犬の飼い方    犬に大声を出しても伝わらない|声のトーンで伝わり方が変わる

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犬に大声を出しても伝わらない|声のトーンで伝わり方が変わる
犬に大声を出しても伝わらない
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬に大声を出しても伝わらない|声のトーンで伝わり方が変わる」です。ではどうぞ!

つい大きな声を出してしまった——

犬はびくっとして、その場では動きを止める。だから効いているように見える。

しかし翌日にはまた同じことをしている

これは大声で伝わっているのが「内容」ではなく「驚き」だからです。犬は音に驚いて止まっただけで、何がまずかったのかはまったく分かっていません。

結論

大きな声で伝わるのは「驚き」であって内容ではありません。しかもくり返すうちに慣れてもっと大きな声が必要になります。効くのは大きさではなく高さと長さ低く、短く、静かに——これが落ち着かせたいときの基本です。

この記事でわかること

  • 大声で伝わるのは「驚き」だけ
  • 声の高さで、反応は変わる
  • 場面別・声の使い分け
  • 止める言葉は、温存しておく
  • 声を荒げてしまったときは

大声で伝わるのは「驚き」だけ

大声が犬に与える影響
大声で伝わるのは「驚き」であって、内容ではありません。

大声を出したとき、犬に何が起きているかを整理してみます。

犬はまず音そのものに驚きます。そして動きが止まる——これが「効いた」ように見える正体です。

大声を出したときに、実際に伝わること
飼い主の意図 実際に伝わっていること
これをやめなさい 大きな音がした
次からはやめなさい 伝わっていない
代わりにこうしなさい 伝わっていない
反省しなさい この人は怖い
静かにしなさい 飼い主も一緒に騒いでいる

特に問題なのが最後の項目です。

吠えている犬に大声を出すと、犬から見れば飼い主も一緒に吠えているように映ることがあります。結果としてさらに大きな声で吠えるようになる——これは実際によくある悪循環です。

大声は、くり返すほど効かなくなる

もうひとつの問題が慣れです。

同じ強さの刺激をくり返し受けると、犬は次第に反応しなくなります

  • 最初は驚いて止まる
  • くり返すうちに慣れる
  • 止まらなくなる
  • もっと大きな声が必要になる
  • それにも慣れる
  • 際限がなくなる

「もっと強く叱らなければ」という感覚は、この慣れから生まれています

しかし強さを上げても伝わる情報は増えません。増えるのは恐怖と、関係のひずみだけです。

叱ることの限界については犬は褒めて教えるほうが早いで詳しく解説しています。

驚かせることの、別のリスク

突然の大声には安全面のリスクもあります。

大声が招きうるリスク
場面 起きうること
食事中に大声 食器を守るようになることも
寝ているときに大声 驚いて反射的に噛むことも
何かをくわえているとき 飲み込んでしまうことがある
散歩中に大声 驚いて飛び出す危険
すでに興奮しているとき 興奮が転嫁して噛むことも

特に注意したいのが「何かをくわえているとき」です。

驚いて飲み込んでしまう誤飲につながります。

危険な物をくわえたときこそ落ち着いて、より価値の高いおやつと交換する——これが安全な対応です。

声の高さで、反応は変わる

声の高さと犬の反応
高い声と低い声では、犬の反応がまったく変わります。

大きさより効くのが「高さ」です。

犬は声の高さにはっきりと反応します。

声の高さと、犬への働き
声の高さ 働く方向 向いている場面
高い声・早口 興奮させる 遊びに誘う・呼び戻す
明るく弾む声 気持ちを高める 褒める(動きを伴う場面)
普通の声 日常の会話
低く、ゆっくり 落ち着かせる 止めたい・待たせたい
低く短く鋭い 動きを止める 危険を止める

興奮している犬に高い声で名前を連呼する——

これは火に油を注いでいる状態です。

落ち着かせたいなら低く、短く、静かにあるいは何も言わないほうが早く落ち着きます。

褒めるときも、使い分ける

褒める=高いテンションと思われがちですが、場面によって使い分けが必要です。

静かに伏せている犬高い声で褒めると——

興奮して立ち上がってしまいます

これでは褒めたかった行動を自分で壊していることになります。

  • 落ち着いている状態を褒める——低く穏やかに
  • 伏せて待てた——静かに「いいこ」
  • 呼んで来た——明るく歓迎する
  • 遊びに誘う——高く弾む声で
  • 撫でるときも、そっと
  • 褒め方で、次の行動が決まる

どんな状態を続けてほしいかで声を選んでください。

長く話しても、伝わらない

言い聞かせるように長く話す——

これも伝わりません

犬が受け取れるのは短い音の合図そのあとに何が起きたかです。

「どうしてこんなことをするの、何回言ったら分かるの」——

こうした長い言葉から犬が受け取るのは「飼い主が不機嫌だ」という情報だけです。

短く、はっきりと1〜2語で十分です。

むしろ言葉数を減らすほど合図として届きやすくなります

犬は、言葉より先に別の情報を読んでいる

声のトーンと並んで重要なのが言葉以外の情報です。

犬は人の姿勢・表情・動きから多くのことを読み取っています。

言葉以外に、犬が読んでいる情報
人の様子 犬にとっての意味
上から覆いかぶさる 威圧されている
正面からまっすぐ近づく 詰め寄られている
じっと見つめる 威嚇と受け取られることも
動きが速い・大きい 興奮または脅威
しゃがんで、体を横に向ける 安心できる
ゆっくり動く 落ち着ける

優しい言葉をかけていても上から覆いかぶさってじっと見つめていれば——

犬が受け取るのは威圧のほうです。

逆にしゃがんで、体を横に向けて、ゆっくり動くだけで言葉がなくても安心が伝わります

  • 声をかけるときは、しゃがむ
  • 正面ではなく、斜めから近づく
  • じっと見つめすぎない
  • 動きをゆっくりにする
  • 手を上から出さない
  • 飼い主が落ち着くと、犬も落ち着く

何を言うかよりどんな状態で言うか——

こちらのほうがはるかに強く伝わることがあります。

しぐさの読み取りについては犬のしぐさ完全ガイドで整理しています。

場面別・声の使い分け

場面別の声の使い分け
声は、場面に合わせて使い分けます。

実際の場面ごとに整理します。

場面別・声の使い分け
場面 声の出し方 ポイント
興奮を落ち着かせたい 低く、短く、静かに あるいは何も言わない
吠えを止めたい 静かな声で名前を呼ぶ 大声は逆効果
呼び戻したい 明るく歓迎する声 来たら必ず褒める
危険を止めたい 短く鋭く1回だけ 止まったら褒める
遊びに誘いたい 明るく弾む声 動きも大きく
落ち着きを褒めたい 低く穏やかに 興奮させない
待たせたい 低くゆっくり 焦らせない

吠えているときは、静かな声で名前を

最も使う場面が吠えを止めたいときです。

ここでの正解は「静かな声で名前を呼ぶ」ことです。

吠えを止めさせようとするのではなくこちらに注目させる——

結果として吠えは止まります。

  • 大声で制止しない
  • 静かな声で名前を呼ぶだけ
  • こちらを見た瞬間に褒める
  • おやつをすぐ出せる状態にしておく
  • 吠えを叱る場面をつくらない
  • 静かになった時間が伸びたら、さらに褒める

止めようとすると対立になりますが、注目を移せば協力になります。

この違いはあらゆる場面に応用できる考え方です。

吠えへの対応は犬がワンワン吠える4つの理由で詳しく解説しています。

声の使い方で失敗しやすい点

声の使い方で失敗しやすい点
よかれと思った声かけが、逆効果になっていることがあります。

よかれと思った声かけが逆効果になっていることがあります。

声の使い方で失敗しやすい点
よくある失敗 起きること
興奮中に高い声で名前を連呼 さらに興奮させる
吠えている犬に大声を出す 一緒に吠えたと受け取られる
長々と言い聞かせる 内容は伝わっていない
止める言葉を一日中使う 合図として効かなくなる
家族で言葉がばらばら 合図と認識されない
高い声で褒めて落ち着かせようとする 興奮させてしまう
ため息や舌打ちが出る 不機嫌として伝わる

見落とされがちなのが最後の「ため息や舌打ち」です。

叱っているつもりがなくても、犬は飼い主の不機嫌を敏感に感じ取ります。

そしてそれが何に対するものかまでは分からないため、ただ不安になるだけです。

犬の前では、感情を声に出さない——この意識を持つだけでも犬の落ち着きは変わってきます。

家族で言葉と使い方をそろえる

誰がどんな声で何と言うかがばらばらだと、犬は混乱します。

特に合図として使う言葉統一が前提です。

家族でそろえておきたいこと
決めておくこと 内容
呼び戻しの言葉 1つに統一する
止めるときの言葉 1つに統一し、普段は使わない
褒めるときの言葉 「いいこ」など、全員同じ
おすわり・待ての言い方 語尾までそろえる
叱るときに名前を使わない 全員で徹底する

見落とされやすいのが語尾のばらつきです。

「おすわり」「すわって」「おすわりして」——

人にとっては同じ意味でも、犬にとっては別の音として届きます。

  • 使う言葉を紙に書いて貼る
  • 語尾までそろえる
  • 1つの行動に1つの言葉
  • 言葉を増やしすぎない
  • 来客にも一言伝えておく
  • 子どもにも同じルールを教える

覚えが悪いのではなく、毎回違う言葉を聞かされている——

そういうケースは実際に少なくありません。

止める言葉は、温存しておく

危険を止める必要がある場面は確かにあります。

そのために短い言葉をひとつ決めておくと役立ちます。

止める言葉のルール
やること 理由
短い言葉を1つ決める とっさに出せる
家族全員で統一する 合図として認識される
普段は使わない 使いすぎると効かなくなる
名前とは別にする 名前の価値を守る
止まったら必ず褒める 次も止まるようになる

重要なのが「普段は使わない」という点です。

一日中「ダメ」と言い続けているその言葉は合図として機能しなくなります

本当に止めたい場面のために取っておく——

そのためには止める場面そのものを減らすことが前提になります。

危険な物を届く場所に置かない入ってほしくない部屋はゲートで仕切る——

環境を整えるほど、言葉に頼らずに済みます

止める場面が1日に何度もあるなら、それは環境を見直すべきサインだと考えてください。

名前の扱いについては犬の名前を叱るときに使ってはいけないをあわせてご覧ください。

音に敏感な犬には、特に配慮を

音への感じ方には個体差があります。

雷や花火を怖がる犬物音に過剰に反応する犬にとって、突然の大声は非常に大きな負担になります。

犬の状態と、大声の影響
犬の状態 大声の影響
もともと音が苦手 恐怖が強く残る
保護犬・環境が変わったばかり 過去の経験と重なることも
子犬 人への信頼形成に影響
シニア犬 驚きで転倒するリスクも
聴力が落ちている 急に驚かせることになる
すでに緊張している 恐怖からの攻撃を招くことも

特に注意したいのがシニア犬です。

聴力が落ちている犬近づく気配に気づけていないことがあります。

そこへ突然大きな声をかけると驚いて転倒する反射的に噛む——こうしたことが起こりえます。

  • 近づくときは、視界に入ってから
  • 床を軽く叩いて振動で気づかせる
  • 寝ているところを急に触らない
  • 声をかける前に、まず気づかせる
  • 手の合図を併用する
  • 驚かせない配慮が事故を防ぐ

「頑固になった」ように見える変化の裏に聴力の低下があることは少なくありません。

シニア期の変化については犬の老化サインはいつから?で詳しく解説しています。

声を荒げてしまったときは

分かっていても、つい大声を出してしまった——

それ自体を責める必要はありません

大切なのはそのあとどうするかです。

声を荒げてしまったあとの対応
やること 理由
いったんその場を離れる 興奮を落ち着かせる
深呼吸してから戻る 自分の状態を整える
普段通りに接する 引きずらない
犬が落ち着いていたら褒める 良い状態を強化する
次に同じ状況をつくらない工夫を考える 根本の対策

「ごめんね」と過剰に構うのはおすすめしません。

大声のあとに構ってもらえるという流れができると犬にとっては分かりにくくなります。

淡々と、普段通りに戻る——これがいちばんです。

大声が出てしまう状況を、減らす

根本の対策は大声を出す場面を減らすことです。

  • 時間に余裕のあるときに世話をする
  • 壊されて困る物を置かない
  • 入ってほしくない部屋はゲートで仕切る
  • 散歩は急がない日程で
  • 疲れているときは無理に練習しない
  • 家族で分担して、負担を偏らせない

飼い主が余裕を失っているときに大声は出やすくなります。

犬の問題というより、状況の問題であることが少なくありません。

イライラする機会そのものを減らす——この視点を持つと、お互いにとって楽になります

負担が大きすぎると感じたらひとりで抱えず、ドッグトレーナーや獣医師に相談してみてください。

大声を出してしまう自分を責めるより、そうならない仕組みをつくるほうが建設的です。

犬にとっても、飼い主にとっても——そのほうが穏やかな毎日につながります。

よくある質問

Q. 大きな声を出すと止まるので、効いていると思うのですが。

A. 音に驚いて止まっているだけです。何がまずかったかは伝わっていません。そのため翌日にはまた同じことをしますし、くり返すうちに慣れて効かなくなります

Q. 吠えているときに大声を出すのは、なぜだめですか?

A. 飼い主も一緒に吠えているように映ることがあるためです。結果としてさらに大きな声で吠えるようになります。静かな声で名前を呼び、こちらを見た瞬間に褒めるほうが効果的です。

Q. 大きさより高さが重要とは、どういうことですか?

A. 高い声は興奮させ、低い声は落ち着かせます。落ち着かせたいなら低く、短く、静かに。遊びに誘いたいなら明るく高い声で——目的に合わせて使い分けてください。

Q. 褒めるときは高い声のほうがいいのでは?

A. 場面によります。静かに伏せている犬を高い声で褒めると興奮して立ち上がってしまいます。落ち着きを褒めたいなら低く穏やかに。呼び戻しのときは明るく——という使い分けが必要です。

Q. 言い聞かせるように長く話すのは?

A. 伝わりません。犬が受け取れるのは短い音の合図とそのあとに何が起きたかです。長い言葉からは「飼い主が不機嫌だ」という情報しか伝わりません。

Q. 危険なときも大声を出してはいけないのですか?

A. 短く鋭く1回なら構いません。ただし普段から使いすぎると効かなくなります。止める言葉は本当に必要な場面のために温存し、止まったら必ず褒めてください。

Q. つい大声を出してしまいました。

A. それ自体を責める必要はありません。いったん離れて深呼吸し、普段通りに戻ってください。過剰に構うのも避けたほうがよいでしょう。大切なのは次に同じ状況をつくらない工夫です。

まとめ|低く、短く、静かに

大きな声で伝わるのは「驚き」であって内容ではありません

しかもくり返すうちに慣れてもっと大きな声が必要になる——この際限のなさが大声のいちばんの問題です。

効くのは大きさではなく高さと長さ

落ち着かせたいなら、低く、短く、静かに誘いたいなら、明るく高く同じ言葉でも、トーンで意味は変わります

そして最も大切なのは大声を出す場面そのものを減らすこと環境を整えるほど、言葉に頼らずに済みます

今日から試してみたい3つのこと

  • 1興奮しているときは、低い声で短く声をかけてみる
  • 2落ち着いているときは、静かな声で褒めてみる
  • 3止める言葉をひとつ決めて、普段は使わないようにする

声は、犬にいちばん届きやすい合図です。大きくするより、使い分けてください。

モフ@ペット好き

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