

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬は褒めて教えるほうが早い|叱るより効く3つの理由」です。ではどうぞ!
「ダメ」と言っても、まったく直らない。
何度叱っても同じことを繰り返す——
そんなとき、もっと強く叱るべきなのだろうかと考えてしまうかもしれません。
しかし実は、叱ることで犬に伝わる情報はとても少ないのです。伝わるのは「今それをやめろ」ということだけ。では何をすればいいのかまでは届いていません。
結論
叱って伝わるのは「やめろ」だけで、正解は伝わりません。一方、褒めれば「これが正解」と伝わり、犬は自分からその行動を選ぶようになります。褒めるべきは特別な瞬間ではなく「何もしていない落ち着いた状態」です。
この記事でわかること
- ✓叱っても「正解」は伝わらない
- ✓褒めるほうが早い3つの理由
- ✓何を褒めればいいのか
- ✓いつ褒めるのか
- ✓褒め方で失敗しやすい点
叱っても「正解」は伝わらない

まず、叱ったときに何が伝わっているかを考えてみましょう。
たとえばソファをかじっている犬を叱ったとします。
このとき犬に伝わるのは「今この瞬間、何かがまずいらしい」という情報だけです。
「ソファではなく、おもちゃを噛めばいい」という肝心の部分は、まったく伝わっていません。
| 飼い主の意図 | 犬に伝わること |
|---|---|
| ソファをかじるな | 今、何かがまずいらしい |
| おもちゃを噛みなさい | 伝わっていない |
| 飛びつくな | 今、何かがまずいらしい |
| 足をつけて待ちなさい | 伝わっていない |
| 吠えるな | 飼い主も一緒に騒いでいる |
「してはいけないこと」の数は無限にあります。
一方「してほしいこと」は限られています。
どちらを教えるほうが早いか——答えははっきりしています。
叱られた犬が実際に学ぶこと
叱られ続けた犬は別のことを学んでしまうことがあります。
- 人が見ているときだけやめる
- 隠れてやるようになる
- その人が近づくと緊張する
- 近づかれること自体を嫌がる
- 何をしても怒られる気がして萎縮する
- 飼い主の前で自然に振る舞えなくなる
特に問題なのが「隠れてやるようになる」ことです。
トイレの失敗を叱られた犬がソファの裏で排泄するようになる——これは典型的な例です。
行動が消えたのではなく、見えなくなっただけ——むしろ発見が遅れて困ることになります。
褒めるほうが早い3つの理由
では、なぜ褒めるほうが早いのでしょうか。
理由は3つあります。
理由1|正解が具体的に伝わる
褒めるという行為は「今のそれが正解」というきわめて具体的な情報を届けます。
犬にとっては何をすればいいかが一目瞭然です。
叱るのが広い範囲から間違いを消していく作業だとすれば、
褒めるのは正解を直接示す作業です。
圧倒的に効率が違います。
犬にとっても迷わずに済むという利点があります。
理由2|犬が自分から選ぶようになる
これが最も大きな違いです。
叱って抑えた行動はその人の前でしか続きません。
怖いからやめているだけなので、怖い人がいなければ元に戻ります。
- 叱って教えた行動——その人がいるときだけ
- 褒めて教えた行動——犬が自分から選ぶ
- 留守番中の行動にも差が出る
- 家族の誰に対しても同じように振る舞う
- 外出先でも維持されやすい
犬自身が「そのほうが得だ」と判断して選んでいる——
この状態になれば、監視は必要なくなります。
理由3|関係が悪くならない
見落とされがちですが、非常に重要な理由です。
叱る回数が多いほど、犬にとって飼い主は「嫌なことをする存在」に近づいていきます。
| 叱る回数が多いと | 起きること |
|---|---|
| 飼い主が近づくと緊張する | 呼んでも来なくなる |
| 手を怖がる | 爪切り・歯みがきが困難に |
| 目を合わせなくなる | 指示が伝わりにくくなる |
| 行動が全体に消極的になる | 何をしても怒られる気がする |
| 唸る・噛むに発展する | 恐怖からの攻撃 |
しつけは、関係の上に成り立ちます。
関係を削りながらしつけをするのは、土台を壊しながら家を建てるようなものです。
何を褒めればいいのか

「褒めろと言われても、褒める場面がない」——
こう感じる方は少なくありません。
しかしそれは褒めどきを見逃しているだけです。
| 場面 | 褒めるポイント |
|---|---|
| 静かに伏せている | 落ち着いている状態そのもの |
| おもちゃを噛んでいる | 家具ではなくおもちゃを選んだ |
| 四本足が床についた | 飛びつかなかった |
| 名前を呼んで見た | こちらに注目できた |
| 自分からトイレへ行った | 正しい場所を選んだ |
| 来客が来ても吠えなかった | 吠えないという選択 |
| おやつを待てた | 我慢できた |
いちばん大事なのは「何もしていないとき」
最も見逃されやすく、最も価値があるのが「何もしていない落ち着いた状態」です。
犬が静かに伏せているとき、多くの飼い主は何もしません。
そして吠えたり、いたずらをしたりすると反応します。
犬から見れば「静かにしていると何も起きない」「騒ぐと構ってもらえる」——
これでは騒ぐほうが得です。
- 静かに伏せていたら、そっとおやつを置く
- 穏やかな声で「いいこ」と一言
- 興奮させないよう、静かに褒める
- 1日に何度も機会がある
- これだけで落ち着きが増えていく
落ち着いている状態こそ褒める——
この一点を変えるだけで、犬の過ごし方が変わります。
「してほしいこと」に置き換える
困った行動があるとき、「代わりに何をしてほしいか」を先に決めてください。
| 困った行動 | 代わりに教えること |
|---|---|
| 飛びつく | 座って待つ |
| 吠える | 指定の場所へ行く |
| 家具をかじる | おもちゃを噛む |
| 要求して騒ぐ | そばで静かに待つ |
| 拾い食いする | くわえた物を交換する |
| 引っぱる | 横について歩く |
「やめさせる」だけでは、犬に行き場がありません。
代わりの行動があってはじめて選べるようになります。
いつ褒めるのか

何を褒めるかと同じくらい重要なのがいつ褒めるかです。
犬が行動と結果を結びつけられるのはごく短い時間だとされています。
目安は1〜2秒以内。
| タイミング | 犬が受け取ること |
|---|---|
| 座った瞬間に褒める | 座ったことを褒められた |
| 座った後、立ってから褒める | 立ったことを褒められた |
| おやつを取りに行ってから褒める | その間の行動を褒めたことに |
| 数分後に「さっきはよかった」 | 伝わらない |
| 帰宅後に留守中の行動を褒める | 伝わらない |
おやつは、ポケットに入れておく
タイミングを外す最大の原因がおやつを取りに行くことです。
取りに行っている間に犬が動いてしまう——
これではまったく別の行動を褒めたことになりかねません。
- 練習するときはポケットに入れておく
- 米粒〜小豆サイズで十分
- 1日の食事量から差し引いて調整する
- フードを取り分けても構わない
- 小さく割れば回数を稼げる
- すぐ出せることが何より重要
大きなおやつを1つより小さなおやつを何度も——
犬にとってはもらえた回数のほうが満足感につながります。
「いいこ」を合図として使う
おやつが少し遅れても伝わるようにする方法があります。
「いいこ」という一言を正解の合図にすることです。
正しい行動が出た瞬間に「いいこ」と言い、そのあとおやつ——
これをくり返すと「いいこ」=正解の合図だと犬が理解するようになります。
合図さえ間に合えば、おやつは数秒遅れても伝わります。
短く、はっきりした言葉なら何でも構いません。家族で同じ言葉に統一してください。
褒め方で失敗しやすい点

褒めているつもりでも伝わっていないことがあります。
| 失敗 | 起きること |
|---|---|
| 褒めるのが遅い | 何を褒められたか分からない |
| 高い声で興奮させる | 落ち着かせたい場面では逆効果 |
| できて当たり前だと思っている | 褒める機会を逃している |
| おやつを取りに行く | その間の行動を褒めることに |
| 家族で基準が違う | 何が正解か分からなくなる |
| 褒めながら撫でまわす | 興奮して集中が切れる |
落ち着かせたい場面では、静かに褒める
褒める=高いテンションと思われがちですが、場面によって使い分けが必要です。
| 場面 | 褒め方 |
|---|---|
| 落ち着かせたい | 静かな低い声で。そっと撫でる |
| 遊びを盛り上げたい | 明るい高い声で |
| 伏せて待てた | 静かに「いいこ」 |
| 呼んで来た | 明るく歓迎する |
| 静かに過ごしている | そっとおやつを置くだけ |
静かに伏せている犬を高い声で褒めると——
興奮して立ち上がってしまいます。
これでは褒めた行動を自分で壊していることになります。
家族で基準をそろえる
誰が何を褒めるかがばらばらだと、犬は混乱します。
- 褒める行動を紙に書いて共有する
- 使う言葉を統一する(「いいこ」など)
- おやつを与える基準をそろえる
- 飛びついたら誰も反応しない、を徹底する
- 来客にも一言伝えておく
- 冷蔵庫に貼っておくと実行率が上がる
ルールを紙に書く——
地味ですが、これがいちばん効きます。
誰か一人が違う対応をするだけで、犬は「この人になら通る」と学習してしまいます。
テクニックより、全員が同じことをするほうが重要だと考えてください。
叱ることが必要な場面はあるのか
「叱ってはいけないのか」という疑問もあると思います。
結論からいえば危険を止める必要がある場面はあります。
| 場面 | 対応 |
|---|---|
| 道路に飛び出しそう | 大きな声で制止してよい |
| 危険な物を口に入れた | 止める必要がある |
| 他の犬や人に向かっていく | その場で止める |
| それ以外の場面 | 褒めて教えるほうが早い |
ただしこれは「叱る」というより「止める」行為です。
その場の危険を回避するためであって、教えるための手段ではありません。
そして止めたあとにしてほしい行動を褒める——
止める+褒めるをセットにしてください。
そして止める場面が多いなら、環境のほうを見直すことも大切です。
危険な物を届く場所に置かない——そのほうが確実に事故を防げます。
⚠ 体罰は、絶対に避けてください
たたく・押さえつける・マズルをつかむ——
こうした方法は恐怖を与えるだけで、何が正解かは伝わりません。
さらに人の手を怖がるようになり、爪切り・歯みがき・診察といった生涯にわたって必要なことが難しくなります。
恐怖からの攻撃を招くこともあります。得られるものより失うもののほうがはるかに大きいと考えてください。
褒めることは、甘やかすことではない
「褒めてばかりではわがままになるのでは」——
こうした心配を持つ方もいます。
しかし褒めることと甘やかすことは違います。
| 褒めて教える | 甘やかす | |
|---|---|---|
| 与える基準 | 望ましい行動が出たとき | 要求されたとき |
| 犬が学ぶこと | この行動は得だ | 要求すれば通る |
| 結果 | 自分から選ぶようになる | 要求が激しくなる |
| ルール | 一貫している | その場の気分で変わる |
違いは「いつ与えるか」にあります。
- 吠えたから与える——甘やかし
- 静かになってから与える——褒めて教える
- 飛びついたから構う——甘やかし
- 足をつけてから構う——褒めて教える
- 要求に応じるかどうかではなく、順番の問題
要求そのものを拒む必要はありません。
応じる順番を変えるだけで意味はまったく変わります。
「鳴いたから来た」ではなく「静かにしていたら来た」——
この形にすることが褒めて教えるということです。
うまくいかないときの見直し方
褒めて教えているのに変わらない——
その場合は次の点を確認してみてください。
- 褒めるのが1〜2秒以内か
- 課題が難しすぎないか(8割成功する難易度か)
- 家族で基準がそろっているか
- 1回の練習が長すぎないか(5分以内)
- 犬が学べる状態か(興奮していないか)
- おやつを食べられる状況か
- 数週間続けているか
特に多いのが「2週間で諦めてしまう」ケースです。
多くの課題は数週間〜数か月かかります。
またおやつを食べられない状況での練習は身につきません。
興奮や緊張が強すぎると犬は大好物でも食べられなくなります。
食べられる距離・食べられる場所まで課題を下げてください。
しつけ全般の進め方は犬のしつけがうまくいかない7つの理由で詳しく解説しています。
記録をつけると、変化が見える
毎日見ていると変化に気づけません。
そこで役立つのが簡単な記録です。
- 困った行動が出た回数を数える
- できた日に印をつける
- 練習した内容を一行書く
- 週ごとに集計してみる
- スマホのメモで十分
体感では変わっていないようでも、数字で見ると減っている——
これは実際によくあることです。
「週12回だったのが週5回になった」と分かれば、続ける気力につながります。
よくある質問
Q. 叱っても直らないのは、叱り方が弱いからですか?
A. 強さの問題ではありません。叱って伝わるのは「今それをやめろ」だけで、何をすればいいかは伝わりません。強くしても伝わる情報は増えず、関係が悪くなるだけです。
Q. 褒める場面が見つかりません。
A. 「何もしていないとき」が褒めどきです。静かに伏せている、おもちゃを噛んでいる、飛びつかなかった——多くの飼い主は騒いだときだけ反応しており、落ち着いている時間を見逃しています。
Q. 褒めるタイミングが分かりません。
A. 1〜2秒以内が目安です。おやつを取りに行っている間に犬が動くと別の行動を褒めたことになりかねません。ポケットに入れておくか、「いいこ」を正解の合図として使ってください。
Q. おやつがないと言うことを聞かなくなりませんか?
A. 減らし方次第で問題ありません。覚えるまでは毎回、できてきたら3回に2回、安定したら不規則にたまに——この形で減らしていけば、褒め言葉と撫でるだけでも維持できるようになります。
Q. 危険なときも叱ってはいけないのですか?
A. 止める必要がある場面はあります。道路への飛び出し、危険な物の誤飲——これらはその場で止めてよいものです。ただし止めたあとに、してほしい行動を褒めることをセットにしてください。
Q. たたくのは、どうしてもだめですか?
A. 避けてください。恐怖を与えるだけで正解は伝わらず、人の手を怖がるようになります。爪切り・歯みがき・診察といった生涯必要なことが難しくなり、恐怖からの攻撃を招くこともあります。
Q. 褒めているのに変わりません。
A. タイミングと難易度を見直してください。1〜2秒以内に褒められているか、8割成功する難しさまで下げているか。また2週間で諦めているケースも多く、多くの課題は数週間〜数か月かかります。
まとめ|正解を、直接教える
叱って伝わるのは「今それをやめろ」だけです。
「してはいけないこと」は無限にあり、「してほしいこと」は限られています。
だからこそ正解を直接教えるほうがはるかに早いのです。
褒めるべきは特別な瞬間ではありません。静かに伏せている、おもちゃを噛んでいる、飛びつかなかった——何気ない正解にこそ気づいてあげてください。
そして1〜2秒以内に。この一点を守るだけで、伝わり方はまったく変わります。
今日から試してみたい3つのこと
- 1静かに伏せているときに、そっとおやつを置いてみる
- 2おやつをポケットに入れて、1〜2秒以内に褒める
- 3困った行動を「代わりにしてほしい行動」に言い換えてみる
しつけは、間違いを消す作業ではありません。正解を増やす作業です。

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