

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「スタンダードダックスフンド|本来の姿は9kgの猟犬」です。ではどうぞ!
ダックスフンドは、もともと大きな犬でした。
日本で「ダックスフンド」と言えば、ほとんどの方が4〜5kgの小さな犬を思い浮かべるでしょう。
けれど、この犬種の原型は体重9〜12kg——柴犬と同じくらいの、しっかりした中型犬です。
それがスタンダードダックスフンド。
アナグマの巣穴に単独で潜り、地中で獲物と対峙する——そのために作られた猟犬です。
この記事では、この犬種が本来どういう犬なのか、なぜ日本では見かけないのか、そして迎えるとしたら何が必要かを整理していきます。
サイズがどう区分されるかについてはダックスのサイズ基準の記事にまとめてあります。
結論
スタンダードダックスフンドは体重9〜12kgの中型犬で、ダックスフンドの原型にあたります。アナグマ猟のために作られた犬であり、力が強く、運動量も多く、自分で判断して動く独立心を持っています。日本では流通がほとんどなく、迎えるには専門の繁殖者を探して待つことになります。小型ダックスの延長として考えると、確実に持て余します。
この記事でわかること
- ✓アナグマ猟犬として作られた体
- ✓3サイズに分かれた理由
- ✓9〜12kgという体格が意味するもの
- ✓日本で見かけない理由
- ✓迎えるとしたら、何が必要か
この体型は、巣穴で戦うために作られた

ダックスフンドという名前は、ドイツ語で「アナグマ(ダックス)の犬(フント)」を意味します。
名前がそのまま、この犬の仕事を表しています。
| 体の特徴 | 猟における役割 |
|---|---|
| 短い足 | 巣穴の高さに体を収める |
| 長い胴 | 狭い穴の中で体をひねって方向転換する |
| 大きく厚い前足 | 土を掘り進む |
| よく響く低い吠え声 | 地中から地上の猟師に位置を知らせる |
| 垂れた耳 | 穴の中で土が入るのを防ぐ |
| 大胆で頑固な気質 | 単独でアナグマと対峙する |
アナグマという動物をご存じでしょうか。
体重10kg前後、鋭い爪と強い顎を持ち、追い詰められれば激しく反撃します。
その相手と、身動きの取れない地中で、たった一頭で向き合う——それがこの犬に求められた仕事でした。
だからこの犬種は、頑固なのです。
独立心は、しつけの失敗ではない
ダックスフンドを飼った方の多くが「言うことを聞かない」と感じます。
けれどこれは、この犬種にとっては正しい性質です。
地中では、飼い主の指示は届きません。自分で判断し、自分で危険を測り、自分で決めて動く——その能力が求められた犬なのです。
従順さではなく、自分で考える力で選ばれてきた——そう理解すると、接し方も変わってきます。
3サイズに分かれた理由

では、なぜサイズが分かれたのでしょうか。
答えは単純で、狙う獲物が違ったからです。
| サイズ | 体重の目安 | 本来の獲物 |
|---|---|---|
| スタンダード | 9〜12kg | アナグマ・イノシシの追跡 |
| ミニチュア | 4〜5kg | ウサギ・キツネ |
| カニンヘン | 3〜3.5kg | ウサギの巣穴 |
| 区分の基準 | 生後15か月以降の胸囲 | 穴に入れるかどうか |
小さい穴には、小さい犬が要る。
ミニチュアやカニンヘンは、より小さな獲物の巣穴に対応するために作られたサイズです。
つまりスタンダードが小型化されて生まれたのが、現在よく見るダックスフンドということになります。
犬種としては、ひとつ
重要なのは、3サイズはすべて同じ犬種だという点です。
血統書に記載される犬種名は「ダックスフンド」で、そこにサイズと毛質が併記されるという形になります。
性格の基本も、共通しています。好奇心が強く、よく吠え、頑固で、飼い主には深い愛情を示す——どのサイズも、そこは変わりません。
9〜12kgという体格が意味するもの
では、体が大きいと何が変わるのでしょうか。
力が、はっきり強い
これが最も実感しやすい違いです。
散歩で引っ張られたとき、小型ダックスなら止められます。9kgの犬は、そう簡単に止まりません。
しかも猟犬としての追跡本能が残っています。
猫が横切った、鳥が飛び立った——そうした瞬間に全力で走り出そうとする力は、体重相応にあります。
引っ張らずに歩く練習は、子犬のうちから必要になります。
運動量が、まったく違う
1日2回、各30分〜1時間——これが目安になります。
小型ダックスの20〜30分とは倍以上の差です。
運動が足りないと、掘る・吠える・壊すという形でエネルギーが出てきます。
- 散歩は1日2回、各30分〜1時間
- 匂いを嗅ぐ時間を十分に取る——頭を使う活動になる
- ノーズワークなど、探す遊びが向いている
- 庭を掘るのは本能——掘っていい場所を作る
- 引っ張り防止のハーネスを使う
- 雨の日は室内で知育トイを
「掘る」という行動をやめさせようとするより、掘っていい場所を用意するほうが現実的です。
背骨のリスクは、消えない
ここは誤解されやすいところです。
体が大きくなっても、椎間板ヘルニアのリスクはなくなりません。
軟骨異栄養性という短い足をもたらす性質は3サイズすべてに共通しており、椎間板の変性も同じように起こります。
むしろ体重が重いぶん、背骨にかかる負荷は大きくなります。
詳しくは椎間板ヘルニアの記事にまとめてありますが、床の滑り止め、段差の排除、正しい抱き方、体重管理——この4点はサイズを問わず必要です。
⚠ 9kgの犬を抱えるのは、簡単ではありません
小型ダックスなら片手で胸を、片手でお尻を支えて水平に持ち上げられます。
9〜12kgとなると、そう気軽にはいきません。腰を落とし、体に密着させて、両腕でしっかり支える必要があります。
だからこそ、抱えなくて済む環境が重要になります。スロープ、低いベッド、そして階段を使わせない間取り——先に整えておいてください。
日本で、ほとんど見かけない理由

ペットショップでスタンダードダックスを見かけることは、まずありません。
理由はいくつかあります。
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 住宅事情 | 日本では小型犬の需要が圧倒的に高い |
| 繁殖頭数 | 国内の繁殖者がごく少ない |
| 集合住宅の規約 | 体重制限に引っかかることがある |
| 知名度 | 存在自体が知られていない |
| 本来の用途 | 日本ではアナグマ猟が行われていない |
需要がないから繁殖されず、繁殖されないから目に触れず、目に触れないから需要が生まれない——こうした循環になっています。
欧州、とくにドイツでは今も実猟に使われているサイズであり、本国では珍しい犬ではありません。
迎えるとしたら、探し方が変わる
スタンダードを迎えたい場合、ペットショップで探すという選択肢はほぼ成立しません。
- ダックスフンド専門の繁殖者に直接問い合わせる
- 出産の予定を聞き、順番を待つ
- 両親に会って、体格と気質を確認する
- 海外からの輸入を扱う繁殖者もいる
- 犬種クラブに問い合わせるという方法もある
- 待つ期間を、家を整える時間に充てる
待つ時間が発生するのは不便に見えるかもしれません。
けれどその期間に床と段差を整えておけると考えれば、決して無駄ではありません。
性格と、暮らしの相性

スタンダードダックスフンドは、どんな家庭に向いているのでしょうか。
| 項目 | 向いている | 向いていない |
|---|---|---|
| 散歩の時間 | 1日2時間確保できる | 短時間で済ませたい |
| 住まい | 戸建て・体重制限のない住居 | 小型犬までの規約がある |
| しつけ | 一貫して根気よく続けられる | すぐ従う犬を求めている |
| 吠え | 近隣との距離がある | 音に厳しい環境 |
| 飼育経験 | 中型犬の経験がある | はじめての犬 |
「小型ダックスが好きだから、大きいのも飼えるだろう」——この考え方は、おすすめできません。
力の強さも、運動量も、吠え声の大きさも、すべてが体重相応に大きくなります。
一方で、その気質は本当に魅力的です。
怖いもの知らずで、好奇心が強く、家族には深い愛情を示す——相棒という言葉がよく似合う犬種だと思います。
子どもや他の犬との相性
社会化の時期がとても重要になります。
警戒心が強い犬種ですから、生後3〜4か月ごろまでにさまざまな人・犬・音に慣れておくことが、その後を大きく左右します。
この時期を逃すと、吠えや威嚇が定着しやすくなります。
そして小さな子どもがいる家庭では、犬の背骨を守るという別の課題があります。
子どもに脇を持って抱き上げさせない——9kgの犬なら、そもそも持ち上げられませんが、背中に乗る・上から抱きつくといった行動には注意が必要です。
毛質は3種類、手入れも変わる
ダックスフンドには3種類の毛質があり、スタンダードにもすべて存在します。
| 毛質 | 特徴 | 手入れ |
|---|---|---|
| スムース | 短く硬い毛。原型にもっとも近い | 週1〜2回のブラッシング |
| ロング | 耳と尾、胸に飾り毛が伸びる | 毎日のブラッシングとトリミング |
| ワイヤー | 硬い剛毛と、あごひげ・まゆ毛 | 定期的なプラッキング |
| 換毛 | 3種類とも抜け毛はある | 春と秋に増える |
猟犬としての実用性で言えば、ワイヤーがもっとも実戦的です。
硬い剛毛がやぶや土から皮膚を守るため、ドイツでは実猟用に好まれてきた毛質でもあります。
- スムース——手入れは最も楽。ただし寒さには弱い
- ロング——2か月に一度のトリミングが必要になる
- ワイヤー——プラッキングを扱えるサロンが限られる
- どの毛質でも、垂れ耳の中は週1回チェックする
- 耳が垂れているぶん、蒸れて外耳炎が起こりやすい
- 爪と足裏の毛は、月に一度整える
垂れ耳は、巣穴で土が入らないための構造でしたが、家庭犬としては通気の悪さという課題になります。
耳の中が赤い、におう、しきりに頭を振る——これらは外耳炎のサインです。
かかりやすい病気
スタンダードで注意しておきたい病気を整理しておきます。
| 病気 | 内容 | 気づき方 |
|---|---|---|
| 椎間板ヘルニア | サイズを問わず最大の課題 | 抱くと鳴く・段差を避ける |
| 進行性網膜萎縮(PRA) | 遺伝子検査で分かる | 暗い場所でぶつかる |
| 外耳炎 | 垂れ耳で蒸れやすい | 頭を振る・耳を掻く |
| 肥満 | 背骨への負担に直結する | 肋骨に指が当たらない |
| 胃拡張・胃捻転 | 胸の深い中型犬で注意 | お腹が張る・吐こうとして吐けない |
進行性網膜萎縮(PRA)は、遺伝子検査で防げる病気です。
迎える前に、両親が検査を受けているかを必ず確認してください。
そして胃捻転。胸の深い中型犬以上で注意される緊急疾患です。
食後すぐの激しい運動を避ける一度に大量に食べさせない早食い防止の食器を使う——この3点で、リスクを下げられます。
かかる費用と、寿命
中型犬になるぶん、費用も小型ダックスより上がります。
| 項目 | スタンダード | ミニチュア |
|---|---|---|
| 年間のフード代 | 6〜10万円 | 3〜5万円 |
| 年間の医療・予防 | 4〜9万円 | 3〜7万円 |
| トリミング(ロングの場合) | 年5〜8万円 | 年3〜6万円 |
| 年間の合計 | 13〜25万円 | 9〜17万円 |
| 平均寿命 | 12〜15年 | 14〜16年 |
薬の量は体重で決まりますから、医療費は相応に上がります。
フィラリア予防薬、ノミダニ駆除薬——こうした毎月の予防費も、体重区分で価格が変わります。
寿命は、小型よりやや短めです。犬全般に見られる傾向で、体が大きいほど寿命は短くなります。
それでも12〜15年——十分に長い時間を一緒に過ごすことになります。
しつけは、力ではなく取引で
頑固な犬種をどう教えるか——ここは多くの飼い主が悩むところです。
力で従わせようとするのは、この犬種には向きません。
アナグマと一頭で対峙してきた犬です。圧をかければ、より強く抵抗するだけになります。
- 「やったら、いいことがある」という形で教える
- ほめるタイミングは、行動した直後1秒以内
- 家族全員が同じ言葉・同じルールで接する
- 一度に長く教えず、5分を1日数回に分ける
- できないときに叱るより、できたときにほめる回数を増やす
- 鼻を使う遊びを取り入れる——本能に合っている
「頑固」は「頭が悪い」という意味ではありません。
むしろ自分で損得を計算できる犬種です。従うと得をすると分かれば、驚くほど早く覚えます。
そしてノーズワーク——隠したおやつを匂いで探す遊びです。
地中で獲物を追ってきた犬にとって、これは本能そのものに合った活動になります。散歩に出られない日のエネルギー発散としても有効です。
よくある質問
Q. スタンダードダックスは、何キロぐらいですか?
A. 9〜12kg程度です。ただし正式な区分基準は体重ではなく胸囲で、生後15か月以降の測定で胸囲35cmを超えるものがスタンダードになります。柴犬と同じくらいの中型犬だと考えてください。
Q. ミニチュアと性格は違いますか?
A. 基本の気質は同じです。好奇心が強く、よく吠え、頑固で、家族には深い愛情を示します。違うのは、その性質が9kgの体で出てくるという点です。力も声も、体重相応に大きくなります。
Q. 日本ではどこで買えますか?
A. ペットショップではまず見つかりません。ダックスフンド専門の繁殖者に直接問い合わせ、出産を待つ形になることが多くなります。犬種クラブに相談するという方法もあります。
Q. 大きいから、椎間板ヘルニアは起きにくいのですか?
A. いいえ、リスクは変わりません。短い足をもたらす軟骨異栄養性という性質は3サイズ共通で、椎間板の変性も同じように進みます。むしろ体重が重いぶん、背骨への負荷は大きくなります。
Q. 散歩はどれくらい必要ですか?
A. 1日2回、各30分〜1時間が目安です。小型ダックスの倍以上になります。運動が足りないと、掘る・吠える・物を壊すという形でエネルギーが出てきます。
Q. はじめて犬を飼うのですが、向いていますか?
A. あまりおすすめしません。力が強く、独立心があり、しつけには一貫性と根気が要ります。中型犬を扱った経験があるほうが、お互いに無理がありません。
Q. マンションでも飼えますか?
A. 規約の確認が先になります。「小型犬まで」「体重10kg以下」といった制限がある物件では現実的に難しくなります。加えて、この犬種はよく通る大きな声で吠えます。
まとめ|これが、ダックスフンドの本来の姿
スタンダードダックスフンドは、ダックスフンドの原型です。
体重9〜12kg、アナグマの巣穴に単独で潜る猟犬として作られた中型犬。
短い足も、長い胴も、よく響く声も、頑固さも——すべてその仕事のために選ばれてきた性質です。
日本ではほとんど見かけませんが、本国ドイツでは今も現役の猟犬です。
迎えるなら、小型ダックスの延長として考えないこと。力も、運動量も、声も、すべてが体重相応に大きくなります。
そのぶん、相棒としての手応えは格別です。怖いもの知らずで、自分で考えて動き、家族には深い愛情を注ぐ——そういう犬と暮らしたい方には、これ以上ない相手だと思います。
迎える前に、この3つを
- 1住まいの体重制限と、1日2時間の散歩時間を確保できるか確かめる
- 2専門の繁殖者を探し、両親に会って体格と気質を確認する
- 3待っている期間に、床の滑り止めと段差の対策を済ませておく
この犬の体型は、見た目のために作られたものではありません。その成り立ちを知って迎えることが、いちばんの準備になります。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「スタンダードダックスフンド|本来の姿は9kgの猟犬」でした。
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