ネコの病気    猫のマラセチア症|においで、気づける皮膚病です

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猫のマラセチア症|においで、気づける皮膚病です
猫のマラセチア症
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫のマラセチア症|においで、気づける皮膚病です」です。ではどうぞ!

猫の耳から、酸っぱいような、脂っぽいような独特のにおいがする。

耳の中を見ると、茶褐色の、べたついた耳垢がたまっている。

そんなときに考えられるのが、この病気です。

マラセチアは猫の正常な皮膚などにも存在しますが、免疫の低下など何らかの要因により異常に増殖し、皮膚炎や外耳炎を引き起こす、または悪化させることがあります。

結論

マラセチア症は猫の正常な皮膚にも存在するマラセチアという酵母が、異常に増殖して起こる皮膚炎や外耳炎です。猫でのマラセチア症は、外耳炎でみられることがほとんどです。症状としては皮膚や耳の赤み、痒みがみられ、耳では耳垢が増えます。マラセチア性皮膚炎では、脱毛や、皮膚が脂っぽくべたべたする、フケが増えるといった症状が、マラセチア性外耳炎では、茶褐色のべたついた耳垢が増え、脂漏臭という酸っぱく脂っぽい独特の悪臭がする特徴があります。重要なのは猫でマラセチア症(特にマラセチア性皮膚炎)は、原因となる基礎疾患の存在が強く疑われるという点です。治療は基礎疾患があれば、そちらの病気の治療がベースになり、あわせてシャンプー療法や外耳道洗浄が行われます。

この記事でわかること

  • においで、気づけます
  • 猫では、耳に出ることがほとんどです
  • もともといる酵母です
  • 皮膚に出たときは、裏を探します
  • 見つけ方は、顕微鏡です
  • 治療は、洗うことが中心です
  • くり返すときに、考えること
  • 耳のケアで、気をつけること

においで、気づけます

耳に出る症状
猫では、耳がほとんどです。

この病気には、分かりやすい手がかりがあります。

脂漏臭という、酸っぱく脂っぽい独特の悪臭がする——それがこの病気の特徴です。

「猫の耳が、なんだか臭う」と感じたことがあるなら、それは重要な情報です。気のせいで片づけないでください。

独特の、覚えやすいにおいです

このにおいは、一度知ると忘れません。

発酵したような、酸っぱいような、それでいて脂っぽい——そう表現されることが多いものです。

ふつうの耳垢のにおいとは、はっきり違います。

  • 耳を近づけると、酸っぱいようなにおいがする
  • 茶褐色の、べたついた耳垢がたまっている
  • 耳垢の量が、明らかに増えた
  • 耳の中が、赤くなっている
  • 頭をしきりに振る
  • 後ろ足で、耳のあたりをかく

茶褐色でべたつくという耳垢の性状も、この病気を示す手がかりです。

黒くて乾いた耳垢なら、別のものです

耳垢の様子は、原因によって違います。

耳垢から絞り込む
耳垢の様子 考えられるもの
茶褐色で、べたつく マラセチア
黒くて、乾いている 耳ヒゼンダニ
黄色っぽく、膿のよう 細菌の感染
においが強い マラセチアや細菌の可能性
少量で、薄い茶色 正常な範囲のことも
血が混じる かき壊しや、腫瘍の可能性

耳ヒゼンダニでは、黒く、乾いた、コーヒーかすのような耳垢になります。

色と、べたつきと、におい——この三つを伝えると、原因がぐっと絞られます。耳垢を綿棒で少し取って、持っていくのもよい方法です。

猫では、耳に出ることがほとんどです

皮膚に出るとき
耳より少ないですが、出ることがあります。

犬では、皮膚炎として出ることがよくあります。

けれど猫では違います。猫でのマラセチア症は、外耳炎でみられることがほとんどです。

だから、この病気を疑うときはまず耳を見ることになります。

皮膚に出ることも、あります

数は多くありませんが、マラセチア性皮膚炎として出ることもあります。

その場合脱毛や、皮膚が脂っぽくべたべたする、フケが増えるといった症状が見られます。

触ったときに手がべたつく——そんな感じになることがあります。

出やすいのはあご、首、わきの下、内股など、湿りやすく、蒸れやすい場所です。

毛が薄くなり、皮膚が黒ずんでくることもあります。そして、その部分からもあの独特のにおいがします。

もともといる酵母です

増える理由
いること自体は、問題ではありません。

マラセチアは、外から来るものではありません。

猫の正常な皮膚などにも存在する——つまり常在している酵母です。

だからいること自体は、異常ではありません。

問題は、増えることです

免疫の低下など何らかの要因により異常に増殖し、皮膚炎や外耳炎を引き起こす、または悪化させることがあります。

増えたということは、抑えが効かなくなったということです。

だから、この病気では「なぜ増えたのか」を考えることになります。

数を減らすだけでは、また増えてきます。

うつる病気ではありません

常在しているものが増える病気なので、ほかの猫にうつるものではありません。

人にも、通常はうつりません。疥癬や真菌のように、隔離を考える必要はありません。

皮膚に出たときは、裏を探します

背景を探します
皮膚炎として出たときは、とくに。

ここが、猫のマラセチア症で大切なところです。

猫でマラセチア症(特にマラセチア性皮膚炎)は、原因となる基礎疾患の存在が強く疑われます。

つまり皮膚炎として出たときは、そこで終わらせないということです。

何を探すのか

背景として考えられるものは、いくつかあります。

  • アレルギー(皮膚のバリアが崩れている)
  • 内分泌の病気(皮脂や免疫が変わる)
  • ウイルス感染症(免疫が落ちている)
  • 腫瘍(全身状態の低下)
  • 脂漏症(皮脂が多い体質)
  • 免疫を抑える治療を受けている

猫免疫不全ウイルス感染症猫白血病ウイルス感染症があると、常在するものが問題になりやすくなります。

皮膚の治療だけでは、くり返します。そちらを探すことが、遠回りに見えて確実な道になります。

外耳炎の場合も、同じことがあります

耳に出た場合も、くり返すなら背景を疑います。

耳の構造の問題、アレルギー、耳の中のできもの——洗っても治らない理由があるかもしれません。

「治ってはぶり返す」という経過なら、そこを調べてもらってください。

とくに片方の耳だけがくり返す場合は、その側に物理的な理由がある可能性があります。その情報も、受診のときに伝えてください。

見つけ方は、顕微鏡です

診断は、マラセチアを実際に見ることで行います。

耳垢や皮膚の表面を採り、特殊な染色剤で処理して、顕微鏡で観察します。

マラセチアはだるまのような、独特の形をしているため見分けがつきます。

確かめること
検査 分かること
耳垢の検査 マラセチアや細菌、ダニの有無
皮膚のテープ検査 皮膚表面のマラセチアを確認する
耳鏡での観察 耳の奥の状態、鼓膜の様子
培養検査 細菌が混じっていれば、効く薬を調べる
血液検査 背景の病気がないかを確かめる
ほかの皮膚病の除外 アレルギーや真菌との区別をつける

数がいるかどうかが、判断の分かれ目です

常在しているものなので、少数見つかっただけでは病気とは言えません。

異常に増えているかどうか——そこを見て判断します。

だから「マラセチアがいました」だけでは足りません。「どのくらいいたか」が意味を持ちます。

治療のあとにも、数が減ったかどうかを確かめることがあります。見た目やにおいだけでなく数字で追えるのが、この病気の分かりやすいところです。

細菌が、混じっていることもあります

耳の炎症では、マラセチアだけが原因とは限りません。

細菌が同時に増えていることがよくあります。その場合、抗真菌薬だけでは足りません。

何がいるかで、薬が変わります
混じっているもの 見え方 必要な薬
マラセチアのみ 茶褐色でべたつく耳垢、独特のにおい 抗真菌薬
細菌が混じる 黄色っぽい、膿のような耳垢 抗生物質も必要
ダニが混じる 黒く乾いた耳垢も見られる 駆虫薬も必要
炎症が強い 耳が腫れ、痛がる 炎症を抑える薬を足す
だから 顕微鏡で確かめる意味がある 組み合わせが変わる

「耳の薬をもらったのに治らない」という場合、いる相手が違っていたということがあります。

治療は、洗うことが中心です

マラセチア性皮膚炎の症状を改善するために、シャンプー療法を実施する場合があります。

マラセチア性外耳炎の際には、外耳道洗浄を実施します。

薬で叩くだけでなく、増えたものを物理的に減らす——それがこの病気の治療になります。

耳を洗うのは、病院で

外耳道の洗浄は、病院で行うものです。

家で綿棒を使うのは、すすめられません。汚れを奥に押し込んでしまうことがあります。

また鼓膜の状態によっては、使える洗浄液が変わります。

自己流で洗わず、まず診てもらってください。鼓膜が破れていると、使えない薬があるためです。

薬とあわせて行います

  • 抗真菌薬で、マラセチアを減らす
  • 点耳薬を、決められた回数使う
  • 炎症が強ければ、それを抑える薬も使う
  • 細菌が混じっていれば、抗生物質も使う
  • シャンプー療法で、皮膚の状態を整える
  • 基礎疾患があれば、そちらの治療を進める

基礎疾患があれば、そちらの病気の治療がベースになります。

マラセチアを減らす治療は、その上に乗るもの——そう考えてください。

🩺 獣医療の現場では

「洗ってもらうと、しばらくよくなる」——この訴えは、背景に別の理由がある合図であることがあります。

洗浄は、いま増えているものを減らします。けれど増えやすい状態そのものが残っていれば、また戻ります。三度めの洗浄になったら、「原因を調べる方法はありますか」と聞いてみてください。

くり返すときに、考えること

この病気で困るのは、くり返すことです。

治療すればよくなる。けれどしばらくすると、また同じになる。そのくり返しには、理由があります。

くり返すときに探すこと
くり返す理由 確かめること
基礎疾患がある アレルギー、内分泌、ウイルス感染症など
耳の構造の問題 通気が悪い、狭い、できものがある
治療が途中で終わっている 見た目がよくなってやめていないか
環境の湿度 蒸れやすい季節や場所ではないか
皮脂が多い体質 脂漏症の傾向がないか
細菌が混じっている マラセチアだけを叩いても足りていないか

「またか」で終わらせず、そのつど原因を考える——それが、くり返しを断つ道になります。

湿度も、関わります

マラセチアは湿った環境で増えやすいものです。

暖かい気候や湿度の高い時期には、症状が出やすくなります。

耳の中が蒸れやすい猫、皮膚のたるみがある猫ではその部分に増えやすくなります。

季節によって悪くなるという猫では、その時期の前から手を打っておくと楽になります。

放っておくと、奥へ進みます

外耳炎を放置すると、炎症が耳の奥へ広がることがあります。

鼓膜の向こう側まで進めば中耳炎になり、ふらつきや、顔の神経の症状が出ることもあります。

また、慢性化すると耳の穴そのものが狭くなっていくことがあります。そうなると、洗浄も薬も届きにくくなります。

「におうだけ」の段階で手を打つことに意味があるのは、このためです。

耳のケアで、気をつけること

耳の掃除は、やりすぎても、やらなさすぎても問題になります。

洗いすぎると、皮膚を傷つけてかえって炎症を招くことがあります。

綿棒は、使わないでください

人の耳掃除の感覚で綿棒を使うと、汚れを奥へ押し込んでしまいます。

猫の耳の穴はL字に曲がっているため、奥まで見えません。

見えるところを、やさしく拭くだけにとどめてください。

  • 綿棒を、耳の奥に入れない
  • 見える範囲を、やわらかい布で拭く程度に
  • 洗浄液は、獣医師にすすめられたものを使う
  • 頻度も、指示された範囲で行う
  • 痛がるなら、無理に続けない
  • においや色の変化に気づいたら、受診する

掃除より、観察のほうが大事です。においと耳垢の色を見ていれば、変化に早く気づけます。

撫でるついでに耳をめくって、一週間に一度、においを嗅ぐ——その習慣があれば、じゅうぶんです。

そして耳を触らせてくれるように慣らしておくことも、治療のときに効いてきます。点耳薬を毎日使うことになるかもしれないからです。

よくある質問

Q. マラセチア症とは、どんな病気ですか?

A. 猫の正常な皮膚にも存在するマラセチアという酵母が、異常に増殖して起こる皮膚炎や外耳炎です。外から来るものではなく、もともといるものが増える病気です。

Q. どこに症状が出ますか?

A. 猫では、外耳炎でみられることがほとんどです。皮膚炎として出ることもありますが、数は多くありません。

Q. どんなにおいがしますか?

A. 脂漏臭という、酸っぱく脂っぽい独特の悪臭です。一度知ると忘れないにおいで、この病気を強く示す手がかりになります。

Q. 耳垢の様子に、特徴はありますか?

A. 茶褐色で、べたついた耳垢が増えます。黒くて乾いたコーヒーかすのような耳垢なら、耳ヒゼンダニなど別のものを考えます。

Q. 皮膚に出ると、どうなりますか?

A. 脱毛や、皮膚が脂っぽくべたべたする、フケが増えるといった症状です。触ると手がべたつくような感じになることがあります。

Q. うつりますか?

A. うつりません。常在しているものが増える病気なので、ほかの猫にも、人にも通常はうつりません。

Q. どうやって診断しますか?

A. 耳垢や皮膚の表面を採り、染色して顕微鏡で観察します。常在しているものなので、少数見つかるだけでは病気とは言えず、異常に増えているかどうかを見て判断します。

Q. 治療はどうしますか?

A. マラセチア性外耳炎では外耳道洗浄を、皮膚炎ではシャンプー療法を実施することがあります。あわせて抗真菌薬などを使います。

Q. 家で耳を洗ってもよいですか?

A. 自己流では行わないでください。綿棒は汚れを奥に押し込んでしまいますし、鼓膜の状態によっては使えない洗浄液もあります。まず診てもらってください。

Q. 何度もくり返します

A. 背景に別の理由があるかもしれません。猫のマラセチア症、とくに皮膚炎では、原因となる基礎疾患の存在が強く疑われます。

Q. どんな基礎疾患を探すのですか?

A. アレルギー、内分泌の病気、ウイルス感染症、腫瘍などです。免疫が落ちる病気があると、常在するものが問題になりやすくなります。

Q. 季節によって、悪くなります

A. マラセチアは湿った環境で増えやすいためです。暖かく湿度の高い時期には症状が出やすくなります。その時期の前から手を打っておくと楽になります。

まとめ|においは、立派な手がかりです

この病気には、においという分かりやすい合図があります。

酸っぱく、脂っぽい独特のにおい。そして茶褐色の、べたついた耳垢。

猫では、耳に出ることがほとんどですから、まず耳を見てください。

そして、この病気はもともといるものが増える病気です。

増えたということは、抑えが効かなくなったということ——くり返すなら、その理由を探してもらってください。

耳の病気は、猫にとって不快なものです。頭を振り続け、かき続け、落ち着いて眠れなくなります。

そして放っておけば、奥へ進みます。においに気づいた時点が、いちばん手当てしやすい段階です。そこで動いてください。

今日できる3つ

  • 1猫の耳に鼻を近づけて、においを確かめてみる
  • 2耳垢の色を見て、茶褐色でべたついていないか確かめる
  • 3頭を振る、耳をかくといった仕草が増えていないか見ておく

この皮膚病は、においで気づけます。触るより先に、においを嗅いでみてください。

モフ@ペット好き

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