

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の膀胱結石|溶ける石と、溶けない石があります」です。ではどうぞ!
「膀胱に石があります」と言われた——
そのときに次に聞いてほしいことがあります。
「それは、何の石ですか」
同じ「結石」でも
種類によってすることが正反対になるからです。
ストルバイトなら薬や食事で溶かすことが可能——
けれど、シュウ酸カルシウムは
薬や食事で溶けることはありません。
片方は手術せずに治る可能性がある——
もう片方は取り出すしかない——
その分かれ目を知ることから始まります。
そして、その違いは見た目では分かりません。
調べてはじめて見えてきます。
結論
猫の尿路結石には主に2つの種類があります。ストルバイト結石はお薬やお食事で溶かす事が可能ですが、シュウ酸カルシウム結石はお薬やお食事で溶けることはありません。ストルバイトは尿がアルカリ性のときにできやすく、食事療法によって溶けることが知られており、早ければ療法食を与えはじめて1週間ぐらいの画像検査で明らかな変化がみられます。pHを下げることで溶解するため、フードの変更やサプリメントを使うことで手術しなくても治る可能性が高いとされます。一方シュウ酸カルシウム結石は近年増加傾向にあり、硬くて溶けないため自力で排泄するか、手術で取り除かなくてはいけません。フードやサプリメントで増大・再発を防ぎつつ、結石摘出術をするほかないとされています。
この記事でわかること
- ✓「結石」で、対応が正反対に分かれます
- ✓ストルバイトなら、溶けます
- ✓シュウ酸カルシウムは、溶けません
- ✓だから、何の石かを調べます
- ✓詰まったときは、種類より先に急ぎます
- ✓再発を防ぐために、続けること
- ✓家でできることは、水とトイレです
「結石」で、対応が正反対に分かれます

ここが、この病気でいちばん大事な点です。
| ストルバイト | シュウ酸カルシウム | |
|---|---|---|
| 溶けるか | 薬や食事で溶かすことが可能 | 溶けることはない |
| 尿の性質 | アルカリ性のときにできやすい | 硬くて溶けない |
| 治療の中心 | 食事療法でpHを下げる | 自力排泄か、手術 |
| 手術 | しなくても治る可能性が高い | 結石摘出術をするほかない |
| 変化が見えるまで | 早ければ約1週間 | 溶けないので、変化しない |
| 近年の傾向 | —— | 増加傾向にある |
「結石ですね」で話が終わってしまうと
この違いが飼い主に伝わりません。
けれど、この違いこそが
「手術になるかどうか」を分けています。
だから、聞いてください。
「何の石だと考えられますか」——
その質問からすべてが始まります。
そして、答えによって
これから何が起きるかが見えてきます。
ストルバイトなら、溶けます

ストルバイト結石は食事療法によって溶けることが知られています。
そして、その速さがおどろくほどです。
早ければ療法食を与えはじめて1週間ぐらいの画像検査で
明らかな変化がみられます。
- 尿のpHを下げることで、溶けていく
- フードの変更やサプリメントが使われる
- 早ければ約1週間で、画像に変化が出る
- 手術しなくても治る可能性が高い
- ただし、勝手にやめると戻ってしまう
- 経過は、画像で確かめながら進める
「石があるのに手術しないのですか」と
不安になられるかもしれません。
けれど、溶ける石を切って取り出すのは
猫にとって負担です。
溶かせるのならそのほうがよい——
だから、まず食事で試します。
ただし、詰まりそうな場所に石があるときや
すでに尿が出にくいときには
溶けるのを待っていられないこともあります。
そのあたりは状態を見て判断されます。
1週間後の検査は、必ず受けてください
療法食を始めたあと
「1週間後にまた来てください」と言われることがあります。
元気になっていると行かなくてよい気がしてしまいます。
けれど、その検査で
「溶けているかどうか」が分かります。
溶けていないなら別の種類を考えることになります。
シュウ酸カルシウムは、溶けません
こちらは正直に書いておきます。
シュウ酸カルシウム結石はお薬やお食事で溶けることはありません。
硬くて溶けない——
だから、自力で排泄するか、手術で取り除かなくてはいけません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 溶かせるか | 溶けない |
| できること | 自力で排泄するか、手術で取り除く |
| 食事の役割 | 増大・再発を防ぐこと |
| サプリメント | 同じく、増大・再発を防ぐために使われる |
| 手術 | 結石摘出術をするほかない |
| 近年 | 増加傾向にあるとされる |
「食事で何とかならないのですか」——
そう聞きたくなります。
けれど、この石には溶かす方法がありません。
食事ができることは
「これ以上大きくしない」「新しくつくらせない」——
そこまでが限界です。
だから、いまある石は
出すか取るかのどちらかになります。
手術と言われたときに、聞きたいこと
「手術で取りましょう」と言われたとき——
不安になられるのは当然です。
- なぜ、いま手術が必要なのか
- しない場合、どうなっていくのか
- 自力で出る可能性はあるのか
- 手術のあとは、どう過ごすのか
- 取り出した石を、分析してもらえるか
- 再発を防ぐために、何を続けるのか
とくに、「石を分析してもらえるか」——
これは、聞いておく価値があります。
取り出した石の成分が分かれば
そのあと何を続ければよいかがはっきりします。
同じ手術を繰り返さないために
大事な一手です。
⚠ 小さくても、油断できません
「小さいから様子を見ましょう」となることもあります。
けれど、小さい石ほど
膀胱から尿道へ流れ出ることがあります。
そして、オス猫の細い尿道で詰まる——
それが尿道閉塞です。
「様子を見る」あいだも尿が出ているかは見ていてください。
だから、何の石かを調べます

種類が分からなければ
治療の方向が決まりません。
| 調べること | 分かること |
|---|---|
| 尿検査 | 結晶が出ているか、pHはどうか |
| 尿のpH | アルカリ性ならストルバイトを考える |
| 画像検査 | 石の有無、数、大きさ、場所 |
| 石の見え方 | 種類を推定する手がかりになる |
| 結石の分析 | 取り出せたら、成分を調べて確定する |
| その結果 | 再発を防ぐ食事が決まる |
いちばん確かなのは石そのものを調べることです。
手術で取り出したときや
自力で出てきたときには
その石を分析に出すことがあります。
「何の石だったか」が分かれば
次に何を続ければよいかが決まります。
そして、尿のなかの結晶については結晶尿にまとめています。
結晶があることと石があることは別の話です。
なぜ、石ができるのか
石は何もないところからできるわけではありません。
- 尿のなかには、もともと成分が溶けている
- 尿が濃いと、溶けきれなくなる
- 溶けきれない分が、結晶になる
- 結晶が集まり、大きくなると石になる
- だから、濃い尿がためこまれると危ない
- 逆に、薄い尿が流れ続ければできにくい
塩水を煮つめると塩が出てくる——
それと似たことが膀胱のなかで起きています。
だから、「水を増やす」ことが
いちばん理にかなった予防になるのです。
そして、尿の性質(pH)もできやすさに関わってきます。
詰まったときは、種類より先に急ぎます
ここまで「種類が大事」と書いてきましたが
それより先に来るものがあります。
「尿が出ていない」——
- 何度もトイレに行くのに、出ていない
- いきんで、鳴いている
- トイレの砂に、固まりがひとつもない
- ぐったりしている
- 吐いている
- これらは、種類を問わず緊急
石が膀胱から尿道へ流れ出て
途中で詰まる——
そうなれば尿道閉塞です。
まったく尿が出なくなると
1〜2日で命に関わります。
とくにオス猫は尿道が細く長いため
詰まりやすくなります。
「石がある」と言われているのなら
この場面を頭に置いておいてください。
「石がある」と知っていることは
いざというときに迷わず動けるということでもあります。
そして、石が尿管で詰まったときは尿管結石という別の話になります。
再発を防ぐために、続けること

石を溶かしても取り出しても
それで終わりではありません。
できやすい体質はそのまま残っています。
| すること | 内容 |
|---|---|
| 水分を増やす | 尿を薄く、量を多くする |
| ウェットフード | 食事から水分を摂らせる |
| 療法食を続ける | 石の種類に合ったものを |
| トイレを清潔に | 我慢させない。ためこませない |
| 定期的な検査 | 尿と画像で、再発を早く見つける |
| 種類を記録 | 何の石だったかを、覚えておく |
このなかでいちばん効くのはやはり水分です。
尿が薄く、量が多いほど
結晶ができにくく石にもなりにくくなります。
そして、ためこませないこと——
トイレが汚れていると猫は我慢します。
我慢すれば尿が濃くなりとどまります。
掃除の回数がそのまま予防になります。
トイレの数も見直してみてください。
猫の頭数にひとつ足した数が目安だとされています。
行きたいときにきれいなトイレがある——
それが、ためこませないいちばんの方法です。
🩺 療法食は、種類に合わせて選ばれます
療法食は「石の種類」に合わせて選ばれます。
ストルバイト用とシュウ酸カルシウム用では
目指す尿の性質が違います。
だから、自己判断で変えないでください。
「尿路結石用」と書いてあるから同じとは限りません。
迷ったらそのまま聞いてください。
家でできることは、水とトイレです
この病気で飼い主にできることははっきりしています。
- 水の器を、家のなかの何か所かに置く
- 器の材質や形を変えて、好みを探す
- ウェットフードを使い、食事から水分を入れる
- トイレを、頭数+1を目安に用意する
- こまめに掃除して、我慢させない
- 毎日、尿の固まりを見る
「水を飲ませる」のは思うより難しいものです。
猫はもともと水をあまり飲みません。
だから、食べものから入れるほうが確実です。
ウェットフードを使えるか聞いてみてください。
療法食にもウェットタイプがあることが多いのです。
水を飲みやすくする工夫
器ひとつで飲む量が変わることがあります。
| 工夫 | 内容 |
|---|---|
| 数を増やす | 行く場所ごとに、器を置く |
| 材質 | 陶器、ガラス、金属。好みが分かれる |
| 形 | 浅めで、ひげが当たらないもの |
| 場所 | 食事のすぐそばを避ける |
| 流れる水 | 好む猫もいる |
| 温度 | 冷たすぎない水を好むことも |
猫には好みがあります。
いくつか試してみていちばん減る器を探してみてください。
そして、減った量を量ってみると
効いているかどうかが分かります。
毎日、トイレを見てください
再発を早く見つけるには
トイレがいちばんの情報源です。
| 見ること | 気づけること |
|---|---|
| 固まりの数 | 1日に何回出ているか |
| 固まりの大きさ | 少しずつしか出ていないか |
| 色 | 血が混じっていないか |
| トイレでの時間 | 長くいる、鳴くことがないか |
| 粗相 | トイレ以外でしていないか |
| 陰部 | しきりに舐めていないか |
血が混じっているなら血尿症もあわせてご覧ください。
「何度も行くのに少ししか出ない」は
この病気でよく見られる変化です。
そして、「まったく出ない」に変わったら
その時点で急いでください。
多頭飼いのときは、分けて見る
猫が何匹もいると
「どの子の尿か」が分からなくなります。
| 工夫 | 内容 |
|---|---|
| トイレを分ける | 心配な猫だけ、別の場所に用意する |
| 砂を変える | 色や種類を変えると、見分けられることも |
| 時間で分ける | 個室で過ごす時間をつくる |
| 療法食 | ほかの猫が食べてしまわないようにする |
| 逆に | 療法食を、健康な猫が食べてしまうことも |
| だから | 食事の場所と時間を、工夫する |
療法食はその子のために選ばれたものです。
ほかの猫が食べ続けることは
すすめられません。
そして、肝心の猫が食べていないのなら
治療が進んでいません。
そこも伝えてください。
よくある質問
Q. 膀胱結石は、手術しないと治りませんか?
A. 種類によります。ストルバイト結石はお薬やお食事で溶かすことが可能で、手術しなくても治る可能性が高いとされます。一方、シュウ酸カルシウム結石は溶けないため、自力で排泄するか、手術で取り除くことになります。
Q. ストルバイトは、どのくらいで溶けますか?
A. 早ければ約1週間で変化が見えることがあります。療法食を与えはじめて1週間ぐらいの画像検査で、明らかな変化がみられるとされています。
Q. なぜストルバイトは溶けるのですか?
A. 尿のpHを下げることで溶解するからです。ストルバイトは尿がアルカリ性のときにできやすく、フードの変更やサプリメントでpHを下げることで溶かせます。
Q. シュウ酸カルシウムは、食事でも溶けませんか?
A. 溶けません。食事やサプリメントができるのは、増大・再発を防ぐことまでです。いまある石については、自力で排泄するか手術で取り除くことになります。
Q. 何の石かは、どうやって分かりますか?
A. 尿検査と画像検査で推定し、石そのものを分析すると確定できます。尿のpHや結晶の種類、画像での見え方が手がかりになります。取り出せた石を分析に出すことが、いちばん確かです。
Q. 小さい石なら、様子を見てよいですか?
A. 尿が出ているかは、必ず見ていてください。小さい石ほど膀胱から尿道へ流れ出ることがあり、オス猫の細い尿道で詰まると尿道閉塞になります。
Q. 溶けたあとや、手術のあとはどうすればよいですか?
A. できやすい体質は残るため、再発予防を続けます。水分を増やし、石の種類に合った療法食を続け、トイレを清潔に保ち、定期的に検査を受けてください。
Q. 市販の「尿路結石用」フードでもよいですか?
A. 自己判断で変えないでください。ストルバイト用とシュウ酸カルシウム用では、目指す尿の性質が違います。必ず相談してから決めてください。
Q. なぜ、石ができるのですか?
A. 尿が濃いと、溶けきれない成分が結晶になるからです。その結晶が集まって大きくなると、石になります。だから、薄い尿がよく流れていれば、できにくくなります。
Q. 手術のときに、聞いておくとよいことはありますか?
A. 「取り出した石を分析してもらえますか」と聞いてみてください。成分が分かれば、そのあと何を続ければよいかがはっきりします。同じ手術を繰り返さないために、大事な一手になります。
Q. 水を飲んでくれません
A. 食べものから入れるほうが確実です。ウェットフードを使えるか聞いてみてください。療法食にもウェットタイプがあることが多くあります。
まとめ|「何の石ですか」と聞いてください
この病気でいちばん伝えたかったことは
「結石」というひとつの言葉のなかに
まったく違う2つの道があるということです。
ストルバイトなら溶かせる——
シュウ酸カルシウムなら取り出す——
この違いが手術になるかどうかを分けます。
だから、「石があります」と言われたら
「何の石ですか」と聞いてみてください。
そして、その答えを記録しておいてください。
再発したときにも動物病院を変えたときにも
その一語がそのまま役に立ちます。
今日できる3つ
- 1「何の石か」を聞いて、記録しておく
- 2ウェットフードが使えるか相談する
- 3トイレの固まりを、毎日数える習慣をつける
溶ける石と、溶けない石があります。知ることが、道を分けます。

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