多くが感染によるものです。
そしてくしゃみや鼻水と一緒に出ているなら、それは猫風邪の一部かもしれません。
だから、目を見たら鼻も見てください。そのひと手間が、原因にたどり着く近道になります。
そして、手元の目薬を使わないこと。
角膜に傷があるかどうかは、見ただけでは分かりません。そこを確かめてから薬を選ぶために、受診してください。
ヘルペスなら、長い付き合いになります。
けれど、出にくい暮らしを整えれば、ふつうに暮らせます。焦らず、続けていける形を見つけてください。
今日できる3つ
- 1左右の目を見比べて、どちらから始まったか確かめる
- 2くしゃみ・鼻水がないか、しばらく観察する
- 3家にある目薬を、使わないと決めておく
結膜炎は、猫でとても多い病気です。だからこそ、自己判断で薬をさすことがいちばんの落とし穴になります。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「猫の結膜炎|目だけの話とは、限りません」でした。
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