

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫クラミジア感染症|片目から始まり、両目に広がります」です。ではどうぞ!
目が赤い。目やにが出る。そんなとき、多くの方は猫風邪だろうと考えます。
けれど、目の症状を起こすものはウイルスだけではありません。クラミジアという細菌が原因のこともあります。
この感染症には、分かりやすい特徴があります。症状は片目から始まり、次第に両目に出るようになっていきます。
そしてもうひとつ。この病気は、人にもうつります。
結論
猫クラミジア感染症はクラミジアという細菌によって起こる感染症です。主な症状は結膜炎で、目の充血や腫れ、透き通った目やにや粘液状の目やにがみられます。特徴的なのは症状が片目からはじまり、次第に両目にでるようになっていくことで、鼻水やくしゃみ、咳などの症状がでることもあります。子猫は母猫から感染し、目が開く前から結膜炎になることがあり、子猫や免疫の低下している猫では重症化することがあります。治療にはドキシサイクリンなどテトラサイクリン系の抗生剤が使われ、約4週間継続して投与し、クラミジアを完全に消滅させます。そしてこの病気は人獣共通感染症であり、ヒトにも感染して結膜炎を起こすことがあります。5種混合ワクチン、7種混合ワクチンがこの病気をカバーしています。
この記事でわかること
- ✓目に出る、細菌の感染症です
- ✓片目から始まります
- ✓猫風邪との見分け方
- ✓子猫では、目が開く前から起こります
- ✓人にもうつります
- ✓治療は、四週間続けます
- ✓ワクチンでカバーできます
- ✓多頭飼いで気をつけること
目に出る、細菌の感染症です
クラミジアは細菌の一種です。ウイルスではないため、抗生剤がしっかり効くという違いがあります。
主な症状は結膜炎で、目の充血や腫れ、透き通った目やにや粘液状の目やにがみられます。
| 場所 | 出てくる症状 |
|---|---|
| 目 | 充血、まぶたの腫れ、目やに、涙 |
| 鼻 | 鼻水、くしゃみを伴うことがある |
| のど | 咳が出ることがある |
| 全身 | 食欲不振、体重減少がみられることも |
| 消化管 | 進行すると、下痢が出ることもある |
| 子猫では | 重症化することがある |
症状の中心は、あくまで目です。くしゃみや鼻水があっても、目の症状のほうが強く、長く続くのがこの病気の形です。
目やには、性状が変わっていきます
はじめは透き通った目やにが出ます。そこに炎症が続くと、粘液状の、粘り気のあるものに変わっていきます。
さらに細菌の感染が重なると、黄色っぽく濁ってくることもあります。
目やにの変化は、経過を伝えるときの手がかりになります。「最初はさらさらでしたが、今はねばついています」——そう伝えられると、話が早く進みます。
どこからもらってくるのか
クラミジアは、猫の体の外では長く生きられません。そのため、猫と猫が近くにいる場面でうつることがほとんどです。
| もらいやすい場面 | なぜ広がるのか |
|---|---|
| 保護施設・譲渡会 | 多くの猫が近い距離で暮らしている |
| 多頭飼いの家 | 顔をなめ合う関係だと、伝わりやすい |
| 外に出る猫 | ほかの猫との接触が避けられない |
| 母猫から子猫へ | 出産のときや、世話のなかで伝わる |
| 人の手を介して | 目やにを触った手で、別の猫に触れる |
環境に長く残らないというのは、この病気の救いのひとつです。部屋を何年も封じる必要はありません。
その代わりいま近くにいる猫どうしでは、あっという間に広がります。多頭飼いで一頭に症状が出たら、ほかの猫の目も毎日見てあげてください。
片目から始まります

この病気で、いちばん覚えておく価値があるのがここです。
症状は片目からはじまり、次第に両目にでるようになっていきます。
最初のうちは、片方の目だけが赤く、目やにが出ます。もう片方は、まったくきれいなままということがよくあります。
だから、左右を比べてください
猫の顔を正面から見て、左右の目を見比べてみてください。
- 片方だけ、白目が赤くなっていないか
- 片方だけ、まぶたが腫れていないか
- 片方だけ、目やにがついていないか
- 片方だけ、細めていないか
- そのあと、もう片方にも出てきていないか
- 目のまわりの毛が、片側だけ濡れていないか
「片目から始まって、数日後にもう片方にも出た」——この経過は、受診のときに必ず伝えてください。それだけで、この病気が候補に挙がります。
写真を撮っておくと役に立ちます
目の症状は、日によって変わります。受診する日には落ち着いているということもめずらしくありません。
いちばんひどかったときの写真があれば、経過を正確に伝えられます。顔の正面から、明るい場所で撮っておいてください。
猫風邪との見分け方

目の症状を起こすものは、ほかにもあります。とくに猫ヘルペスウイルス感染症とは、見た目が似ています。
| クラミジア | ヘルペスウイルス | |
|---|---|---|
| 原因 | 細菌 | ウイルス |
| 始まり方 | 片目から、あとで両目へ | 最初から両目に出やすい |
| 中心の症状 | 結膜炎 | 結膜炎とくしゃみ・鼻水 |
| 角膜 | 潰瘍は起きにくい | 角膜潰瘍を起こすことがある |
| 抗生剤 | しっかり効く | 二次感染にしか効かない |
| 治ったあと | 薬で消滅させられる | 生涯にわたって潜伏する |
猫カリシウイルス感染症とも違います。カリシウイルスでは口の潰瘍が出ますが、クラミジアでは出ません。
確かめる方法もあります
見た目だけで決まらないときは、検査を行います。
目やにや鼻水のサンプルを採取し、細菌の存在を確認するのが基本です。遺伝子を調べる検査で、クラミジアがいるかどうかを確かめることもできます。
血液検査で、抗体の有無を調べる方法もあります。
ただ、実際には抗生剤を使ってみて、反応を見るという進め方になることも多いものです。この病気は、薬がよく効くためです。
子猫では、目が開く前から起こります
この病気には、子猫特有の現れ方があります。
子猫は母猫から感染し、目が開く前から結膜炎になることがあります。
生まれたばかりの子猫のまぶたは、まだ閉じています。その内側で炎症が起きるため、まぶたが腫れ、目やにでふくらんで見えることがあります。
無理にこじ開けないでください
目やにでまぶたがくっついていると、開けてあげたくなります。
けれど無理に開けると、傷つけてしまうことがあります。ぬるま湯で湿らせたガーゼで、ふやかすのが基本ですが、自己流で進めず、まず受診してください。
放っておくと、まぶたと眼球がくっついたまま治ってしまうことがあります。そうなると、あとから治すのは難しくなります。
子猫や免疫の低下している猫では重症化することがあります。小さいほど、早く診せてください。
人にもうつります

この病気には、ほかの猫風邪にない注意点があります。
猫クラミジア感染症は人獣共通感染症のため、感染猫の目やにや接触に注意が必要です。ヒトにも感染し、結膜炎を起こすことがあります。
怖がる必要はありません。きちんと手を洗えば、多くの場合それで防げます。
守るのは、手のあとの動作です
感染は、目やにを触った手で自分の目を触ることで起こります。
- 目やにを拭いたら、必ず石けんで手を洗う
- 手を洗う前に、自分の目をこすらない
- 拭いたガーゼやティッシュは、その場で捨てる
- 治療中は、顔を近づけすぎない
- 猫が使ったタオルを、人が使わない
- 目薬をさしたあとも、手を洗う
とくに小さなお子さん、高齢の方、療養中の方がいるご家庭では、世話をする人を決めておくとよいと思います。
目が赤くなった、目やにが出る——人にそうした症状が出たときは、猫の治療中であることを医師に伝えてください。
治療は、四週間続けます

この病気は、薬がよく効きます。けれど、その効き方に注意点があります。
猫クラミジア感染症には、ドキシサイクリンなどテトラサイクリン系の抗生剤が主に使用されます。
そして約4週間継続して投与し、クラミジアを完全に消滅させます。
症状が消えても、続けてください
目の充血や目やには、数日から一週間ほどで落ち着いてくることが多いものです。
そこで薬をやめてしまいたくなります。けれど、それでは体の中にクラミジアが残ってしまいます。
残ったものは、また増えてきます。そしてほかの猫にうつす力も残ります。
四週間という期間は、消滅させるために必要な長さです。見た目がよくなっても、最後まで続けてください。
🩺 獣医療の現場では
「あとどのくらい飲ませますか」——この病気では、その確認に意味があります。
四週間の投薬は、飼い主にとって負担の大きいものです。けれど途中でやめると、また最初からになりかねません。飲ませ方に困ったら、剤形を変えられないか相談してみてください。
目の症状には、点眼薬も使います
飲み薬とあわせて、目薬を使うことがあります。目の炎症を抑え、猫を楽にするためです。
点眼のあとは、手を洗うことを忘れないでください。薬をさすときは、必ず目やにに触れることになります。
家でしてあげられること
治療中、家でできることは多くありません。けれど目のまわりを清潔に保つことには意味があります。
- 目やには、ぬるま湯で湿らせたガーゼでそっと拭く
- 片目ずつ、別のガーゼを使う
- 強くこすらず、ふやかして取る
- 拭いたものは、その場で捨てる
- 拭いたあとは、必ず手を洗う
- 目のまわりの毛が濡れたままにならないようにする
片目ずつ、別のガーゼを使うのは、きれいな側にうつさないためです。片目から始まる病気だからこそ、意味のある手間になります。
そして、猫が目をこすろうとする場合はそのことも伝えてください。かゆみや痛みが強いのかもしれませんし、こすることで悪化させてしまうこともあります。
ワクチンでカバーできます
5種混合ワクチン、7種混合ワクチンが猫クラミジア感染症をカバーしています。
ただし、これはコアワクチン(すべての猫にすすめられるもの)ではありません。猫の暮らし方によって、必要かどうかが変わります。
| こんな猫は | 考えること |
|---|---|
| 多頭飼いの家にいる | 広がりやすいため、検討する価値がある |
| 保護施設から来た | 集団の環境では、感染機会が多い |
| 外に出る | ほかの猫との接触が避けられない |
| 繁殖に関わる | 母猫から子猫へ伝わるため |
| 完全室内・単頭 | 必要性は下がる。獣医師と相談して決める |
| いずれの場合も | 接種しても、完全に防げるわけではない |
暮らし方から決める——コアではないワクチンは、そういう考え方になります。
接種していても、油断はしないでください
ワクチンを受けていても、感染や発症を完全に防げるわけではありません。期待できるのは、かかったときの症状を軽くすることです。
ですから「打ってあるから目の症状は別の病気だろう」と決めつけないでください。
接種歴があっても、片目から始まる結膜炎があればこの病気は候補に残ります。
多頭飼いで気をつけること
この病気は、猫同士の接触や、感染した猫の分泌物を介して広がります。
目やにが付いたものに触れれば、そこから伝わります。顔をなめ合う関係の猫どうしでは、とくに広がりやすくなります。
- 症状が出ている猫は、部屋を分ける
- 食器・水皿・トイレを分ける
- 目やにを拭いた手で、ほかの猫を触らない
- 世話は健康な猫を先、症状のある猫を後にする
- タオルや寝床は、共有しない
- 治療は、症状のある猫だけでなく相談して決める
多頭飼いでは、症状の出ていない猫も治療の対象になることがあります。すでにうつっていて、これから出てくる可能性があるためです。
何頭を治療するのかは、獣医師と相談して決めてください。
よくある質問
Q. 猫クラミジア感染症とは、どんな病気ですか?
A. クラミジアという細菌によって起こる感染症です。主な症状は結膜炎で、目の充血や腫れ、透き通った目やにや粘液状の目やにがみられます。
Q. どんな出かたをしますか?
A. 片目からはじまり、次第に両目に出るようになっていきます。この広がり方が、ほかの猫風邪との見分けの手がかりになります。
Q. 猫風邪と、どう違いますか?
A. 原因が細菌であるため、抗生剤がしっかり効きます。ヘルペスウイルスのように生涯潜伏することもなく、カリシウイルスのような口の潰瘍も出ません。
Q. どうやってうつりますか?
A. 猫同士の接触や、感染した猫の分泌物を介して広がります。顔をなめ合う関係の猫どうしでは、とくに伝わりやすくなります。
Q. 子猫でも起こりますか?
A. 母猫から感染し、目が開く前から結膜炎になることがあります。子猫や免疫の低下している猫では重症化することがあるため、早めに診せてください。
Q. 目やにでまぶたが開きません
A. 無理にこじ開けないでください。ぬるま湯で湿らせたガーゼでふやかすのが基本ですが、自己流で進めず、まず受診してください。
Q. 人にうつりますか?
A. うつります。この病気は人獣共通感染症で、ヒトにも感染して結膜炎を起こすことがあります。目やにを拭いたあとは、必ず石けんで手を洗ってください。
Q. どうやって診断しますか?
A. 目やにや鼻水のサンプルを採取し、細菌の存在を確認します。遺伝子を調べる検査や、血液で抗体を調べる方法もあります。
Q. 治療はどうしますか?
A. ドキシサイクリンなどテトラサイクリン系の抗生剤を使います。約4週間継続して投与し、クラミジアを完全に消滅させます。
Q. 症状が消えたら、薬をやめてよいですか?
A. やめないでください。見た目がよくなっても、体の中にクラミジアが残っていることがあります。四週間という期間は、消滅させるために必要な長さです。
Q. ワクチンで防げますか?
A. 5種混合ワクチン、7種混合ワクチンがカバーしています。ただしコアワクチンではないため、猫の暮らし方をふまえて獣医師と相談して決めます。
Q. 多頭飼いです。ほかの猫はどうすればよいですか?
A. 部屋と食器を分け、世話の順番を工夫してください。症状の出ていない猫も治療の対象になることがあるため、何頭を治療するかは獣医師と相談して決めてください。
まとめ|左右の目を、見比べてください
この病気の症状は、目に出ます。そして片目から始まり、あとで両目に広がります。
だから家で確かめられるのは、左右の目を見比べることです。片方だけが赤い、片方だけ目やにが出ている——その気づきが、そのまま診断の手がかりになります。
治療は、薬がよく効きます。けれど四週間という期間を最後まで続けることが条件です。
そして、この病気は人にもうつります。目やにを拭いたら、手を洗う。それだけのことで、防げるものがあります。
目の病気は、猫にとって不快なものです。けれどこの病気は原因がはっきりしていて、効く薬があるという点で、見通しの立てやすいものでもあります。気づいて、通しきる。それで終われる病気です。
今日できる3つ
- 1猫の顔を正面から見て、左右の目を比べてみる
- 2片目だけ症状があるなら、明るい場所で写真を撮っておく
- 3治療中なら、あと何日飲ませるのかを確かめておく
目の症状は、片方から始まることに意味があります。その一点が、原因を絞り込む手がかりになります。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「猫クラミジア感染症|片目から始まり、両目に広がります」でした。
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