

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の口の扁平上皮癌|口の腫瘍の七割以上を占めます」です。ではどうぞ!
口の中に、できものがあると言われた。
そして、扁平上皮癌という名前を聞いた——
先に、正直にお伝えします。
この腫瘍の予後は、厳しいものです。けれど、下顎にできたものなら手術の適応になることがあります。そして、痛みを取ることには大きな意味があります。
結論
猫の口の中には腫瘍ができることがあり、その中でも最も発生が多いものが扁平上皮癌です。口腔内腫瘍のほとんどは扁平上皮癌であり、その発生率は口腔内腫瘍の70〜80%となっています。口の中に潰瘍を生じたり、腫瘍の周りの骨が溶けてくることがあるので、口の痛みを伴い、だんだん食べることが難しくなってくる腫瘍です。腫瘍が大きくなると、水を飲んだり食事を食べたりすることが困難になります。色素の薄い皮膚によくみられることや、日光にさらされる時間が多いと扁平上皮癌になりやすいといわれており、外に出ることの多い白猫などに発生が多いとされています。猫免疫不全ウイルス感染症との関連や、パピローマウイルスの関与も考えられています。扁平上皮癌に著効する抗がん剤は現時点ではないため、内科治療では鎮痛剤や分子標的薬が選択肢となりますが、腫瘍そのものを小さくすることはできません。下顎の場合は比較的適用範囲が広く、舌の根本や顎関節を越えていなければ、手術適応となります。効果的な治療は確立されておらず、治療を行っても1年後の生存率はかなり低いものの、下顎の扁平上皮癌は、ほかの口腔の扁平上皮癌に比べて治療後の生存日数が比較的長いという報告があります。
この記事でわかること
- ✓口の腫瘍の、七割以上を占めます
- ✓骨まで、溶かしていきます
- ✓食べ方の変化に、現れます
- ✓日光や、白い毛が関わります
- ✓見つけたら、早く調べてください
- ✓下顎なら、手術の道があります
- ✓痛みを取ることには、意味があります
- ✓見通しについて、正直なところ
口の腫瘍の、七割以上を占めます
まず、どのくらい多いのかから。
いちばん多い口の腫瘍です
猫の口の中には腫瘍ができることがあり、その中でも最も発生が多いものが扁平上皮癌です。
口腔内腫瘍のほとんどは扁平上皮癌であり、その発生率は口腔内腫瘍の70〜80%となっています。
十のうち七つか八つということです。
だから、まず疑われます
口の中にできものがあれば、この腫瘍がまず候補に挙がります。
けれど、エプリスのような良性のものもあります。
確かめないうちは、決まりません。
できる場所は、さまざまです
歯ぐき、舌の下、上あご——
口の中のどこにでもできます。
そして、場所によってその後の道が変わります。
骨まで、溶かしていきます

何が起きるのかです。
潰瘍を、つくります
口の中に潰瘍を生じたり、腫瘍の周りの骨が溶けてくることがあります。
表面が崩れて、じくじくした状態になる——
そこから、出血やにおいが出ます。
周りの骨が、溶けます
腫瘍の周りの骨が、溶けてくるのがこの腫瘍の特徴です。
歯が抜けたり、ぐらついたりすることもあります。
顎の形が、変わってくることもあります。
骨を溶かすことが、痛みの強さにもつながります。
痛みが、強くなります
口の痛みを伴い、だんだん食べることが難しくなってくる腫瘍です。
骨まで巻き込むのですから、痛みは強くなります。
だから、痛みを抑えることが大事になります。
水も、飲めなくなります
腫瘍が大きくなると、水を飲んだり食事を食べたりすることが困難になります。
そこまで進むと、脱水も加わります。
そうなる前に、対応を考えたいところです。
食べ方の変化に、現れます

気づき方です。
食べにくそうにします
食べたそうにするのに、口をつけない——
一口食べて、離れてしまう——
それが、口の痛みのサインです。
歯肉炎でも同じ症状が出ますが、
どちらにしても調べる理由になります。
よだれと、口臭が出ます
よだれが増え、においが強くなる——
崩れた組織から、においが出てきます。
血が混じることもあります。
顔の形が、変わることがあります
腫瘍が大きくなれば、外から見て分かります。
顔の左右が、違って見える——
顎のあたりが、腫れている——
そこまで来ると、かなり進んでいます。
- 食べたそうなのに、食べられない
- よだれが、増えている
- 口のにおいが、強くなった
- よだれや水に、血が混じる
- 顔の形が、変わってきた
- 体重が、減ってきた
どれかがあれば、その週のうちに受診してください。
日光や、白い毛が関わります

なりやすさについて。
色素の薄い皮膚に、多いのです
色素の薄い皮膚によくみられるとされています。
紫外線から守るものが少ないためと考えられています。
日光が、関わっています
日光にさらされる時間が多いと、扁平上皮癌になりやすいといわれています。
外に出ることの多い白猫などに、発生が多いとされています。
だから、白い猫を長く外に出さないことが
ひとつの予防になります。
ウイルスの関与も、考えられています
猫免疫不全ウイルス感染症との関連や、パピローマウイルスの関与も考えられています。
外に出る猫では、感染の機会も増えます。
室内で飼うことが、いくつもの危険を減らします。
耳や鼻にも、できます
この腫瘍は、口の中だけのものではありません。
耳の先や鼻先など、日光の当たる場所にもできます。
白い猫では、そちらも見ておいてください。
耳の先が、かさぶたのようになる——
それも、この腫瘍の始まりのことがあります。
⚠ 早めに受診してください
口の中に、できものがある。
食べたそうなのに、食べられない。
よだれと口臭が、強くなった。
顔の形が、変わってきた。
早い段階でなければ、選べる方法が減っていきます。
似たものと、区別します
| 考えられるもの | 特徴 |
|---|---|
| 扁平上皮癌 | 崩れやすく、骨を溶かす。口の腫瘍の大半 |
| エプリス | 硬く盛り上がる。良性とされる |
| 歯肉口内炎 | 赤く腫れ、広い範囲に及ぶ |
| 線維肉腫 | 悪性腫瘍のひとつ |
| メラノーマ | 同じく、悪性腫瘍として挙げられる |
「口内炎でしょう」と言われて様子を見ていた——
そういう経過を、たどらないでください。
見つけたら、早く調べてください
診断のことです。
組織を、調べます
できものの一部を採って、顕微鏡で調べます。
良性か悪性か、そして何であるか——
それは、組織を見なければ分かりません。
広がりを、確かめます
どこまで骨を溶かしているか、
顎関節を越えていないか——
画像で、それを確かめます。
そこが、手術できるかどうかを決めます。
麻酔をかけて、よく見ます
起きている猫では、口の奥まで見えません。
眠らせて、全体を確かめることになります。
そのときに、組織も採ってきます。
一度で、まとめて進められます。
転移も、調べます
近くのリンパ節や、肺を
あわせて調べることがあります。
広がっているかどうかで、方針が変わります。
時間が、選択肢を減らします
| 段階 | 選べること |
|---|---|
| 小さいうち | 手術を含めて、方法を選べる |
| 下顎にある | 比較的、手術の適用範囲が広い |
| 骨を広く溶かしている | 取りきることが難しくなる |
| 顎関節を越えた | 手術の適応から外れる |
| 転移がある | 症状を和らげる治療が中心になる |
下顎なら、手術の道があります

ここが、希望のある部分です。
下顎は、適用範囲が広いのです
下顎の場合は比較的適用範囲が広く、舌の根本や顎関節を越えていなければ、手術適応となります。
取れる可能性があるということです。
場所によって、道が分かれます。
生存日数が、長いという報告があります
下顎の扁平上皮癌は、ほかの口腔の扁平上皮癌に比べて、治療後の生存日数が比較的長いという報告があります。
同じ病名でも、場所で違うのです。
だから、どこにあるかを聞いてください。
顎を切る手術になります
取りきるためには、顎の骨ごと切除することになります。
大きな手術です。
見た目も変わります。
そこを納得してから、決めてください。
それでも、食べられる猫がいます
顎の一部を失っても、食べられるようになる猫がいます。
痛みの原因が取り除かれるからです。
術後の食事について、どうなるかを聞いておいてください。
手術を決める前に、聞いておくこと
- どこまで切除することになるか
- 術後、どのくらいで食べられるようになるか
- 見た目が、どのように変わるか
- 取りきれる見込みは、どのくらいか
- 再発した場合、どうなるか
- 手術しない場合の見通し
大きな決断になります。
納得できるまで、聞いてください。
痛みを取ることには、意味があります
手術ができない場合のこと。
腫瘍は、小さくできません
扁平上皮癌に著効する抗がん剤は、現時点ではありません。
内科治療では鎮痛剤や分子標的薬が選択肢となりますが、腫瘍そのものを小さくすることはできません。
そこは、期待できないところです。
けれど、痛みは取れます
鎮痛剤で、痛みを抑えることができます。
痛みが取れれば、食べられるようになります。
過ごしやすさが、変わります。
それは、十分に意味のある治療です。
食べられることを、支えます
やわらかいものに変える、食べやすい形にする——
それだけでも、変わります。
猫は、食べない日が続くと肝リピドーシスを起こします。
食べられることが、そのまま体を支えます。
我慢させないでください
「もう治らないから」と、痛み止めをためらわないでください。
治すことと、楽にすることは別です。
後者は、最後までできます。
食べさせるための、工夫
| 工夫 | ねらい |
|---|---|
| やわらかくする | 噛む負担を減らす |
| 温めてにおいを立てる | 食欲を引き出す |
| 浅い器に変える | 口を大きく開けずにすむ |
| 少量を何度も | 一度の負担を減らす |
| 痛み止めを使う | 痛みが取れれば、食べられる |
それでも食べられないときは、栄養を入れる方法もあります。
どこまで行うかを含めて、相談してください。
見通しについて、正直なところ
厳しい話になります。
治療は、確立されていません
口腔の扁平上皮癌では、効果的な治療は確立されておらず、治療を行っても1年後の生存率はかなり低いとされています。
これは、事実として知っておいたほうがよいことです。
それでも、できることはあります
下顎なら、手術という道があります。
手術ができなくても、痛みは取れます。
食べられるように、支えることもできます。
「何もできない」ではありません。
どこまでやるかは、選べます
大きな手術を選ばないという判断も
ひとつの選択です。
痛みを取り、穏やかに過ごすことを選ぶこともできます。
そこに、正解はありません。
その猫と、その家族にとって何がよいかで決まります。
家で、見ておいてほしいこと
- 食べられているか、量はどのくらいか
- 水を飲めているか
- 痛がる様子が、増えていないか
- 体重が、減っていないか
- 薬が、飲めているか
- 好きな場所で、休めているか
食べられなくなったとき、どうするかも決めておいてください。
予防にできること
白い猫を、長時間外に出さない——
室内で飼い、ウイルスの感染機会を減らす——
そして、口の中を定期的に見る——
それが、いまできることです。
🩺 できることは、残っています
この腫瘍の予後は、厳しいものです。
そこは、ぼかさずにお伝えします。
けれど、下顎なら手術の道があり、痛みを取ることは最後までできます。
「治せない」と「何もできない」は、違います。
この記事の要点
猫の口腔内腫瘍の70〜80%を占める、最も多い悪性腫瘍です。
潰瘍を生じ、周りの骨が溶けてくるため、だんだん食べることが難しくなります。
著効する抗がん剤はなく、内科治療では腫瘍そのものを小さくできません。
下顎の場合は手術適応となることがあり、生存日数が比較的長いという報告があります。
Q. 扁平上皮癌とは、どんな腫瘍ですか?
A. 猫の口の中にできる腫瘍で、最も発生が多いものです。口腔内腫瘍の70〜80%を占めています。
Q. どんな症状が出ますか?
A. 口の中に潰瘍を生じ、周りの骨が溶けてくることがあり、口の痛みを伴って、だんだん食べることが難しくなります。
Q. 進むと、どうなりますか?
A. 腫瘍が大きくなると、水を飲んだり食事を食べたりすることが困難になります。
Q. 原因は何ですか?
A. 色素の薄い皮膚によくみられ、日光にさらされる時間が多いとなりやすいといわれています。外に出ることの多い白猫などに発生が多いとされています。
Q. ウイルスも関係しますか?
A. 猫免疫不全ウイルス感染症との関連や、パピローマウイルスの関与も考えられています。
Q. 白い猫は、注意が必要ですか?
A. 発生が多いとされています。長時間外に出さないことが、ひとつの予防になります。
Q. どうやって診断しますか?
A. できものの組織を採って調べます。あわせて、骨をどこまで溶かしているかを画像で確かめます。
Q. 抗がん剤は効きますか?
A. 著効する抗がん剤は、現時点ではありません。内科治療では、腫瘍そのものを小さくすることはできません。
Q. 内科では何ができますか?
A. 鎮痛剤や分子標的薬が選択肢となります。痛みを抑えることは、十分に意味のある治療です。
Q. 手術はできますか?
A. 下顎の場合は比較的適用範囲が広く、舌の根本や顎関節を越えていなければ手術適応となります。
Q. 顎を切って、食べられますか?
A. 食べられるようになる猫がいます。痛みの原因が取り除かれるためです。術後の食事については、事前に聞いておいてください。
Q. 予後はどうですか?
A. 効果的な治療は確立されておらず、治療を行っても1年後の生存率はかなり低いとされています。
Q. 場所によって、違いますか?
A. 下顎の扁平上皮癌は、ほかの口腔の扁平上皮癌に比べて治療後の生存日数が比較的長いという報告があります。
Q. 治らないなら、痛み止めも要りませんか?
A. そうではありません。痛みが取れれば食べられるようになり、過ごしやすさが変わります。治すことと楽にすることは別です。
Q. 予防できますか?
A. 白い猫を長時間外に出さないこと、室内で飼うこと、口の中を定期的に見ることです。
まとめ|場所を聞いて、痛みを取ってください
猫の口の中にできる腫瘍の七割以上が、この扁平上皮癌です。
潰瘍をつくり、骨を溶かし、食べることを難しくしていきます。
予後は、厳しいものです。
けれど下顎にできたものなら、手術の道があります。
そして、生存日数が比較的長いという報告もあります。
だから、どこにあるかを聞いてください。
手術ができない場合でも、痛みは取れます。
食べられるように支えることも、できます。
「治せない」ことと「何もできない」ことは、違います。
今日できる3つ
- 1唇をめくって、口の中にできものがないか見る
- 2白い猫なら、外に出る時間を減らす
- 3診断されているなら、腫瘍の場所を聞いておく
この腫瘍は、早さと場所が道を分けます。そして痛みを取ることは、最後までできます。

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