

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「ラグドールの飼い方|抱っこ好きだからこその注意点」です。ではどうぞ!
抱き上げると、体の力をふっと抜いて身を任せる。ラグドールという名前は、その様子から「ぬいぐるみ人形」という意味でつけられました。
猫という動物は本来、自由に動けなくなることを嫌います。抱っこを受け入れる猫種は、実はかなり珍しい存在なのです。
その穏やかさは、この猫種の最大の魅力です。しかし同時に、いくつかの注意点にもつながっています。
9kgの体を抱えるということ。危険を察知しても逃げにくいということ。そして、この猫種で語られる「痛みを感じにくい」という説は誤りだということ。この記事では、そのすべてを整理していきます。
結論
ラグドールは抱っこを受け入れる、珍しく穏やかな猫です。ただし「痛みを感じにくい」という説は誤りで、嫌がらないからといって平気なわけではありません。抱くときは必ず後ろ足を支え、高い位置で抱かないこと。警戒心が薄いため完全室内飼いが必須です。そして迎えるときは両親の心臓の検査を確認してください。
この記事でわかること
- ✓ラグドールの体重・寿命・価格の目安
- ✓抱っこを受け入れる理由と、抱き方の注意点
- ✓「痛みを感じにくい」という説が誤りである理由
- ✓完全室内飼いが必須とされる背景
- ✓肥大型心筋症(HCM)と、遺伝子検査の重要性
ラグドールの基本データ
まずは数字で全体像をつかみます。かなり大きくなる猫種です。

体重はオスで6〜9kg、メスで4〜6kgほど。猫としては最大級の部類に入ります。成長はゆっくりで、体ができあがるまでに3〜4年かかります。
平均寿命は12〜15歳とされます。被毛は長毛ですが、下毛が少なく絡まりにくいため、手入れの負担は長毛種としては軽めです。
体つきは骨太でしっかりしていますが、動きはゆったりとしています。高い所へ勢いよく飛び上がるタイプではありません。
名前は「ぬいぐるみ人形」から
ラグドールは1960年代のアメリカで作出されました。作出の過程で、抱き上げると力を抜くという性質が強く現れる個体が生まれ、その特徴を固定する方向で繁殖が進められました。
「ラグドール(Ragdoll)」は布でできたぬいぐるみ人形のこと。腕のなかでぐったりと身を任せる様子が、まさにそれに見えたということです。
ポイントカラーと、ブルーの目
ラグドールの毛色は、顔・耳・足先・しっぽだけが濃くなるポイントカラーです。そして目の色は、すべての個体がブルーになります。
| 名称 | ポイントの色 | 印象 |
|---|---|---|
| シールポイント | 濃い茶褐色 | 最も一般的。対比が強い |
| ブルーポイント | 青みがかった灰色 | やわらかく上品 |
| チョコレートポイント | 明るい茶色 | 全体に明るい |
| ライラックポイント | 薄い灰紫 | 最も淡く繊細 |
| ミテッド | 足先が白い | 手袋をはめたように見える |
| バイカラー | 顔に白い逆V字 | 白の面積が広い |
この色は体温の低い部分にだけ色素が働くという仕組みで生まれます。そのため子猫は生まれたとき真っ白で、色が完成するまでには時間がかかります。仕組みの詳細はヒマラヤンの記事にまとめてあります。
抱っこを受け入れる、珍しい猫
ここが、この猫種を語るうえで欠かせない部分です。

なぜ力を抜くのか
多くの猫は、抱き上げられると体を硬くして逃げ出そうとします。自由に動けない状態は、野生において命に関わるためです。
ラグドールは、この反応が弱い個体が多いとされています。警戒心そのものが薄く、人に対する信頼が高いためだと考えられています。
結果として、抱っこ、ブラッシング、爪切り、通院——こうした場面での扱いやすさは、猫種のなかでも屈指です。
「痛みを感じにくい」という説は誤り
この猫種について、「痛みを感じにくいから力を抜く」という説明を目にすることがあります。
⚠ これは誤りです。痛みは、ふつうに感じています
ラグドールの痛覚は、他の猫と変わりません。力を抜くのは性格の問題であって、感覚が鈍いわけではありません。
この誤解が危険なのは、「嫌がらないから大丈夫」という判断につながるからです。
嫌がらなくても、痛ければ痛いし、苦しければ苦しい。訴えてこないぶん、飼い主が気づいてあげる必要があります。
むしろこの猫種では、不調のサインが見えにくいという点に注意が要ります。
- 嫌がらないからといって、長時間の抱っこを続けない
- 触られて嫌がる場所が増えていないか、毎日確かめる
- 食べる量、体重、トイレの回数を記録する
- 隠れる時間が増えていないか見ておく
- 毛づくろいが減っていないか確認する
- 「おとなしい」と「元気がない」を混同しない
抱き方には、はっきりした注意点がある
力を抜いてくれるということは、自分で体を支えないということでもあります。
| やること | 理由 |
|---|---|
| 必ず後ろ足を支える | 前だけで持つと腰に全体重がかかる |
| 高い位置で抱かない | 落ちたときの衝撃が大きい |
| 階段では抱かない | 転倒すれば猫も人も危険 |
| 長時間続けない | 嫌がらなくても疲れている |
| 子どもには持たせない | 6〜9kgを支えるのは難しい |
| 降ろすときも支える | 飛び降りさせない |
猫が受け身を取れないまま落ちるという事故は、この猫種でとくに起こりやすいと考えられます。抱くのは低い位置で、短時間で。これを守ってください。
完全室内飼いが必須な理由
ラグドールは、外に出してはいけない猫種です。これは他の猫より強く言えることです。

理由は、その穏やかさそのものにあります。
- 警戒心が薄く、危険を察知しても逃げ遅れる
- 見知らぬ人にもついていってしまうことがある
- 他の猫や犬に攻撃されても反撃しにくい
- 車に対する反応も鈍いことがある
- 体が大きく目立つため、盗難の対象にもなりうる
- そもそも高価な猫種であり、外に出す理由がない
「猫は外に出たがるもの」という考えは、この猫種には当てはまりません。室内で十分に満足できる猫です。
ベランダや窓からの脱走にも注意してください。網戸を開けてしまう個体もいるため、ストッパーや脱走防止柵の設置を検討する価値があります。
玄関からの飛び出しにも気をつけたいところです。宅配便の応対や来客の出入りのとき、この猫種は逃げるどころか近づいてきます。
そのため、玄関に直接つながらない部屋で待たせる、内側にもう一枚扉やゲートを設ける、といった工夫が有効です。
迷子札やマイクロチップの装着も検討してください。万が一外に出てしまったとき、身元が分かることが戻ってくる可能性を大きく上げます。
肥大型心筋症(HCM)という課題

この猫種で最も注意したいのが、肥大型心筋症(HCM)です。
心臓の筋肉が異常に厚くなり、血液をうまく送り出せなくなる病気です。ラグドールではMYBPC3という遺伝子の変異が原因のひとつとして知られています。
遺伝子検査で、リスクを減らせる
原因となる変異が特定されているということは、検査によって確認できるということです。
- 両親が遺伝子検査を受けているか確認する
- あわせて心エコー検査を実施しているかも聞く
- 検査結果の書面を見せてもらえるか確認する
- 迎えたあとも、定期的に心エコーを受けることを検討する
- 遺伝子検査で陰性でも、他の要因で発症することはある
- 早く見つかれば、投薬で進行を抑えられる場合がある
遺伝子検査は万能ではありません。この変異以外の原因で発症することもあります。しかし、避けられるリスクを避けておく価値は十分にあります。
家庭で気づけるサイン
この病気の難しさは、初期にほとんど症状が出ないことです。そこに「訴えてこない性格」が加わるため、気づきはさらに遅れがちになります。
家庭でできる最も有効な観察は、安静時の呼吸数を数えることです。寝ているときの胸の動きを1分間数え、その子の普段の回数を把握しておいてください。
後ろ足が急に動かなくなった場合は緊急事態です。心臓でできた血のかたまりが血管を詰まらせている可能性があります。激しい痛みを伴うため、すぐに動物病院へ連絡してください。
性格と、暮らしのなかでの相性
ラグドールは、猫らしくない猫と表現されることがあります。その意味を、具体的に見ていきます。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 抱っこを受け入れる | 猫種としては非常に珍しい |
| 人のあとをついてくる | 犬のように振る舞う個体も |
| 鳴き声が小さい | 要求のために鳴き続けることは少ない |
| 攻撃性がほとんどない | 咬む・引っかくことがまれ |
| 運動量は控えめ | 激しく走り回らない |
| 環境の変化に比較的強い | 来客や物音にも動じにくい |
攻撃性がほとんどないため、小さな子どもや他のペットがいる家庭にも向いています。咬まれる・引っかかれる心配がほとんどない猫種です。
ただし、これは猫の側が我慢しているという意味でもあります。抵抗しないからといって、しつこく構ってよいわけではありません。
運動量は控えめですが、まったく遊ばないわけではありません。1日10分でも、おもちゃを動かす時間をつくると運動不足と肥満を防げます。
太りやすさにも注意
活動量が控えめで体格が大きいため、肥満は現実的なリスクです。豊かな毛のせいで、太っても見た目では分かりません。
- フードは1日の量を計量して与える。目分量にしない
- おやつは1日の総カロリーの1割以内に収める
- 月に一度、同じ曜日に体重を測って記録する
- 見た目ではなく、触って肋骨に指が当たるかで判断する
- 去勢・避妊後は必要カロリーが下がる。量を見直す
- 成長期が長いため、切り替え時期は獣医師に相談する
肥満は心臓にも負担をかけます。心臓の病気のリスクが高い猫種である以上、体重管理の重要度は一段高いと考えてください。
被毛の手入れと、大型猫の準備
ラグドールの被毛は長毛ですが、下毛が少なく、絡まりにくいのが特徴です。長毛種としては、手入れの負担が軽い部類に入ります。
- 週2〜3回のブラッシングで足りることが多い
- 換毛期は毎日行うとよい
- 脇の下・内股・しっぽの付け根は、それでも固まりやすい
- 抱っこに慣れているため、手入れ自体はやりやすい
- トイレは体がすっぽり入る大型のものを選ぶ
- キャリーとキャットタワーも、大型猫対応のものを
抱っこを受け入れる性質は、手入れの場面では大きな利点になります。爪切りや歯みがきも、子猫のうちから慣らしておけば受け入れてくれる個体が多いでしょう。
ただし、嫌がらないからと長時間続けないのは手入れでも同じです。短く切り上げ、終わったらおやつを渡す。この形を守ってください。
お迎え費用と、毎年かかるお金
| 項目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 子猫の価格 | 20〜40万円 | 毛色・血統で変動 |
| 初期の用品一式 | 5〜8万円 | 大型対応は割高 |
| 初年度の医療 | 3〜5万円 | ワクチン、健康診断、避妊去勢 |
| 年間のフード代 | 7〜12万円 | 一般的な猫の1.5倍程度 |
| 年間の医療・予防 | 3〜10万円 | 心エコーを加えると増える |
| ペット保険 | 3〜6万円 | 加入後に発症した病気が対象 |
生涯でかかる金額は、12〜15年暮らすとしておおよそ200〜300万円が目安です。
この猫種で想定しておきたいのは、心臓の病気が見つかった場合の長期の投薬と検査です。月々の薬代に加え、定期的な心エコー検査の費用がかかります。
心エコーは1回あたり5,000〜10,000円程度が目安で、経過を追うために年に何度か受けることになります。
ペット保険は一般に加入前から抱えている病気は補償されません。検討するなら、症状が出ていない健康なうちが唯一のタイミングです。
迎えるときに確認したいこと
- 両親がHCMの遺伝子検査を受けているか
- 両親が心エコー検査を受けているか
- 検査結果の書面を見せてもらえるか
- 親猫に会わせてもらえるか、体格を見せてもらえるか
- 子猫の呼吸が速すぎないか、その場で確認する
- 引き渡し後の相談に応じてくれるか
この猫種では、心臓の検査が最重要の確認事項です。原因遺伝子が特定されている以上、検査をしていない繁殖には理由がありません。
子猫のうちは色がまだ出そろっていません。毛色にこだわりがある場合は、親猫の色と、同じ親から生まれた成猫の写真を見せてもらうとイメージがつかめます。
よくある質問
Q. 本当に抱っこを嫌がらないのですか?
A. 多くの個体が受け入れます。抱き上げると力を抜くという性質から「ぬいぐるみ人形」と名付けられました。ただし個体差はあり、すべての個体がそうなるわけではありません。
Q. 痛みを感じにくいというのは本当ですか?
A. 誤りです。痛覚は他の猫と変わりません。力を抜くのは性格によるものです。「嫌がらないから平気」という判断は危険で、訴えてこないぶん飼い主が気づく必要があります。
Q. 抱くときに気をつけることは?
A. 必ず後ろ足を支え、低い位置で、短時間で。力を抜くということは自分で体を支えないということです。落ちたときに受け身を取れない可能性があります。階段では抱かないでください。
Q. 外に出しても大丈夫ですか?
A. 完全室内飼いが必須です。警戒心が薄く、危険を察知しても逃げ遅れます。他の動物に攻撃されても反撃しにくく、見知らぬ人についていってしまうこともあります。
Q. 肥大型心筋症は防げますか?
A. 完全に防ぐ方法はありません。ただしこの猫種では原因となる遺伝子変異が特定されており、両親の検査でリスクを減らせます。迎えるときに必ず確認してください。
Q. ブラッシングはどのくらいの頻度で?
A. 週2〜3回で足りることが多いです。長毛ですが下毛が少なく、絡まりにくいためです。換毛期は毎日行うとよいでしょう。
Q. 子猫が真っ白ですが、大丈夫でしょうか?
A. 正常です。ポイントカラーは体温の低い部分にだけ色が出る仕組みのため、生まれたばかりの子猫はほぼ真っ白です。色が完成するまでには時間がかかります。
まとめ|嫌がらないからこそ、見る目が要る
ラグドールは、猫としては珍しく抱っこを受け入れる、穏やかで扱いやすい猫です。その性質は、暮らしのあらゆる場面を楽にしてくれます。
しかし「嫌がらない」ことと「平気」であることは違います。痛みは他の猫と同じように感じていますし、抱かれ続ければ疲れます。
そして、その穏やかさは外の世界では弱点になります。完全室内飼いを守り、抱くときは後ろ足を支える。この2つが、この猫を守る基本になります。
扱いやすさに甘えず、こちらから加減を決めていく——それがこの猫種との、正しい付き合い方になります。
迎える前・迎えた後に、この3つを
- 1「両親はHCMの遺伝子検査と心エコーを受けていますか」と確認する
- 2抱くときは必ず後ろ足を支え、低い位置で短時間にとどめる
- 3完全室内飼いを徹底し、窓とベランダの脱走対策をする
この猫は、嫌なことも嫌と言いません。だからこそ、見ている飼い主が必要になります。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「ラグドールの飼い方|抱っこ好きだからこその注意点」でした。
下記の#タグキーワードからも、関連記事を検索できます。
Others 同じカテゴリの記事 |

トンキニーズの飼い方|シャムとバーミーズの、ちょうど中間 |
シャルトリューの飼い方|フランス生まれの、動じない猫 |
ジェネッタとは|データのない新しい猫種を迎える判断 |
キンカローを迎える前に|希少種の探し方と価格の見方 |
ラガマフィンを迎える現実|10kgの猫と暮らす準備 |
エキゾチックショートヘアの飼い方|手入れが楽なペルシャ |



