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犬のエナメル質形成不全|その茶色は、汚れではありません
犬のエナメル質形成不全
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬のエナメル質形成不全|その茶色は、汚れではありません」です。ではどうぞ!

歯が、茶色い。

磨いても、その色が落ちない——

触ってみると表面がざらついている——

「汚れがこびりついているのだろう」思われるかもしれません。

けれど、それは汚れではない可能性があります。

エナメル質形成不全——

歯の表面を覆うエナメル質うまく作られなかった状態です。

そして、この病気には時間差があります。

原因になった出来事生後1〜4か月のあいだ起きています。

つまり、いま見えている歯の色子犬のころの記録——

そういう時間差のある病気だと言えます。

結論

エナメル質形成不全の原因はさまざまですが、どれもエナメル質が形成される生後1〜4か月の間にその形成を阻害するものです。高熱の出る疾患や感染症(とくにジステンパーウイルス感染症)、歯を強く打ち付けること、栄養不良などが要因になります。症状としては、歯の表面がザラザラしている、歯が茶褐色になるといったものが見られます。子犬がジステンパーウイルス感染症にかかるとエナメル質形成不全になることがあるため、適切な時期にしっかりとワクチンを受けることで避けられる場合もあるとされています。治療は、エナメル質が欠損したところにコンポジットレジンという合成樹脂を被せて歯の表面を平滑にする方法が主に行われ、症状が重度の場合には歯にかぶせ物をつけることがあります。

この記事でわかること

  • その茶色は、汚れではありません
  • 生後1〜4か月に、決まっています
  • 高熱が、歯に記録される
  • 見た目だけの問題ではありません
  • 治療——表面を、平らにする
  • ワクチンで、防げる部分があります
  • 毎日のケアが、より大切になります

その茶色は、汚れではありません

見分けの手がかり
磨いても、落ちません。

まず、見分けから始めます。

汚れとの見分け
あとからついた汚れ エナメル質形成不全
黄色〜茶色の付着物 歯そのものが茶褐色
磨くと 落ちる、または薄くなる 落ちない
表面 厚みのある付着物 ざらつき、へこみがある
いつから だんだん増えてきた 生えたときから、そうだった
場所 磨きにくいところに多い 同じ時期にできた歯に、まとめて出る
年齢 年月とともに増える 若い犬でも見られる

いちばん分かりやすいのは「磨いても落ちるかどうか」です。

歯石や着色なら処置をすればきれいになります。

けれど、エナメル質そのものうまく作られていないのなら磨いても変わりません。

そして、「生えたときからそうだった」という——

若い犬すでに茶色い歯あるならこの病気を考える理由あります。

歯垢や歯石年月をかけてたまっていくものだからです。

そして、触ってみることも手がかりになります。

指でそっとなでてざらつきを感じるならエナメル質そのもの変化がある可能性があります。

ただし、嫌がる犬無理をさせないように——

見るだけでも十分です。

生後1〜4か月に、決まっています

エナメル質が作られる時期
その数か月の出来事が、一生残ります。

ここが、この病気を理解する鍵です。

エナメル質歯の表面を覆ういちばん硬い層です。

そして、その層歯が生える前あごの骨のなかで作られます。

永久歯のエナメル質作られる時期——

それが、生後1〜4か月のあいだです。

  • その時期に、体に大きな負担がかかると
  • エナメル質を作る働きが、止まってしまう
  • 止まっていたぶんだけ、薄く、粗くなる
  • そして、その状態のまま歯ができあがる
  • 生えてきたときには、すでにそうなっている
  • あとから作り直すことはできない

「あとから作り直せない」——

そこが、この病気の厳しいところです。

なら折れても作り直されます。

皮膚傷ついても再生します。

けれど、エナメル質できあがったあと作り足されることがありません。

だから、その数か月の出来事一生残るのです。

そして、乳歯永久歯話が変わります。

乳歯ならやがて抜け替わります。

けれど、永久歯抜け替わりません。

「その歯と一生付き合う」ことになります。

だからこそ、守り方大切になるのです。

高熱が、歯に記録される

形成を妨げるもの
どれも、作られる時期に起こります。

形成を妨げるもの挙げます。

エナメル質の形成を妨げるもの
原因 説明
高熱の出る疾患 体が消耗し、歯を作る働きが止まる
感染症 とくにジステンパーウイルス感染症
強い衝撃 歯を強く打ち付けたとき
栄養不良 作るための材料が足りない
共通する点 すべて、生後1〜4か月の出来事
現れ方 その時期に作られていた歯に、まとめて出る

子犬のころ高い熱を出した——

感染症にかかって何日も食べられなかった——

そうした出来事あったならそれが歯に記録されている可能性があります。

同じ時期の歯に、まとめて出ます

この病気特徴的な現れ方あります。

1本だけではなくいくつかの歯同じような変化出る——

そして、その歯の同じ高さのところ帯のように現れることもあります。

そのとき作られていた部分そろって影響を受けたからです。

いわば、そのときの記録歯に刻まれている——

そして、強く打ち付けたこと原因になる場合にはその歯だけ変化が出ることもあります。

子犬のころ顔をぶつけた、高いところから落ちた——

そうした心当たりあるなら伝えてください。

ただし、多くの場合——

原因をはっきり特定できることは少ないものです。

とくに、迎える前の時期何があったか分かりようがありません。

それでも、「そういう時期の出来事が残っている」知っておくことには意味があります。

「なぜか歯が茶色い」という不安「そういう理由か」という理解に変わる——

そして、することもはっきりします。

見た目だけの問題ではありません

「色が悪いだけ」だと受け取られやすいのですがこの病気にはその先があります。

エナメル質歯を守る鎧です。

それが薄く、粗くなっているということは守りが弱いということです。

  • 表面がざらつくと、汚れが引っかかりやすい
  • 歯垢がつきやすく、歯石にもなりやすい
  • そこから歯ぐきの炎症が起きる
  • 歯周病へと進みやすくなる
  • 削れた部分から、しみることもある
  • 欠けたり、割れたりしやすくもなる

ざらついた面には汚れが引っかかります。

つるつるした面なら流れていくものそこに留まる——

だから、この病気の犬歯垢や歯石がつきやすくなります。

そして、それが歯周病につながっていく——

歯周病口のなかだけの問題では終わりません。

上あごの歯の根鼻の空間のすぐ下にあり炎症が広がれば鼻の症状を起こすことがあります。

さらに進めば顔の皮膚に穴があくところまで至ることもある——

だから、「色が悪いだけ」では済ませないでほしいのです。

ざらつきから始まる道すじ
起きること そこから
表面がざらつく 汚れが引っかかりやすくなる
歯垢がたまる やがて歯石になっていく
歯ぐきが炎症を起こす 赤くなり、腫れ、出血する
歯周病へ進む 歯を支える骨まで傷んでいく
さらに進むと 鼻や顔の皮膚にまで影響が及ぶ
だから 入口の段階で、手を打つ意味がある

この道すじどの犬でも起こりうるものです。

けれど、エナメル質が弱い犬その入口に立っていることになります。

スタート地点が違うのですからそのぶん手をかける必要がある——

そう考えてください。

治療——表面を、平らにする

治療と、毎日のケア
削れた表面を、平らに戻します。

治療エナメル質が欠損したところコンポジットレジンという合成樹脂被せて歯の表面を平滑にする方法主に行われます。

「平滑にする」——

そこが、この治療の目的です。

治療について
項目 内容
方法 合成樹脂を被せ、表面を平らにする
目的 汚れがつきにくい状態にする
重度の場合 歯にかぶせ物をつけることがある
麻酔 処置には、必要になる
そのあと 毎日のケアを、続けていく
定期的に 状態を見てもらい、必要なら手直しする

見た目をきれいにするためだけではありません。

ざらついた面なめらかにすれば汚れがつきにくくなる——

つまり、歯周病への道を遠ざけることができます。

症状が重度の場合には歯にかぶせ物をつけることもあります。

すべての歯処置をするとは限りません。

削れ方がひどい歯、しみている歯から優先されることもあります。

「どこまでやるか」状態と、麻酔の負担あわせて決めることになります。

そして、処置をしたあと毎日のケアは続きます。

「治療したからもう安心」ではありません。

🩺 見た目のためだけではありません

「見た目のためだけなら、麻酔をかけてまで」迷われるかもしれません。

けれど、この処置には守るという意味あります。

ざらついたままなら汚れがたまり続け、歯周病が進んでいく——

そして、そのときにはもっと大きな処置必要になります。

「いま何をするか」状態を見たうえで相談してみてください。

ワクチンで、防げる部分があります

この病気には予防できる部分あります。

子犬がジステンパーウイルス感染症にかかるとエナメル質形成不全になることがある——

そのため、適切な時期にしっかりとワクチンを受けることで避けられる場合もあるされています。

ジステンパーは高い熱が出る感染症です。

そして、その熱が出る時期ちょうどエナメル質の作られる時期と重なります。

感染症そのもの防げれば歯への影響も防げる——

そういうつながりあるのです。

ワクチン守っているもの命だけではありません。

ワクチンの時期については混合ワクチンの記事で詳しく解説しています。

そして、栄養——

成長期にきちんと栄養がとれていること歯を作るうえで大切です。

子犬の時期体調を崩さないようにすることそのまま歯を守ることにもなる——

そう考えておいてください。

すでに起きてしまった場合

「予防できる」聞くとすでに起きてしまった飼い主つらい気持ちなるかもしれません。

けれど、迎える前の出来事あることも少なくありません。

生後1〜4か月——

その時期まだ手元にいなかったという場合も多いはずです。

だから、自分を責める必要はありません。

大切なのは「これから何をするか」——

表面を整え、毎日みがき、定期的に見てもらう——

そこに力を注いでください。できることは残っています。

毎日のケアが、より大切になります

この病気の犬では歯みがきふつうの犬より重要になります。

汚れがつきやすいのですからその分だけ落とす必要がある——

  • 毎日、続けることがいちばん効く
  • ざらついた面を、とくに丁寧に
  • やわらかいブラシで、力を入れすぎない
  • 嫌がる犬は、短い時間から慣らす
  • 硬すぎるものを噛ませない
  • 定期的に、口のなかを見てもらう

力を入れてごしごし磨くのは逆効果です。

すでにエナメル質が薄いのですから削ってしまうことになりかねません。

やわらかいブラシやさしく、けれど毎日——

それがこの病気での歯みがきの考え方です。

使う道具相談してみてください。

やわらかい歯ブラシ、指に巻くタイプのもの、犬用の歯みがき剤——

その子に合うもの選べば続けやすくなります。

そして硬いもの——

骨や硬いおもちゃ噛ませることは避けてください。

エナメル質が弱い歯欠けたり割れたりしやすいからです。

歯みがきに慣らす

「歯みがきが大切」分かっていても嫌がられてできない——

そういう声とても多いものです。

  • まず、口の周りを触られることに慣らす
  • 次に、唇をめくって歯を見せてもらう
  • 指にガーゼを巻いて、触れるところから
  • できたら必ずほめる
  • 1回に長くやらず、数秒で終える
  • 毎日少しずつ、期間をかけて進める

いきなりブラシを入れようすれば嫌われます。

数か月かけて慣らしていくくらいのつもりで——

一度身につけばその先何年も続けられます。

そして、どうしてもできない場合——

「うちでは磨けません」正直に伝えてください。

ほかの方法提案してもらえることがあります。

定期的に処置を受けるという選択あります。

大切なのは「何もしないまま時間が過ぎること」避けることです。

できないことを抱え込んでいるうち歯周病が進んでしまう——

それが、いちばん避けたい結末です。

よくある質問

Q. エナメル質形成不全とはどんな病気ですか?

A. 歯の表面を覆うエナメル質が、うまく作られなかった状態です。歯の表面がザラザラしている、歯が茶褐色になるといった症状が見られます。エナメル質が形成される生後1〜4か月の間の出来事が原因になります。

Q. 汚れとは、どう見分けますか?

A. 磨いても落ちないことが手がかりです。歯石や着色なら処置できれいになりますが、エナメル質そのものが作られていないなら磨いても変わりません。「生えたときからそうだった」という点も見分けになります。

Q. なぜ、そうなるのですか?

A. 高熱の出る疾患や感染症、歯を強く打ち付けること、栄養不良などが原因です。どれも、エナメル質が形成される生後1〜4か月の間に、その形成を阻害します。いま見えている歯は、そのころの記録だと言えます。

Q. 色が悪いだけなら、放っておいてもよいですか?

A. 見た目だけの問題ではありません。ざらついた面には汚れが引っかかりやすく、歯垢や歯石がつきやすくなります。そこから歯ぐきの炎症が起き、歯周病へと進みやすくなります。

Q. 治療法はありますか?

A. エナメル質が欠損したところに合成樹脂を被せ、歯の表面を平滑にする方法が主に行われます。見た目のためだけでなく、汚れがつきにくい状態にすることが目的です。重度の場合は、歯にかぶせ物をつけることがあります。

Q. 予防はできますか?

A. ジステンパーウイルス感染症は、ワクチンで防げます。子犬がこの感染症にかかるとエナメル質形成不全になることがあるため、適切な時期にワクチンを受けることで避けられる場合もあるとされています。

Q. 歯みがきは、どうすればよいですか?

A. やわらかいブラシで、やさしく、けれど毎日続けてください。すでにエナメル質が薄いため、力を入れてごしごし磨くと削ってしまいます。また、骨や硬いおもちゃを噛ませることも避けてください。

まとめ|その歯は、子犬のころの記録です

歯が茶色い。磨いても落ちない——

その色汚れではなく歯そのものの色かもしれません。

そして、その原因生後1〜4か月のあいだ起きています。

高熱、感染症、栄養不良、強い衝撃——

そのころの出来事歯に残っている——

そして、そのエナメル質を作り直すことはできません。

けれど、表面を平らにして汚れがつきにくくすることはできます。

そして、毎日の歯みがき——

この病気の犬ではそれがふつうより大切になります。

見た目の問題終わらせないでください。

ざらついた面には汚れがたまり、そこから歯周病が始まります。

スタート地点が違うぶんそのぶん手をかける——

それが、この病気の犬暮らしていくうえでの考え方です。

今日できる3つ

  • 1茶色い歯が、磨いて落ちるかどうか確かめる
  • 2同じような変化が、複数の歯に出ていないか見る
  • 3やわらかいブラシで、短い時間から歯みがきを始める

その色は、子犬のころの記録かもしれません。作り直せないぶん、守り方が大切になります。

モフ@ペット好き

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