

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬の疥癬|これは、駆除すれば終わる痒みです」です。ではどうぞ!
掻いても掻いても、止まらない。
夜中も掻き続けていて眠れていない——
そして、耳のふちにかさぶたのようなものができている——
そういう痒みなら考えてほしい病気があります。
疥癬(かいせん)——
ヒゼンダニという目に見えないダニが皮膚のなかに住みついて起こる病気です。
そして、この病気にはほかの皮膚病とはっきり違う点が2つあります。
ひとつは、うつること。
同居している犬にもそして人にもうつることがあります。
もうひとつ——
駆除すれば、終わるということです。
結論
疥癬はヒゼンダニによって起こる皮膚の病気です。主な症状は激しいかゆみと皮膚の炎症で、最初は耳や脇、肘、腹などの部位に症状が表れることが多く、赤いブツブツ、脱毛、かさぶたが見られたり、皮膚全体が赤みを帯びたりします。慢性化・重症化した場合には、リンパ節が腫れたり、発熱、体重減少などの症状も併発します。ヒゼンダニは感染した犬から人間にうつることもあり、人にうつった場合も強いかゆみが特徴です。治療では、アフォキソラネル、サロラネル、フルララネルなどのさまざまな殺ダニ剤が用いられ、皮膚を清潔に保つためにシャンプーで洗い流すことも効果的とされています。
この記事でわかること
- ✓これは、治る痒みです
- ✓アレルギーとは、出る場所が違います
- ✓眠れないほどの痒み
- ✓うつります——同居犬にも、人にも
- ✓検査で見つからないことがあります
- ✓駆除すれば、終わります
- ✓環境と、同居犬への対応
これは、治る痒みです

皮膚の痒みという症状は同じでもその先は大きく違います。
| 疥癬 | アレルギーによる痒み | |
|---|---|---|
| 原因 | ヒゼンダニ | 体質と、アレルゲン |
| 終わりがあるか | 駆除すれば、終わる | 抑えながら、付き合っていく |
| うつるか | うつる。人にも | うつらない |
| 痒みの強さ | 激しい。眠れないほど | 程度はさまざま |
| 出る場所 | 耳のふち、肘、かかと、わき、腹 | 目や口のまわり、足先など |
| 治療 | 殺ダニ剤で駆除する | 痒みを抑え、皮膚を守る |
「治る」——
皮膚の病気でこの言葉が使えることはそう多くありません。
いずれも「抑えて暮らす」ことが目標になります。
けれど、疥癬は原因がはっきりした一つのもの——
それを取り除けば痒みそのものが終わるのです。
だから、見逃してほしくない——
「アレルギーだろう」と思って何年も痒み止めを使い続けている——
その正体が疥癬だったという場合には失っている時間が大きすぎます。
アレルギーとは、出る場所が違います

見分けの手がかりとしていちばん役に立つのが症状の出る場所です。
最初は耳や脇、肘、腹などの部位に症状が表れることが多いとされています。
| 場所 | 見えること |
|---|---|
| 耳のふち | かさぶた、フケ、毛が抜ける |
| 肘 | こすれる場所。赤くなり、硬くなる |
| かかと | 同じく、骨の出っぱった部分 |
| わき | 皮膚の薄い場所に、赤いブツブツ |
| お腹 | 赤み、ブツブツ、かさぶた |
| 進むと | 皮膚全体が赤みを帯びてくる |
ここで、思い出してほしいことがあります。
アトピー性皮膚炎では耳介の辺縁や腰背部には病変がないことが一般的だとされています。
つまり、耳のふちはアトピーでは出にくい場所——
そこにはっきりした症状があるなら疥癬を疑う理由になるのです。
耳のふちを、指でこすってみてください
疥癬では耳のふちを軽くこすると後ろ足で掻く動作をすることがあります。
そこがとても痒いからです。
診察でも確かめられる反応ですが家でも気づけることがあります。
強くこすらず、そっと——
そして、その反応があったことを受診のときに伝えてください。
肘やかかと——
こうした骨の出っぱった部分に症状が出やすいのもこの病気の特徴です。
床にこすれる場所ですからもともと皮膚が薄くなりやすい——
そこにかさぶたや脱毛があるなら見ておいてください。
眠れないほどの痒み
この病気の痒みはほかの皮膚病と比べても激しいものです。
- 掻いても掻いても、止まらない
- 夜中も掻き続け、眠れていない
- 寝ていても、途中で起きて掻き始める
- 掻き壊して、血が出ている
- 痒み止めが、あまり効かない
- 落ち着きがなく、食欲も落ちてくる
「痒み止めが効かない」——
これも、手がかりになります。
アレルギーによる痒みなら薬である程度は抑えられます。
けれど、皮膚のなかにダニがいるのなら痒みの原因がそこにあり続ける——
だから、抑えきれないのです。
そして、慢性化・重症化した場合にはリンパ節が腫れたり、発熱、体重減少などの症状も併発します。
「皮膚の病気」だと思っていたものが全身に影響してくる——
そこまで進む前に気づきたい病気です。
痒みが、生活を削っていきます
痒みという症状は「かわいそう」で済まされがちです。
けれど、眠れないほどの痒みは体力を確実に削ります。
| 起きること | その先 |
|---|---|
| 夜、眠れない | 休めず、疲れが取れない |
| 掻き壊す | 傷ができ、そこから細菌が入る |
| 皮膚が厚く硬くなる | 元に戻りにくくなっていく |
| 落ち着きがなくなる | 食欲が落ち、体重が減る |
| リンパ節が腫れる | 体が反応し続けているしるし |
| 発熱 | 皮膚の問題を超えている状態 |
「痒いだけ」ではないのです。
そして、掻き壊した傷から細菌が入ればそちらの治療も必要になります。
ダニを駆除するだけでは済まなくなる——
早く見つけたい理由はここにもあります。
うつります——同居犬にも、人にも

ここは、はっきり書いておきます。
ヒゼンダニは感染した犬から人間にうつることもあり、人にうつった場合も強いかゆみが特徴です。
| 対象 | 起きること |
|---|---|
| 同居している犬 | 接触や寝床を通じて、うつる |
| 人 | うつることがあり、強い痒みが出る |
| 症状の出方 | 腕やお腹など、触れた場所に出やすい |
| ほかの動物 | 同居している動物にも注意が必要 |
| 広がり方 | 寝床、タオル、ブラシなども経路になる |
| だから | 診断がついたら、家全体で対応する |
「犬が痒がっていたら、自分も痒くなった」——
そういう場合にはこの病気を強く疑う理由があります。
アレルギーはうつりません。
けれど、疥癬はうつる——
だから、「家族も痒い」という情報は診断を大きく近づけます。
受診のときに必ず伝えてください。
そして、人に症状が出ているなら皮膚科を受診してください。
犬の治療と並行して対応することになります。
⚠ うつるからこそ、隠さないでください
「うつる病気」だと分かると言いにくくなることがあります。
トリミングの予約ペットホテルドッグラン——
けれど、黙って連れていけばそこにいる犬たちに広がります。
治療が終わるまでは控える——
そして、最近利用した場所があるなら伝えてください。
そこでもらったのかもしれずそこに広げてしまったのかもしれません。
検査で見つからないことがあります
この病気の診断にはひとつの難しさがあります。
皮膚を削って顕微鏡で見る——
そこでダニが見つかれば確定です。
けれど、見つからないこともあるのです。
- ヒゼンダニの数は、もともと多くない
- 皮膚のなかに潜っているため、採れないことがある
- 削る場所によって、結果が変わる
- だから「いない」とは言い切れない
- 疑わしければ、治療を試すことがある
- それで治れば、疥癬だったと分かる
「検査では出ませんでした」と言われたとしてもそれで否定されたわけではありません。
🩺 治療が、診断を兼ねることがあります
症状や経過から疑わしいときには駆除の薬を使ってみて反応を見るという進め方がとられることがあります。
治療そのものが診断を兼ねる——
効けば疥癬だったと分かり効かなければほかを探す——
「検査で出なかったのに薬を使うのか」と思われるかもしれませんが
この病気では理にかなった方法です。
そして、この方法にはもうひとつの利点があります。
結果が早く分かる——
何週間も痒み止めを試し続けるよりはっきりします。
駆除すれば、終わります

治療ではヒゼンダニの駆除にアフォキソラネル、サロラネル、フルララネルなどのさまざまな殺ダニ剤が用いられます。
そして、犬の皮膚を清潔に保つためにシャンプーで洗い流すことも効果的だとされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 中心になる治療 | 殺ダニ剤による駆除 |
| 薬の例 | アフォキソラネル、サロラネル、フルララネルなど |
| あわせて | シャンプーで洗い流す |
| 痒みへの対応 | 掻き壊しを防ぐため、行うこともある |
| 二次感染 | 掻き壊しから起きていれば、そちらも治療 |
| 期間 | 指示された回数を、必ず守る |
「1回で終わり」とは限りません。
卵から新しいダニが生まれてくるため時期をあけて繰り返すことがあります。
「痒みが止まったから」と途中でやめれば残ったダニからまた増えていく——
指示された回数を最後まで続けてください。
そして、痒みが引くまでには少し時間がかかることもあります。
ダニがいなくなっても傷んだ皮膚が落ち着くまで——
そこは、待つことになります。
「終わった」と言えるまで
いつ終わりなのか——
これは、自分では判断できません。
- 痒みが止まった=ダニがいなくなった、ではない
- 数が減れば、痒みは軽くなる
- けれど、残っていれば、また増える
- だから、指示された回数を完走する
- 終了の判断は、必ず獣医師に確認する
- 再発したら、早めに相談する
「よくなったので、受診をやめました」——
この病気でいちばん多いつまずきです。
そして、再発したとき「治らない病気なんだ」と思ってしまう——
そうではありません。
最後まで駆除しきれば終わる病気です。
そこだけは、信じて続けてください。
環境と、同居犬への対応
この病気ではその犬だけを治療しても終わらないことがあります。
うつるのですから周りへの対応も必要になります。
- 同居犬は、症状がなくても対応を相談する
- 寝床やタオルを洗い、清潔にする
- ブラシや道具を、共用しない
- 掃除機をこまめにかける
- 人にも症状が出ていれば、皮膚科へ
- 治療が終わるまで、ドッグランなどは控える
同居犬——
まだ痒がっていないとしてもすでにうつっている可能性があります。
症状が出るまでには時間がかかるからです。
「1頭だけ治療して、もう1頭からまたうつる」——
それを避けるためにあわせて対応することがすすめられます。
そして、ほかの犬と接する場所——
治療が終わるまではドッグランやトリミングを控えてください。
広げないことも飼い主の役割になります。
どこからもらうのか
「室内飼いなのに、どこで」と思われるかもしれません。
| 経路 | 説明 |
|---|---|
| 感染した犬との接触 | 散歩先、ドッグラン、施設など |
| 野生動物 | タヌキなどが持っていることがある |
| 環境 | 寝床、道具などを介することも |
| 迎えた直後 | すでに持っていることもある |
| 共通 | 目に見えないため、気づけない |
| だから | 「うちは大丈夫」とは言い切れない |
ヒゼンダニは目に見えません。
だから、どこでもらったのかは分からないことがほとんどです。
寄生虫による病気についてはこちらの記事でも解説しています。
そして、耳を掻き続けているなら外耳炎が重なっていることもあります。
受診のとき、伝えてほしいこと
この病気は検査で出ないことがある——
だからこそ、飼い主が伝える情報が診断を動かします。
| 伝えること | なぜ大事か |
|---|---|
| いつから痒がっているか | 急に始まったなら、うつった可能性 |
| どこを掻いているか | 耳のふち・肘・かかとなら、疑う理由に |
| 夜も掻いているか | 痒みの激しさが分かる |
| 痒み止めが効いたか | 効きにくいことが、手がかりになる |
| 家族に痒みが出ていないか | うつる病気かどうかの、大きな情報 |
| 最近行った場所 | 感染の機会があったかが分かる |
とくに、「家族も痒い」——
これを言い忘れると診断が遠回りになります。
言いにくいことでもありません。
むしろ、いちばん近道の情報です。
よくある質問
Q. 疥癬とはどんな病気ですか?
A. ヒゼンダニによって起こる皮膚の病気です。激しいかゆみと皮膚の炎症が主な症状で、最初は耳や脇、肘、腹などに赤いブツブツ、脱毛、かさぶたが見られます。
Q. アレルギーとの見分けは?
A. 出る場所が手がかりになります。疥癬は耳のふち、肘、かかとといった骨の出っぱった部分に出やすく、アトピー性皮膚炎では耳介の辺縁や腰背部には病変がないことが一般的です。また、疥癬は痒み止めが効きにくいという違いもあります。
Q. 人にもうつりますか?
A. うつることがあります。ヒゼンダニは感染した犬から人間にうつることもあり、人にうつった場合も強いかゆみが特徴です。「犬が痒がっていたら自分も痒くなった」なら、必ず伝えてください。
Q. 検査で見つからないと言われました
A. それで否定されたわけではありません。ヒゼンダニは数が多くなく、皮膚のなかに潜っているため採れないことがあります。疑わしければ、駆除の薬を使って反応を見るという進め方がとられることがあります。
Q. 治療にはどんな薬を使いますか?
A. アフォキソラネル、サロラネル、フルララネルなどの殺ダニ剤です。皮膚を清潔に保つために、シャンプーで洗い流すことも効果的とされています。
Q. 痒みが止まったら、やめてよいですか?
A. やめないでください。卵から新しいダニが生まれてくるため、時期をあけて繰り返すことがあります。途中でやめれば、残ったダニからまた増えていきます。
Q. シャンプーだけで、治せますか?
A. シャンプーだけでは、駆除しきれません。皮膚を清潔に保つために洗い流すことは効果的とされていますが、ヒゼンダニは皮膚のなかに潜っているため、殺ダニ剤による駆除が治療の中心になります。
Q. 同居している犬は、どうすればよいですか?
A. 症状がなくても、あわせて対応することがすすめられます。症状が出るまでには時間がかかるため、すでにうつっている可能性があります。1頭だけ治療しても、もう1頭からまたうつってしまいます。
まとめ|耳のふちを、見てください
この病気でいちばん伝えたいことは「これは治る痒み」だということです。
アレルギーによる痒みは抑えながら付き合っていくもの——
けれど、疥癬は原因を駆除すれば終わります。
だからこそ、見逃してほしくないのです。
見分けの手がかりは3つ——
耳のふち・肘・かかとに出ていること。
痒み止めがあまり効かないこと。
そして、家族にも痒みが出ていること。
このどれかがあるなら「疥癬の可能性はありますか」と聞いてみてください。
そして、検査で出なかったとしてもそれだけで諦めないでください。
ヒゼンダニはもともと見つけにくいもの——
疑わしければ駆除の薬を試すという進め方があります。
何年も痒み止めを続けてきたのなら一度、その道を確かめる価値があります。
痒みに終わりがある——
それは、皮膚の病気では貴重なことです。
今日できる3つ
- 1耳のふち・肘・かかとに、かさぶたや脱毛がないか見る
- 2痒み止めが効いているかどうかを、思い出す
- 3家族に痒みが出ていないか、確かめる
皮膚の病気で「治る」と言えるものは、多くありません。だからこそ、見逃さないでください。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「犬の疥癬|これは、駆除すれば終わる痒みです」でした。
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