

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の眼瞼腫瘍|数は少ないが、九割が悪性です」です。ではどうぞ!
まぶたの縁に、小さなかさぶたができている。
何週間たっても、治らない。
「引っかいた傷だろう」と思ってしまいがちです。
けれど猫の場合、まぶたにできる腫瘍は数こそ少ないものの、その約九割が悪性といわれています。そして多くは、しこりではなく「治らないかさぶた」として現れます。
結論
眼瞼腫瘍とはまぶたにできる腫瘍のことです。猫ではまぶたの腫瘍の発生率は犬よりも低いですが、その約9割が悪性腫瘍であると言われています。猫の眼瞼腫瘍ができた場合は、そのほとんどが悪性腫瘍とされ、扁平上皮癌は猫の眼瞼腫瘍のほとんどを占めており、猫でよくみられる悪性腫瘍です。猫で最も多いこの扁平上皮癌は、発生に紫外線が影響していると言われています。一方犬の眼瞼腫瘤ではマイボーム腺腫が最も多く、またその他の腫瘤も良性腫瘍であることが多いため、猫と犬では前提がまったく異なります。治療は外科的な切除が基本になりますが、まぶたは切除できる量に限りがあるため、小さいうちに見つけることが結果を大きく左右します。
この記事でわかること
- ✓数は少ないのに、九割が悪性です
- ✓犬とは、まったく逆です
- ✓ほとんどが、扁平上皮癌です
- ✓紫外線が、関わっています
- ✓しこりとは、限りません
- ✓まぶたは、切れる量に限りがあります
- ✓調べ方は、取って確かめること
- ✓防げるのは、日光のほうです
数は少ないのに、九割が悪性です

この病気で、いちばん知っておいてほしい数字があります。
できること自体は、多くありません
猫の眼瞼腫瘍は発生はあまりありません。
まぶたの腫瘍の発生率は、犬よりも低いとされています。
だから、あまり心配しなくていい——そう思いたくなります。
けれど、できたときが問題です
その約9割が悪性腫瘍であると言われています。
眼瞼腫瘍ができた場合は、そのほとんどが悪性腫瘍とされているのです。
十のうち九——これは、かなり高い割合です。
だから、様子を見てはいけません
数が少ないからこそ、見つけたときに油断してしまう——
それが、この病気のいちばん危ないところです。
「まぶたにできものができた」で受診する——猫では、それが正しい反応になります。
犬とは、まったく逆です
この病気も、犬と猫で前提が逆になります。
犬では、良性が多いのです
犬の眼瞼腫瘤ではマイボーム腺腫が最も多く、またその他の腫瘤も良性腫瘍であることが多いとされています。
マイボーム腺腫とは、まぶたの縁にある皮脂腺が腫れてできる良性腫瘍です。
高齢の犬でよく見られます。
だから、犬の情報は当てになりません
インターネットで「まぶた できもの」と調べると、犬の情報がたくさん出てきます。
そこには「良性が多い」「経過を見てもよい」と書かれていることがあります。
それは犬の話です。
猫では、九割が悪性です。この一点だけは、混ぜないでください。
受診のときに、伝えてほしいこと
- いつから、そこにあるか
- 大きさが変わってきているか
- 治ってはまたできる、をくり返していないか
- 猫が気にして、こすっていないか
- 外に出す暮らしをしているか
- 日中、どこで寝ていることが多いか
最後の二つは日光の当たり方を知るための情報です。
関係なさそうに思える話が、この病気では手がかりになります。
猫でも、良性のものはあります
もちろん猫でも良性の腫瘤ができることはあります。
けれど見た目で区別することはできません。
だから、調べてもらうしかありません。
「良性でした」と分かることにも、意味があります。
ほとんどが、扁平上皮癌です
では、その悪性腫瘍とは何なのか。
猫の眼瞼腫瘍の代表です
扁平上皮癌は猫の眼瞼腫瘍のほとんどを占めており、猫でよくみられる悪性腫瘍です。
皮膚の表面をつくる細胞から出るがんです。
そして、この病気にははっきりした背景があります。
同じ猫の、ほかの場所にも出ます
扁平上皮癌はまぶただけに出るものではありません。
耳の先、鼻の先、まぶたの縁——この三か所によく出ます。
耳の腫瘍の記事でも、同じ話をしています。
共通するのは、毛が薄く、皮膚が日光を直接受ける場所だということです。
まぶたを見るときは、耳の先と鼻の先も一緒に見てください。
ほかの腫瘍も、あります
扁平上皮癌がほとんどを占めるとはいえ、ほかの種類もあります。
| 腫瘍の種類 | 特徴 |
|---|---|
| 扁平上皮癌 | 猫の眼瞼腫瘍のほとんどを占める。日光が関わる |
| 肥満細胞腫 | 猫の皮膚腫瘍で、まぶたにも出ることがある |
| リンパ腫 | 全身の病気の一部として、まぶたに出ることも |
| 線維肉腫 | 深い組織から発生することがある |
| 良性のもの | 猫でもあるが、割合としては少ない |
紫外線が、関わっています

扁平上皮癌には、分かっている背景があります。
日光です
猫で最も多い扁平上皮癌は、発生に紫外線が影響していると言われています。
長い時間、日光を浴び続けることが関わっています。
そして毛が薄く、色素の少ない皮膚ほど影響を受けます。
白い猫で、多く見られます
白い被毛の猫では、皮膚の色素が少ないことが多いものです。
色素は、日光をさえぎる働きをしています。
それが少なければ、そのぶん皮膚に届きます。
白い猫、とくに顔の毛が白い猫では、まぶたの縁を定期的に見てください。
室内でも、日は当たります
外に出していないから大丈夫——とは言い切れません。
窓辺は、日光がよく入ります。
白い猫が、毎日そこで長時間寝ているなら、そこも考えたほうがよいところです。
しこりとは、限りません

腫瘍=しこりだと思っている方が多いと思います。
けれど、この病気ではそうとは限りません。
治らないかさぶた、として現れます
扁平上皮癌は、盛り上がるより、くずれる形で現れることがよくあります。
まぶたの縁に、薄いかさぶたができる。
それが、いつまでも治らない。
治ってはまたできる、をくり返す。
これが、いちばん多い始まり方です。
ほかの「まぶたの異常」と、区別します
まぶたの変化は、腫瘍だけではありません。
| 見え方 | 考えられるもの |
|---|---|
| 治らないかさぶた・欠け | 腫瘍。とくに扁平上皮癌 |
| 縁が内を向いている | 眼瞼内反症 |
| 生まれつき縁が途切れている | 眼瞼欠損 |
| 赤く腫れて、痛がる | まぶたの炎症や感染 |
| ぷつっとした小さな粒 | 腫瘤。調べないと決まらない |
生まれつきか、あとからできたか——
そこが、いちばん大きな分かれ目になります。
だから、見過ごされます
かさぶたなら、そのうち治る——そう思うのが自然です。
猫がかいたのだろうとも考えます。
けれど二週間たっても治らないかさぶたは、ふつうではありません。
そこが、受診の目安になります。
見ておいてほしいこと
- まぶたの縁に、治らないかさぶたがないか
- まぶたの線が、途切れていないか
- じくじくして、乾かない部分がないか
- 小さなしこりが、縁にできていないか
- 触っていないのに、血がにじんでいないか
- 耳の先や鼻の先にも、同じものがないか
写真を撮って、日付を残しておいてください。
「二週間前と同じか」を示せるのは、家の記録だけです。
まぶたは、切れる量に限りがあります

治療は外科的に取ることが基本です。
ただし、まぶたには事情があります。
たくさんは、切れません
腫瘍を取るときは周りの正常な組織も含めて切ります。
けれどまぶたは、目を覆うために必要な組織です。
切りすぎれば、目を閉じられなくなります。
閉じられなければ、角膜が乾いて傷つきます。
だから、大きさが決定的です
ごく小さいうちなら、周りを含めて取っても、まぶたを保てます。
大きくなってからでは、取ったあとにまぶたを作り直す処置が必要になります。
そしてさらに広がれば、切れる範囲を超えてしまいます。
「小さいうちに」の意味が、ほかの場所より重いのです。
再建という選択もあります
大きく取らざるをえない場合、周りの皮膚を使ってまぶたを作り直す手術が行われます。
専門的な技術が必要になります。
眼科を扱う施設を紹介されることもあります。
それでも、機能は元どおりとはいきません。
⚠ 二週間が、ひとつの目安です
まぶたのかさぶたが、二週間たっても治らない。
治ったと思ったら、また同じ場所にできる。
この二つは、受診してよい理由になります。
猫では、九割が悪性です。
小さいうちのほうが、選べることが多く残ります。
手術のあとに、見ておくこと
取ったあとも、しばらくは経過を見ることになります。
| 時期 | 見ておくこと |
|---|---|
| 手術の直後 | カラーを外さない。傷をかかせない |
| 数日〜二週間 | 傷の腫れ、出血、目が閉じられるか |
| 抜糸のころ | 病理検査の結果を、必ず聞く |
| その後しばらく | 同じ場所に、また出てきていないか |
| ずっと | 反対のまぶた・耳・鼻も、月に一度見る |
とくにまぶたが完全に閉じるかは見ておいてください。
閉じきらないと、角膜が乾いて傷つきます。
調べ方は、取って確かめること
診断は組織を調べることで決まります。
見ただけでは、決まりません
良性か悪性かは、見た目では分かりません。
種類も、見ただけでは決められません。
だから、組織を採って顕微鏡で調べます。
これが病理検査です。
広がりも、確かめます
腫瘍が見つかったら、どこまで及んでいるかを確かめます。
まぶたの中だけなのか、その奥や眼球まで及んでいるのか——
ここで、手術の範囲が変わります。
近くのリンパ節も調べられることがあります。
取ったものは、必ず調べてもらってください
手術で取ったものを、そのまま捨てない——
何だったのか、取り切れているかを確かめるところまでが、この病気の診療です。
結果によって、そのあとの方針が変わります。
🩺 はっきりさせてほしいこと
「良性でしょう」と言われても、調べてもらってください。
猫のまぶたの腫瘍は、その約9割が悪性といわれています。
見た目で決められる病気ではありません。
防げるのは、日光のほうです
この病気で、はっきり手を打てるものは限られています。
目の洗浄は、予防になりません
「目のまわりを清潔にしていれば防げる」という話を見かけることがあります。
けれど汚れが腫瘍の原因になるわけではありません。
清潔にすることの意味は、異常に早く気づくことにあります。
予防ではなく、発見のためです。
日焼け止めも、勧められません
人用の日焼け止めを塗るという話も見かけます。
けれど猫は、顔をなめたり前足でこすったりします。
目のまわりに塗ったものは、目に入ります。
自己判断で塗らないでください。
日光そのものを、減らします
できるのは日光にさらされる時間を減らすことです。
- 外に出さない(完全室内飼育にする)
- 白い猫は、窓辺で長時間寝る場所を考える
- 強い日差しの時間帯は、カーテンで和らげる
- まぶたの縁・鼻の先・耳の先を、月に一度は見る
- 治らないかさぶたを見つけたら、受診する
顔の日が当たる場所を、まとめて見る——それが、この病気にできるいちばん確かな備えです。
この記事の要点
猫のまぶたの腫瘍は発生率が犬より低いものの、その約9割が悪性といわれています。
犬ではマイボーム腺腫など良性が多く、前提がまったく逆です。
扁平上皮癌がほとんどを占め、発生には紫外線が影響しています。
まぶたは切れる量に限りがあるため、小さいうちに見つけることが結果を左右します。
Q. 眼瞼腫瘍とは、どんな病気ですか?
A. まぶたにできる腫瘍のことです。猫では発生率は犬より低いものの、できた場合の約9割が悪性腫瘍であると言われています。
Q. 猫では、悪性が多いのですか?
A. 約9割が悪性といわれています。眼瞼腫瘍ができた場合は、そのほとんどが悪性腫瘍とされています。
Q. 犬とは違うのですか?
A. まったく逆です。犬の眼瞼腫瘤ではマイボーム腺腫が最も多く、その他の腫瘤も良性腫瘍であることが多いとされています。
Q. どんな種類が多いですか?
A. 扁平上皮癌が、猫の眼瞼腫瘍のほとんどを占めています。猫でよくみられる悪性腫瘍のひとつです。
Q. 原因は何ですか?
A. 扁平上皮癌については、発生に紫外線が影響していると言われています。毛が薄く、色素の少ない皮膚ほど影響を受けます。
Q. 白い猫は危ないのですか?
A. 皮膚の色素が少ないぶん、日光の影響を受けやすくなります。白い猫、とくに顔の毛が白い猫では、まぶたの縁を定期的に見てください。
Q. どんな見た目で気づけますか?
A. しこりとは限りません。まぶたの縁の、治らないかさぶたとして現れることがよくあります。じくじくして乾かない、縁が欠けてきたという形もあります。
Q. かさぶたが治りません
A. 二週間が、ひとつの目安です。二週間たっても治らないかさぶたは、ふつうではありません。受診してよい理由になります。
Q. ほかの場所にも出ますか?
A. 耳の先や鼻の先にも出ます。どれも毛が薄く、日光を直接受ける場所です。まぶたを見るときは、そこも一緒に見てください。
Q. 治療はどうしますか?
A. 外科的な切除が基本になります。ただし、まぶたは切除できる量に限りがあるため、大きさによって選べることが変わります。
Q. なぜ大きさが問題なのですか?
A. まぶたは目を覆うために必要な組織だからです。切りすぎれば目を閉じられなくなり、角膜が乾いて傷つきます。だから小さいうちに見つけることが決定的になります。
Q. 大きくなってしまったら?
A. 周りの皮膚を使ってまぶたを作り直す処置が必要になります。専門的な技術が要るため、眼科を扱う施設を紹介されることもあります。
Q. どうやって診断しますか?
A. 組織を採って、顕微鏡で調べます。良性か悪性か、どの種類かは、見た目では分かりません。広がりを確かめる検査も行われます。
Q. 目の洗浄で予防できますか?
A. 予防にはなりません。汚れが腫瘍の原因になるわけではないためです。清潔にすることの意味は、異常に早く気づくことにあります。
Q. 日焼け止めを塗ってもよいですか?
A. 自己判断で塗らないでください。猫は顔をなめたり前足でこすったりするため、目のまわりに塗ったものは目に入ります。
Q. 予防はできますか?
A. 日光にさらされる時間を減らすことです。完全室内飼育にし、白い猫では窓辺で寝る場所を考えてください。
まとめ|二週間治らないかさぶたを、見過ごさないでください
猫のまぶたに腫瘍ができることは、そう多くありません。
けれど、できたときの約九割が悪性です。
犬とは、前提がまったく逆になります。「まぶたのできものは良性が多い」という話は、猫には当てはまりません。
そして、しこりとして現れるとは限りません。
治らないかさぶた——それが、いちばん多い始まり方です。
まぶたは、切れる量に限りがあります。
小さいうちなら、取ってもまぶたを保てます。広がってからでは、選べることが減ります。
まぶたの縁は毎日見られる場所です。
抱き上げたついでに、目のふちまで見てあげてください。そして、耳の先と鼻の先も。
今日できる3つ
- 1まぶたの縁に、治らないかさぶたがないか見る
- 2耳の先と鼻の先も、同じように確かめる
- 3白い猫なら、日中どこで寝ているかを見ておく
猫のまぶたの腫瘍は、九割が悪性です。「そのうち治る」に分類しないでください。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「猫の眼瞼腫瘍|数は少ないが、九割が悪性です」でした。
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