

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の多発性嚢胞腎|迎える前に、調べられる病気です」です。ではどうぞ!
この病気にはほかの腎臓病と決定的に違う点がひとつあります。
迎える前に分かるということです。
多発性嚢胞腎——
腎臓に液体の貯留した袋(嚢胞)ができて
年齢とともに増えて大きくなっていく遺伝疾患です。
そして、この病気は
遺伝子検査で猫の年齢に関わらず確定診断できます。
生まれる前から決まっているのに
調べれば分かる——
だからこそ、次の世代から減らしていける病気でもあります。
結論
猫の常染色体優性多発性嚢胞腎は腎臓に液体の貯留した袋(嚢胞)ができ、それらが年齢とともに増えて大きくなっていく遺伝疾患です。常染色体優性遺伝で、PKD1遺伝子のエクソン29における単一ヌクレオチドの変異が原因とされ、両親のどちらか一方がこの遺伝子を持っている場合、性別に関係なく50%の確率で次世代へ伝達されます。ペルシャの約40%がこの疾患に罹患していると報告され、近年ではアメリカンショートヘア、スコティッシュフォールド、及びその類縁種でも遺伝性の多発性嚢胞腎が報告されています。初期の場合は、ほとんどの猫が画像検査で腎臓に嚢胞が確認される以外は無症状で、進行した場合には、お水を飲む量が増える、おしっこの量が増える(多飲多尿)などの腎不全の症状が出始めます。PKD1遺伝子の変異を検出することで確定診断でき、猫の年齢に関わらず行えます。完治させるための有効な治療法は見つかっていません。
この記事でわかること
- ✓生まれたときから、決まっています
- ✓ペルシャの約40%という数字
- ✓迎える前に、調べられます
- ✓症状が出るころには、進んでいます
- ✓エコーで、見えます
- ✓治せません。けれど、できることがあります
- ✓見つかったあと、どう暮らすか
生まれたときから、決まっています

この病気は常染色体優性遺伝です。
PKD1遺伝子のエクソン29における単一ヌクレオチドの変異がその原因だとされています。
| 条件 | 起きること |
|---|---|
| 片方の親が持っている | それだけで伝わりうる |
| 確率 | 50%で次世代へ伝達される |
| 性別 | 関係なく伝わる |
| 持っていれば | その猫は発症する |
| だから | 親を調べれば、子の可能性が分かる |
| そして | 繁殖を止めれば、そこで途切れる |
「優性」ということばには意味があります。
片方の親が持っているだけで
伝わりうるということ——
両親のどちらか一方がこの遺伝子を持っている場合
性別に関係なく50%の確率で次世代へ伝達されます。
生まれる2匹に1匹——
これは、とても高い確率です。
だからこそ、繁殖の前に調べる意味が大きいのです。
そして、持っている猫は必ず発症します。
「持っているけれど症状は出ない」という形にはなりません。
そこが劣性遺伝の病気とは違うところです。
ペルシャの約40%という数字

この病気にははっきりしたかたよりがあります。
ペルシャの約40%がこの疾患に罹患していると報告されています。
- ペルシャ——約40%という報告がある
- アメリカンショートヘア——近年、報告されている
- スコティッシュフォールド——同じく報告されている
- これらの類縁種でも報告がある
- つまり、血統が手がかりになる
- 雑種でも、これらの血が入っていれば可能性はある
「約40%」という数字——
これは、めずらしい病気ではないということです。
近年ではアメリカンショートヘア、スコティッシュフォールド、及びその類縁種でも
遺伝性の多発性嚢胞腎が報告されています。
いずれも人気のある品種です。
だから、知っておく価値があります。
そして、雑種だから関係ないとは限りません。
これらの品種の血が入っていることはじゅうぶんにありえます。
顔立ちや毛の質に面影があるなら
頭の隅に置いておいてください。
血統書があるなら、見てみてください
迎えた猫に血統書があるなら
そこに書かれた品種を確かめてみてください。
ペルシャの血が入っているなら
一度調べておく価値があります。
そして、迎えた先に「両親は検査を受けていますか」と
聞いてみてください。
迎える前に、調べられます
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
PKD1遺伝子の変異を検出することで
多発性嚢胞腎症を確定診断し
猫の年齢に関わらず行えます。
| 場面 | できること |
|---|---|
| 迎える前 | 両親が検査を受けているか確かめる |
| 子猫のうち | 年齢に関わらず、遺伝子検査ができる |
| 症状が出る前 | 持っているかどうかが分かる |
| 繁殖を考えるなら | 調べてから決められる |
| 結果が陰性なら | この病気の心配はなくなる |
| 陽性なら | 早いうちから、腎臓を守る管理を始められる |
「年齢に関わらず行える」——
これは、大きなことです。
症状を待つ必要がない——
画像で嚢胞が見えるようになるのを待つ必要もない——
生まれたばかりでも分かるのです。
そして、分かれば
その猫から次へ伝えないという選択ができます。
「陰性だった」という結果にも価値があります。
この病気の心配をしなくてよくなる——
それは、はっきりした安心です。
⚠ ブリーダーに、聞いてよいことです
「両親はPKDの検査を受けていますか」——
これは、聞いてよい質問です。
むしろ、聞くべき質問だと思います。
きちんとした繁殖をしているなら
答えられるはずのことだからです。
そして、その質問が次の世代を守ります。
症状が出るころには、進んでいます

この病気にはほかの腎臓病と共通するつらさがあります。
初期の場合はほとんどの猫が画像検査で腎臓に嚢胞が確認される以外は無症状です。
そして、進行した場合には
お水を飲む量が増える、おしっこの量が増える(多飲多尿)などの
腎不全の症状が出始めます。
- 初期は、無症状のことがほとんど
- だから、症状では気づけない
- 嚢胞が増え、大きくなっていく
- 正常な腎臓が、押しのけられていく
- やがて、多飲多尿が出てくる
- そのときには、腎機能がかなり減っている
「水をよく飲むようになった」——
この症状は慢性腎臓病と同じです。
つまり、この病気も
症状が出たときにはすでに腎機能が減っているのです。
だから、症状より先に
調べておきたいのです。
嚢胞が増えると、何が起きるのか
「袋ができる」と聞いても
なぜ困るのかが分かりにくいかもしれません。
- 腎臓の大きさは、決まっている
- そこに袋ができれば、場所を取る
- 袋が増え、大きくなっていく
- 正常な組織が、押しのけられていく
- 働ける部分が、減っていく
- 結果として、腎機能が落ちていく
袋そのものが悪さをするのではなく
場所を取ってしまうことが問題なのです。
だから、年齢とともに進んでいきます。
そして、その進み方には個体差があります。
だからこそ、定期的に見ていくことに意味があるのです。
エコーで、見えます
遺伝子検査のほかに
もうひとつ調べる方法があります。
画像検査——
| 調べ方 | 分かること |
|---|---|
| 遺伝子検査 | 変異を持っているかどうか。年齢に関わらず行える |
| 超音波(エコー) | 腎臓に嚢胞ができているかどうか |
| エコーの利点 | いまの腎臓の状態が見える |
| エコーの限界 | まだ嚢胞が小さいと、分からないことも |
| 血液検査 | 腎機能がどこまで保たれているかを見る |
| 尿検査 | 尿を濃くできているかを確かめる |
嚢胞は液体のたまった袋ですから——
超音波で黒い丸として見えます。
健康診断でお腹のエコーを受けるときに
見つかることがあります。
「腎臓に袋が見えます」と言われたなら
それがこの病気の可能性があります。
ただし、エコーだけでは
まだ嚢胞が小さいときに分からないこともあります。
確定させたいなら遺伝子検査を相談してください。
2つの検査は、役割が違います
どちらを受ければよいのかで迷われるかもしれません。
この2つは知りたいことが違います。
- 遺伝子検査は「持っているかどうか」を見る
- エコーは「いまどうなっているか」を見る
- 迎える前や、繁殖の判断には遺伝子検査
- 進み具合を見ていくにはエコー
- 両方を組み合わせることもある
- そして、腎機能は血液検査と尿検査で見る
遺伝子検査は一度受ければ結果は変わりません。
持って生まれたものを見ているからです。
けれど、エコーはそのときの状態——
年月が経てば見えるものも変わります。
だから、定期的に見ていくことになります。
治せません。けれど、できることがあります
ここは、正直に書いておきます。
残念ながら多発性嚢胞腎を完治させるための有効な治療法は
見つかっていません。
嚢胞を消す方法も
増えるのを止める方法もないのです。
それでも、できることはあります。
| できること | 意味 |
|---|---|
| 早く知る | 症状が出る前から、備えられる |
| 定期的に見る | 腎機能の減り方を、把握できる |
| 脱水させない | 残っている腎臓を守れる |
| 食事を整える | 時期を見て、腎臓に配慮した内容に |
| 血圧を見る | 高血圧は、さらに腎臓を傷める |
| 繁殖を止める | 次の世代へ伝えない |
「治らない」と「何もできない」は別のことです。
この病気で失われていくのは腎臓の働きです。
ならば、残っている腎臓を守ることがそのまま時間になります。
そして、その管理は
慢性腎臓病と同じ道です。
違うのは「いつ始められるか」——
慢性腎臓病は数値が動いてからしか気づけません。
けれど、この病気はその前から分かっているのです。
その差を生かしてください。
🩺 知ることで、変わること
「治らないなら調べても意味がないのでは」——
そう思われるかもしれません。
けれど、知っていると変わることがあります。
健康診断の間隔見る項目始める時期——
すべてが変わります。
そして、繁殖について判断できるようになります。
見つかったあと、どう暮らすか

診断がついたとしても
すぐに何かが変わるわけではありません。
とくに、若いうちは無症状です。
- 定期的に、腎臓の数値と尿を見ていく
- 健康診断の間隔を、短めにする
- 水を飲みやすい環境をつくる
- ウェットフードで、食事から水分を摂らせる
- 血圧も、あわせて測ってもらう
- 食事療法は、始める時期を相談する
「いつから療法食にしますか」——
これは、聞いておきたいことです。
早すぎても必要のない制限になります。
数値を見ながら時期を決めていくことになります。
だからこそ、定期的に測ることが要になります。
そして、水分——
これはいまから始められます。
腎臓以外にも、袋ができることがあります
この病気で知られていることがもうひとつ——
嚢胞は腎臓だけにできるとは限りません。
| 場所 | 説明 |
|---|---|
| 腎臓 | この病気の中心。数も大きさも増えていく |
| 肝臓 | 嚢胞ができることが知られている |
| そのほか | まれに、別の場所でも見つかることがある |
| だから | エコーではお腹全体を見てもらう |
| 肝臓の数値 | 血液検査であわせて確かめる |
| とはいえ | いちばん問題になるのは、やはり腎臓 |
「肝臓にも袋がありました」と言われることがあります。
驚かれるかもしれませんが
この病気では知られていることです。
そのぶん見ておく場所が増えるということです。
次の世代のために、できること
この病気でいちばんはっきりしているのは
「伝えなければそこで終わる」ということです。
| 場面 | できること |
|---|---|
| 持っていると分かった | その猫からは、繁殖させない |
| 兄弟がいる | 迎えた人に、伝えられるなら伝える |
| 迎えた先へ | 知らせることで、次の組み合わせが変わる |
| 繁殖を考えている | その前に、必ず調べる |
| これから迎える | 両親の検査結果を確かめる |
| 結果として | この病気を持つ猫を、減らしていける |
「言いにくい」と感じられるかもしれません。
けれど、誰かを責める話ではありません。
調べられるようになったのは最近のことだからです。
知らせることが次を変えます。
そして、伝えられた側も
早く調べられるようになります。
それは、その子にとってもよいことです。
50%という確率を0%にできるのは
調べて選ぶことだけです。
よくある質問
Q. 多発性嚢胞腎とは、どんな病気ですか?
A. 腎臓に液体の貯留した袋(嚢胞)ができ、それらが年齢とともに増えて大きくなっていく遺伝疾患です。常染色体優性遺伝で、生まれたときから決まっています。
Q. どうやって遺伝するのですか?
A. 両親のどちらか一方がこの遺伝子を持っている場合、性別に関係なく50%の確率で次世代へ伝達されます。原因は、PKD1遺伝子のエクソン29における単一ヌクレオチドの変異とされています。
Q. どんな猫に多いですか?
A. ペルシャの約40%が罹患していると報告されています。近年では、アメリカンショートヘア、スコティッシュフォールド、及びその類縁種でも報告されています。
Q. 子猫のうちでも調べられますか?
A. 調べられます。PKD1遺伝子の変異を検出することで確定診断でき、猫の年齢に関わらず行えます。
Q. どんな症状が出ますか?
A. 初期は、ほとんどが無症状です。画像検査で腎臓に嚢胞が確認される以外は症状がありません。進行すると、お水を飲む量が増える、おしっこの量が増える(多飲多尿)といった腎不全の症状が出始めます。
Q. エコーでも分かりますか?
A. 嚢胞が見えることがあります。ただし、まだ嚢胞が小さいときには分からないこともあります。確定させたいなら、遺伝子検査を相談してください。
Q. 治りますか?
A. 完治させるための有効な治療法は、見つかっていません。嚢胞を消す方法も、増えるのを止める方法もありません。
Q. それなら、調べる意味はありますか?
A. あります。健康診断の間隔、見る項目、管理を始める時期がすべて変わります。そして、繁殖について判断できるようになります。
Q. 嚢胞ができると、なぜ困るのですか?
A. 場所を取ってしまうからです。腎臓の大きさは決まっているため、袋が増えて大きくなると正常な組織が押しのけられ、働ける部分が減っていきます。
Q. 肝臓にも袋があると言われました
A. この病気では知られていることです。嚢胞は腎臓だけにできるとは限らず、肝臓にできることもあります。そのぶん、エコーではお腹全体を見てもらうことになります。
Q. ブリーダーに検査のことを聞いてもよいですか?
A. 聞くべき質問です。きちんとした繁殖をしているなら、答えられるはずのことです。その質問が、次の世代を守ることにつながります。
まとめ|血統を、確かめてください
この病気でいちばん伝えたかったことは
「調べられる」ということです。
ほかの腎臓病は症状が出るまで分かりません。
けれど、この病気は
年齢に関わらず確定診断できます。
ペルシャアメリカンショートヘアスコティッシュフォールド——
その血が入っているなら
一度調べておく価値があります。
治せない病気だと聞くと
調べることをためらわれるかもしれません。
けれど、知っていると守り方が変わります。
そして、この子から先へ伝えないという選択ができるようになります。
今日できる3つ
- 1血統書があれば、品種を確かめてみる
- 2迎えた先に「両親は検査を受けていますか」と聞いてみる
- 3健康診断で「腎臓のエコーも見てもらえますか」と伝える
治せない病気ですが、知ることはできます。そして、次の世代から減らしていけます。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「猫の多発性嚢胞腎|迎える前に、調べられる病気です」でした。
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