ネコの病気    猫ひっかき病|腫れるのは傷ではなく、その先のリンパ節です

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猫ひっかき病|腫れるのは傷ではなく、その先のリンパ節です
猫ひっかき病
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫ひっかき病|腫れるのは傷ではなく、その先のリンパ節です」です。ではどうぞ!

猫に引っかかれた傷は、たいてい数日で治ります。だから、そのことを忘れてしまいます。

問題が起きるのは、そのあとです。

感染後3〜10日以内に、傷口に痛みのない赤い隆起ができます。2週間以内に、傷の近くにあるリンパ節が腫れて痛みます。

わきの下、首、足の付け根——傷とは別の場所が腫れてくるため、猫と結びつけて考えられないことがあります。

結論

猫ひっかき病はバルトネラ・ヘンセレという菌に感染した猫に引っかかれたり咬まれたりした際に、傷口から細菌が侵入することで起こる感染症です。感染後3〜10日以内に傷口に痛みのない赤い隆起ができ、2週間以内に傷の近くのリンパ節が腫れて痛み、この頃から発熱、体のだるさ、頭痛、食欲不振などの症状がみられます。日本では猫の約10〜30%が保菌していると報告されており、特に子猫(1歳未満)や3歳以下の若い猫、室外飼育やネコノミが寄生している猫で保菌率が高いとされています。自然に治ることが多いため、症状が軽い場合は特に治療を行ないません。ただし抵抗力が低下している人は重症化することがあり、その場合はマクロライド系またはテトラサイクリン系の抗菌薬で治療します。予防は定期的なノミの駆除と、口移しなど過度に濃密な接触を避けることです。

この記事でわかること

  • 腫れるのは、傷ではありません
  • パスツレラ症との、時間差
  • 菌を運んでいるのは、ノミです
  • 子猫のほうが、保菌率が高くなります
  • 猫自身は、何ともありません
  • 多くは、自然に治ります
  • 重くなる人もいます
  • 予防は、ノミ駆除と距離感です

腫れるのは、傷ではありません

症状が出るまでの時間
時間差が、この病気の特徴です。

この病気で分かりにくいのは、症状が出る場所と時期です。

引っかかれた傷そのものは、痛みのない赤い隆起ができる程度です。気にならないまま、通り過ぎてしまいます。

そして2週間以内に、傷の近くにあるリンパ節が腫れて痛みます。

どこが腫れるかは、傷の場所で決まります

リンパ節は、体のあちこちにあります。腫れるのは傷から流れてくる先にあるものです。

腫れる場所には、規則性があります
引っかかれた場所 腫れやすいリンパ節
手・腕 わきの下、ひじの内側
顔・首 首すじ、あごの下、耳の後ろ
足の付け根(そけい部)
胸・お腹 わきの下、足の付け根
どこであれ 傷より、体の中心に近い側が腫れる

「そういえば、二週間前に猫に引っかかれた」——そう思い出せるかどうかが、診断にたどり着く分かれ目になります。

こんな症状が出ます

  • 傷の近くのリンパ節が、腫れて痛む
  • 発熱する
  • 体がだるい
  • 頭痛がする
  • 食欲が落ちる
  • 傷口に、痛みのない赤い隆起がある

風邪のような症状にリンパ節の腫れが加わる——そういう形になります。

⚠ 受診のときに、必ず伝えてください

「猫を飼っています」「二週間前に引っかかれました」「ここが腫れています」——

この三つを伝えるだけで、診断が一気に近づきます。リンパ節の腫れだけを訴えると、まったく別の検査が始まってしまうことがあります。

パスツレラ症との、時間差

パスツレラ症との違い
いつ出るかで、見当がつきます。

猫に咬まれたり引っかかれたりして起こる感染症には、もうひとつパスツレラ症があります。

この二つは、出てくる時間がまったく違います。

二つを並べると
パスツレラ症 猫ひっかき病
症状が出るまで 早ければ数時間 3〜10日、リンパ節は2週間以内
腫れる場所 傷口そのもの 傷の近くのリンパ節
傷口の様子 赤く腫れ、痛む 痛みのない赤い隆起
全身症状 進むと出る 発熱、だるさ、頭痛
猫の保菌率 口の中に100%近く 約10〜30%
経過 放置すると深部へ広がる 自然に治ることが多い

すぐ腫れたらパスツレラ、あとから腫れたら猫ひっかき病——おおまかには、そう覚えておくと整理できます。

もちろん、両方が同時に起こることもあります。いずれにしても、猫との接触歴を伝えることがいちばん役に立ちます。

引っかかれた記憶がないこともあります

「引っかかれた覚えがない」——そう言われることも、少なくありません。

猫と暮らしていると、小さな引っかき傷は日常のものになります。抱き上げたときに軽く当たった程度では、記憶に残らないのが自然です。

また、咬まれた場合や、傷をなめられた場合でも同じことが起こりえます。菌は爪だけでなく、口のまわりにも付いているためです。

ですから「猫を飼っている」という事実だけでも伝える価値があります。はっきりした傷を思い出せなくても、それは手がかりになります。

菌を運んでいるのは、ノミです

この病気を予防するうえで、いちばん重要な事実がこれです。

猫のあいだでこの菌を運んでいるのは、ネコノミです。

感染した猫を吸血したノミが、その糞に菌を出します。猫がグルーミングでそれを爪や口に付け、その爪が人を引っかく——そういう流れになります。

だから、ノミ駆除が直接効きます

菌そのものを猫から取り除くのは簡単ではありません。けれどノミを減らせば、猫のあいだでの広がりが止まります。

猫の保菌率は、ネコノミが寄生している猫で高いことが示されています。

定期的なノミの駆除の実施が予防としてすすめられているのは、このためです。

ヘモプラズマ感染症もノミが関わる病気ですから、ノミ対策はまとめて効きます。

子猫のほうが、保菌率が高くなります

保菌しやすい猫
どの猫でも、同じではありません。

日本では、猫の約10〜30%が保菌していると報告されています。

そして、その割合は猫によって差があります。特に子猫(1歳未満)では、菌の保有率が高いとされています。

猫の保菌率は、特に南の地方や都市部の猫、3歳以下の若い猫、室外飼育やネコノミが寄生している猫で高いことが示されています。

子猫を迎えたときこそ、気をつけてください

困ったことに、いちばん保菌率が高いのが子猫です。

そして子猫は、いちばん引っかかれやすい相手でもあります。遊びが激しく、手を使って遊んでしまいがちだからです。

  • 保護したばかりの子猫は、ノミの駆除を早めに行う
  • 手ではなく、おもちゃで遊ぶ習慣をつける
  • 爪を定期的に切る
  • 興奮しているときは、無理に触らない
  • 顔を近づけすぎない
  • 小さなお子さんには、触り方を教えておく

子猫が大人になるにつれて、保菌率は下がっていきます。最初の一年をどう過ごすかが、そのまま予防になります。

猫自身は、何ともありません

ここも、知っておいてください。

この菌を持っていても、猫自身は症状を出さないことがほとんどです。

元気に走り回っている猫が、ふつうに保菌している——それがこの病気の実際です。

だから、猫を責めないでください

引っかかれて具合が悪くなると、猫のせいのように感じてしまうことがあります。

けれど猫は、自分が菌を持っていることを知りません。そして、多くの場合は引っかかれるような状況をつくったのは人の側です。

急に触った、しつこく抱いた、手で遊んだ——その一つひとつが、防げるところです。

猫を手放す必要はまったくありません。距離の取り方を覚えるだけで済む話です。

室内飼いでも、ノミは入ってきます

「外に出していないから、ノミはいない」——そう考えたくなりますが、必ずしもそうではありません。

室内でもノミが入る経路
入ってくる経路 どういう場面か
人の衣類 外で猫に触れたあと、そのまま帰宅する
荷物・買い物袋 置いた場所から、紛れ込むことがある
ベランダ・玄関 外の猫が来ていれば、そこから
新しく迎えた猫 すでに寄生していることがある
同居の犬 散歩から連れ帰ることがある
だから 室内飼いでも、季節によっては予防を続ける

とくに散歩する犬が同居している家では、犬と猫の両方で対策をそろえておくと確実です。

使う薬は動物ごとに違います。犬用のものを猫に使わないでください。猫には使えない成分が含まれていることがあります。

多くは、自然に治ります

この病気の見通しは、それほど厳しいものではありません。

自然に治ることが多いため、症状が軽い場合は特に治療を行ないません。

腫れたリンパ節が痛む場合は、鎮痛剤を使用します。

数週間から数か月かけて、リンパ節の腫れは引いていきます。長く感じるかもしれませんが、じわじわ小さくなるのがふつうの経過です。

それでも、受診はしてください

自然に治るからといって、放っておいてよいわけではありません。

リンパ節が腫れる原因は、ほかにもたくさんあります。猫ひっかき病だと決めつけて様子を見るのは危険です。

診断してもらったうえで、「経過を見ましょう」となるのが正しい流れです。

診断には血液検査で抗体の有無を調べる方法や、猫との接触歴の確認が使われます。

どのくらいで治りますか

リンパ節の腫れは、数週間から数か月かけて引いていきます。

発熱やだるさは、多くの場合一〜二週間ほどで落ち着きます。そのあとも、しこりだけがしばらく残ることがあります。

「なかなか小さくならない」と心配になるかもしれませんが、この病気ではそれがふつうの経過です。

ただし、大きくなり続けている、痛みが強くなっているなら話は別です。そのときは、もう一度受診してください。

重くなる人もいます

ただし、全員が軽く済むわけではありません。

抵抗力が低下している人は重症化することがあるため、その場合は抗菌薬(マクロライド系またはテトラサイクリン系)で治療を行ないます。

早めに相談したい場合
こんな方は 気をつけたいこと
治療で免疫が下がっている方 重症化することがある
小さなお子さん 顔を近づけやすく、引っかかれやすい
高齢の方 治りに時間がかかることがある
持病がある方 早めに受診して相談する
目の近くを引っかかれた方 目に症状が出ることがある
症状が強い方 高熱、強い倦怠感があれば早めに

まれに、目や神経、肝臓などに症状が出ることがあります。頻度は高くありませんが、「猫ひっかき病だから軽い」と自己判断しないことが大切です。

🩺 獣医療の現場では

受診するのは、人の医療機関です。

そこで伝えるべきは「猫を飼っている」「いつ引っかかれた」の二つ。この情報がないと、リンパ節の腫れはまったく別の方向で調べられます。遠回りを避けるために、最初に伝えてください。

予防は、ノミ駆除と距離感です

予防のポイント
猫を遠ざける必要は、ありません。

この病気の予防は、二つの方向から行います。

ひとつは猫が菌を持たないようにすること——つまりノミの駆除です。

もうひとつは引っかかれないようにすることです。

猫の側でできること

  • 定期的にノミの駆除を行う
  • 完全室内飼育にして、外の猫と接触させない
  • 爪を定期的に切る
  • 爪とぎを用意し、爪の先を整えられるようにする
  • 寝床やカーペットを、こまめに掃除する
  • 多頭飼いなら、全頭でノミ対策をそろえる

爪を切るのは、単純ですがよく効きます。先が鋭くなければ、深く刺さりません。嫌がる猫でも、寝ているときに一本ずつなら切らせてくれることがあります。

人の側でできること

食べ物を口移しで与える等の、ネコとの過度な、濃密な接触をさけることがすすめられています。

  • 口移しで食べ物を与えない
  • 顔や口のまわりをなめさせない
  • 手をおもちゃにして遊ばない
  • 嫌がるサインが出たら、すぐにやめる
  • 触れ合ったあとは、手を洗う
  • 引っかかれたら、すぐに洗って消毒する

猫との暮らしをあきらめる話ではありません。むしろ、こうした距離感は猫にとっても心地よいものであることが多いのです。無理に顔を近づけられるのを、喜ぶ猫はそう多くありません。

よくある質問

Q. 猫ひっかき病とは、どんな病気ですか?

A. バルトネラ・ヘンセレという菌に感染した猫に引っかかれたり咬まれたりして、傷口から菌が侵入する感染症です。主な症状は、傷の近くのリンパ節が腫れて痛むことです。

Q. いつごろ症状が出ますか?

A. 感染後3〜10日以内に傷口に痛みのない赤い隆起ができ、2週間以内にリンパ節が腫れます。そのころから発熱、体のだるさ、頭痛、食欲不振がみられます。

Q. パスツレラ症とは、どう違いますか?

A. 症状が出るまでの時間が違います。パスツレラ症は早ければ数時間で傷口が腫れますが、猫ひっかき病は数日から2週間かけてリンパ節が腫れてきます。

Q. どこが腫れますか?

A. 傷から体の中心に近い側のリンパ節です。手や腕ならわきの下、顔や首なら首すじやあごの下、足なら足の付け根が腫れやすくなります。

Q. うちの猫は菌を持っていますか?

A. 日本では猫の約10〜30%が保菌していると報告されています。特に子猫(1歳未満)や3歳以下の若い猫、室外飼育やネコノミが寄生している猫で保菌率が高いとされています。

Q. 猫は具合が悪くなりますか?

A. 猫自身は症状を出さないことがほとんどです。元気に見える猫が、ふつうに保菌していることがあります。

Q. どうやって猫にうつるのですか?

A. 猫のあいだで菌を運んでいるのは、ネコノミです。だからノミの駆除が、この病気の予防に直接効きます。

Q. 治療は必要ですか?

A. 自然に治ることが多いため、症状が軽い場合は特に治療を行ないません。腫れたリンパ節が痛む場合は、鎮痛剤を使用します。

Q. では、受診しなくてもよいですか?

A. 受診はしてください。リンパ節が腫れる原因はほかにもたくさんあります。診断してもらったうえで「経過を見ましょう」となるのが正しい流れです。

Q. 重くなることはありますか?

A. 抵抗力が低下している人では重症化することがあります。その場合はマクロライド系またはテトラサイクリン系の抗菌薬で治療します。まれに目や神経、肝臓に症状が出ることもあります。

Q. 予防はどうすればよいですか?

A. 定期的なノミの駆除と、過度に濃密な接触を避けることです。口移しで食べ物を与えない、顔をなめさせない、手をおもちゃにして遊ばない——この三つが基本になります。

Q. 猫を手放したほうがよいですか?

A. その必要はありません。多くは自然に治る病気ですし、ノミ対策と爪の手入れ、遊び方の工夫でほとんど防げます。

まとめ|二週間前のことを、思い出してください

この病気の難しさは、症状が出るころには、傷を忘れていることにあります。

リンパ節の腫れと発熱。それだけを伝えると、まったく別の方向で検査が進んでしまいます。

だから、思い出してください。「そういえば、猫に引っかかれた」——その一言が、診断への最短距離になります。

そして予防は、ノミの駆除です。猫のあいだで菌を運んでいるのがノミである以上、そこを断つのがいちばん効きます。

この病気は、多くの場合自然に治まっていくものです。けれど、知らなければ長く不安を抱えることになります。

猫と暮らしていることを、医師に伝える。それだけで、遠回りせずに済みます。

今日できる3つ

  • 1ノミの予防薬を、いつ使ったか確かめる
  • 2猫の爪の先が鋭くなっていないか、見て切る
  • 3手をおもちゃにして遊んでいないか、遊び方を見直す

この病気は、遅れてやってきます。だから、引っかかれた日を覚えておいてください。

モフ@ペット好き

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