ネコの病気    猫の好酸球性角結膜炎|白いもやは、感染ではありません

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猫の好酸球性角結膜炎|白いもやは、感染ではありません
好酸球性角結膜炎
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の好酸球性角結膜炎|白いもやは、感染ではありません」です。ではどうぞ!

黒目に、白っぽいもやが広がってきた。

目薬をもらって続けているのに、じわじわ大きくなる。

そういうとき、この病気を疑う理由があります。

好酸球性角結膜炎は見た目が感染によく似ているのに、感染ではありません。だから抗生物質では治らず、むしろ免疫を抑える薬が必要になります。

結論

好酸球性角結膜炎は好酸球という免疫の細胞が角膜や結膜に集まり、炎症を起こす猫の目の病気です。細胞診により、めやにや眼球上に好酸球の存在があることが、好酸球性角結膜炎の特徴で、病変部の細胞を検査すると、通常は認められない好酸球が他の炎症細胞とともに認められることで診断ができます。また好酸球性角結膜炎は猫ヘルペスウイルス感染症と深い関わりがあるといわれており、半数以上は猫ヘルペスウイルス感染症に関連しているといわれています。ただしヘルペスウイルスの感染が見られるわけではなく、逆にヘルペスウイルスにかかっているからといって好酸球性角結膜炎が必ず起こるものでもありません。治療ではステロイド(糖質コルチコイド)は極めて速効性が高く、数日で激しい炎症や痒みを沈静化させます。一方シクロスポリン(免疫抑制剤)はステロイドのような多臓器への代謝性副作用がほとんどなく、安全な長期維持管理が可能ですが、効果発現までに約3〜4週間を要するため、初期はステロイドとの併用が必要です。長期管理が必要な場合は、ステロイドの代わりに免疫抑制点眼薬(シクロスポリン、タクロリムスなど)が使われることもあります。

この記事でわかること

  • 白いもやが、広がってきます
  • 感染では、ありません
  • だから、抗生物質では治りません
  • 診断は、こすって調べます
  • 半数以上が、ヘルペスと関連しています
  • 治療は、免疫を抑えることです
  • 二つの薬を、使い分けます
  • 長い付き合いになります

白いもやが、広がってきます

見た目の特徴
白い、ざらついたもやです。

この病気には、特徴的な見え方があります。

白っぽい、ざらついたもの

角膜の表面に、白っぽい、あるいはピンクがかったもやもやしたものが広がってきます。

つるりとした濁りではなく、ざらついた見た目になるのが特徴です。

目の表面に、何かが乗っているように見える——そう表現される方もいます。

目頭のほうから、広がることが多いものです

目頭側から始まり、じわじわ黒目のほうへ広がっていく——そういう進み方をよくします。

数週間から数か月かけて、ゆっくり大きくなります。

急に出るものではありません。

痛みが、目立たないことがあります

角膜の病気の多くは強く痛みます。

けれどこの病気では、痛みがはっきり出ないこともあります。

「見た目は変だけれど、猫は平気そう」——だから受診が遅れやすいのです。

痛がっていないから軽い、ではありません。

感染では、ありません

ここが、この病気のいちばん大事なところです。

好酸球という細胞が、集まっています

好酸球とは、白血球の一種です。

ふだんはアレルギーや寄生虫に対応する細胞です。

この病気では、その好酸球が角膜や結膜に集まってきて、炎症を起こしています。

外から敵が来たのではなく、体の側の反応が病気を作っている——そういう構図です。

体のほかの場所でも、似たことが起きます

猫では、好酸球が集まって病変を作る病気がほかにもあります。

皮膚に出るのが好酸球性肉芽腫症候群です。

唇が腫れる、お腹に赤い板ができる、後ろ足に線状のふくらみができる——見た目は違いますが、しくみは同じです。

皮膚の病気で通院している猫では、目のことも伝えておいてください。

原因は、はっきりしていません

なぜ好酸球が集まるのか——そこは、まだよく分かっていません。

免疫のはたらきが、何かに反応して過剰になっていると考えられています。

原因不明でも、治療の方法は確立しています。

だから、抗生物質では治りません

感染と免疫の違い
治療が、正反対になります。

感染でないということは、治療も変わるということです。

よくある行き違い

目が白く濁って、目やにが出ている——

この見た目は細菌感染とよく似ています。

だから抗生物質の点眼がまず出されることがあります。

それ自体は、おかしなことではありません。感染のほうが、ずっと多いからです。

けれど、効きません

この病気は細菌が起こしているものではありません。

だから、抗生物質では治りません。

「目薬を続けているのに、じわじわ広がっている」——

そのときは、この病気を疑って調べてもらってください。

薬が効かないのではなく、病気が違うのです。

この病気を疑ってよい状況

  • 抗生物質の点眼を、数週間続けている
  • それでも、白いもやが広がっている
  • 目やには出るが、強くは痛がらない
  • 目頭のほうから、じわじわ広がってきた
  • 過去に猫風邪をひいたことがある
  • 皮膚にも、赤いふくらみが出たことがある

いくつも当てはまるなら、調べてもらう理由になります。

伝えるときの言葉

「抗生物質を◯週間続けましたが、広がっています」

「細胞を調べてもらうことはできますか」

この二つを伝えると、話が早く進みます。

飼い主さんからの申し出は、失礼ではありません。経過を知っているのは、あなたです。

ほかの「白い」と、見分けます

目が白く見える病気は、ほかにもあります。

どこが、どんな色でどう見えるか。そこから病名が絞られます
見え方 考えられるもの
白〜ピンクの、ざらついたもや 好酸球性角結膜炎
青白い、すりガラス状 角膜のむくみ。緑内障でも起こる
瞳の奥が白い 白内障か、加齢による核硬化症
黒や茶色の斑 角膜黒色壊死症
白いものがたまる 目の中の炎症や膿

この病気は、表面にざらついたものが乗るのが特徴です。

奥が白いなら、別の病気を考えます。

診断は、こすって調べます

診断の流れ
こすって、調べます。

この病気は見た目だけでは決まりません。

細胞を採って、顕微鏡で見ます

細胞診により、めやにや眼球上に好酸球の存在があることが、好酸球性角結膜炎の特徴です。

病変部の細胞を検査すると、通常は認められない好酸球が他の炎症細胞とともに認められることで診断ができます。

ふだんは、そこにいないはずの細胞——それが見つかることが決め手になります。

採り方は、簡単です

病変の表面や、めやにをそっとこすり取るだけです。

点眼麻酔を使えば、猫はほとんど嫌がりません。

その場で染めて、顕微鏡で見られます。

大がかりな検査ではありません。

同時に、確かめられること

受診したとき、あわせて調べてもらえることがあります。

  • 角膜に傷や潰瘍がないか(染色して確かめる)
  • 眼圧が上がっていないか
  • 涙の量が足りているか
  • まぶたやまつげが当たっていないか
  • 反対の目にも、同じものが出ていないか

とくに角膜の傷の有無は、ステロイドを使えるかどうかを分けます。

この確認なしに薬は決められません。

この一手間が、治療を変えます

細胞診をしなければ、感染との区別がつきません。

そして区別がつかなければ、抗生物質を続けることになります。

そのあいだ、病変は広がり続けます。

だから、この検査には大きな意味があります。

半数以上が、ヘルペスと関連しています

この病気には、関わりの深い相手がいます。

猫ヘルペスウイルスです

好酸球性角結膜炎は猫ヘルペスウイルス感染症と深い関わりがあるといわれており、半数以上は猫ヘルペスウイルス感染症に関連しているといわれています。

猫ヘルペスウイルス一度感染すると、体から消えません。

その持続的な刺激が、免疫の反応を呼んでいると考えられています。

ただし、単純ではありません

ここは、正確に理解しておいてください。

ヘルペスウイルスの感染が見られるわけではなく、逆にヘルペスウイルスにかかっているからといって好酸球性角結膜炎が必ず起こるものでもありません。

関連はあるが、直接の原因とは言い切れない——そういう関係です。

「ヘルペスだから、この病気になる」わけではないということです。

それでも、治療では意識されます

関連があるということは、治療で気をつける点があるということです。

ステロイドは、ヘルペスの活動を助けてしまうことがあります。

だから、抗ウイルス薬を併用することが検討されます。

自己判断でステロイドをさしてはいけない理由も、ここにあります。

⚠ 手元の目薬を、使わないでください

ステロイドが入った目薬は、この病気によく効きます。

けれど角膜に傷があるときに使うと、傷を深くしてしまいます。

そしてヘルペスが関わっている場合、ウイルスの活動を助けることがあります。

染色して傷を確かめ、細胞を調べたうえで使う薬です。

以前もらった目薬を流用しないでください。

治療は、免疫を抑えることです

では、何で治すのか。

集まってきた免疫を、抑えます

この病気は免疫の反応が過剰になって起きています。

だから、その反応を抑える薬を使います。

感染症とは、まったく逆の考え方です。

抑えることに、不安を感じるかもしれません

「免疫を抑えて大丈夫なのか」——そう思われるのは自然です。

けれどこの病気では、免疫そのものが病変を作っています。

抑えることが、治療になるのです。

ただし、抑えすぎないよう量を調整していきます。

二つの薬を、使い分けます

治療の進み方
効き方の違う薬を、組み合わせます。

治療に使われる薬には、性格の違う二つがあります。

ステロイドは、速い

ステロイド(糖質コルチコイド)は極めて速効性が高く、数日で激しい炎症や痒みを沈静化させます。

数日で、目に見えて変わります。

だから、まずこれで火を消します。

シクロスポリンは、遅いが長く使えます

シクロスポリン(免疫抑制剤)はステロイドのような多臓器への代謝性副作用がほとんどなく、安全な長期維持管理が可能です。

けれど効果発現までに約3〜4週間を要します。

効き始めるまで、一か月近くかかるということです。

だから、最初は一緒に使います

効果発現までに約3〜4週間を要するため、初期はステロイドとの併用が必要です。

速いほうで火を消しながら、遅いほうが効いてくるのを待つ——そういう組み立てです。

性格の違う薬を組み合わせるのが、この病気の治療の型です
ステロイド シクロスポリンなど
効き始め 極めて速い。数日 約3〜4週間かかる
強さ 激しい炎症を、数日で静める じわじわ効いてくる
長期の使用 全身への副作用が気になる 安全な長期維持管理が可能
役割 最初に、火を消す そのあと、長く保つ
初期は 両方を併用することが必要 同じく、併用しながら立ち上げる

長期には、免疫抑制点眼へ移ります

長期管理が必要な場合は、ステロイドの代わりに免疫抑制点眼薬(シクロスポリン、タクロリムスなど)が使われることもあります。

ステロイドを長く使い続けないための組み立てです。

「薬が変わりました」と言われたら、この移行のことだと思ってください。

悪くなったから変えたのではありません。

長い付き合いになります

最後に、この病気との付き合い方です。

止めると、戻ってきます

見た目が落ち着いても、免疫の反応そのものは残っています。

だから、勝手に止めないでください。

止めれば、また広がってきます。

量を減らしていく判断も、診てもらったうえで行うことです。

再燃の引き金を、減らします

ヘルペスが関わる病気では、暮らしの手当てが治療の一部になります
引き金になりやすいこと できること
引っ越し・模様替え 隠れられる場所を、残しておく
新しい猫を迎える 顔合わせを、ゆっくり進める
季節の変わり目 室温の急な変化を、減らす
入院・ペットホテル 予定が分かるなら、体調を整えておく
ほかの病気 持病があるなら、そちらを安定させる

再発は、めずらしくありません

いったん治まっても、また出てくることがあります。

とくにヘルペスが関わっている場合体調やストレスで再燃することがあります。

暮らしを整えることが、治療の一部になります。

家で見ておくこと

  • 白いもやが、広がっていないか
  • 目を細めるようになっていないか
  • 目やにが、増えていないか
  • 反対の目に、同じものが出ていないか
  • 点眼を、続けられているか
  • 皮膚に、赤いふくらみが出ていないか

最後の皮膚も、見ておいてください。同じしくみの病変が、体に出ることがあります。

🩺 記録が、判断を助けます

月に一度、写真を撮っておいてください。

この病気は進みがゆっくりなので、毎日見ていると変化が分かりません。

一か月前の写真と比べるのが、いちばん確かな方法です。

この記事の要点

好酸球という免疫の細胞が角膜や結膜に集まって炎症を起こす病気です。感染ではありません。

だから抗生物質では治りません。免疫を抑える薬が必要になります。

診断は細胞診です。通常は認められない好酸球が見つかることで決まります。

半数以上は猫ヘルペスウイルス感染症に関連しているといわれています。

Q. 好酸球性角結膜炎とは、どんな病気ですか?

A. 好酸球という免疫の細胞が角膜や結膜に集まり、炎症を起こす猫の目の病気です。白っぽい、ざらついたもやが角膜に広がってきます。

Q. 感染症ではないのですか?

A. 感染ではありません。外から入った細菌が起こしているのではなく、体の側の免疫反応が病変を作っています。

Q. 抗生物質では治りませんか?

A. 治りません。細菌が原因ではないためです。目薬を続けているのに広がっているなら、この病気を疑ってください。

Q. どうやって診断しますか?

A. 細胞診で診断します。めやにや眼球上に好酸球の存在があることが特徴で、通常は認められない好酸球が他の炎症細胞とともに認められることで診断ができます。

Q. 検査は痛くありませんか?

A. 病変の表面やめやにを、そっとこすり取るだけです。点眼麻酔を使えば、猫はほとんど嫌がりません。その場で染めて顕微鏡で見られます。

Q. ヘルペスと関係がありますか?

A. 深い関わりがあるといわれています。半数以上は猫ヘルペスウイルス感染症に関連しているとされます。

Q. ヘルペスなら、必ずなりますか?

A. そうではありません。ヘルペスウイルスの感染が見られるわけではなく、かかっているからといって必ず起こるものでもありません。

Q. 治療はどうしますか?

A. 免疫を抑える薬を使います。ステロイドは極めて速効性が高く、数日で激しい炎症や痒みを沈静化させます。

Q. シクロスポリンとは何ですか?

A. 免疫抑制剤です。ステロイドのような多臓器への代謝性副作用がほとんどなく、安全な長期維持管理が可能です。

Q. なぜ二つの薬を使うのですか?

A. 効き始めるまでの時間が違うためです。シクロスポリンは効果発現までに約3〜4週間を要するため、初期はステロイドとの併用が必要になります。

Q. ずっとステロイドを使うのですか?

A. 長期管理では、別の薬に移ることがあります。ステロイドの代わりに免疫抑制点眼薬(シクロスポリン、タクロリムスなど)が使われることもあります。

Q. 免疫を抑えて、大丈夫ですか?

A. この病気では、免疫そのものが病変を作っています。抑えることが治療になります。ただし抑えすぎないよう、量を調整しながら進めます。

Q. 市販の目薬を使ってよいですか?

A. 使わないでください。とくにステロイド入りは、角膜に傷があると深くしてしまい、ヘルペスが関わっている場合はウイルスの活動を助けることがあります。

Q. よくなったら、やめてよいですか?

A. 自己判断でやめないでください。見た目が落ち着いても免疫の反応は残っており、止めればまた広がってきます。

Q. 皮膚にも似た病気がありますか?

A. あります。好酸球性肉芽腫症候群です。唇が腫れる、お腹に赤い板ができるなど見た目は違いますが、好酸球が集まるという点で同じしくみです。

まとめ|広がるなら、病気が違うかもしれません

黒目に白いもやが広がってきたとき、まず感染を疑うのは自然なことです。

実際、感染のほうがずっと多いからです。

けれど、抗生物質を続けているのに広がっているなら、そこで一度、立ち止まってください。

好酸球性角結膜炎は、感染ではありません。

免疫の細胞が集まって、病変を作っています。

だから、抗生物質では治りません。むしろ、免疫を抑える薬が必要です。

そしてこの区別は、細胞を調べればつきます。

こすって、顕微鏡で見るだけ——その一手間で、治療がまるごと変わります。

「細胞を調べてもらえますか」——その一言を、持っていってください。

今日できる3つ

  • 1白いもやが広がっていないか、写真を撮って前と比べる
  • 2目薬を始めてから何週間たったか、数えておく
  • 3皮膚に赤いふくらみがないか、体もさわって確かめる

見た目が感染に似ているのが、この病気の落とし穴です。広がるなら、調べ直す理由になります。

モフ@ペット好き

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