

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬の外歯瘻|目の下の傷が治らないのは、歯のせいです」です。ではどうぞ!
目の下が腫れている。
そして、皮膚が破れて膿が出てきた——
塗り薬をもらい、いったんは治まった——
けれど、しばらくするとまた同じ場所から出てくる——
その繰り返しに心当たりがあるなら知っておいてほしいことがあります。
それは、皮膚の病気ではありません。
外歯瘻(がいしろう)——
歯周病が進行し歯の根元に膿がたまると、その膿を排出するため管が作られ、その出口が口腔外の皮膚にできた状態をいいます。
つまり、そこにあいている穴は歯からの出口——
だから、皮膚をどれだけ治療しても治らないのです。
結論
外歯瘻は歯周病が進行して歯の根元に膿がたまり、その膿を排出するための管が作られて、出口が口腔外の皮膚にできた状態です。多くの場合、目の下の腫れや皮膚の自潰(破れること)が見られます。犬が硬いものを噛むときには上あごの第4前臼歯を使うため、折れたり傷ついたりする危険がもっとも高く、歯根膿瘍にもなりやすいとされます。この歯はちょうど目の下あたりに位置するため、歯根膿瘍が目の下の腫れを引き起こす要因になります。治療には抜歯が必要で、抜歯後は順調に回復し、皮膚の膿が出てくる穴も治ります。犬の歯、とくに臼歯は人間と違って食べ物をすりつぶす機能を果たしていないため、抜歯しても普段の生活に支障をきたさないことが多いとされています。
この記事でわかること
- ✓目の下の傷が、治らない
- ✓その穴は、歯からの出口です
- ✓なぜ、目の下なのか
- ✓硬いものを噛ませていませんか
- ✓抜歯が、必要になります
- ✓抜いても、困りません
- ✓予防は、日々の口のケア
目の下の傷が、治らない

この病気でいちばん多い遠回りを先に書きます。
「皮膚の病気」だと思われてしまうことです。
| 見えること | 受け取られ方 | 実際には |
|---|---|---|
| 目の下が腫れる | 虫に刺された? | 歯の根に膿がたまっている |
| 皮膚が破れる | ひっかいた傷? | 膿が出口を作った |
| 膿が出る | 皮膚の感染? | 歯からの膿が出てきている |
| 薬で治まる | 治った | 抑えているだけ |
| また出てくる | 再発した | もとが残っている |
| 同じ場所から | 治りにくい体質? | そこが出口だから |
「いつも同じ場所から出る」——
ここが、いちばんの手がかりです。
ひっかき傷なら場所が変わります。
皮膚の感染なら広がったり、別の場所にも出たりします。
けれど、この病気ではいつも同じ一点——
そこが膿の出口だからです。
そして、口臭——
同じころに口のにおいが強くなっていないかを確かめてみてください。
皮膚の問題なら口のにおいは変わりません。
「口のなかも見てもらえますか」
皮膚の治療を受けているのに繰り返しているなら——
その一言を口に出してみてください。
顔の皮膚の問題として相談を始めたため口のなかまで話が及ばないことがあります。
「目の下です」と伝えるだけでも歯を疑う理由になります。
穴のあいている場所そのものが大切な情報なのです。
その穴は、歯からの出口です
何が起きているのかを順に説明します。
まず、歯周病が進行する——
歯を支えている組織が壊れていき細菌が歯の根のほうへ入り込んでいきます。
そして、歯の根元に膿がたまる——
骨に囲まれた狭い場所に膿が増えていくのですから圧が高まります。
- たまった膿は、どこかへ出ようとする
- そのための管(瘻管)が作られる
- 口のなかへ抜ければ、内歯瘻
- 皮膚のほうへ抜ければ、外歯瘻
- 骨を溶かしながら、外へ向かう
- そして、皮膚を破って出てくる
「膿を排出するため管が作られる」——
体が自分で出口を作っているのです。
だから、その穴を外から塞いでも意味がありません。
もとになっている膿がそこにあり続けるかぎりまた別の場所から出てくるだけです。
そして、この「行き先」は皮膚だけではありません。
上あごの歯の根は鼻の空間のすぐ下にあるため鼻の症状として現れることもありさらに奥へ進めば副鼻腔炎にもつながります。
なぜ、目の下なのか

この病気がほとんどの場合「目の下」に現れるのにははっきりした理由があります。
原因になりやすい歯が決まっているからです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| その歯 | 上あごの第4前臼歯 |
| 使われ方 | 硬いものを噛むときに使う |
| だから | 折れたり傷ついたりする危険がもっとも高い |
| その結果 | 歯根膿瘍にもなりやすい |
| 位置 | ちょうど目の下あたりにある |
| 現れ方 | 目の下の腫れとして出てくる |
犬が硬いものを噛むときには上あごの第4前臼歯を使う——
いちばん力のかかる歯だということです。
だから、折れたり傷ついたりする危険がもっとも高く歯根膿瘍にもなりやすい——
そして、その歯はちょうど目の下あたりに位置しています。
だから、膿が外へ向かえば目の下に出てくる——
「なぜ目の下なのか」という疑問はこれで解けます。
逆に言えば——
目の下に穴があいたならその上の歯を疑う——
場所から原因をたどれるという点で分かりやすい病気でもあるのです。
ただし、ほかの歯でも起こります。
犬歯が原因なら鼻のあたりに出ることもあります。
下あごの歯ならあごの下に出てくる——
どこに出ていても「その近くの歯」を疑うことには変わりありません。
硬いものを噛ませていませんか

ここが、予防に直結する部分です。
その歯が折れたり傷ついたりするのは硬いものを噛んだときです。
- 骨——硬すぎて、歯が割れることがある
- 硬いガムやひづめ——同じく危険
- 石や木の枝——散歩中に噛ませない
- 硬いおもちゃ——選び方に注意する
- 氷——硬さと冷たさの両方が負担になる
- いずれも、奥歯に大きな力がかかる
選び方の目安をひとつ——
指の爪で押して少しへこむくらいなら比較的、安全だとされます。
まったくへこまない硬さなら歯のほうが負けることがあります。
「歯によいから」と与えているものがかえって歯を割っている——
そういうことが起こりえます。
そして、折れた歯はすぐには痛がらないこともあります。
気づかないうちにそこから細菌が入り、根の先で膿になる——
そして数か月後、目の下が腫れる——
そういう時間差があるのです。
だから、「歯が欠けている」ことに気づいたなら痛がっていなくても見てもらってください。
折れた歯の断面から細菌が入り込む——
その入口を早めに塞げれば膿までは至らずに済むこともあります。
歯の先が少し欠けているだけ——
そう見えてもなかの神経まで達していることがあります。
見た目の欠け方と深さは一致しません。
抜歯が、必要になります
治療について書きます。
根尖周囲膿瘍は歯周病が進行した病態であり治療には抜歯が必要です。
薬だけでは治りません。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| まず | 腫れや炎症、口臭、膿の有無を確かめる |
| 検査 | 鎮静をかけて、口腔内のレントゲンを撮る |
| そこで | どの歯の、どこに膿があるかを見る |
| 治療 | 原因になっている歯を抜く |
| あわせて | 膿を出し、洗浄する |
| そのあと | 皮膚の穴も、ふさがっていく |
抗生剤を使えばいったんは治まります。
けれど、膿のもとになっている歯がそこにあるかぎりやめれば戻ります。
「薬で治まる」ことがかえって抜歯の判断を遅らせる——
そのあいだにも周囲の骨は溶かされていきます。
そして、溶けた骨は戻りません。
膿が広がるほど抜歯そのものも難しくなります。
支えている骨がもろくなっている——
そういう状態で処置をすることになるからです。
だから、「そのうち考えよう」ではなく「早いほうが小さく済む」——
そう受け取ってください。
🩺 なぜ、麻酔が必要なのか
診断には口腔内のレントゲンが必要になります。
そして、そのためには鎮静や麻酔が要ります。
「レントゲンを撮るだけなのに麻酔?」と思われるかもしれません。
けれど、口のなかの奥までフィルムを入れて動かずにいてもらうには必要なことです。
そのまま処置へ進めるという利点もあります。
抜いても、困りません

「抜歯」と聞くとためらわれる方は多いはずです。
「歯がなくなったら食べられなくなるのでは」——
その心配にお答えします。
犬の歯、とくに臼歯は人間と違い食べ物をすりつぶす機能を果たしていません。
だから、抜歯しても普段の生活には支障をきたさないことが多いとされています。
- 人の奥歯は、すりつぶすための歯
- 犬の奥歯は、切り裂くための歯
- そもそも、丸のみに近い食べ方をする
- だから、抜いても食べられなくならない
- むしろ、痛みがなくなって食べやすくなることも
- 抜歯後は順調に回復することが多い
人の奥歯は臼のように食べ物をすりつぶします。
けれど、犬の奥歯ははさみのように切り裂くための形をしています。
そして、犬は食べ物を細かく噛み砕いてから飲み込むわけではありません。
だから、1本抜けたところで食べる力はそう変わらないのです。
むしろ、膿がたまって痛む歯がなくなれば食欲が戻ることもあります。
抜歯後は順調に回復し、皮膚の膿が出てくる穴も治ります。
抜歯のあとに、すること
処置が終わったあとにも気をつけることがあります。
- 数日は、やわらかい食事にする
- 硬いおもちゃを噛ませない
- 抜いた側を、しばらく触らない
- 抗生剤や痛み止めを、指示どおりに使う
- 皮膚の穴がふさがっていくかを見る
- 再診の予定を、必ず守る
皮膚の穴は抜歯のあと自然にふさがっていきます。
膿の出どころがなくなったのですからそこを通す必要がなくなる——
ふさがるまでには少し時間がかかりますがそれまで見守ってください。
ふさがらない、また膿が出てくるならほかの歯にも同じことが起きている可能性があります。
そのときは早めに相談してください。
予防は、日々の口のケア
この病気は歯周病が進行した結果です。
だから、予防はそのまま歯周病を進ませないことになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 歯みがき | 毎日続けることが、いちばん効く |
| 硬いもの | 骨・ひづめ・石などを噛ませない |
| 定期的な確認 | 口のなかを見てもらう |
| 口臭 | 強くなってきたら、進行のサイン |
| 顔の観察 | 目の下の腫れがないか、正面から見る |
| 食べ方 | 片側だけで噛んでいないか |
そして、早い段階のサインを挙げておきます。
- 口のにおいが、強くなってきた
- 歯石がたくさんついている
- 歯ぐきが赤く、腫れている
- 硬いものを噛まなくなった
- 片側だけで噛むようになった
- 顔を触られるのを嫌がる
これらは「目の下に穴があく」よりずっと前に現れます。
その段階で手を打てれば抜歯まで至らずに済むこともあります。
そして、歯の表面がもともと弱い犬——
エナメル質形成不全がある犬では汚れがつきやすく、歯周病も進みやすくなります。
そうした犬ではより丁寧なケアが必要になります。
そして、小型犬——
あごが小さいぶん歯が密に並び汚れがたまりやすいとされています。
歯周病が進みやすいのですからこの病気の入口にも近い——
小型犬と暮らしているならとくに口のケアを習慣にしてください。
そして、高齢になるほどこれまでの積み重ねが出てきます。
若いうちから始めることにいちばん意味がある——
そこは、強調しておきたいところです。
口のなかを、見る習慣
歯みがきが難しいとしても「見る」ことはできます。
唇を上へめくって奥歯のあたりをのぞいてみてください。
週に一度でも続けていれば変化に気づけます。
歯ぐきの色、歯石のつき方、歯が欠けていないか——
そして、顔を正面から見る——
目の下の左右の高さが違わないか——
ふくらみが出ていないか——
穴があく前にはまず腫れます。
その段階で気づければ皮膚を破らずに済むこともあります。
「なんとなく顔が腫れているような気がする」——
そういう程度でも伝えてください。
写真を撮っておくと比べられます。
正面から、同じ距離で——
数日前と見比べてふくらんできているならそれは変化です。
そして、触ると熱い、痛がるならすでに膿がたまっている可能性があります。
口のなかの発育にもともと問題がある場合——口蓋裂のような病気でも口のケアは大切になります。
よくある質問
Q. 外歯瘻とはどんな病気ですか?
A. 歯周病が進行して歯の根元に膿がたまり、その膿を排出するための管ができて、出口が口の外の皮膚にできた状態です。多くの場合、目の下の腫れや皮膚の自潰が見られます。
Q. 皮膚の治療では治らないのですか?
A. 治りません。そこにあいている穴は、歯からの出口だからです。薬でいったん治まっても、もとになっている膿が残っていればまた出てきます。「いつも同じ場所から出る」なら、歯を疑ってください。
Q. なぜ、目の下に出るのですか?
A. 原因になりやすい歯が、ちょうど目の下に位置しているからです。犬が硬いものを噛むときには上あごの第4前臼歯を使うため、折れたり傷ついたりする危険がもっとも高く、歯根膿瘍にもなりやすいのです。
Q. 硬いものを噛ませてはいけませんか?
A. 骨、硬いガム、ひづめ、石などは避けてください。上あごの奥歯には、噛むときにいちばん大きな力がかかります。指の爪で押して少しへこむくらいの硬さが、ひとつの目安になります。
Q. 薬では治りませんか?
A. 治療には抜歯が必要です。抗生剤でいったん治まっても、膿のもとになっている歯がある限り、やめれば戻ります。そのあいだにも周囲の骨は溶かされていきます。
Q. 抜歯したら、食べられなくなりませんか?
A. 犬の臼歯は、人間と違って食べ物をすりつぶす機能を果たしていません。そのため、抜歯しても普段の生活に支障をきたさないことが多いとされています。むしろ痛みがなくなって、食べやすくなることもあります。
Q. 予防はできますか?
A. 歯周病を進ませないことが、そのまま予防になります。毎日の歯みがき、硬いものを噛ませないこと、定期的に口のなかを見てもらうこと——口臭が強くなる、歯ぐきが赤いといったサインは、穴があくよりずっと前に現れます。
まとめ|同じ場所から出るなら、歯です
目の下の傷が治らない——
薬で治まっても、また同じ場所から膿が出る——
そのときに疑ってほしいのは皮膚ではなく歯です。
歯の根にたまった膿が出口を求めて皮膚を破っている——
だから、外から塞いでも意味がありません。
そして、抜歯をためらう必要は思うほど大きくありません。
犬の臼歯はすりつぶすための歯ではない——
抜いても食べる力はそう変わらず、皮膚の穴もふさがっていきます。
そして、この病気の入口は歯周病です。
毎日の歯みがきと、硬すぎるものを噛ませないこと——
そこに戻ってきます。
顔に穴があく——
そう聞くと特殊な病気のように思えますが入口はありふれた歯周病です。
そして、そこへ至る前には口臭や歯石といったサインが必ず出ています。
唇をめくって奥歯を見る——
週に一度のその数秒がこの病気を遠ざけます。
今日できる3つ
- 1顔を正面から見て、目の下に左右差がないか確かめる
- 2唇をめくって、奥歯と歯ぐきの状態を見る
- 3骨や硬いガムを与えているなら、硬さを見直す
同じ場所から繰り返すなら、皮膚ではありません。その上の歯を、診てもらってください。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「犬の外歯瘻|目の下の傷が治らないのは、歯のせいです」でした。
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