犬の種類と特徴    グレートピレニーズ|指示を待たない犬との暮らし方

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グレートピレニーズ|指示を待たない犬との暮らし方
グレートピレニーズ
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「グレートピレニーズ|指示を待たない犬との暮らし方」です。ではどうぞ!

呼んでも来ない。

指示を出しても、こちらをじっと見たまま動かない——

グレートピレニーズを飼った方が最初に戸惑うのが、この反応です。

「しつけができていない」「頭が悪いのでは」——

そう思われることもありますが、どちらも違います。

この犬は、指示を待たないように作られてきた犬だからです。

ピレネー山中で、たった一頭で羊の群れを守る——その仕事に、人の指示は届きません。

この記事では、その気質をどう理解し、どう暮らすかを書いていきます。

結論

グレートピレニーズは護畜犬(家畜を守る犬)です。人の指示ではなく、自分の判断で動くように選ばれてきました。「呼んでも来ない」のはしつけの失敗ではなく、犬種の本質です。夜に吠えるのも、捕食者を威嚇するという仕事の名残——近隣との距離がある環境でなければ現実的に難しくなります。成熟には約2年かかります。

この記事でわかること

  • 牧羊犬ではなく、護畜犬という仕事
  • 指示を待たないという性質
  • 夜に吠えるのは、本能行動
  • しつけは、納得してもらう方向で
  • 50kgと厚い被毛という現実

牧羊犬ではなく、護畜犬という仕事

護畜犬という仕事の内容
羊を追うのではなく、羊とともに暮らして守る犬です。

まず、この犬の仕事を整理しておきます。

「牧羊犬」と「護畜犬」は、まったく違う仕事です。

牧羊犬と護畜犬の違い
項目 牧羊犬 護畜犬
代表的な犬種 ボーダーコリー・シェルティ グレートピレニーズ
仕事の内容 家畜を移動させる 家畜を守る
人との関係 人の指示で動く 単独で判断する
働く場所 人のそばで 人がいない山中で
求められた性質 反応の速さ・従順さ 判断力・警戒心・落ち着き
訓練のしやすさ 非常に高い 時間がかかる

護畜犬は、羊の群れとともに暮らします。

子犬のころから羊のなかで育ち、羊を自分の群れだと認識する——

そしてオオカミやクマが来たとき、自分の判断で立ち向かいます。

そこに飼い主はいません。

指示を待っていたら、羊は殺されてしまう——だから、待たないように作られたのです。

指示を待たない、という性質

この背景を知ると、日常の行動が理解できるようになります。

  • 呼んでも、すぐには来ない——判断してから動く
  • 指示より、自分の観察を優先する
  • 納得しないことは、やらない
  • 家の中でも、出入り口が見える場所に座る
  • 家族の動きを、常に把握しようとする
  • 知らない人には、まず距離を取って観察する

「出入り口が見える場所に座る」——

これは、この犬種の飼い主なら誰もが気づくことです。

玄関が見える位置、部屋全体が見渡せる位置に自分から陣取ります。

群れを見張るという仕事を、家のなかでも続けているのです。

⚠ 「服従しない犬」ではありません

指示に従わないことを「なめられている」と解釈する——これは、この犬種では誤解になります。

力で押さえつけようとすれば、この犬は納得しません。そして50kgの体で抵抗されれば、人の力では勝てません。

従わせるのではなく、「やったほうが得だ」と納得してもらう——それが、この犬種で唯一機能する方法です。

この犬種を「頑固」と呼ぶ前に

「頑固」という言葉は、この犬種の説明でよく使われます。

けれど、その中身を分解してみると——

「自分で状況を判断し、納得しなければ動かない」ということになります。

これは、頭が悪いのとは真逆です。

むしろ、考えすぎるほど考えているとも言えます。

「オオカミが来たとき、飼い主の指示を待つべきか」——

その答えが「待たない」だった犬種だと考えれば、その頑固さの意味も見えてきます。

成熟するのに、約2年かかる

もうひとつ、知っておきたいことがあります。

この犬種は、成熟が遅いのです。

体が大人になっても、精神的には子犬のまま——そういう時期が長く続きます。

落ち着きが出てくるのは2歳ごろからだとされています。

それまでは、教えても身につかないように感じられるかもしれません。

けれど、それは覚えていないのではなく、まだ実行できないだけです。

2年かけて育てる——そのつもりで迎えてください。

夜に吠えるのは、本能行動

夜に吠える理由
これは問題行動ではなく、仕事としての行動です。

ここが、この犬種を飼ううえでもっとも現実的な課題です。

グレートピレニーズは、よく吠えます。

そして、とくに夜に吠えます。

吠えの背景と対応
場面 犬にとっての意味 対応の方向
夜間の物音 捕食者が活動する時間帯 夜は室内に入れる
遠くの音 群れへの脅威かもしれない 刺激を減らす環境にする
来客 群れの外の存在 社会化で反応を減らす
声の性質 遠くまで届くよう作られた低い声 近隣との距離が必要
叱った場合 飼い主も警戒したと解釈することも 叱るのは効きにくい

この犬種の吠え声は、非常によく通ります。

山の斜面を越えて群れの位置を知らせる——そのために作られた声だからです。

集合住宅や、隣家が近い環境では現実的に難しい——これは、正直に書いておきます。

減らす方法は、あります

完全になくすことは、現実的な目標ではありません。

けれど、減らすことはできます。

  • 夜は室内に入れる——外の刺激が減る
  • 窓から外が見えない配置にする
  • 子犬期の社会化で、警戒の閾値を上げる
  • 日中に十分な運動と刺激を与える
  • 吠えている最中に構わない
  • 静かにできた瞬間に、すぐほめる

もっとも効果があるのが、「夜は室内に入れる」ことです。

屋外にいれば、夜通し警戒し続けます。

それがこの犬の仕事だからです。

室内であれば、刺激そのものが減ります。

しつけは、納得してもらう方向で

この犬種のしつけの考え方
従わせるのではなく、納得してもらう方向で進めます。

この犬種のしつけには、他犬種とは違う考え方が要ります。

しつけのやり方と結果
やり方 この犬種での結果
やると良いことがある形で教える 時間はかかるが、確実に身につく
力で押さえつける 抵抗が強くなる。体格差で勝てない
大きな声で叱る 警戒が強まることがある
同じことを何度も繰り返す 必要。2年かかると考える
家族で対応がばらつく 判断基準が定まらず混乱する

とくに重要なのが、呼び戻しと、引っぱらずに歩くことです。

50kgの犬に引っぱられたら、人は止められません。

体が小さいうちから、この2つだけは徹底してください。

そして、社会化。

警戒心の強い犬種ですから、生後4か月ごろまでにさまざまな人・犬・音に良い経験として会わせておく——

この時期の経験が、「何を警戒すべきか」の基準を作ります。

50kgと、厚い被毛という現実

迎える前に確認したいこと
見た目の穏やかさと、飼育の難しさは別です。

体格と被毛についても書いておきます。

グレートピレニーズの基本
項目 内容
体重 オス50〜60kg/メス40〜50kg
体高 オスで70〜80cm
平均寿命 10〜12年
被毛 厚いダブルコート。白色
運動量 成犬で1日2回、各30分〜1時間
吠え 多い。とくに夜間

体高80cmに達する超大型犬です。

立ち上がれば、人の背丈に届きます。

そして被毛

ピレネー山中の冬に耐えるための厚いダブルコートを持っています。

  • ブラッシングは週3回、換毛期は毎日
  • 換毛期の抜け毛は、想像を超える量になる
  • 梅雨前に下毛を取り切っておく
  • 夏は室温28度以下・留守中も切らない
  • 散歩は早朝と日没後のみ
  • 丸刈りにはしない——上毛が皮膚を守っている

「夏にエアコンを24時間つけられるか」——

この犬種でも、飼えるかどうかの判断基準になります。

注意しておきたい病気

超大型犬に共通する疾患に注意が必要です。

注意したい病気
病気 内容 気づき方
股関節形成不全 超大型犬で頻度が高い 腰を振って歩く
肘関節形成不全 前足の関節に起こる 前足をかばう
胃拡張・胃捻転 胸の深い大型犬の緊急疾患 お腹が張る・吐こうとして吐けない
膝蓋骨脱臼 この犬種でも見られる 後ろ足をかばう
熱中症 厚い被毛と大きな体 ハアハアが止まらない

成長期の管理は、この犬種でもきわめて重要です。

1歳半ごろまでは、長時間走らせない。階段を使わせない。床には滑り止めを敷く——

そして、太らせない。

大型犬用の子犬フードを適量で与え、カルシウムは足さない——この原則は、超大型犬ではさらに重要になります。

他の動物との相性という、意外な長所

護畜犬という出自には、意外な長所もあります。

他の動物と一緒に暮らすことに、もともと向いているのです。

羊のなかで育ち、羊を自分の群れとして守る——

それがこの犬の仕事だったからです。

他の動物・人との相性
相手 傾向 注意点
受け入れやすい 子犬期から慣らしておく
他の犬 家族なら受け入れる 外の犬には警戒することも
小動物 追いかける本能は弱め 体格差による事故に注意
子ども 寛容 50kgがぶつかれば倒れる
来客 警戒する 社会化で反応を減らす

「守るべき群れ」として認識した相手には、驚くほど寛容になります。

猫が背中の上で寝ていても、動かずにいる——そういう光景も珍しくありません。

逆に、群れの外にいる存在には警戒します。

この線引きを、子犬期の社会化でできるだけ広げておく——それが、この犬種の社会化の目的になります。

費用と、暮らしの規模

超大型犬を飼うということは、すべての規模が大きくなるということです。

費用の目安
項目 年間の目安
フード 12〜25万円
医療・予防 6〜15万円
用品・その他 3〜6万円
年間の合計 21〜46万円
手術になった場合 股関節・胃捻転とも40〜80万円

薬の量は体重で決まります。

フィラリア予防薬もノミダニ駆除薬も、小型犬の数倍になります。

麻酔をともなう処置体重に応じて費用が上がります。

  • ケージやベッドは、超大型犬用が必要になる
  • 車で運ぶなら、大きな車が要る
  • 預けられる施設が限られる
  • 受け入れてくれる動物病院を確認しておく
  • 災害時の避難方法も、考えておきたい
  • ペット保険の保険料も、体重区分で上がる

「預けられる施設が限られる」——

これは、旅行や入院のときに現実的な問題になります。

超大型犬を受け入れてくれるペットホテルは多くありません。

迎える前に、近くにあるかどうかを調べておいてください。

それでも、この犬種を選ぶなら

ここまで、難しさばかり書いてきました。

実際、この犬種は「明確に人を選ぶ」と言われます。

見た目の穏やかさから飼いやすそうに見えるのですが、実際の飼育難易度は高い——

そのギャップが、手放される原因になることもあります。

けれど、条件が合えば——

これほど頼もしい犬もいません。

家族を自分の群れとして受け入れ、静かに、けれど確実に守ろうとする——

べたべたと甘えてはきません。けれど、いつも同じ部屋にいて、こちらを見ています。

その距離感を心地よいと感じられるかどうか——それが、この犬種との相性を決めます。

ピレネー山脈の、フランスとスペインの国境地帯——

そこで何百年も羊とオオカミのあいだに立ち続けてきた犬です。

白い被毛は、羊のなかに紛れて捕食者に気づかれないためだとも言われています。

その姿を、現代の家庭に迎えるということ——

その意味を分かったうえで選ぶなら、この犬種は必ず応えてくれます。

散歩と、運動の考え方

超大型犬というと、膨大な運動量が必要だと思われがちです。

この犬種の場合、そこまでではありません。

羊のそばで一日中見張っている——それがこの犬の仕事だったからです。

運動の目安
項目 内容
散歩の回数と時間 成犬で1日2回、各30分〜1時間
走らせる必要 それほど高くない
大切なこと 匂いを嗅ぐ時間と、環境の変化
成長期(1歳半まで) 短めに。走らせない
早朝と日没後のみ
雨の日 室内で頭を使う遊びに切り替える

この犬種に必要なのは、激しい運動より「見張る場所」かもしれません。

  • 庭やベランダから、外を見渡せる場所を作る
  • ただし通行人が多すぎると、吠えが増える
  • 散歩では、匂いを嗅ぐ時間を十分に取る
  • 引っぱらせない——50kgの力は止められない
  • ドッグランでは、他の犬との距離に配慮する
  • 雨の日は、おやつ探しなど頭を使う遊びを

「外が見える場所」諸刃の剣です。

落ち着ける一方で、刺激が多すぎれば吠えの原因になります。

その犬の様子を見ながら、見える範囲を調整してください。

よくある質問

Q. 呼んでも来ません。しつけの失敗でしょうか?

A. この犬種の本質です。山で単独で家畜を守ってきた護畜犬で、指示を待たずに自分で判断するように選ばれてきました。従わせるのではなく、「やったほうが得だ」と納得してもらう方向で進めてください。

Q. 夜に吠えます。どうすればいいですか?

A. 夜は室内に入れることが、もっとも効果があります。屋外にいれば夜通し警戒し続けます。それがこの犬の仕事だからです。室内であれば、刺激そのものが減ります。

Q. マンションで飼えますか?

A. 現実的に難しい犬種です。体重50kg前後という体格に加え、山の斜面を越えて届くよう作られた大きな吠え声を持ちます。近隣との距離がある環境が前提になります。

Q. しつけには、どれくらいかかりますか?

A. 成熟するのに約2年かかる犬種です。体が大人になっても、精神的には子犬のままという時期が長く続きます。覚えていないのではなく、まだ実行できないだけだと考えてください。

Q. 初めて犬を飼うのですが、向いていますか?

A. おすすめしません。50kgの力、強い独立心、多い吠え、そして夏の徹底した温度管理——求められることが多い犬種です。大型犬を扱った経験があるほうが安心です。

Q. 夏はどう管理すればいいですか?

A. 室温28度以下、留守中もエアコンを切らないでください。ピレネー山中の冬に耐えるための厚いダブルコートを持っています。梅雨前に下毛を取り切っておくことも、有効な夏対策になります。

Q. 子どもがいる家庭でも大丈夫ですか?

A. 気質としては穏やかで、家族には寛容です。ただし50kgの体ですから、ぶつかっただけで子どもは倒れます。そして子犬期の社会化が不十分だと、来客への警戒が強くなります。

まとめ|従わせるのではなく、納得してもらう

グレートピレニーズは、護畜犬です。

山で、たった一頭で羊の群れを守ってきた犬——

その仕事に、人の指示は届きません。だから、指示を待たないように作られました。

「呼んでも来ない」のは、しつけの失敗ではありません。

夜に吠えるのも、捕食者を威嚇するという仕事の名残です。

この2つを「直すべき欠点」と考えると、お互いに苦しくなります。

そういう犬なのだと理解したうえで、夜は室内に入れる。納得してもらう形で教える。2年かけて育てる——

そこまで引き受けられるなら、これほど頼もしい相棒はいません。

手はかかります。そして、暮らす環境を選びます。

けれど、この犬が家族を自分の群れとして受け入れたときの安心感は、ほかでは得がたいものだと思います。静かにそこにいるだけで、家全体が守られている感覚になります。

迎える前に、この3つを

  • 1近隣との距離を確かめる——大きな吠え声が届く範囲を考える
  • 2夏にエアコンを24時間つけられる環境かを確認する
  • 3「2年かけて育てる」と決めてから迎える

この犬種の独立心は、直すべき欠点ではなく仕事の名残です。それを前提にできるかどうかが、相性のすべてを決めます。

モフ@ペット好き

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