

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の動脈管開存症|手術で治せる、数少ない心臓病です」です。ではどうぞ!
子猫の健診で、心臓に雑音があると言われた。
心臓病と聞いて、頭が真っ白になった。
けれど、この病気なら、手術で治せることがあります。
動脈管開存症は、先天性心疾患の中で手術による矯正が最も期待できる疾患とされています。そして、放置するかどうかで寿命が大きく変わります。
結論
動脈管開存症(PDA)とは生まれる前に必要だった「動脈管」という血管が、生後も閉じずに残ってしまう状態です。動脈管は通常、生後7〜10日以内に確実に閉鎖します。動脈管が新生子期早期を過ぎても開存したままである状態を動脈管開存症(PDA)と呼び、犬で最も一般的な先天性心疾患です。猫でも発生はみられますが、犬と比較すると少ないとされています。PDAを介した血流は、大動脈から肺動脈へ流入するため、肺血流が増加し、左室の容量負荷が増加します。子猫の時に、心臓に雑音があると指摘されることがあります。この動脈管開存症は、手術で根治できる病気であり、先天性心疾患の中で手術による矯正が最も期待できる疾患とされています。術後に合併症がみられずに経過が良い場合、健康と変わらない生活の質を得ることができます。ただし動脈管開存症は放置すると、3歳くらいまでしか生きられない病気とされ、早期の診断と治療が重要です。
この記事でわかること
- ✓生まれる前に、必要だった血管です
- ✓生後まもなく、閉じるはずのものです
- ✓閉じないと、肺に血が流れ込みます
- ✓子猫の心雑音が、入り口です
- ✓手術で、治せます
- ✓放置すると、寿命が変わります
- ✓早いほうが、いいのです
- ✓手術のあとのこと
生まれる前に、必要だった血管です
まず、動脈管とは何かから。
お腹の中では、肺を使いません
生まれる前の子猫は、肺で呼吸していません。
酸素は、母親から胎盤を通してもらっています。
だから、肺に血を送る必要がないのです。
だから、近道が作られています
肺を通さずに、血を全身へ回す近道——
それが、動脈管です。
肺へ向かう血管と、全身へ向かう血管をつなぐ管で、
お腹の中では、なくてはならないものです。
生まれた瞬間に、役目を終えます
生まれて、自分の肺で呼吸を始めた瞬間、
この近道は要らなくなります。
むしろ、あっては困るものになります。
生後まもなく、閉じるはずのものです

ふつうは、自然に閉じます。
七日から十日で、閉鎖します
動脈管は通常、生後7〜10日以内に確実に閉鎖します。
役目を終えた管が、自然にふさがっていく——
これが、正常な経過です。
閉じないと、この病気になります
動脈管が新生子期早期を過ぎても開存したままである状態を動脈管開存症(PDA)と呼びます。
「開存」とは、開いたまま残っているという意味です。
猫では、犬より少ないものです
犬で最も一般的な先天性心疾患です。
猫でも発生はみられますが、犬と比較すると少ないとされています。
それでも、起こりえます。
「猫だから関係ない」ではありません。
閉じないと、肺に血が流れ込みます
何が問題なのかです。
流れる向きが、逆になります
PDAを介した血流は、大動脈から肺動脈へ流入します。
全身へ行くはずの血が、肺のほうへ流れ込む——
生まれる前とは、逆向きです。
圧の高いほうから、低いほうへ流れるためです。
肺への血が、増えすぎます
肺血流が増加します。
本来の量より多い血が、肺を通ることになります。
肺の血管に、負担がかかります。
そこから、肺高血圧症につながることもあります。
心臓にも、負担がかかります
左室の容量負荷が増加します。
肺から戻ってくる血の量が増えるので、心臓の左側が扱う量も増えます。
その負担が続けば、心臓は大きくなり、やがて弱っていきます。
これが、放置したときの流れです。
子猫の心雑音が、入り口です

どうやって見つかるのかです。
健診で、指摘されます
子猫の時に、心臓に雑音があると指摘されることがあります。
ワクチンや健診のときに聴診で見つかることが多いものです。
この病気の雑音は、特徴的で、
聴けば分かることが多いとされています。
ほかの心雑音とも、区別します
| 雑音の背景 | 特徴 |
|---|---|
| 動脈管開存症 | 連続する特徴的な雑音。手術で治せる |
| ほかの先天性心疾患 | 種類によって、対応が変わる |
| 肥大型心筋症 | 雑音がないこともある。若い猫でも起こる |
| 無害性の雑音 | 子猫では、成長とともに消えることがある |
| 貧血や発熱 | 一時的に雑音が出ることがある |
「雑音=重い病気」でも「雑音=様子見でよい」でもありません。
症状が出ないこともあります
元気に遊んでいる子猫でも、見つかります。
「症状がないから大丈夫」ではありません。
雑音だけが、唯一の手がかりということもあります。
症状が出るなら、こんな形です
成長が遅い、
疲れやすい、遊びが続かない、
呼吸が速い、
咳が出る——
同腹の子と比べて小さいことも手がかりになります。
- 健診で、心雑音を指摘された
- 同じ時期の子猫より、成長が遅い
- 遊びが続かず、すぐ休んでしまう
- 安静時の呼吸数が多い
- 咳をすることがある
- 元気がなく、寝ていることが多い
雑音を、放っておかないでください
「心雑音がありますね」と言われたとき、
「様子を見ましょう」で終わらせないでください。
心臓の超音波で、原因を確かめられます。
そして、この病気なら治せます。
診断は、超音波で確かめます
| 検査 | 何が分かるか |
|---|---|
| 聴診 | 特徴的な雑音の有無。最初の手がかり |
| 心臓の超音波 | 動脈管の有無、血の流れる向き、心臓の大きさ |
| レントゲン | 心臓の形と大きさ、肺の血管の様子 |
| 心電図 | 心臓に負担がかかっていないか |
| 血液検査 | 全身の状態。手術に耐えられるか |
麻酔も要らず、その場でできる検査です。
雑音の段階で、ここまで進めます。
手術で、治せます

ここが、この記事でいちばん伝えたいことです。
根治できる病気です
この動脈管開存症は、手術で根治できる病気です。
心臓の病気の多くは、進行を遅らせることしかできません。
けれど、この病気は違います。
開いている管を閉じれば、原因そのものがなくなります。
先天性心疾患の中で、最も期待できます
この病気は、先天性心疾患の中で手術による矯正が最も期待できる疾患とされています。
生まれつきの心臓病の中では、いちばん見通しの明るいものということです。
管を、縛って閉じます
動脈管の結紮——
開いている管を、糸で縛って閉じる手術です。
胸を開けて行う方法のほか、
血管からカテーテルを入れて塞ぐ方法がとられることもあります。
どちらも、専門的な設備と技術が必要になります。
術後の生活は、変わりません
術後に合併症がみられずに経過が良い場合、健康と変わらない生活の質を得ることができます。
ふつうに走り、ふつうに遊べる——
そこまで戻れる可能性があるのです。
心臓病としては、めずらしいことです。
放置すると、寿命が変わります
逆の場合も、書いておきます。
三歳くらいまでとされています
動脈管開存症は放置すると、3歳くらいまでしか生きられない病気とされています。
厳しい数字です。
けれど、これは治療しなかった場合の話です。
負担が、積み重なります
余分な血が流れ続ければ、心臓も肺の血管も傷んでいきます。
心臓は大きくなり、やがて働きが落ちます。
肺の血管も、変化していきます。
その積み重ねが、寿命を縮めます。
放置したときに、起こること
| 段階 | 起こること |
|---|---|
| しばらくは | 元気に見える。雑音だけがある |
| 負担が続く | 心臓が大きくなっていく |
| 働きが落ちる | 疲れやすくなり、呼吸が速くなる |
| 肺に水がたまる | 急に呼吸が苦しくなることがある |
| 肺の血管が変化 | 手術できなくなることもある |
「元気だから、まだいい」がいちばん危ない判断になります。
だから、治療する意味が大きいのです
治療するかしないかで、これほど結果が変わる病気は多くありません。
手術には費用も負担もかかります。
けれどその先にあるものが、大きく違います。
そこも含めて、相談してみてください。
早いほうが、いいのです

時期の問題です。
進むと、手術できなくなることがあります
肺の血管に変化が固定してしまうと、
血の流れる向きが逆転することがあります。
そうなると、管を閉じることがかえって危険になります。
手術という選択肢が、消えてしまうのです。
だから、若いうちに
子猫のうちに見つかれば、体が育ち次第、手術を計画できます。
若い成猫でも、まだ根治が期待できます。
遅れるほど、選べることが減っていく——
それが、この病気の時間の意味です。
手術の前に、聞いておきたいこと
- どの方法で閉じるか(開胸か、カテーテルか)
- いつ行うのがよいか
- どこで受けられるか(紹介が要るか)
- おおよその費用
- 術後、どのくらいで戻れるか
- 今の心臓の状態は、どこまで戻りそうか
専門的な設備が要るため、紹介になることがあります。
早めに、その話まで進めておいてください。
小さすぎても、待つことがあります
あまりに小さい子猫では、麻酔や手術の負担が大きくなります。
ある程度、体が育つのを待つこともあります。
「今すぐではない」=「しなくてよい」ではありません。
いつ行うかを、決めておいてください。
⚠ こんなときは、すぐ受診してください
呼吸が急に速くなった。
口を開けて呼吸している。
舌や歯ぐきが、紫がかっている。
ぐったりして、動かない。
心臓の負担が限界を超えると、肺に水がたまることがあります。
手術のあとのこと
手術で終わり、ではありません。
経過を、確認していきます
動脈管の結紮後は、定期的に心臓の状態を確認することが必要になります。
心臓が、どこまで元に戻るか——
それを、超音波で見ていきます。
早く手術できていれば、戻りやすくなります。
すぐには、元どおりになりません
大きくなった心臓は、時間をかけて戻っていきます。
数か月かけて、変わっていくことがあります。
その間、薬を続けることもあります。
自己判断でやめないでください。
家でできること
安静時呼吸数を測って記録してください。
数え方は寝ているときに15秒数えて4倍するだけです。
1分間20〜30回が正常です。
術後、この数字が下がってくればよくなっている印になります。
術後に、見ておいてほしいこと
- 安静時呼吸数を、毎日数える
- 傷の腫れや、にじみがないか
- カラーを、勝手に外さない
- 食欲と元気が、戻ってくるか
- 指示された薬を、続ける
- 再診を、飛ばさない
呼吸数が下がってくることが、いちばん分かりやすい回復の印です。
次の猫を迎えるときにも
先天性の心疾患ですから、
繁殖に関わる話でもあります。
同じ親から生まれた子猫がいるなら、その子たちも調べてもらってください。
そして、その親での繁殖は避けるべきです。
🩺 希望のある心臓病です
「心臓病」と聞いて、あきらめないでください。
この病気は、先天性心疾患の中で手術による矯正が最も期待できるものです。
まず、超音波で確かめてもらってください。
この記事の要点
動脈管は通常、生後7〜10日以内に閉鎖します。それが開いたままの状態が動脈管開存症です。
大動脈から肺動脈へ血液が流入するため、肺血流が増加し、左室の容量負荷が増加します。
手術で根治でき、先天性心疾患の中で矯正が最も期待できる疾患とされています。
放置すると3歳くらいまでとされ、早期の診断と治療が重要です。
Q. 動脈管開存症とは、どんな病気ですか?
A. 生まれる前に必要だった「動脈管」という血管が、生後も閉じずに残ってしまう状態です。
Q. 動脈管は、いつ閉じるのですか?
A. 通常は、生後7〜10日以内に確実に閉鎖します。それを過ぎても開いたままの状態を、動脈管開存症と呼びます。
Q. 猫でも起こりますか?
A. 起こります。犬で最も一般的な先天性心疾患で、猫でも発生はみられますが、犬と比較すると少ないとされています。
Q. 何が問題になるのですか?
A. 大動脈から肺動脈へ血液が流入するためです。肺血流が増加し、左室の容量負荷が増加して、心臓と肺の血管に負担がかかります。
Q. どうやって見つかりますか?
A. 子猫のときに、心臓に雑音があると指摘されることがあります。ワクチンや健診の聴診で見つかることが多いものです。
Q. 元気なのですが、大丈夫ですか?
A. 元気に見えても、負担は積み重なっています。雑音だけが唯一の手がかりということもあります。超音波で確かめてもらってください。
Q. 治りますか?
A. 手術で根治できる病気です。先天性心疾患の中で、手術による矯正が最も期待できる疾患とされています。
Q. どんな手術をしますか?
A. 開いている管を糸で縛って閉じます。胸を開けて行う方法のほか、血管からカテーテルを入れて塞ぐ方法がとられることもあります。
Q. 手術後は、ふつうに暮らせますか?
A. 術後に合併症がみられず経過が良い場合、健康と変わらない生活の質を得ることができます。
Q. 手術しないと、どうなりますか?
A. 放置すると、3歳くらいまでしか生きられない病気とされています。余分な血が流れ続けることで、心臓も肺の血管も傷んでいきます。
Q. 早く手術したほうがよいですか?
A. そうです。進行して肺の血管に変化が固定すると、手術そのものができなくなることがあります。
Q. 子猫が小さすぎると言われました
A. 体が育つのを待つことがあります。ただし「今すぐではない」は「しなくてよい」ではありません。いつ行うかを決めておいてください。
Q. 手術のあとは、通院が必要ですか?
A. 必要です。動脈管の結紮後は、定期的に心臓の状態を確認することになります。
Q. 心臓は、元に戻りますか?
A. 時間をかけて戻っていきます。数か月かかることがあります。早く手術できているほど、戻りやすくなります。
Q. 同腹の子猫も、調べたほうがよいですか?
A. 調べてもらってください。先天性の心疾患であるため、同じ親から生まれた子猫も確かめておく価値があります。
まとめ|雑音を指摘されたら、超音波まで進んでください
「心臓に雑音があります」——
その言葉に、動揺されると思います。
けれど、もしこの病気なら、手術で治せます。
先天性心疾患の中で、手術による矯正が最も期待できる疾患とされています。
そして、術後の経過が良ければ健康と変わらない生活の質を得られます。
いっぽう放置すれば、3歳くらいまでとされています。
治療するかしないかで、これほど結果が変わる病気は多くありません。
だから、雑音を指摘されたらそこで止まらないでください。
心臓の超音波まで、進んでください。その一歩が、寿命を変えることがあります。
今日できる3つ
- 1雑音を指摘されたことがあるか、思い返す
- 2寝ている猫の呼吸数を、15秒数えて4倍する
- 3「心臓の超音波はできますか」と聞いてみる
この病気は、治せます。そして、早いほど選べることが多くなります。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「猫の動脈管開存症|手術で治せる、数少ない心臓病です」でした。
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