

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬の鼻炎|片鼻だけなら、そこに何かあります」です。ではどうぞ!
鼻水が出ている。
くしゃみも、ときどきしている——
「風邪でしょうか」と思われるかもしれません。
けれど、犬の鼻水には読み方があります。
そして、その読み方を知っていれば受診のときに伝えるべきことがはっきりします。
見るのは2つです。
ひとつは、色。
透明でさらさらしているのか、白く濁っているのか、黄色や緑がかっているのか、血が混じっているのか——
もうひとつが、こちらのほうが大切です。
片方の鼻からだけ出ているのか、両方から出ているのか——
片鼻だけならその鼻の中に何かがあるということです。
結論
鼻炎の原因は多岐にわたります。花粉やホコリ、ダニなどのアレルゲン、香水や煙といった刺激物といった環境の要因、ウイルスや細菌、真菌による感染症、鼻の中の異物、鼻腔の腫瘍、そして歯周病や歯根膿瘍などの歯の病気です。犬の口と鼻は隣り合った構造のため、歯周炎の炎症が歯槽骨まで及ぶと鼻の中にも広がることがあり、進むと歯と鼻のあいだに穴(瘻管)ができて慢性の鼻炎を起こすことがあります。片鼻だけから出ている場合は異物・歯・腫瘍を疑う理由になり、両鼻からなら感染症やアレルギーが考えられます。
この記事でわかること
- ✓鼻水は、色と左右で読みます
- ✓片鼻だけなら、そこに何かあります
- ✓歯が原因の鼻水があります
- ✓両鼻からなら、全身か環境か
- ✓「鼻が乾いている=病気」ではありません
- ✓見過ごしてはいけないサイン
- ✓受診と、伝え方
鼻水は、色と左右で読みます

まず、色から見ていきます。
| 色・状態 | 考えられること |
|---|---|
| 透明で、さらさら | 刺激やアレルギー、感染の初期 |
| 白く濁っている | 炎症が進んでいる |
| 黄色〜緑がかっている | 細菌が関わっている |
| どろりと粘る | 慢性化していることがある |
| 血が混じる | 異物・歯・腫瘍を疑う |
| 片鼻から血だけ | その鼻の中を、必ず調べる |
透明でさらさらした鼻水は鼻の粘膜が刺激を受けたときに出るものです。
ホコリを吸った、冷たい空気に触れた、香水や煙が漂った——
そうした場面のあとなら心配のいらないことが多いと言えます。
問題は、それが濁ってきたときです。
白から黄色、そして緑へ——色が濃くなっていくのは細菌が関わってきた合図だと考えられます。
そして色より重い情報が左右です。色は「どれくらい進んでいるか」を教えてくれますが左右は「何が起きているか」を教えてくれます。
片鼻だけなら、そこに何かあります

ここが、この記事でいちばん覚えて帰ってほしい部分です。
感染症やアレルギーはふつう、両方の鼻に同じように作用します。
ウイルスが片方の鼻だけを選ぶことはありません。
だから、片鼻だけから出ているならその鼻の中に固有の原因がある——
| 原因 | 特徴 | 気づき方 |
|---|---|---|
| 異物 | 草の種など。急に始まる | 散歩のあと、激しいくしゃみ |
| 歯の病気 | 歯根の膿が鼻へ広がる | 口のにおい、目の下の腫れ |
| 腫瘍 | 少しずつ悪化。血が混じる | 顔の形が変わることも |
| 真菌の感染 | 鼻の中でカビが増える | 鼻の穴の周りがただれる |
| ポリープ | できものが通り道を塞ぐ | その側だけ、詰まった音がする |
| 共通して | 放っておいても治らない | 調べなければ分からない |
散歩から帰ったあとに急に激しいくしゃみを繰り返し始めた——
そういう場面なら異物を強く疑う理由があります。
草の種や、植物のかけらが鼻の奥まで入り込むことは実際に起こります。
自分で取ろうとしないでください
鼻の中に何か見える——
ピンセットでつまみたくなるかもしれません。
やめてください。
鼻の粘膜は血管が豊富で傷つけば大量に出血します。そして、奥へ押し込んでしまうこともあります。
異物の除去は麻酔をかけて、内視鏡などで確かめながら行うものです。
そして、片鼻から血が混じるという場合——
これは、必ず調べてもらってください。
異物、歯の病気、そして腫瘍——いずれも放っておいて治るものではありません。
くしゃみの、出方を見てください
くしゃみにも読み方があります。
- 急に始まり、激しく連続する——異物を疑う
- 何日も続いている——炎症や感染が起きている
- 特定の場所や時間に出る——刺激物やアレルギー
- 鼻血を伴う——必ず調べてもらう
- 顔をこすりつける動作を伴う——鼻の中の違和感
- 片側だけ、詰まった音がする——通り道が塞がれている
鼻を前足でこする、床や家具に顔をこすりつける——
こうした動作は鼻の中に違和感がある合図です。
本人にとっては「何かが入っている」感覚があるのだと考えられます。
歯が原因の鼻水があります

意外に思われるかもしれませんが歯の病気が鼻水の原因になることがあります。
犬の口と鼻は隣り合った構造をしています。
上あごの歯——とくに大きな奥歯や、犬歯の根っこは鼻の空間のすぐ下まで伸びています。
| 段階 | 起きること |
|---|---|
| 歯周病 | 歯ぐきに炎症が起きる |
| 進行 | 歯を支える骨(歯槽骨)まで炎症が及ぶ |
| 広がる | 隣り合う鼻の中にも、炎症や感染が広がる |
| 膿がたまる | 歯の根に膿の袋ができる(歯根膿瘍) |
| 穴があく | 歯と鼻のあいだに、瘻管という通路ができる |
| 結果 | 慢性的な鼻炎になる |
「治らない鼻水」の背景に歯があった——
これは、決して珍しい話ではありません。
抗生剤を飲めばよくなり、やめると戻る——そういう経過をたどることが多いものです。
薬が効いているのは細菌を抑えているからで膿の袋そのものはそこに残り続けている——
- 口のにおいが、強くなっていないか
- 目の下や頬が、腫れていないか
- 硬いものを噛まなくなっていないか
- 片側だけで噛むようになっていないか
- 歯石が、たくさんついていないか
- 鼻水が、いつも同じ側から出ていないか
目の下が腫れる——
これは、歯の根の膿が骨を溶かして外へ出てこようとしている状態です。
皮膚が破れて膿が出てくることもあります。
治療は原因になっている歯を抜くことが中心になります。
抜歯のあとには鼻とのあいだに穴が空いていないかを確かめ、空いていれば歯ぐきを縫って閉じる手術が行われます。
「鼻水なのに、歯科」——
つながらないように思えるかもしれませんが解剖学的にはすぐ隣どうしなのです。
そして、この背景がある場合——
歯を治さないかぎり鼻水は終わりません。
「何年も、鼻水が出たり止まったりしている」という犬で口の中を調べたら原因が見つかった——
そういう経過をたどることがあります。
だから、長く続く鼻水では「口の中も見てもらえますか」と一度、伝えてみてください。
とくに、小型犬や高齢の犬では歯周病そのものがとても多いためこの道すじは考える価値があります。
両鼻からなら、全身か環境か
両方の鼻から同じように出ている——
その場合は鼻の中の一点ではなく全身か、環境に原因を探すことになります。
| 背景 | 特徴 |
|---|---|
| 感染症 | 咳や発熱、元気食欲の低下を伴うことも |
| アレルギー | 透明な鼻水。季節性のことがある |
| 刺激物 | 煙、香水、洗剤など。その場を離れると治まる |
| 乾燥 | 冬場、空気が乾いている時期 |
| 誤嚥 | 水や食べ物が鼻に入った直後 |
| 全身の病気 | ほかの症状と一緒に出ていないか |
感染症では鼻水だけでなく咳や、目やに、元気食欲の低下を伴うことがあります。
とくに、咳と一緒に出ているならケンネルコフを考える必要があります。
ほかの犬と接触した数日後から始まったならその可能性はさらに高くなります。
そして、目やにと鼻水が同時に出て元気もないという場合にはジステンパーのような重い感染症も考えられます。
ワクチンの接種歴を必ず伝えてください。詳しくは感染症の記事で解説しています。
アレルギーによる鼻水
人の花粉症のような症状が犬にも起こります。
- 透明でさらさらした鼻水が続く
- くしゃみを、繰り返す
- 毎年、同じ季節に起こる
- 皮膚も痒がっていることが多い
- 目が赤い、しょぼしょぼすることも
- 室内に入ると、治まることがある
犬の場合は鼻より皮膚に強く出ることが多いとされています。
鼻水と一緒に体を痒がっているならその情報も伝えてください。
環境を整えることで軽くできる部分もあります。
散歩から帰ったら体を拭く、空気清浄機を使う、こまめに掃除する——
アレルゲンに触れる量を減らすという考え方です。
そして、煙や強い香り——たばこ、アロマ、スプレー式の洗剤などは犬にとって強い刺激になります。
人が「いい香り」と感じるものでも犬の嗅覚ではまったく違う強さで届いている——そこは、意識しておいてください。
「鼻が乾いている=病気」ではありません
よく言われることにひとつ、訂正しておきたいものがあります。
「鼻が乾いていたら、体調が悪い」——
これは、必ずしも正しくありません。
- 寝ているとき、寝起きは乾いているのがふつう
- 暖房のきいた部屋では、乾きやすい
- 運動のあとや、興奮しているときも変わる
- 1日のなかでも、湿り方は変化する
- 年齢とともに、乾きやすくなる犬もいる
- 乾いていても、元気なら心配は少ない
むしろ気にしてほしいのは「ひび割れているか」です。
鼻の表面が硬く厚くなり、ひび割れている——
そうした変化は皮膚の病気や免疫の問題が背景にあることがあります。
「乾いているかどうか」より「表面の質が変わっていないか」——そこを見てください。
見過ごしてはいけないサイン

鼻水そのものより見ておいてほしい変化を挙げます。
| サイン | 意味すること |
|---|---|
| 片鼻から血 | 異物・歯・腫瘍のいずれかを疑う |
| 顔が腫れる | 歯の根の膿、または腫瘍 |
| 鼻の形が変わる | 中で何かが大きくなっている |
| 口を開けて呼吸する | 鼻が完全に詰まっている |
| 食欲が落ちた | においが分からず、食べる気が起きない |
| 片目だけ涙が多い | 涙の通り道が塞がれていることも |
犬は、においで食べる動物です。
鼻が詰まると食欲そのものが落ちます。
「鼻水くらい」と思っていても本人にとっては食事の楽しみが減っている——
そして、犬は口で呼吸するのが得意ではありません。
鼻が詰まりきって口を開けて呼吸しているならそれは受診すべき状態です。
とくに、鼻の短い犬種ではもともと空気の通り道が狭いため少しの腫れでも呼吸が苦しくなります。
いびきが大きくなった、眠っているとき苦しそうな音がする——
そうした変化も鼻の通りが悪くなっている合図です。
そして夏場には体温を下げる働きにも関わってきます。
犬は、口と鼻から息を出し入れして熱を逃がしています。鼻が詰まっていればその効率も落ちる——暑い時期にはとくに気をつけてください。
🩺 顔を、正面から見比べてください
顔の形が変わる——
鼻筋の高さ、目の下のふくらみ、頬の張り——
左右を見比べて違いがあるなら鼻の中で何かが大きくなっている可能性があります。
ゆっくり進むため毎日見ていると気づけません。
数か月前の写真と見比べてみてください。
受診と、伝え方
受診のときに伝えてほしいことを挙げます。
- 片鼻か、両鼻か(これがいちばん大切)
- 鼻水の色と、粘り気
- いつから始まったか。急にか、少しずつか
- くしゃみの回数と、激しさ
- 咳や目やに、発熱がないか
- ほかの犬と接触したか、散歩で草むらに入ったか
「片鼻か、両鼻か」——
これを伝えるだけで疑う病気の順番が大きく変わります。
意外と見ていないものですから受診の前に確かめておいてください。
ティッシュで拭いてみるとどちらから出ているかが分かりやすくなります。
左右それぞれを別のティッシュで拭いて見比べる——それだけではっきりします。
そして、写真を撮っておくのも有効です。色や粘り気は言葉で説明するより見せたほうが早いものです。
検査としては口の中と歯を見る、レントゲンやCTで鼻の中を調べる、内視鏡で覗くといった方法がとられます。
とくに、片鼻から続く鼻水では画像で中を見なければ分からないことが多いと言えます。
治りきらない鼻水
薬を飲むとよくなり、やめると戻る——
そういう経過を繰り返しているなら抑えているだけで原因が残っていることを疑ってください。
歯の根の膿、鼻の中の異物、そして腫瘍——
いずれも、抗生剤では取り除けません。
慢性化して副鼻腔まで炎症が広がれば副鼻腔炎としてさらに治りにくくなります。
咳も一緒に続いているなら気管支炎など下の気道も確かめてもらってください。
よくある質問
Q. 鼻水が出ています。風邪でしょうか?
A. 犬に人の風邪はうつりません。原因は、アレルギーや刺激物、感染症、鼻の中の異物、腫瘍、そして歯の病気まで多岐にわたります。まず「片鼻か、両鼻か」を確かめてください。
Q. 片鼻だけから出ているのですが
A. その鼻の中に、固有の原因がある可能性が高い状態です。異物、歯の根の膿、腫瘍、真菌の感染などが考えられます。感染症やアレルギーは、ふつう両方の鼻に同じように出ます。
Q. 鼻水の色で、何が分かりますか?
A. 透明でさらさらなら刺激やアレルギー、初期の感染。白く濁れば炎症が進み、黄色〜緑なら細菌が関わっています。血が混じるなら、異物・歯・腫瘍を疑う理由になります。
Q. 歯が原因で鼻水が出ることがあるのですか?
A. あります。犬の口と鼻は隣り合った構造です。歯周炎が歯槽骨まで及ぶと鼻の中にも広がり、進むと歯と鼻のあいだに穴(瘻管)ができて慢性の鼻炎になります。
Q. 鼻の中の異物を、自分で取ってもよいですか?
A. やめてください。鼻の粘膜は血管が豊富で、傷つければ大量に出血します。奥へ押し込んでしまうこともあります。麻酔下で行う処置です。
Q. 鼻が乾いていると、体調が悪いのですか?
A. 必ずしもそうではありません。寝起きや暖房のきいた部屋では乾くのがふつうです。むしろ、表面が硬く厚くなりひび割れている場合のほうが気にしてください。
Q. 薬をやめると、また鼻水が出ます
A. 抑えているだけで、原因が残っている可能性があります。歯の根の膿、鼻の中の異物、腫瘍は抗生剤では取り除けません。画像検査で、鼻の中を調べてもらってください。
まとめ|まず、左右を確かめてください
犬の鼻水には読み方があります。
色を見て、そして左右を見る——
とくに、「片鼻か、両鼻か」という情報は疑う病気の順番を大きく変えます。
片鼻だけならその鼻の中に何かがあります。
異物か、歯か、腫瘍か——いずれも、放っておいて治るものではありません。
そして、見落とされやすいのが歯です。
口と鼻は隣どうし——歯の根の炎症が鼻に穴を開けることがあります。
「薬をやめると戻る鼻水」なら口の中も見てもらってください。
鼻水は、たかが鼻水ではありません。
犬にとって鼻は世界を知るためのいちばん大きな窓です。
そこが詰まれば食欲も、散歩の楽しみも落ちていきます。
「鼻水くらい」と思わずに——
今日できる3つ
- 1ティッシュで拭いて、片鼻か両鼻かを確かめる
- 2鼻水の色と粘り気を見ておく
- 3口のにおいと、目の下の腫れがないかを確かめる
伝えるべきは、色より左右です。片鼻だけなら、その鼻の中を調べてもらってください。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「犬の鼻炎|片鼻だけなら、そこに何かあります」でした。
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