

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の耳ヒゼンダニ症|黒い砂のような耳垢が、目印です」です。ではどうぞ!
猫の耳の中に、黒い砂のようなものが詰まっている。
そして、ひっきりなしに耳をかき、頭を振っている。
その二つがそろったら、耳ヒゼンダニを疑ってください。
耳には黒い砂のような特徴的な耳垢が詰まり、掻くたびにポロポロと落ちます。この見た目が、そのまま診断の手がかりになります。
結論
耳ヒゼンダニ症は耳ヒゼンダニが外耳道に寄生して起こる病気です。特徴的な症状は激しいかゆみと、大量の黒い耳垢で、耳には黒い砂のような耳垢が詰まり、掻くたびにポロポロと落ちます。大量の黒い耳垢が出て、耳をかゆがり、ひっきりなしに耳をかいたり頭を振ったりします。猫同士でうつることもよくあり、母猫や同居猫、屋外で接触した猫などから感染します。治療は首の後ろに薬を垂らして投薬する滴下型の駆虫薬が一般的で、1回目を行った後に数週間期間をあけながら、その後も1〜2回は駆虫します。駆虫薬では卵は駆除できないので、駆虫を行ったときに卵だった耳ヒゼンダニが成長してから、再度駆虫をする必要があります。
この記事でわかること
- ✓黒い砂のような耳垢が、目印です
- ✓かゆみが、激しいものです
- ✓疥癬とは、住む場所が違います
- ✓猫から猫へ、うつります
- ✓見つけ方は、顕微鏡です
- ✓駆虫は、一回では終わりません
- ✓同居の猫も、まとめて
- ✓耳の掃除で、気をつけること
黒い砂のような耳垢が、目印です

このダニには、とても分かりやすい手がかりがあります。
大量の黒い耳垢です。
コーヒーかすや黒い砂にたとえられます。
べたつかず、ぽろぽろしています
この耳垢は、乾いていて、ぽろぽろしているのが特徴です。
マラセチアによる耳垢は茶褐色でべたつき、独特のにおいがします。
耳ダニの耳垢は黒く、乾いていて、それほどにおいません。
色と、湿り気——この二つで、かなり分けられます。
- 耳の中に、黒いものが大量にたまっている
- コーヒーかすのように、ぽろぽろしている
- かくたびに、黒い粒が落ちてくる
- 耳の穴が、埋まりそうになっている
- 両耳とも、同じようになっている
- においは、それほど強くない
寝床や、猫が寝ていた場所に黒い粒が落ちている——そこで気づくこともあります。ノミの糞と違い、濡らしても赤くにじみません。
かゆみが、激しいものです
この病気のもうひとつの特徴が、かゆみの強さです。
耳をかゆがり、ひっきりなしに耳をかいたり頭を振ったりします。
「ひっきりなしに」——この表現が、この病気のかゆみをよく表しています。
かき壊してしまうことがあります
あまりに強くかくため、耳のまわりに傷ができることがあります。
そこから細菌が入り、別の炎症が加わることもあります。
そして、激しく頭を振り続けると耳の血管が切れて、耳が腫れることがあります。
ダニそのものより、かき壊した結果のほうが問題になる——そういうことが起こります。
⚠ 早めに受診してください
- ひっきりなしに、耳をかいている
- 黒い耳垢が、大量にたまっている
- 耳のまわりに、かき傷ができている
- 耳が腫れて、厚くなってきた
- 頭を傾けたままになっている
- 同居の猫も、耳をかき始めた
耳が腫れて厚くなってきたなら、血がたまっている可能性があります。そこまで進む前に、かゆみを止めてやってください。
疥癬とは、住む場所が違います

同じヒゼンダニという名前がついていますが、疥癬とは別のダニです。
そして住んでいる場所が違います。
| 耳ヒゼンダニ | 疥癬のヒゼンダニ | |
|---|---|---|
| 住む場所 | 耳の中(外耳道) | 耳のふちや顔の皮膚 |
| 見た目 | 黒い砂のような耳垢 | かさぶた、皮膚が厚くなる |
| 行動 | 耳をかき、頭を振る | 床に顔をこすりつける |
| 見る場所 | 耳の「中」 | 耳の「外側」と顔 |
| どちらも | 猫から猫へうつる | 猫から猫へうつる |
| 治療 | 駆虫薬。数回くり返す | 駆虫薬。数回くり返す |
「中なのか、外なのか」——そこを見れば、おおよその区別がつきます。
もちろん両方が同時にいることもあります。外で暮らしていた猫では、めずらしくありません。
猫から猫へ、うつります
このダニは、猫同士でうつることもよくあります。
母猫や同居猫、屋外で接触した猫などから感染します。
だから、この病気は一頭だけの問題では終わりません。
子猫では、母猫からもらっています
保護された子猫では、すでに持っていることがよくあります。
母猫と一緒に過ごしていれば、自然に移ってしまうためです。
外で生まれた子猫を迎えたら、まず耳を見てください。
黒い耳垢がびっしりということも、めずらしくありません。
迎える前に、確かめてください
新しい猫を迎えるとき、先住猫と合流させる前に耳を確かめてください。
一度家の中に入れてしまえば、あっという間に全頭に広がります。
- 迎えたら、まず耳の中を見る
- 黒い耳垢があれば、受診する
- 結果が出るまでは、部屋を分ける
- ブラシやタオルを、共有しない
- 治療が済んでから、合流させる
- 先住猫の耳も、あわせて確かめる
合流を急がないことは、猫同士の関係づくりのうえでも大切なことです。焦らずに進めるほうが、結局はうまくいきます。
放っておくと、奥へ進みます
かゆみが強い病気なので、猫はかき続けます。
そして、そこに細菌やマラセチアが加わって外耳炎が重くなっていきます。
| 放っておくと | 起きること |
|---|---|
| かき壊す | 耳のまわりに傷ができ、細菌が入る |
| 二次感染 | 細菌やマラセチアが増え、悪臭が出る |
| 頭を振り続ける | 耳の血管が切れて、耳血腫になることがある |
| 炎症が続く | 耳道が狭くなり、治療が難しくなる |
| 奥へ進む | 中耳炎を起こすことがある |
| 同居猫へ | そのあいだにも、広がり続ける |
ダニそのものは、命に関わるものではありません。
けれどそのあとに続くものが問題になります。だから、早く止める意味があります。
見つけ方は、顕微鏡です
見た目でかなり見当はつきますが、確かめるには顕微鏡で見ます。
獣医師は、耳の中から採取したサンプルを顕微鏡で観察し、ダニの種類や数を確認します。
| 検査 | 分かること |
|---|---|
| 耳鏡での観察 | 耳の奥の様子。動くダニが見えることも |
| 耳垢の顕微鏡検査 | ダニ本体や卵を、直接確認する |
| ほかのものの確認 | マラセチアや細菌が混じっていないか |
| 皮膚の検査 | 耳の外にも広がっていないか |
| 同居猫の検査 | 一頭見つかったら、ほかも確かめる |
| 鼓膜の確認 | 洗浄液や薬を選ぶために必要 |
その場で、見えることもあります
耳ダニは比較的大きく、動きます。
そのため顕微鏡ですぐに見つかることが多いものです。
その日のうちに診断がついて、治療が始められる——この病気の、扱いやすいところです。見つかりにくい病気が多いなかで、これは助かる点です。
耳鏡で覗いたときに、白い小さなものが動いているのが見えることもあります。そこまで見えれば、その場で確定できます。
ダニは、どこで何をしているのか
耳ダニは、外耳道の表面で暮らしています。
| 段階 | どうなっているか |
|---|---|
| 成虫 | 耳の中を動き回り、皮膚をかじる |
| 刺激 | 耳が反応して、耳垢を大量に出す |
| 黒い耳垢 | 耳垢とダニの排泄物、血液成分が混じったもの |
| 卵 | 耳の中に産みつけられる。薬は届かない |
| 孵化 | 数週間で成虫になり、また増える |
| だから | 一回の駆虫では終わらない |
黒い耳垢の色は、ダニの排泄物や血液の成分が混じっているためです。
汚れているから黒いのではなく、ダニがいるから黒い——そう考えると、掃除だけでは解決しない理由が分かります。
駆虫は、一回では終わりません

この病気の治療で、いちばん大事なところです。
一般的なのは、首の後ろに薬を垂らして投薬する滴下型の駆虫薬です。
背中に垂らすだけなので、飲ませるのが苦手な猫でも使えます。
卵には、効きません
駆虫薬では卵は駆除できません。
つまり、薬を使った時点で卵の状態だったものは生き残ります。
駆虫を行ったときに卵だった耳ヒゼンダニが成長してから、再度駆虫をする必要があります。
そのため1回目を行った後に数週間期間をあけながら、その後も1〜2回は駆虫します。
だから、再診を忘れないでください
一回目の薬で、猫は楽になります。かゆがらなくなり、耳垢も減ってきます。
そこで安心して、次に行かなくなる——これが、この病気でいちばん多い落とし穴です。
けれど卵から孵化したダニが、また増えていきます。
「次はいつ来ればよいですか」とその場で聞いて、予定に入れておいてください。帰ってから思い出すより、その場で決めるほうが確実です。
薬の選び方も、確かめてください
駆虫薬にはいくつか種類があります。
背中に垂らすタイプのほか、耳に直接入れるタイプもあります。
背中に垂らすものは、ノミやほかの寄生虫もまとめてカバーすることがあり、外に出る猫では都合がよくなります。
いま使っている予防薬が、耳ダニもカバーしているかどうかを確かめておくと、無駄な重複を避けられます。
そして猫用のものを使うことを忘れないでください。犬用の薬には、猫に危険な成分が含まれるものがあります。
同居の猫も、まとめて

うつるダニですから、一頭だけ治療しても意味がありません。
治した猫が、まだ治っていない猫からまたもらう——それをくり返すことになります。
症状が出ていない猫も、治療します
同居猫のなかには、症状が出ていないだけで持っている猫がいます。
耳垢がそれほど出ていなくても、少数が寄生していることがあります。
だから全頭をまとめて治療することが確実な方法になります。
犬が同居している場合も、あわせて相談してください。このダニは犬にも寄生し、行き来してしまいます。
環境も、片づけます
このダニは、猫の体を離れても、しばらく生きられます。
そのため寝床やブラシから再感染することがあります。
- 寝床や毛布を、高温で洗う
- ブラシやくしを、洗って乾かす
- キャリーやケージも、拭いておく
- 掃除機を、こまめにかける
- 治療のあいだ、道具を共有しない
- 猫がよくいる場所を、重点的に
ノミほど大がかりな環境対策は必要ありません。けれど、寝床とブラシだけは片づけておいてください。そこが、いちばん見落とされやすい経路です。
よくなるまでの、目安
駆虫薬を使うと、数日でかゆがり方が変わってきます。
けれど耳垢がなくなるまでには、もう少し時間がかかります。たまっていたものが、少しずつ出てくるためです。
耳垢が減ってきたかどうかを見ていてください。それが、効いているかどうかの目安になります。
そして最後にもう一度、耳垢を顕微鏡で見てもらう——そこでダニがいなくなっていることを確かめてから、終わりにするのが確実です。
耳の掃除で、気をつけること
黒い耳垢を見ると、取ってあげたくなります。
けれど、そこには注意点があります。
自己流で掃除しないでください
耳の清掃は慎重に行う必要があります。獣医師の指示に従って行いましょう。
綿棒を使えば、汚れを奥へ押し込んでしまいます。
猫の耳の穴はL字に曲がっているため、外からは奥が見えません。
そして、かき壊して鼓膜が傷んでいることがあります。その状態で洗浄液を入れれば、奥に影響が出ます。
洗うのは、病院で
耳の中にたまった汚れや耳垢を取り除くことで、治療の効果を高めることができます。
けれど、それは病院で行うものです。
家でできるのは耳をめくって見える部分を、やさしく拭くことだけにとどめてください。
掃除より、駆虫薬のほうが本体です。ダニがいなくなれば、耳垢は自然に減っていきます。
よくある質問
Q. 耳ヒゼンダニ症とは、どんな病気ですか?
A. 耳ヒゼンダニが外耳道に寄生して起こる病気です。激しいかゆみと、大量の黒い耳垢が特徴になります。
Q. 耳垢の様子に、特徴はありますか?
A. 黒い砂やコーヒーかすのような耳垢が、大量にたまります。べたつかず乾いていて、かくたびにぽろぽろ落ちるのが特徴です。
Q. マラセチアとは、どう見分けますか?
A. 色と湿り気、においで分けられます。マラセチアは茶褐色でべたつき、独特の悪臭がします。耳ダニは黒く乾いていて、それほどにおいません。
Q. 疥癬とは違うのですか?
A. 違います。住んでいる場所が違います。耳ヒゼンダニは耳の中に、疥癬のヒゼンダニは耳のふちや顔の皮膚に寄生します。
Q. ほかの猫にうつりますか?
A. うつります。母猫や同居猫、屋外で接触した猫などから感染します。一頭見つかったら、同居猫は全頭まとめて治療するのが確実です。
Q. どうやって診断しますか?
A. 耳の中から採取したサンプルを、顕微鏡で観察します。耳ダニは比較的大きく動くため、その場で見つかることが多いものです。
Q. 治療はどうしますか?
A. 首の後ろに薬を垂らす、滴下型の駆虫薬が一般的です。背中に垂らすだけなので、飲ませるのが苦手な猫でも使えます。
Q. 一回で終わりますか?
A. 終わりません。駆虫薬では卵は駆除できないため、卵だったダニが成長してから再度駆虫する必要があります。1回目のあと、数週間あけてさらに1〜2回行います。
Q. かゆみが引いたら、やめてよいですか?
A. やめないでください。卵から孵化したダニが、また増えていきます。決められた回数を、最後まで通しきってください。
Q. 家で耳を掃除してもよいですか?
A. 自己流では行わないでください。綿棒は汚れを奥へ押し込みますし、かき壊して鼓膜が傷んでいることもあります。見える範囲を、やさしく拭く程度にしてください。
Q. 環境の掃除も必要ですか?
A. 寝床とブラシは片づけてください。ダニは猫の体を離れてもしばらく生きられるため、そこから再感染することがあります。
Q. 人にうつりますか?
A. 一時的にかゆみが出ることはありますが、人では定着しません。気をつけるべきは、ほかの猫や犬への広がりのほうです。
まとめ|黒い砂を見たら、家全体で考えてください
この病気は、見つけやすい病気です。
黒い砂のような耳垢と激しいかゆみ——この二つがそろえば、まず疑えます。
そして、治療もはっきりしています。よく効く薬があり、背中に垂らすだけで済みます。
けれど、二つだけ守ってください。
ひとつは、決められた回数を通しきること。薬は卵に効かないからです。
もうひとつは、同居猫もまとめて治療すること。うつるダニだからです。
この二つさえ守れば、そう難しい病気ではありません。
かゆみは、猫にとってつらいものです。眠れないほどかき続けている猫を、数週間で楽にしてやれる——そう考えて、通しきってください。
今日できる3つ
- 1猫の耳をめくって、黒い耳垢がないか見てみる
- 2耳をかく回数、頭を振る回数が増えていないか確かめる
- 3多頭飼いなら、全頭の耳を順番に見ておく
この病気は、一頭だけ治しても終わりません。黒い砂を見つけたら、家全体で考えてください。

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