

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の線維軟骨塞栓症|痛がらないのに、動かなくなります」です。ではどうぞ!
さっきまで走っていたのに、急に後ろ足が動かなくなった。
けれど、痛がる様子はない——
その「痛がらない」ことが、手がかりです。
線維軟骨塞栓症は、脊髄の血管が詰まって起こる病気です。突然、麻痺が起こります。そして、痛みを伴いません。
結論
線維軟骨塞栓症とは線維軟骨が脊髄の血管に詰まり、その先の神経が傷んでしまう病気です。線維軟骨塞栓症は痛みを伴わず、突然足に麻痺が起こります。足の麻痺は非対称性で、麻痺が起こる場所は血管が詰まった場所により変わります。線維軟骨塞栓症の原因は明らかになっておらず、線維軟骨が血管に侵入する過程も解明されていません。犬では4〜6歳の若齢から中年齢での発生が多く、猫では高齢での発生が多いといわれています。線維軟骨塞栓症の検出には、通常、磁気共鳴画像検査が行われます。確定診断は病理組織検査で、血管が詰まった場所に軟骨物質が見られることですが、一般的には症状や経過、画像検査の所見などで仮診断とします。発生する原因はわかっておらず、予防方法はありません。猫における他の後肢麻痺の原因としては、椎間板ヘルニア、脊髄腫瘍、猫伝染性腹膜炎なども挙げられます。
この記事でわかること
- ✓痛がらないことが、手がかりです
- ✓血栓症とは、別の病気です
- ✓脊髄の血管が、詰まります
- ✓左右で、出方が違います
- ✓猫では、高齢に多いのです
- ✓画像で、確かめます
- ✓支えることが、治療になります
- ✓回復する猫が、います
痛がらないことが、手がかりです
まず、いちばん大事な特徴から。
突然、麻痺が起こります
線維軟骨塞栓症は痛みを伴わず、突然足に麻痺が起こります。
前ぶれなく、いきなり始まります。
走っていた最中に、崩れることもあります。
けれど、痛がりません
ここが、決定的な特徴です。
動かないのに、静かにしている——
触っても、鳴いたり逃げたりしません。
最初の数時間で、悪くなることもあります
始まってから、しばらくは進むことがあります。
その後、そこで止まるのが特徴です。
じわじわ悪くなり続ける病気とは、そこが違います。
だから、様子を伝えてください
「痛がっているかどうか」を
必ず伝えてください。
そのひと言で、疑う病気が変わります。
急に始まったことも、大事な情報です
いつから動かないか——
「さっきまで普通だった」なら、それは重要な手がかりです。
じわじわ進んだ場合とは、考える病気が変わります。
血栓症とは、別の病気です

いちばん間違えたくない区別です。
動脈血栓塞栓症は、激痛を伴います
突然、後ろ足が動かなくなる病気です。
けれどあちらは、激しい痛みを伴います。
大きな声で鳴き続けます。
足の温かさも、違います
動脈血栓塞栓症では、足が冷たくなり、肉球の色が変わります。
血が届いていないからです。
線維軟骨塞栓症では、そうなりません。
背景にあるものも、違います
動脈血栓塞栓症では、心臓の病気が背景にあります。
線維軟骨塞栓症は、脊髄の血管の問題です。
まったく別の病気です。
どちらも、すぐに受診してください
区別は、病院でつけてもらうものです。
家では「痛がるかどうか」だけ、見ておいてください。
そして、その日のうちに向かってください。
そのままの姿勢で、運んでください
抱き上げるとき、体をねじらないでください。
板や箱に乗せて、そのまま運ぶのが
いちばん安全です。
背骨の病気である可能性も、残っているからです。
- 急に、足が動かなくなった
- 痛がっているか、静かにしているか
- 足は温かいか、冷たいか
- 肉球の色が、変わっていないか
- どの足が動かないか
- 尿が出ているかどうか
この六つを見ておけば、診察がずいぶん早く進みます。
脊髄の血管が、詰まります

体で何が起きているのかです。
線維軟骨が、血管に入ります
線維軟骨とは
背骨のあいだにある、クッションを作っている組織です。
それが、なぜか血管の中へ入ってしまいます。
その過程は、分かっていません
線維軟骨が血管に侵入する過程も、解明されていません。
なぜ起こるのかが、はっきりしない病気です。
だから、予防のしようもありません。
詰まると、神経が傷みます
脊髄の血管が詰まれば、その先へ血が届きません。
神経は、血が止まるとすぐに傷みます。
だから、突然の麻痺になります。
脳の梗塞と、同じ仕組みです。
脳の血管でも、似たことが起こります
血管が詰まって起こる病気です。
脊髄で起これば麻痺、脳で起こればふらつきやけいれん——
場所で、現れ方が変わります。
左右で、出方が違います
もうひとつの特徴です。
非対称に、麻痺が出ます
足の麻痺は非対称性です。
片方だけ動かない、あるいは左右で程度が違う——
そういう出方をします。
詰まった場所で、範囲が決まります
麻痺が起こる場所は、血管が詰まった場所により変わります。
首のあたりなら、前足にも出ます。
腰のあたりなら、後ろ足だけです。
だから、どの足かを伝えてください
右の後ろ足だけなのか、
左半身なのか——
それが、詰まった場所を教えてくれます。
動画に撮っておくと、正確に伝わります。
⚠ すぐに受診してください
急に、足が動かなくなった。
立てない、体を引きずっている。
尿が出ていないようだ。
痛がって、鳴き続けている。
痛がる場合は、動脈血栓塞栓症の可能性もあります。
受診のときに、伝えてほしいこと
| 伝えること | なぜ必要か |
|---|---|
| いつから動かないか | 急かどうかで、疑う病気が変わる |
| 痛がっているか | この病気との区別に、直結する |
| どの足か | 詰まった場所の見当がつく |
| 足の温かさ | 血栓症との区別に使う |
| 尿が出ているか | 緊急性の判断に関わる |
慌てていても、この点だけは思い出してください。
猫では、高齢に多いのです
年齢の傾向です。
犬とは、年齢層が違います
犬では4〜6歳の若齢から中年齢での発生が多く、猫では高齢での発生が多いといわれています。
猫では、年をとってから起こりやすいということです。
高齢だと、ほかの病気も疑われます
高齢の猫が急に立てなくなれば、考える病気は複数あります。
だから、区別することが大事になります。
原因は、分かっていません
線維軟骨塞栓症が発生する原因はわかっておらず、予防方法はありません。
飼い方が悪かったわけではありません。
そこは、ご自分を責めないでください。
高いところから飛び降りたせいでも、遊びすぎたせいでもありません。
誰にも防げないものです。
画像で、確かめます

診断の進め方です。
磁気共鳴画像検査が行われます
線維軟骨塞栓症の検出には、通常、磁気共鳴画像検査が行われます。
脊髄の状態を、詳しく見られる検査です。
麻酔が必要で、行える施設も限られます。
確定は、難しいのです
確定診断は病理組織検査で、血管が詰まった場所に軟骨物質が見られることです。
つまり、生きているうちには確定できません。
だから、仮診断で進めます
一般的には、症状や経過、画像検査の所見などで仮診断とします。
突然、痛みなく、非対称に麻痺した——
そこに画像の所見が加われば、十分に治療を始められます。
まず、レントゲンと血液検査から
骨折や、心臓の病気がないかを
先に確かめます。
そこで血栓症の可能性を絞ることもできます。
すぐにできる検査から、進めていきます。
ほかの病気を、除いていきます
猫における他の後肢麻痺の原因としては、椎間板ヘルニア、脊髄腫瘍、猫伝染性腹膜炎なども挙げられます。
脊髄腫瘍であれば、
まったく別の治療になります。
だから、調べる意味があります。
支えることが、治療になります

治療と介護のことです。
詰まりを、取ることはできません
すでに起きてしまった塞栓を、取り除く方法はありません。
だから、治療は支えることが中心になります。
炎症を抑える薬が使われることもあります。
リハビリが、大事になります
動かない足を、動かしてあげる——
関節が固まらないようにする——
それが、回復を支えます。
やり方を、必ず教わってください。
無理に動かすと、かえって痛めます。
加減が分からないときは、見てもらいながら覚えてください。
尿が出ているか、必ず見てください
麻痺の範囲によっては、自分で尿を出せなくなることがあります。
これは、命に関わります。
トイレに行っているのに砂が濡れていないなら、
すぐに連絡してください。
早い段階の治療が、勧められます
神経のむくみを抑える治療が
早い段階で行われることがあります。
だから、その日のうちに受診してほしいのです。
翌日まで待つと、できることが減ることがあります。
床ずれにも、気をつけてください
寝たきりになれば、同じ場所が圧迫されます。
体の向きを、こまめに変えてください。
やわらかい寝床を、用意してください。
汚れたら、すぐ替えてください。
濡れたままだと、皮膚が傷みやすくなります。
| 確かめること | なぜ大事か |
|---|---|
| 尿が出ているか | 出せなければ、命に関わる |
| 便が出ているか | 溜まると、食欲にも響く |
| 床ずれがないか | 寝たきりでは、数日でできる |
| 動きが戻ってきたか | 回復の兆しを、見逃さない |
| 食べているか | 食べない日が続くのは、猫では危険 |
暮らしの環境を、整えてください
- 床にマットを敷き、踏ん張れるようにする
- 段差を減らし、低い踏み台を置く
- トイレのふちを、またぎやすいものに替える
- 寝床を、やわらかいものにする
- 水と食事を、届く場所に置く
- 転落しそうな場所を、なくしておく
環境を変えるだけで、できることが増えることがあります。
回復する猫が、います
希望のある部分です。
時間とともに、戻ることがあります
傷んだ神経のまわりが落ち着けば、機能が戻ってくることがあります。
数週間かけて、少しずつ——
そういう経過をたどる猫がいます。
どこまで戻るかは、範囲によります
傷んだ範囲が狭ければ、よく戻ります。
広ければ、後遺症が残ることもあります。
最初の数日で、見通しがある程度わかります。
痛みがないことは、救いでもあります
動けないのはつらいことですが、
痛みがないぶん、猫自身は穏やかに過ごせます。
食欲も、保たれることが多いものです。
食べられることが、回復を支えます。
再発は、しにくいとされています
一度起きたからといって、くり返すとは限りません。
そこは、椎間板の病気とは違うところです。
回復したあとは、ふつうに暮らしている猫がいます。
介護が必要でも、道はあります
麻痺が残った場合でも、支える道具があります。
床ずれを防ぐ寝具、排泄の介助の方法——
相談すれば、教えてもらえます。
ひとりで抱え込まないでください。
三本足でも、暮らせます
片足に麻痺が残っても、猫は驚くほど順応します。
床を滑らなくする、段差を減らす——
環境を整えれば、暮らしていけます。
猫は、自分の状態を受け入れるのがとても早い動物です。
飼い主さんのほうが、長く落ち込んでしまうことがあります。
回復の経過には、目安があります
| 時期 | 見ていくこと |
|---|---|
| 最初の数日 | これ以上悪くならないかを見る |
| 一〜二週間 | わずかでも動きが戻るか |
| 数週間から数か月 | 少しずつ、機能が戻ってくる |
| それ以降 | 残った範囲で、暮らし方を整える |
| 共通して | 尿が出せているかを、毎日確かめる |
焦らず、しかし毎日見てあげてください。
家で、続けてほしいこと
- 毎日、尿が出ているか確かめる
- 教わったリハビリを、続ける
- 床にマットを敷き、滑らないようにする
- トイレを、寝床の近くに置く
- 寝たきりなら、体の向きを変える
- 動きの変化を、動画で記録する
週ごとに動画を撮っておくと
回復しているかどうかが分かります。
🩺 痛がるかどうかを、見てください
「急に動かなくなったのに、痛がらない」——
それが、この病気を疑う手がかりです。
激しく鳴くなら、動脈血栓塞栓症の可能性が高くなります。
どちらにしても、その日のうちに来てください。
この記事の要点
痛みを伴わず、突然足に麻痺が起こります。
麻痺は非対称性で、血管が詰まった場所により範囲が変わります。
猫では高齢での発生が多いとされ、原因も予防方法も分かっていません。
ほかの後肢麻痺の原因として、椎間板ヘルニア、脊髄腫瘍、猫伝染性腹膜炎なども挙げられます。
Q. どんな病気ですか?
A. 線維軟骨が脊髄の血管に詰まり、その先の神経が傷んでしまう病気です。
Q. どんな症状が出ますか?
A. 痛みを伴わず、突然足に麻痺が起こります。
Q. 痛がらないのですか?
A. 痛みを伴いません。そこが、この病気を疑う大きな手がかりになります。
Q. 動脈血栓塞栓症とは違うのですか?
A. 違います。動脈血栓塞栓症では激しい痛みを伴い、足が冷たくなります。
Q. 両足とも動かなくなりますか?
A. 麻痺は非対称性です。片方だけ、あるいは左右で程度が違う出方をします。
Q. なぜ起こるのですか?
A. 原因は明らかになっておらず、線維軟骨が血管に侵入する過程も解明されていません。
Q. 予防できますか?
A. 原因がわかっておらず、予防方法はありません。飼い方が悪かったわけではありません。
Q. 何歳ごろに多いですか?
A. 猫では高齢での発生が多いといわれています。犬では4〜6歳の若齢から中年齢に多いとされます。
Q. どうやって診断しますか?
A. 通常、磁気共鳴画像検査が行われます。
Q. 確定できますか?
A. 確定診断は病理組織検査になります。一般的には、症状や経過、画像検査の所見などで仮診断とします。
Q. ほかに、どんな病気が考えられますか?
A. 椎間板ヘルニア、脊髄腫瘍、猫伝染性腹膜炎なども後肢麻痺の原因として挙げられます。
Q. 治療はどうしますか?
A. 詰まりを取り除く方法はないため、支える治療とリハビリが中心になります。
Q. 回復しますか?
A. 時間とともに戻ることがあります。傷んだ範囲が狭ければ、よく戻る傾向があります。
Q. いちばん気をつけることは?
A. 尿が自分で出せているかどうかです。出せていないなら、すぐに連絡してください。
Q. 家では何をすればよいですか?
A. 床を滑らなくし、トイレを近くに置いてください。教わったリハビリを、毎日続けてください。
まとめ|「痛がるかどうか」を、見てください
急に、足が動かなくなった——
そのとき、まず見てほしいのは「痛がっているかどうか」です。
激しく鳴くなら、動脈血栓塞栓症かもしれません。
静かにしているなら、この病気かもしれません。
そのひと言が、診察を大きく進めます。
そしてこの病気は、原因も予防方法も分かっていません。
飼い方のせいではありません。
けれど、支えることで戻る猫がいます。
尿が出ているかを、毎日確かめてください。
今日できる3つ
- 1動かない様子を動画に撮り、どの足かを記録する
- 2痛がっているかどうかを、はっきり伝える
- 3尿が出ているか、トイレの砂を毎日確かめる
突然の麻痺には、いくつかの原因があります。「痛がらない」ことが、この病気の目印です。

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