

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の喘息|毛玉を吐く姿に、見えています」です。ではどうぞ!
体を低くして、首を前に伸ばし、何かを吐き出そうとしている。
けれど、何も出てこない。
「毛玉をうまく吐けない子なんです」——そう思って、何か月も過ごしてしまうことがあります。
けれどそれは、咳かもしれません。猫の喘息は、この見え方のせいでいちばん見逃されやすい病気です。
結論
猫喘息は気管支に慢性の炎症が起こり、気道が狭くなる病気です。特徴は、咳や呼吸困難など呼吸器系の症状が見られ、長期的に繰り返すことにあります。診断は症状だけでなく、糞便検査、血液検査、レントゲン検査を行い、総合的に判断します。レントゲン検査では胸部を撮影し、肺や気管、気管支の状態を確認します。治療については症状が比較的軽い場合、ステロイド薬の吸入療法が主な治療となり、臨床徴候の悪化時にはステロイド薬の全身投与と気管支拡張薬を投与し、効果を補います。猫喘息は、アレルギー体質が病態に大きく関与しているため、完治することは難しく、症状が悪化しないように継続的な治療が必要です。また生活環境の改善も欠かせず、空気清浄機の設置やこまめな掃除を行うこと、消臭剤やヘアスプレー、タバコの煙、香水などの使用を控えることが大切です。
この記事でわかること
- ✓咳が、吐く姿に見えます
- ✓気管支が、狭くなる病気です
- ✓引き金になるものが、あります
- ✓診断は、組み合わせて行います
- ✓治療の中心は、炎症を抑えることです
- ✓吸入という方法があります
- ✓完治は難しい、けれど管理できます
- ✓環境が、治療の一部です
咳が、吐く姿に見えます

この病気のいちばんの落とし穴から書きます。
猫の咳は、独特です
体を低くして、首を前に伸ばす。
体を波打たせるようにして、何かを出そうとする。
これが、猫の咳の姿勢です。
そして、何も出てきません。
だから、毛玉と間違えられます
猫は、実際に毛玉を吐きます。
そのときの姿勢と、咳の姿勢がよく似ています。
だから「毛玉を吐こうとしている」と見えてしまうのです。
そして、そのまま何か月も過ぎていきます。
その間、気管支の炎症は静かに続いています。
見分ける手がかりがあります
何も出てこないのに、何度もくり返す——
これが、咳を疑う理由になります。
毛玉を吐くなら、実際に出てきます。
そして出したあとは、けろりとしています。
猫が咳をすること自体、正常ではありません。
気管支が、狭くなる病気です
何が起きているのかを見ていきます。
空気の通り道が、細くなります
肺の中には枝分かれした空気の通り道があります。
気管支です。
そこに慢性の炎症が起きると、内側が腫れます。
そして、通り道が細くなります。
吐くときに、苦しくなります
吸うときより、吐くときのほうが苦しくなる——これが、この病気の特徴です。
細い管から空気を押し出すのは、吸い込むより難しいからです。
お腹を使って、吐き出そうとすることがあります。
発作のときは、さらに縮みます
気管支のまわりには筋肉があります。
発作が起きると、この筋肉が縮んで通り道をさらに狭くします。
もともと腫れているところに、締めつけが加わる——
だから、急に苦しくなるのです。
粘液も、たまります
炎症が続くと気管支の中に粘液が増えます。
それが、さらに通り道を狭くします。
咳は、その粘液を出そうとする動きでもあります。
引き金になるものが、あります

アレルギー体質が病態に大きく関与しているとされています。
家の中に、原因があります
タバコの煙、消臭剤、ヘアスプレー、香水——
これらは、避けるよう勧められるものです。
ほこりやハウスダストも引き金になります。
猫は、床の近くで暮らしています。だから、舞い上がったものを吸いやすいのです。
発作は、突然起こります
いつもは何ともないのに、急に苦しくなる——
そういう出方をすることがあります。
興奮したあと、運動したあとに起こりやすくなることもあります。
季節によって、増えることもあります。
こんなときに、増えていませんか
- 掃除機をかけたあと
- 猫砂を替えたあと
- スプレー式のものを使ったあと
- 来客があった日
- 季節の変わり目
- 興奮して走り回ったあと
当てはまるものがあれば、それが引き金かもしれません。
引き金を、記録してください
いつ、何をしたあとに咳が出たか——
これを記録すると、引き金が見えてくることがあります。
掃除のあと、来客のあと、猫砂を替えたあと——
思い当たるものがあれば、そこを減らせます。
診断は、組み合わせて行います
ひとつの検査で決まる病気ではありません。
三つを、組み合わせます
診断は症状だけでなく、糞便検査、血液検査、レントゲン検査を行い、総合的に判断します。
糞便検査は寄生虫が原因の咳を除外するために行われます。
肺に寄生する虫が、同じような症状を出すことがあるのです。
レントゲンで、胸を見ます
レントゲン検査では胸部を撮影し、肺や気管、気管支の状態を確認します。
気管支の壁が厚くなっていることや、
空気がたまって、肺がふくらんでいることが手がかりになります。
ほかの病気も、除外します
咳を出す病気は、ほかにもあります。
| 考えられるもの | 手がかりになること |
|---|---|
| 猫喘息 | くり返す咳。長期的に続く |
| 肺炎 | 熱が出る。急に元気がなくなる |
| フィラリア症 | 咳と、突然の呼吸困難 |
| 心臓の病気 | 肺に水がたまる。急に苦しくなる |
| 肺の寄生虫 | 糞便検査で見つかることがある |
治療の中心は、炎症を抑えることです

治療の考え方を見ていきます。
ステロイドが、中心になります
気管支の炎症を抑えることが、治療の柱です。
そのために使われるのが、ステロイドです。
「ステロイドは怖い」と感じる方も多いと思います。
けれどこの病気では、炎症を抑えないと気道が狭いままになります。
悪化したときは、全身に使います
臨床徴候の悪化時にはステロイド薬の全身投与と気管支拡張薬を投与し、効果を補います。
発作が起きているときは、まず火を消す——
そのために、飲み薬や注射で全身に効かせます。
気管支を広げる薬も、使います
気管支拡張薬は狭くなった通り道を広げる薬です。
炎症そのものは抑えません。
だから、これだけでは治療になりません。
炎症を抑える薬と、組み合わせて使います。
薬の役割を、分けておきます
| 薬 | 何をするか | いつ使うか |
|---|---|---|
| ステロイド(吸入) | 気管支の炎症を抑える | 毎日。管理の中心になる |
| ステロイド(全身) | 強い炎症を、速く抑える | 悪化したとき |
| 気管支拡張薬 | 狭くなった気道を広げる | 発作時や、補助として |
| 抗生物質 | 細菌感染があれば、それを叩く | 感染を伴うとき |
| だから | 役割が違う薬を組み合わせる | 勝手に減らさない |
気管支拡張薬だけでは、炎症は治まりません。
吸入という方法があります
猫にも、吸入治療ができます。
軽いうちは、吸入が主になります
症状が比較的軽い場合、ステロイド薬の吸入療法が主な治療となります。
吸入とは薬を霧にして、直接気管支へ届ける方法です。
猫用のマスクと、専用の容器を使います。
全身への影響を、減らせます
吸入なら、薬が気管支に直接届きます。
だから、少ない量で効きます。
そして体のほかの場所への影響を、減らせます。
長く続ける病気だからこそ、この違いが効いてきます。
練習の進め方
| 段階 | すること |
|---|---|
| まず数日 | マスクを見せて、おやつを出すだけ |
| 次の数日 | 顔に近づける。当てずに離す |
| その次 | 1〜2秒だけ当てて、すぐ外す |
| 慣れたら | 当てる時間を、少しずつ伸ばす |
| 最後に | 薬を入れて、実際に吸わせる |
うまくいかない日があっても、戻ってやり直せます。
慣れるまでが、山です
最初から、すんなり吸ってくれる猫は多くありません。
マスクを見せるだけ、当てるだけから始めます。
おやつと組み合わせて、少しずつ慣らします。
数週間かけて練習するつもりで進めてください。
できるようになれば、毎日の負担はぐっと軽くなります。
完治は難しい、けれど管理できます
正直に書いておきます。
治りきる病気ではありません
猫喘息は、アレルギー体質が病態に大きく関与しているため、完治することは難しいとされています。
体質そのものが背景にあるからです。
だから、そこは受け入れる必要があります。
けれど、管理はできます
症状が悪化しないように継続的な治療が必要です。
続けていれば、発作は減らせます。
ふつうに暮らしている猫が、たくさんいます。
治すのではなく、抑えておく——そういう付き合い方になります。
よくなったからと、やめないでください
咳が止まると、治ったように見えます。
けれど薬でおさえているだけです。
やめれば、また炎症が戻ります。
減らすときも、必ず相談のうえで行ってください。
⚠ 発作は、命に関わることがあります
口を開けて呼吸している。
舌や歯ぐきが、紫や灰色に見える。
お腹を大きく使って、苦しそうにしている。
うずくまって、動かない。
強い発作は、命に関わります。夜間でも受診してください。
環境が、治療の一部です

この病気では家のほうを変えることに、大きな意味があります。
空気を、きれいにしてください
生活環境の改善も、猫喘息の管理には欠かせません。
空気清浄機の設置やこまめな掃除を行うことが勧められています。
掃除機をかけるときは、猫を別の部屋へ移してください。
舞い上がったほこりが、そのまま引き金になります。
香りのあるものを、控えてください
消臭剤やヘアスプレー、タバコの煙、香水などの使用を控えることが大切です。
人には心地よい香りでも、猫には刺激になります。
スプレー式のものは、細かい粒子が空気中に残ります。
猫のいる部屋では、使わないでください。
同居する人にも、伝えてください
- 室内でタバコを吸わない
- 猫のいる部屋で、スプレーを使わない
- 香水は、別の部屋でつける
- 掃除のときは、猫を移す
- 芳香剤を、置きっぱなしにしない
ひとりが気をつけても、ほかの人が使えば同じ空気になります。
家族全員で共有してほしいことです。
猫砂も、見直してみてください
粉の立ちやすい猫砂が引き金になっていることがあります。
粉の少ないタイプに替えると咳が減る猫がいます。
試してみる価値があります。
替えるときは、一度に全部変えないようにしてください。
猫がトイレを使わなくなることがあるためです。
記録を、続けてください
- 咳が出た日と、回数
- その前に、何をしていたか
- 安静時の呼吸数
- 吸入や投薬ができたか
- 発作が起きたら、続いた時間
- 季節による変化
記録があれば、薬の量を調整できます。
「最近多い気がします」では、判断できません。
週に何回だったかという数字が、薬を増やすか減らすかを決めます。
🩺 持っていってほしいもの
「毛玉を吐こうとしている」と思っている動作を、一度撮ってみてください。
診察室では、なかなか出ません。
その動画が、診断を大きく前に進めます。
この記事の要点
猫の咳は、毛玉を吐こうとしている姿によく似ています。何も出ないのにくり返すなら、咳を疑ってください。
診断は糞便検査、血液検査、レントゲン検査を組み合わせて総合的に判断します。
軽症ではステロイドの吸入療法が主で、悪化時は全身投与と気管支拡張薬で補います。
アレルギー体質が関わるため完治は難しく、継続的な治療と環境の改善が必要です。
Q. 猫の喘息とは、どんな病気ですか?
A. 気管支に慢性の炎症が起こり、気道が狭くなる病気です。咳や呼吸困難などの症状が、長期的にくり返されるのが特徴です。
Q. 毛玉を吐こうとしているだけでは?
A. 咳のことがあります。何も出てこないのに何度もくり返すなら、咳を疑ってください。猫が咳をすること自体、正常ではありません。
Q. どうやって見分けますか?
A. 実際に何か出てくるかどうかです。毛玉を吐くなら出てきますし、出したあとはけろりとしています。咳では、何度くり返しても何も出ません。
Q. どんな検査をしますか?
A. 糞便検査、血液検査、レントゲン検査を組み合わせます。レントゲンでは胸部を撮影し、肺や気管、気管支の状態を確認します。
Q. なぜ糞便検査をするのですか?
A. 寄生虫による咳を除外するためです。肺に寄生する虫が、似た症状を出すことがあります。
Q. 原因は何ですか?
A. アレルギー体質が病態に大きく関与しています。タバコの煙、消臭剤、香水、ほこりなどが引き金になります。
Q. 治療はどうしますか?
A. 炎症を抑えることが柱になります。症状が比較的軽い場合は、ステロイド薬の吸入療法が主な治療です。
Q. 発作のときは?
A. ステロイド薬の全身投与と気管支拡張薬を使います。まず炎症を抑えて立て直し、気道を広げて効果を補います。
Q. 吸入は、猫にもできますか?
A. できます。猫用のマスクと専用の容器を使います。慣れるまで練習が要りますが、全身への影響を減らせます。
Q. ステロイドが心配です
A. 炎症を抑えないと、気道が狭いままになります。吸入なら少ない量で効き、全身への影響を減らせるため、長く続ける病気ではとくに向いています。
Q. 治りますか?
A. 完治することは難しいとされています。アレルギー体質が背景にあるためです。ただし継続的な治療で、発作を減らして管理できます。
Q. 咳が止まったら、薬をやめてよいですか?
A. やめないでください。薬でおさえているだけで、やめれば炎症が戻ります。減らすときも、必ず相談のうえで行ってください。
Q. 家でできることは?
A. 環境の改善です。空気清浄機の設置やこまめな掃除を行い、消臭剤やヘアスプレー、タバコの煙、香水の使用を控えてください。
Q. 猫砂も関係ありますか?
A. 粉の立ちやすい猫砂が、引き金になることがあります。粉の少ないタイプに替えると、咳が減る猫がいます。
Q. 発作は、命に関わりますか?
A. 強い発作は、命に関わることがあります。口を開けて呼吸している、舌が紫になっているといった場合は、夜間でも受診してください。
Q. 若い猫でも、なりますか?
A. なります。高齢の病気ではなく、若いうちから発症することもあります。「まだ若いから」で見過ごさないでください。
まとめ|その動作を、一度撮ってみてください
「毛玉をうまく吐けない子」——
そう思って過ごしている猫の中に、喘息の猫がいます。
何も出てこないのに、何度もくり返す。
それは、咳です。
この病気は完治しません。
けれど続けて管理すれば、発作は減らせます。
そして家の空気を変えることも、治療の一部です。
スプレーをやめる、掃除をする、空気清浄機を置く——
薬と同じくらい、それが効きます。まずは、その動作を撮るところから始めてください。
今日できる3つ
- 1「毛玉を吐こうとしている」動作を、動画に撮る
- 2寝ているときの呼吸数を、15秒数えて4倍する
- 3スプレー式の消臭剤や芳香剤を、猫のいる部屋から下げる
猫の咳は、吐く姿に見えています。その一本の動画が、診断を変えます。

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