

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の尿道閉塞|危ないのは腎臓ではなく、心臓のほうです」です。ではどうぞ!
トイレに何度も行く。
けれど、何も出ていない——
いきんで鳴いている——
この記事をいま読んでいるのが
そういう状況なら
読むのをやめて病院に連絡してください。
尿道閉塞——
まったくオシッコが出なくなると
急性腎障害や尿毒症になり治療しなければ1〜2日で死に至ります。
そして、この病気で本当に命を奪うものは
腎臓ではありません。
止まるのは、心臓のほうです。
結論
尿道閉塞では初期にはトイレに行く回数が増える、頻繁にトイレに行くのにオシッコが少ししか出ない、オシッコに血尿が出るなどの症状が見られます。まったくオシッコが出なくなると急性腎障害や尿毒症になり、治療しなければ1〜2日で死に至ります。完全に尿が出ない状態が24〜48時間続くと、高カリウム血症や腎障害を起こし命に関わることがあります。高カリウム血症は急性腎不全により起こりますが、血中のカリウムの値が非常に高い場合、致死的な不整脈を引き起こす可能性があり、緊急的な集中治療が行われます。治療では尿道カテーテルや生理食塩水などを用いて塞栓子を膀胱内に押し戻し、尿路が確保できたら、腎機能が回復するまで集中的な点滴治療を行います。通常24〜72時間後に、高窒素血症でなくなり尿がきれいになっているように見える場合は、尿道カテーテルを除去することができます。
この記事でわかること
- ✓1〜2日で、命に関わります
- ✓初期は「膀胱炎」に見えます
- ✓本当に危ないのは、心臓です
- ✓便秘と、見分けてください
- ✓オス猫に起きやすい理由
- ✓治療は、詰まりを取ることから
- ✓一度詰まったら、再発を前提に整えます
1〜2日で、命に関わります

この病気でまず知ってほしいことは時間です。
まったくオシッコが出なくなると
急性腎障害や尿毒症になり治療しなければ1〜2日で死に至ります。
| 時間 | 起きること |
|---|---|
| 初期 | 何度も行くが、少ししか出ない |
| このとき | 血尿が出ることもある |
| 完全に詰まる | まったく出なくなる |
| 24〜48時間 | 高カリウム血症や腎障害を起こす |
| そのとき | 致死的な不整脈の危険がある |
| 1〜2日 | 治療しなければ死に至る |
「1〜2日」——
それは、「明日、病院が開いてから」が
間に合わないことがあるという意味です。
夜間でも休日でも
「尿が出ていない」のならその時点で動いてください。
⚠ 夜間病院の連絡先を、いま調べてください
この病気は夜に気づかれることが多くあります。
一日の終わりに「そういえば今日は尿がない」と気づく——
そのときに探し始めては遅いのです。
オス猫を飼っているのなら
いま夜間対応の病院を調べて控えておいてください。
使わずに済むのがいちばんですがあることで動けます。
初期は「膀胱炎」に見えます

この病気が見逃される理由はここにあります。
初期ではトイレに行く回数が増える頻繁にトイレに行くのにオシッコが少ししか出ない
オシッコに血尿が出るなどの症状が見られます。
これは、膀胱炎とまったく同じ見た目です。
- 何度もトイレに行く
- トイレにいる時間が長い
- 少ししか出ていない
- 血が混じっている
- トイレ以外で粗相をする
- 陰部をしきりに舐める
だから、「膀胱炎だろう」と思われて
様子を見てしまう——
その間に完全に詰まってしまう——
そういう経過をたどります。
実際、膀胱炎から詰まりへ進むこともあります。
だから、「膀胱炎だと言われていた」としても
出なくなったのなら話は変わります。
見分ける点はたったひとつです。
出ているか、出ていないか——
トイレの砂を、確かめてください
「少しは出ている」のか「まったく出ていない」のか——
そこが分かれ目です。
トイレの砂を見てください。
固まりができているかその大きさはどうか——
何度も行っているのに固まりがひとつもないなら
それが答えです。
本当に危ないのは、心臓です

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
「尿が出ない」と聞くと
腎臓や膀胱の問題だと思われます。
けれど、この病気で短時間のうちに命を奪うものは
心臓です。
| 段階 | 起きていること |
|---|---|
| 尿が出せない | 出口が詰まっている |
| カリウムがたまる | 本来は尿として捨てているもの |
| 血中の濃度が上がる | 高カリウム血症になる |
| 心臓に影響する | 致死的な不整脈を引き起こす可能性 |
| だから | 緊急的な集中治療が行われる |
| 時間 | 完全に出ない状態が24〜48時間続くと危険 |
高カリウム血症は急性腎不全により起こりますが
血中のカリウムの値が非常に高い場合
致死的な不整脈を引き起こす可能性があり
緊急的な集中治療が行われます。
カリウムは心臓が動くリズムに深く関わっています。
それがたまりすぎると
そのリズムが乱れてしまいます。
「尿が出ないだけ」が心臓を止める——
この病気が急がれる理由はここにあります。
そのとき、体に起きていること
詰まっているあいだ体のなかではいくつものことが同時に起きています。
- 膀胱に尿がたまり続け、張って苦しくなる
- 圧が腎臓へ逆に伝わり、腎臓が働けなくなる
- 老廃物が捨てられず、体にたまっていく
- カリウムがたまり、心臓のリズムに影響する
- 吐き気が出て、食べられなくなる
- 脱水が進み、さらに状態が悪くなる
「出ない」というひとつのことから
これだけのことが連鎖していきます。
そして、そのどれも詰まりを取らなければ止まりません。
薬でも点滴でも根本は変わらない——
まず、通すことが必要になります。
便秘と、見分けてください
もうひとつ見逃されやすいパターンがあります。
「便秘だと思っていた」——
トイレでいきむ姿は便でも尿でも同じです。
| 確かめること | 便秘なら | 尿道閉塞なら |
|---|---|---|
| トイレのあと | 便が出ていない | 尿の固まりがない |
| いきむ場所 | 排便の姿勢 | 排尿の姿勢 |
| 陰部 | とくに変わりない | しきりに舐めていることが多い |
| お腹 | 便が触れることがある | 膀胱が張って硬く触れることがある |
| 急ぎ方 | 続くなら受診 | その日のうちに、いますぐ |
| 迷ったら | 尿が出ている前提にしない | 尿のほうを疑って動く |
迷ったときには尿のほうを疑って動いてください。
便秘なら一日待っても大きな問題にはなりません。
けれど、尿道閉塞なら
その一日が命に関わります。
「どちらか分からない」のなら
急ぐほうに合わせる——
それが、この場面での正しい判断です。
そして、受診したときには
「便か尿か分かりません」とそのまま伝えてください。
お腹を触れば膀胱が張っているかどうかはすぐ分かります。
飼い主が見分けられなくても問題ありません。
連れて行くことがいちばん大事です。
オス猫に起きやすい理由
この病気にははっきりしたかたよりがあります。
オス猫の尿道は細く、長い——
- オスの尿道は細く長い。途中で狭くなる部分もある
- だから、結晶や栓子が引っかかりやすい
- メスの尿道は太く短いため、通り抜けやすい
- 結果として、閉塞は圧倒的にオスに多い
- 去勢の有無にかかわらず起こりうる
- 若い成猫でも、高齢猫でも起こる
詰まらせるものはひとつではありません。
| 詰まらせるもの | 説明 |
|---|---|
| 結石 | 腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石 |
| 結晶 | 尿のなかにできる小さな粒 |
| 栓子 | 弾力性のある組織が、栓のようになる |
| 腫瘍 | 尿道を塞いでしまうことがある |
| 炎症 | 腫れて、通り道が狭くなる |
| だから | 原因によって、その後の対策が変わる |
結石については膀胱結石を——
結晶については結晶尿をご覧ください。
ストレスも、引き金になります
意外に思われるかもしれませんが
猫の下部尿路の問題にはストレスが関わることがあります。
| こんなこと | 起きうること |
|---|---|
| 引っ越し、模様替え | 環境の変化がストレスになる |
| 同居動物が増えた | 落ち着ける場所がなくなる |
| 来客、工事の音 | 一時的にでも影響しうる |
| トイレが汚れている | 我慢して、尿が濃くなる |
| 留守番が長い | 水を飲む機会も減る |
| 結果 | 膀胱の炎症や、詰まりにつながることがある |
「なぜうちの子だけ」と思われるときには
最近変わったことを思い出してみてください。
それも、受診のときに伝える価値があります。
治療は、詰まりを取ることから
治療には順番があります。
尿道内の塞栓子が原因の場合は緊急処置として
尿道カテーテルや生理食塩水などを用いて塞栓子を膀胱内に押し戻し
膀胱内にまでカテーテルを挿入し尿路が確保できたら
腎機能が回復するまで集中的な点滴治療を行います。
| 段階 | 行われること |
|---|---|
| まず | 詰まりを取り除き、尿路を確保する |
| 方法 | 尿道カテーテルや生理食塩水を用いる |
| 次に | 集中的な点滴治療を行う |
| 目的 | 腎機能が回復するまで支える |
| カリウムが高ければ | 緊急的な集中治療が行われる |
| カテーテル除去 | 通常24〜72時間後が目安になる |
通常24〜72時間後に
高窒素血症でなくなり尿がきれいになっているように見える場合は
尿道カテーテルを除去することができます。
つまり、詰まりを取ったら終わりではありません。
数日入院して管理することになります。
「もう出るようになった」からすぐ帰れるとは限りません。
腎臓の数値が戻ってくるまで時間がかかるからです。
🩺 詰まりを取ったあとにも、管理が要ります
詰まりを取った直後に大量の尿が出ることがあります。
それ自体にも管理が必要です。
一気に水分や電解質が失われるからです。
「もう出たから帰れる」とはならないのは
そこにも理由があります。
数値が落ち着くまで見てもらってください。
一度詰まったら、再発を前提に整えます

この病気は繰り返すことがあります。
だから、退院してからが本当の始まりです。
- 水を飲む量を増やす。ウェットフードを使う
- すすめられた療法食を続ける
- トイレを清潔に保ち、我慢させない
- トイレの数を増やす(頭数+1が目安)
- ストレスになるものを減らす
- 毎日、尿が出ているかを確かめる
とくに、水分——
尿が薄く、量が多いほうが
詰まりにくくなります。
飲ませようとするより食べものから入れるほうが確実です。
そして、トイレ——
汚れていると猫は我慢します。
我慢すれば尿がたまり濃くなります。
掃除の回数もこの病気の予防につながります。
トイレの数も見直してみてください。
猫の頭数にひとつ足した数が目安だとされています。
行きたいときにきれいなトイレがある——
それが、我慢させないいちばんの方法です。
毎日、確かめてほしいこと
一度詰まった猫では
「今日、尿が出たか」を確かめる習慣をつけてください。
| 見ること | 気づけること |
|---|---|
| 固まりの数 | 1日に何回出ているか |
| 固まりの大きさ | 量が減っていないか |
| 色 | 血が混じっていないか |
| トイレでの様子 | 長くいる、鳴くことがないか |
| 陰部 | しきりに舐めていないか |
| 粗相 | トイレ以外でしていないか |
多頭飼いの場合には
「どの猫のものか」が分かりにくくなります。
心配な猫がいるなら
トイレを分けることも考えてみてください。
そのほうが変化に気づけます。
繰り返すときに、考えられること
何度も詰まってしまう——
そのときには次の段階を相談することになります。
- まず、原因が何だったのかを確かめる
- 結石なら、種類によって対応が変わる
- 食事療法が合っているかを見直す
- 水分が足りているかを確かめる
- 環境にストレスがないかを見直す
- それでも繰り返すなら、手術という選択もある
繰り返すということは詰まりやすい条件が残っているということ——
「また通せばよい」では猫の負担が大きくなります。
そして、そのたびに命の危険があります。
「繰り返さないためにできることはありますか」と
聞いてみてください。
よくある質問
Q. 尿道閉塞とは、どんな状態ですか?
A. 尿の出口が詰まって、オシッコが出せなくなる状態です。まったくオシッコが出なくなると急性腎障害や尿毒症になり、治療しなければ1〜2日で死に至ります。
Q. どんな症状から始まりますか?
A. 初期は、膀胱炎とよく似ています。トイレに行く回数が増える、頻繁にトイレに行くのにオシッコが少ししか出ない、オシッコに血尿が出るなどの症状が見られます。
Q. 膀胱炎との見分け方はありますか?
A. 出ているか、出ていないかです。何度もトイレに行っているのに、砂に固まりがひとつもないなら、それが答えになります。
Q. なぜ、そんなに急ぐのですか?
A. 心臓に関わるからです。完全に尿が出ない状態が24〜48時間続くと、高カリウム血症や腎障害を起こします。血中のカリウムの値が非常に高い場合、致死的な不整脈を引き起こす可能性があります。
Q. 便秘かもしれないのですが
A. 迷ったら、尿のほうを疑って動いてください。便秘なら一日待っても大きな問題になりませんが、尿道閉塞ならその一日が命に関わります。
Q. なぜオス猫に多いのですか?
A. 尿道が細く長いためです。途中で狭くなる部分もあり、結晶や栓子が引っかかりやすくなります。メスの尿道は太く短いため、通り抜けやすくなっています。
Q. 治療では何をしますか?
A. まず、詰まりを取り除いて尿路を確保します。尿道カテーテルや生理食塩水などを用いて塞栓子を膀胱内に押し戻し、尿路が確保できたら、腎機能が回復するまで集中的な点滴治療を行います。
Q. 入院は何日くらいですか?
A. カテーテルの除去は、通常24〜72時間後が目安です。高窒素血症でなくなり、尿がきれいになっているように見える場合に除去できます。詰まりを取ったら終わりではなく、数日の管理が必要になります。
Q. ストレスは関係ありますか?
A. 関わることがあります。引っ越しや模様替え、同居動物が増えた、トイレが汚れているといったことが、膀胱の炎症や詰まりにつながることがあります。最近変わったことがあれば、受診のときに伝えてください。
Q. 何度も繰り返しています
A. 詰まりやすい条件が残っているということです。原因が何だったのか、食事療法が合っているか、水分は足りているか、環境にストレスがないかを見直します。それでも繰り返す場合は、手術という選択肢が相談されることもあります。
Q. また詰まりますか?
A. 繰り返すことがあります。水分を増やし、すすめられた療法食を続け、トイレを清潔に保つことが対策になります。そして毎日、尿が出ているかを確かめてください。
まとめ|固まりがないなら、いま動いてください
この病気で覚えておいてほしいことはひとつです。
「何度も行くのに、固まりがない」——
これは、様子を見る症状ではありません。
1〜2日で命に関わり
そして、止まるのは心臓のほうです。
オス猫を飼っているのなら
いま夜間病院の連絡先を調べておいてください。
その備えがいつか効きます。
そして、一度でも詰まった猫なら
毎日トイレを見てあげてください。
固まりを数えるだけで次を早く見つけられます。
今日できる3つ
- 1今日、尿の固まりがいくつあったか数えてみる
- 2夜間対応の動物病院の連絡先を、調べて控える
- 3水を飲みやすい場所と、ウェットフードを見直す
この病気だけは、迷う時間がありません。出ていないなら、いま向かってください。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「猫の尿道閉塞|危ないのは腎臓ではなく、心臓のほうです」でした。
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