犬の種類と特徴    ミニチュアダックスフンドの飼い方|椎間板ヘルニアを防ぐ

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ミニチュアダックスフンドの飼い方|椎間板ヘルニアを防ぐ
ミニチュアダックス
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「ミニチュアダックスフンドの飼い方|椎間板ヘルニアを防ぐ」です。ではどうぞ!

昨日まで走り回っていた犬が、今日は後ろ足を引きずっている——

ミニチュアダックスフンドを飼っている方なら、この話を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

椎間板ヘルニア。

この犬種にとって、もっとも身近で、もっとも深刻な病気です。

そして知っておいてほしいのは——これは「運が悪かった」で起こる病気ではないということ。

短い足という特徴そのものが、この病気の原因だからです。

この記事では、なぜ起こるのかどんなサインが出るのかそして家で何ができるのかを順に整理していきます。

結論

ミニチュアダックスフンドの短い足は軟骨異栄養性という遺伝的な性質によるものです。この性質は椎間板の変性を若いうちから進めます。発症のピークは3〜6歳と、決して高齢ではありません。そして引き金のほとんどは家のなかにあります——滑る床、ソファからの飛び降り、脇を持つ抱き方、そして肥満。この4つを断つことが、最大の予防になります。

この記事でわかること

  • 短い足が、なぜ背骨の病気につながるのか
  • グレード別の症状と、時間との勝負
  • 見逃したくない初期サイン
  • 家のなかでできる4つの予防
  • 治療にかかる費用と、保険の考え方

短い足は、なぜ背骨の病気につながるのか

まずこの犬種の体の成り立ちから説明させてください。

軟骨異栄養性という性質

ミニチュアダックスフンドの短い足は、軟骨異栄養性(なんこついえいようせい)と呼ばれる遺伝的な性質によるものです。

骨の成長を担う軟骨が早い段階で成長を止めるため、手足だけが短いまま体が完成します。

問題は、この性質が足だけに働くわけではないという点です。

背骨のクッションである椎間板も、同じように変化します。

軟骨異栄養性がもたらすもの
部位 何が起こるか 結果
四肢の骨 成長が早く止まる 短い足になる
椎間板の中心部 水分を失い硬くなる クッションが効かなくなる
変性の時期 生後1年ほどで始まる 若くして発症する
発症のピーク 3〜6歳 高齢の病気ではない

この犬種では、生後1年ほどですでに椎間板の変性が始まっているとされています。

つまり若く元気に見える時期から、背骨のなかでは準備が進んでいるということです。

ハンセン1型という起こり方

ダックスフンドに多いのはハンセン1型と呼ばれるタイプです。

硬く変性した椎間板の中身が、圧力で外側の膜を破り、脊髄に向かって一気に飛び出します

ここが恐ろしいところで、この飛び出し方は突然起こります。

加齢とともにゆっくり進むタイプ(ハンセン2型)とは違い、朝は普通に歩いていた犬が、夕方には立てなくなるということが現実に起こります。

「急に」というのは、決して大げさな表現ではありません。

グレード別の症状——時間との勝負になる

椎間板ヘルニアのグレード別症状
グレード5の深部痛覚消失からは、時間との勝負になります。

椎間板ヘルニアの重症度は、5段階のグレードで表されます。

椎間板ヘルニアのグレード
グレード 症状 治療の方向
グレード1 痛みのみ。歩ける 安静と内科治療
グレード2 歩けるが、ふらつく 内科治療または手術
グレード3 立てないが、足は動かせる 手術を検討
グレード4 後ろ足が麻痺。排尿できない 手術が必要
グレード5 深部痛覚が消失 緊急手術

グレード5の「深部痛覚の消失」——ここが決定的な分かれ目になります。

後ろ足の指を強くつまんでも犬が何の反応も示さない状態です。足がぴくりと動くのではなく、顔を向ける・鳴くといった痛みへの反応があるかを見ます。

⚠ 深部痛覚が消えたら、時間が予後を決めます

後ろ足の感覚が完全に失われた状態から回復できるかどうかは、どれだけ早く手術できたかに大きく左右されます。

一般に48時間以内とされますが、早ければ早いほど良い、というのが実際のところです。

夜間でも、休日でも、すぐに動物病院に連絡してください。「朝まで様子を見よう」という判断が、取り返しのつかない差になることがあります。

そしてハンセン1型は、グレードが突然進みます

グレード1で受診し、投薬中にグレード4まで進むということも起こりえます。

治療を始めたあとも、歩き方を毎日見ていてください。

見逃したくない、初期のサイン

椎間板ヘルニアの初期サイン
最初のサインは麻痺ではなく、日常の小さな変化として現れます。

最初のサインは、麻痺ではありません。

多くの場合、日常のなかの小さな変化として現れます。

  • 抱き上げると「キャン」と鳴く——背中に痛みがある
  • いつも登っていた段差を、登らなくなった
  • 背中を丸めて、じっとしている——痛みをかばう姿勢
  • 寒くもないのに震えている
  • 呼んでも来ない・遊びに乗ってこない
  • 階段の前で立ち止まる
  • 散歩に行きたがらない・すぐ帰りたがる

「今日はなんとなく元気がない」——この程度の印象で始まることが少なくありません。

けれどこの段階で受診できれば、内科治療で済むことがあります

痛みのサインは、鳴き声だけではない

犬は痛みを隠す生き物です。

鳴かないから痛くない、とは限りません。

姿勢の変化——背中を丸める、首を下げる、お腹に力が入っている——こうした様子は、痛みを表していることがあります。

そして「触られるのを嫌がる」。いつも喜んでいた背中なでを急に避けるようになったら、それは十分な受診理由です。

動画を撮っておいてください

受診前に、歩いている様子を動画で撮影しておくことをおすすめします。

診察室では、犬は緊張して普段と違う動きをします。ふらつきが出ないこともあります。

家での歩き方、段差の前での様子、立ち上がるときの動き——これらが記録されていれば、診断はぐっと確かになります。

家のなかでできる、4つの予防

家のなかでできる予防策
発症の引き金は、ほとんどが家のなかにあります。

発症の引き金は、ほとんどが家のなかにあります。

遺伝的な素因は変えられませんが、引き金は減らせます

1. 滑らない床にする

フローリングは、犬にとって氷の上です。

爪が引っかからず、踏ん張るたびに足が横に流れます。その力は、そのまま腰にねじれとして伝わります。

部屋全体でなくて構いません。犬が走る動線——玄関からリビング、ソファのまわり——そこにマットを敷いてください。

あわせて足裏の毛と爪も月に一度は整えます。肉球がしっかり床に接することが滑り止めの前提になります。

2. 段差をなくす

ソファ、ベッド、階段、玄関。

犬が飛び降りるたびに、着地の衝撃が背骨を縦に押します

段差への対策
場所 対策 備考
ソファ スロープを置く 飛び降りの主な現場
ベッド ステップか、低いものに替える 夜中の出入りに注意
階段 ゲートで封鎖する 上りも下りも負担
玄関の段差 抱いて移動する 毎日の積み重ねになる
車の乗り降り 抱いて乗せる 高さがある

スロープは、置くだけでは使いません。おやつで誘導しながら、使い方を教える時間が必要です。

3. 抱き方を、家族全員で統一する

脇の下を持って持ち上げる——これが、もっとも避けたい抱き方です。

体の重みが、支えのない腰にすべてかかります。

正しくは、片手を前足の後ろから胸に入れ、もう片方の手でお尻を支え、背骨を水平に保ったまま持ち上げます。

そして、二本足で立たせないこと。おやつを頭上に掲げる、芸として立たせる——こうした習慣は腰に負担をかけ続けます

家族の誰か一人でも違う抱き方をしていれば、意味がありません。全員で同じやり方を共有してください。

4. 太らせない

体重管理は、この犬種にとって美容の話ではありません。

長い胴を支えているのは、背中の筋肉と椎間板です。そこに余分な脂肪が乗れば、負荷は直接そこにかかります。

判断は見た目ではなく、触って背中から肋骨をなでたとき、薄い脂肪ごしに骨が指に当たる——これが適正な状態です。

  • フードはキッチンスケールで量る
  • おやつは1日の総カロリーの1割まで
  • 月に一度、体重を記録する
  • 避妊・去勢後は必要カロリーが下がる
  • 人の食べ物を分け与えない
  • 散歩で筋肉を落とさない——背骨を支えるのは筋肉

筋肉を落とさないことも同じくらい大切です。「腰に悪いから運動させない」というのは逆効果になります。

平らな道を、1日2回、各20〜30分——この程度の散歩は、むしろ背骨を守る側に働きます。

異変に気づいたときの、行動

異変に気づいたときの行動手順
迷っている時間が、そのまま予後を左右します。

実際に異変を感じたとき、最初の数時間の行動がその後を左右します。

異変時の行動
すること してはいけないこと
すぐに動物病院へ連絡する 朝まで様子を見る
体を水平に保って運ぶ 脇を持って抱き上げる
ケージなどで動きを制限する 歩けるか試させる
歩き方の動画を用意する マッサージをする
いつから、どう変わったかを整理する 市販の痛み止めを与える

「歩けるかどうか確かめよう」と何度も立たせてみる——これは症状を悪化させます

運ぶときは、硬い板やバスタオルの上に乗せて体をたわませないようにしてください。

そして人間用の痛み止めは、絶対に与えないでください。犬にとっては中毒を起こす成分が含まれているものがあります。

治療にかかる費用と、保険の考え方

お金の話も、正直に書いておきます。

治療費の目安
治療 内容 費用の目安
内科治療 安静・投薬・通院 3〜10万円
MRI検査 全身麻酔が必要 5〜10万円
外科手術 入院を含む 30〜60万円
術後のリハビリ 数か月かかることも 1回3,000〜8,000円
再発時 別の椎間板で起こりうる 同程度がかかる

手術となれば、検査と合わせて40〜70万円という規模になります。

ミニチュアダックスフンドでペット保険が語られることが多いのは、この金額があるからです。

ただし注意点があります。

  • 椎間板ヘルニアを補償対象外とする商品がある
  • 加入前に症状があれば、その部位は対象外になる
  • 待機期間が設けられていることがある
  • 「特定疾病不担保」の記載を必ず確認する
  • 健康なうちに加入しておく
  • 更新時に条件が変わることがある

「この犬種で、椎間板ヘルニアは補償されますか」——この一言を、契約前に必ず確認してください。

迎えてすぐ、まだ何の症状もないうちが選択肢のもっとも広い時期になります。

ミニチュアダックスという犬

ここまでリスクの話を続けてきましたが、この犬種の魅力にも触れておきたいと思います。

ミニチュアダックスフンドは、日本で長く人気を保ってきた犬種です。

ミニチュアダックスの基本
項目 内容
サイズ区分 胸囲30cm超〜35cm以下
体重の目安 4〜5kg
毛質 スムース/ロング/ワイヤー
平均寿命 14〜16年
性格 好奇心旺盛・大胆・頑固
運動量 1日2回、各20〜30分

4サイズあるダックスフンドのなかで、もっとも流通が多いのがこのサイズです。

カニンヘンほど繊細ではなく、スタンダードほど大きくない——扱いやすさという点で、多くの家庭に合ってきたサイズだと言えます。

サイズの区分についてはダックスのサイズ基準の記事に、本来の姿である大型サイズについてはスタンダードダックスの記事にまとめてあります。

そして性格。猟犬の血を色濃く残しています。

よく吠え、よく掘り、興味を持ったものに一直線。小さな体に似合わない大胆さが、この犬種の面白さでもあります。

手術のあとに待っている時間

手術を受けたあとについても、知っておいていただきたいことがあります。

手術は、終わりではなく始まりです。

飛び出した椎間板を取り除いても、圧迫を受けた脊髄が回復するには時間がかかります

  • 術後しばらくはケージで安静に過ごす
  • 自力で排尿できない期間があり、圧迫排尿が必要になる
  • リハビリは数週間から数か月に及ぶ
  • 床ずれを防ぐため、寝返りを手伝う
  • 水中トレッドミルなどの施設を使う場合もある
  • 回復の速さには、個体差が大きい

圧迫排尿——お腹を手で押して膀胱の尿を出す介助です。1日に数回、飼い主が行うことになります。

最初は戸惑いますが、動物病院で手順を教われば誰にでもできるようになります

そして回復には個体差があります。数週間で歩き出す犬もいれば、車椅子で暮らしていく犬もいます。

歩けなくなったから不幸だ、ということはありません。車椅子に慣れた犬は驚くほど速く走り、以前と変わらず散歩を心から楽しみます。失われたのは足の自由であって、その犬らしさではありません。

よくある質問

Q. 椎間板ヘルニアは、必ず起こるのですか?

A. 必ずではありませんが、素因は全頭が持っています。軟骨異栄養性という性質は犬種全体に共通するもので、生後1年ほどで椎間板の変性が始まるとされています。発症するかどうかは、体重と生活環境で大きく変わります。

Q. 何歳ごろに多いのですか?

A. 3〜6歳がピークとされています。高齢犬の病気ではありません。若く元気に見える時期に起こるため、「まだ大丈夫」という油断が対応を遅らせることがあります。

Q. 後ろ足を引きずっています。すぐ病院に行くべきですか?

A. すぐに連絡してください。夜間でも休日でも構いません。ハンセン1型はグレードが数時間で進むことがあり、深部痛覚が消えてからは時間が予後を決めます。

Q. 階段は絶対に使わせてはいけませんか?

A. できるだけ避けてください。上りも下りも背骨に負担がかかります。ゲートで封鎖し、抱いて移動するのが確実です。抱くときは胸とお尻を支え、背骨を水平に保ってください。

Q. 散歩は控えたほうがいいですか?

A. いいえ、平らな道での散歩は続けてください。背骨を支えているのは背中の筋肉です。運動をやめると筋肉が落ち、かえって負担が増えます。1日2回、各20〜30分が目安になります。

Q. 手術はいくらかかりますか?

A. MRI検査と合わせて40〜70万円ほどです。術後のリハビリが数か月に及ぶこともあります。ペット保険を検討する場合は、椎間板ヘルニアが補償対象かを契約前に必ず確認してください。

Q. 一度治れば、もう安心ですか?

A. 再発することがあります。背骨には多数の椎間板があり、別の場所で起こりうるためです。治ったあとも、床の滑り止めと体重管理は続けてください。

まとめ|遺伝は変えられないが、環境は変えられる

ミニチュアダックスフンドの短い足は、軟骨異栄養性という遺伝的な性質によるものです。

そしてその性質は、背骨のクッションにも同じように働きます。発症のピークは3〜6歳——決して高齢の病気ではありません。

この素因は、変えられません。

けれど——引き金は、変えられます。

滑る床、ソファからの飛び降り、脇を持つ抱き方、そして肥満。この4つを断つことが、もっとも確かな予防になります。

どれも、今日から始められることです。

そして「抱くと鳴く」「段差を登らない」——この小さな変化に気づけるかどうかが、内科治療で済むか手術になるかを分けます。

今日からできる3つ

  • 1犬が走る動線の床に、滑り止めマットを敷く
  • 2ソファにスロープを置き、階段はゲートで封鎖する
  • 3抱き方を家族全員で統一する——胸とお尻を支え、背骨を水平に

この犬種の背骨を守れるかどうかは、家の側で決まります。遺伝は選べませんが、環境は今日から選べます。

モフ@ペット好き

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