ネコの病気    猫の動脈血栓塞栓症|急に立てないのは、心臓が原因です

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猫の動脈血栓塞栓症|急に立てないのは、心臓が原因です
動脈血栓塞栓症
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の動脈血栓塞栓症|急に立てないのは、心臓が原因です」です。ではどうぞ!

さっきまで、ふつうに歩いていた。

それが突然、腰が抜けたように後ろ足が動かなくなり、激しく鳴いている。

「どこかから落ちたのか」「脱臼したのか」——そう考えるのが自然だと思います。

けれど原因は、足ではありません。心臓でできた血の塊が、後ろ足へ向かう血管に詰まっているのです。その場で、病院へ連絡してください。

結論

猫の動脈血栓塞栓症(ATE)は心筋症を持つ猫に比較的多く見られる救急疾患です。心臓の中でできた血栓が流れていき、後肢へ向かう動脈に形成されやすく典型的な症例では「鋭く激しい痛み」と「神経麻痺」が同時に認められます。「猫が急に立てなくなった」「後ろ足が冷たい」「鳴いて痛がっている」といった症状が見られます。背景には心筋症があることが多く、心筋症は猫の死因のトップ10のひとつで、進行すると突然後足が麻痺してしまう大動脈血栓塞栓症など、命に関わる事態を引き起こすことがあります。急性期においては早期な判断と早急な治療介入が治療の鍵となり、ATEが疑われる場合はまず鎮痛処置を最優先に行い、その後呼吸状態のスクリーニングを行います。落ち着いたあとは血栓ができにくくする薬を継続し、再発を防いでいくことになります。

この記事でわかること

  • 突然、後ろ足が動かなくなります
  • 原因は、足ではなく心臓です
  • 激しく、痛みます
  • その場で、してほしいこと
  • してはいけないこと
  • 治療は、まず痛みを取ることから
  • 呼吸も、同時に確かめます
  • 再発を、防いでいきます

突然、後ろ足が動かなくなります

気づくきっかけ
突然、起こります。

この病気は前ぶれなく起こります。

腰が抜けたように見えます

猫が急に立てなくなった——

後ろ足を引きずるようにして、前足だけで進もうとする。

あるいは、まったく動かせずに横たわっている。

その姿から、多くの方は事故やけがを疑います。

足が、冷たくなっています

後ろ足が冷たい——これが、決定的な手がかりです。

前足と後ろ足を、両方さわってみてください。

はっきりした温度の差があれば、血が届いていないということです。

けがでは、こうはなりません。

肉球の色も、変わります

血が届かなければ、色も変わります。

肉球が白っぽい、あるいは紫がかっている——

前足の肉球と、比べてみてください。

爪を軽く押しても、血の色が戻ってこないこともあります。

前足に出ることもあります

後肢に形成されやすいとされていますが、

前足の片方だけに出ることもあります。

片方の前足だけ、急に使わなくなった——

そのときも、同じ病気を考えます。

原因は、足ではなく心臓です

血栓ができるまで
心臓の中で、できます。

なぜ、足に血が届かなくなるのか。

心臓の中で、血がよどみます

心筋症を持つ猫に比較的多く見られるのがこの病気です。

肥大型心筋症では心臓の部屋が広がり、血液の流れが滞ります。

よどんだ場所では、血が固まりやすくなります。

そこに、血栓ができます。

それが、流れていきます

できた血栓は、心臓から押し出されます。

そして、血管の中を流れていきます。

詰まりやすいのが、後ろ足へ分かれる場所です。

そこで血管が細くなるため、塊が引っかかります。

だから、足を診ても分かりません

足そのものには、異常がありません。

骨も折れていませんし、関節も外れていません。

血が届いていないだけです。

そして、その原因は心臓にあります。

だから、この病気では心臓を調べることになります。

心臓病と知らなかった猫でも、起こります

心筋症は、初期には無症状です。

だから「うちの子は心臓が悪いなんて知らなかった」という場合が少なくありません。

この発作が、心臓病の最初の知らせになることがあるのです。

けがとの、見分け方

温度と肉球の色を見れば、家からでもかなり絞れます
血栓塞栓症 けがや脱臼
足の温度 冷たい。前足との差がはっきり 変わらない
肉球の色 白っぽい、紫がかる 変わらない
きっかけ 思い当たる出来事がない 落ちた、ぶつけたなどがある
痛み方 激しく鳴き続ける 触ると痛がる
背景 心臓病があることが多い 心臓とは関係ない

どちらにしても受診が要るのですが、

血栓なら、急ぎ方が変わります。

激しく、痛みます

この病気で、いちばん知っておいてほしいことです。

鋭く、強い痛みです

典型的な症例では「鋭く激しい痛み」と「神経麻痺」が同時に認められます。

鳴いて痛がっている——

ふだん鳴かない猫が、大きな声で鳴き続けることがあります。

猫が経験する痛みの中でも、とくに強いもののひとつです。

だから、鎮痛が最優先になります

ATEが疑われる場合は、まず鎮痛処置を最優先に行います。

血栓を溶かすことより先に、痛みを取る——

それだけ、痛みが強いということです。

病院に着いたら、まずそこから始まります。

痛みは、猫を消耗させます

強い痛みは、体にも負担をかけます。

心臓に、さらに負担がかかります。

だから、早く取ってあげる必要があります。

「様子を見る」時間が、そのまま苦痛の時間になります。

その場で、してほしいこと

その場での対応
やることと、やらないこと。

気づいたときの動き方です。

まず、電話をしてください

連れていく前に、病院へ連絡してください。

「後ろ足が急に動かなくなり、冷たくて、鳴いて痛がっています」——

これだけ伝われば、緊急度が正確に伝わります。

準備をして待っていてもらえます。

夜間でも、待たないでください

急性期においては早期な判断と早急な治療介入が治療の鍵となります。

朝まで待つ、という選択はありません。

かかりつけが閉まっていれば、夜間救急を探してください。

伝えてほしいこと

  • いつから、動かなくなったか
  • 後ろ足が冷たいかどうか
  • 肉球の色
  • 鳴いて痛がっているか
  • 呼吸が速い、口を開けていないか
  • 心臓病で治療中かどうか

電話の時点で、これだけ伝われば十分です。

静かに、そっと運んでください

強く痛んでいます。

抱き上げるときは、体全体を支えてください。

後ろ足をぶら下げないようにしてください。

キャリーには、やわらかいものを敷いてあげてください。

してはいけないこと

よかれと思ってしてしまうことを挙げておきます。

足を、もまないでください

冷たいから温めよう、血行をよくしよう——

そう考えて、足をさすったりもんだりしたくなります。

けれど強く痛んでいる場所です。

触れば、それだけ猫を苦しめます。

そっとしておいてください。

痛み止めを、勝手に与えないでください

人用の痛み止めは、猫に強い毒性があります。

ほかの猫に処方された薬も、使わないでください。

この状態の猫では、腎臓にも負担がかかっています。

薬の選び方が、より難しくなっているのです。

立たせようとしないでください

立てるかどうか確かめたくなると思います。

けれどそれは、病院で確かめれば足ります。

無理に動かせば、痛みも負担も増えるだけです。

⚠ この四つがそろえば、迷わず救急へ

急に、後ろ足が動かなくなった。

後ろ足が、前足より冷たい。

大きな声で、鳴いて痛がっている。

肉球の色が、白っぽいか紫がかっている。

これは、救急疾患です。夜間でも連絡してください。

治療は、まず痛みを取ることから

急性期とその後
まず痛み、そして再発予防。

病院で行われることを順に見ていきます。

鎮痛が、いちばん先です

まず鎮痛処置を最優先に行います。

強い痛み止めを使って、まず苦痛を取ります。

検査より先です。

痛みを抱えたままでは、検査にも耐えられません。

血栓に対する治療を行います

血が固まりにくくする薬が使われます。

すでにできた塊を、これ以上大きくしない——

そして、新しい塊ができないようにする——

それが、この薬のねらいです。

同時に、心臓の治療も始まります

背景にある心臓病への治療も、あわせて始まります。

心臓の超音波で、状態を確かめます。

まだ心臓の中に血栓が残っていないかも見ます。

そこが、次の発作を防ぐ手がかりになります。

入院になることが多い病気です

急性期を乗り越えられるかどうかが、最初の山になります
時期 行われること
着いてすぐ 鎮痛処置。まず痛みを取る
その後 呼吸状態の確認。心臓の超音波
最初の数日 入院して、点滴と投薬で管理する
落ち着いたら 飲み薬に切り替え、退院を考える
帰宅後 再発を防ぐ薬を、続けていく

数日は、面会も限られることがあります。

それでも、まず痛みを取ってもらうことが先です。

呼吸も、同時に確かめます

見落とされがちですが、重要な点です。

肺にも、水がたまっていることがあります

鎮痛処置のあと、呼吸状態のスクリーニングを行います。

同じ心臓病が背景にあるので、

肺水腫併発していることがあるのです。

足のことに気を取られていると、呼吸の異常が見落とされます。

だから、呼吸も見ておいてください

家からでも、確かめられます。

安静時呼吸数速くなっていないか——

口を開けて呼吸していないか——

そのことも、電話で伝えてください。

両方あると、より急ぎます

足が動かず、呼吸も苦しい——

この状態は、さらに厳しいものになります。

迷わず、その場で救急へ連絡してください。

再発を、防いでいきます

急性期を越えたあとの話です。

薬を、続けることになります

血栓ができにくくする薬飲み続けることになります。

クロピドグレルやリバーロキサバンといった薬が使われます。

これらを継続することで、血栓の再発を防いだ報告があります。

やめれば、リスクが戻ります。

戻ってくる過程で、してあげられること

  • トイレを、寝ている場所のそばに置く
  • ふちの低いトイレに替える
  • 床に、滑り止めを敷く
  • 高いところへ行けないようにする
  • 食器と水を、手の届く位置に置く
  • 間に合わず汚しても、叱らない

足が戻るまでのあいだ、自力で動けない時期があります。

背景の心臓病も、管理します

血栓は、結果です。

もとにあるのは、心臓の病気です。

そちらの管理を続けることが、いちばんの再発予防になります。

定期的に超音波で見てもらってください。

見ておきたい間隔

再発は突然です。だから前と同じサインを覚えておいてください
時期 確かめること
退院した直後 呼吸数、足の温かさ、薬を飲めているか
最初の数週間 指示された間隔で再診。足の回復を見る
落ち着いたら 数か月ごとに、心臓の超音波で確認
毎日 安静時呼吸数を数えて、記録する
異変があれば そのつど。前と同じサインを覚えておく

一度経験しているぶん、次は早く動けます。

後ろ足は、戻ることがあります

血流が回復すれば、足の機能も戻ってくることがあります。

数日から数週間かけて、少しずつです。

完全には戻らないこともあります。

それでも、暮らしていける猫は多いものです。

家で見ておくこと

  • 安静時呼吸数(毎日、数えて記録する)
  • 後ろ足の温かさ、動き方
  • 肉球の色
  • 薬を飲めているか
  • 食欲と、元気
  • 足を引きずる様子が、戻っていないか

再発は、また突然起こります。

だから、同じサインを覚えておいてください。

🩺 話しにくいことも、話してよいのです

この病気は、つらい選択を迫られることがあります。

痛みの強さ、心臓の状態、再発のリスク——

そこも含めて、獣医師と話してよいことです。

ひとりで抱えないでください。

この記事の要点

心筋症を持つ猫に比較的多く見られる救急疾患です。後肢に形成されやすく、突然発症します。

典型例では「鋭く激しい痛み」と「神経麻痺」が同時に認められます。

急性期は、まず鎮痛処置を最優先に行い、そのあと呼吸状態のスクリーニングを行います。

落ち着いたあとは、血栓を防ぐ薬を続け、背景の心臓病を管理していきます。

Q. 動脈血栓塞栓症とは、どんな病気ですか?

A. 心臓でできた血の塊が流れていき、動脈に詰まってしまう病気です。心筋症を持つ猫に比較的多く見られる救急疾患です。

Q. どんな症状が出ますか?

A. 急に立てなくなる、後ろ足が冷たい、鳴いて痛がるといった症状です。典型例では、鋭く激しい痛みと神経麻痺が同時に認められます。

Q. 事故やけがではないのですか?

A. 足そのものには異常がありません。血が届いていないだけで、原因は心臓にあります。後ろ足が前足より冷たいことが、決定的な手がかりです。

Q. うちの猫は心臓病と言われていません

A. それでも起こります。心筋症は初期には無症状のため、この発作が心臓病の最初の知らせになることがあります。

Q. どのくらい急ぎますか?

A. その場で連絡してください。急性期においては、早期な判断と早急な治療介入が治療の鍵となります。夜間でも待たないでください。

Q. 足をさすってもよいですか?

A. 触らないでください。強く痛んでいる場所です。もんだり温めようとしたりすると、猫を苦しめます。

Q. 痛み止めを飲ませてもよいですか?

A. 与えないでください。人用の痛み止めは猫に強い毒性があります。ほかの猫に処方された薬も使わないでください。

Q. 病院では、何から始めますか?

A. まず鎮痛処置を最優先に行います。検査より先に、痛みを取ります。そのあと、呼吸状態のスクリーニングを行います。

Q. なぜ呼吸を調べるのですか?

A. 同じ心臓病が背景にあるためです。肺水腫を併発していることがあり、足のことに気を取られると見落とされます。

Q. 後ろ足は、動くようになりますか?

A. 血流が回復すれば、戻ってくることがあります。数日から数週間かけて少しずつです。完全には戻らないこともありますが、暮らしていける猫は多いものです。

Q. 再発しますか?

A. することがあります。だからこそ、血栓ができにくくする薬を続け、背景の心臓病を管理していくことになります。

Q. どんな薬を使いますか?

A. クロピドグレルやリバーロキサバンといった薬が使われます。これらを継続して、血栓の再発がなかった報告があります。

Q. 薬はいつまで続けますか?

A. 続けることになります。やめればリスクが戻ります。自己判断でやめないでください。

Q. 前足に出ることもありますか?

A. あります。後肢に形成されやすいものの、片方の前足だけに出ることもあります。急に片足を使わなくなったら、同じ病気を考えます。

Q. 予防できますか?

A. 背景の心臓病を、早く見つけて管理することです。心臓の超音波で血液のよどみや血栓の有無を確かめ、必要なら予防の薬を始めます。

まとめ|後ろ足をさわって、温度を比べてください

猫が急に立てなくなったとき、まず疑うのは事故やけがだと思います。

けれど、後ろ足をさわってみてください。

前足より冷たければ、それは血が届いていないということです。

そして、原因は心臓にあります。

この病気は激しく痛みます。

だから、病院ではまず痛みを取ることから始まります。

その時間を、家で長引かせないでください。

足をもまない、立たせない、薬を与えない。

そっと運んで、その場で電話をする——それが、いちばん猫のためになる動き方です。

今日できる3つ

  • 1前足と後ろ足の温かさを、さわって比べてみる
  • 2肉球の色を、左右と前後で見比べておく
  • 3夜間救急の連絡先を、調べて控えておく

急に立てなくなるのは、心臓からの発作です。その場で連絡してください。

モフ@ペット好き

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