

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「ワイマラナーの飼い方|留守番ができないという課題」です。ではどうぞ!
帰宅したら、ドアの周りが壊されていた。
近所から、「ずっと吠えている」と言われた——
ワイマラナーを飼っている方から、こうした相談はよく聞かれます。
そして多くの場合、「しつけができていない」と考えてしまいます。
けれど、それは違うかもしれません。
分離不安。
飼い主から離れることに強い不安を感じる状態で、ワイマラナーはこの犬種のなかでもなりやすいとされています。
叱っても、直りません。不安は、叱って減るものではないからです。
この記事では、分離不安をどう見分け、どう向き合うかを書いていきます。
結論
ワイマラナーは飼い主から離れることを極端に苦手とする犬種です。留守番中の破壊・吠え・粗相はしつけの失敗ではなく、不安の症状であることがあります。叱っても不安は減りません。対応は短時間の留守番から練習すること、そして1日2回・各60分の運動でエネルギーを満たすこと。改善しない場合は、行動診療を扱う獣医師に相談してください。
この記事でわかること
- ✓分離不安という、行動の問題
- ✓しつけの失敗と、どう見分けるか
- ✓留守番の練習という、地道な作業
- ✓運動不足が、不安を増やす
- ✓この犬種の、本来の姿
分離不安という、行動の問題

分離不安は、飼い主と離れることに強い不安を感じる状態です。
「寂しがり屋」という性格の話ではありません。
犬にとっては、パニックに近い状態になっていることがあります。
| 症状 | 特徴 | しつけの問題との違い |
|---|---|---|
| 破壊行動 | 出入口の周辺に集中する | いたずらなら場所は散らばる |
| 吠え続ける | 出かけた直後から始まる | 要求吠えなら人がいるときに出る |
| 粗相 | 普段はできているのに失敗する | 覚えていないわけではない |
| 大量のよだれ | 不安による生理的な反応 | いたずらでは起きない |
| 自分の体を舐め続ける | 強いストレスのサイン | 皮膚炎につながる |
見分けの手がかりは、「留守番中に限って起きるかどうか」です。
人がいるときは何の問題もないのに、出かけた途端に始まる——
そして、出かけて数分以内に始まることが多いのも特徴になります。
⚠ 叱っても、悪化するだけです
帰宅して、壊された家具を見て叱る——これは、まったく効きません。
犬は、数時間前の行動と叱責を結びつけられません。分かるのは「飼い主が帰ってくると怖いことが起きる」ということだけです。
結果として、帰宅時への不安が増し、留守番中の不安も強まります。叱ることは、確実に悪化させる対応だと考えてください。
留守番中の様子を、記録してみる
実際に何が起きているかを知ることが第一歩です。
スマートフォンやカメラで留守番中を録画してみてください。
- 出かけて何分後に、行動が始まるか
- 吠えているのか、うろうろしているのか
- ドアの前から動かないのか
- 途中で落ち着く時間があるのか
- よだれの量はどうか
- これらを記録して、受診時に見せる
「出かけた直後の10分間がいちばん激しい」——
そういうパターンが多く見られます。
この情報があると、対策の立て方が変わってきます。
そして、思っていたより落ち着いていたということも実際にあります。
「壊されていた」という結果だけを見て最悪を想像していたけれど、実は最初の5分だけだった——そういう例も少なくありません。まずは、実際を知るところからです。
しつけの失敗と、どう見分けるか
分離不安と、単なる退屈やいたずらは対応がまったく違います。
| 項目 | 分離不安 | 退屈・運動不足 |
|---|---|---|
| 起きるタイミング | 出かけた直後から | 時間が経ってから |
| 場所 | 出入口の周辺に集中 | あちこちに散らばる |
| よだれ | 大量に出ることがある | 出ない |
| 人がいるとき | 後をついて回る | 普通に過ごす |
| 対応 | 不安を減らす | 運動と刺激を増やす |
実際には、両方が混ざっていることも多いものです。
運動が足りていないところに不安が重なる——この組み合わせが、もっともよく見られます。
だから、運動を増やすことと留守番の練習を、同時に進めるのが現実的な方針になります。
「まず運動を増やしてみる」のは、すぐに始められて効果も見えやすいため最初の一手として向いています。
それで改善が見られたなら、退屈が大きかったということ。
変わらないなら、不安のほうが主な原因だと考えられます。
留守番の練習という、地道な作業

基本の考え方は単純です。
「犬が不安を感じない距離と時間」から始めて、少しずつ広げる——
| 段階 | 内容 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 同じ部屋で、離れて過ごす | 数分から |
| 第2段階 | 別の部屋に移動する | 5〜10分 |
| 第3段階 | 玄関から出て、すぐ戻る | 1分から |
| 第4段階 | 外出時間を延ばしていく | 少しずつ |
| 共通のコツ | 出入りを大げさにしない | 淡々と行う |
もっとも大切なのが、「出入りを大げさにしない」ことです。
出かける前に長々と声をかけ、帰宅時に大騒ぎで喜ぶ——
これは、犬にとって「留守番は一大事」だと教えていることになります。
- 出かけるときは、何も言わずに出る
- 帰宅しても、しばらくは普通に過ごす
- 犬が落ち着いてから、あらためて声をかける
- 留守番中に楽しめるおもちゃを用意する
- そのおもちゃは、留守番のときだけ出す
- 失敗しても叱らない——不安が増すだけ
「留守番のときだけ出すおもちゃ」は有効な手です。
知育トイにフードを詰めておけば、出かけた直後のいちばん不安な時間をそれに向けさせられます。
子犬のうちから、始めておく
いちばん効くのは、問題が起きる前に練習しておくことです。
子犬を迎えた直後は、つい四六時中そばにいてしまいがちです。
気持ちは分かりますが、この犬種ではそれが後の問題につながります。
「一人でいる時間があるのは普通のこと」と最初から教えておく——
それが、いちばん確実な予防になります。
迎えた最初の週から、1日に数回、数分間だけ別の部屋に行く——
そこから始めてみてください。
それでも改善しないときは
練習を続けても改善しない——
そういう場合があります。
そのときは、行動診療を扱う獣医師に相談してください。
分離不安は、行動の「病気」として扱われることがあります。
不安を和らげる薬を使いながら練習を進める——そういう方針がとられることもあります。
「薬に頼るのはかわいそう」と考える方もいますが、不安のなかで何時間も過ごすほうが犬にとってはつらいことです。
一人で抱え込まないでください。
近隣からの苦情や、壊れた家具——飼い主のほうも追い詰められていきます。
「相談していい問題なのだ」と知っておくだけでも、気持ちの持ちようは変わってきます。
運動不足が、不安を増やす

ワイマラナーは、狩猟犬として作られた犬です。
そして、その運動量の要求は非常に高い——
1日2回、各60分が目安とされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 散歩 | 1日2回、各60分程度 |
| 向いている運動 | 速歩・ジョギング・自由運動 |
| 頭を使う時間 | 1日10〜15分 |
| 向いている遊び | においで探す・持ってくる |
| 成長期 | 1歳半までは走らせすぎない |
| 食後 | 1時間は激しい運動を避ける |
「ただ歩くだけ」では足りない犬種です。
においを嗅ぐ時間、自由に走れる時間、頭を使う時間——
これらが組み合わさって初めて満たされます。
そして、運動が足りていない犬は不安にも弱くなります。
体力もエネルギーも余った状態で留守番をさせれば、行動として出るのは当然です。
食後の運動と、胃捻転
ただし、注意点があります。
ワイマラナーは胸の深い犬種で、胃拡張・胃捻転のリスクを抱えています。
数時間で命に関わる緊急疾患です。
- 1日の食事を2〜3回に分けて与える
- 早食い防止の食器を使う
- 食後1時間は激しい運動をさせない
- 水を一気に大量に飲ませない
- お腹が張る・吐こうとして吐けない・落ち着かない
- この3つが揃ったら、夜間でもすぐ受診
「運動が必要な犬種」と「食後は休ませる」——
この2つを両立させるには、散歩と食事の順番を決めておくのが確実です。
散歩に行ってから、落ち着いた頃に食事を与える——この順番にしておけば迷いません。
環境でできる、不安を減らす工夫
練習と並行して、環境のほうでできることもあります。
| 工夫 | 内容 | 狙い |
|---|---|---|
| 安心できる場所を作る | サークルや囲われた空間 | 「自分の場所」ができる |
| 外の音を減らす | ラジオや音楽を小さくかける | 物音への反応を減らす |
| 窓の見え方を調整する | 通行人が見えないようにする | 刺激を減らす |
| 知育トイを用意する | フードを詰めて留守番前に渡す | 最初の10分を乗り切る |
| 飼い主のにおい | 着ていた服を寝床に置く | 安心材料になることがある |
とくに「最初の10分」が重要になります。
分離不安では、出かけた直後がもっとも激しいためです。
その時間を、知育トイに向けさせられれば山を越えられることがあります。
- フードを詰めた知育トイを、出かける直前に渡す
- そのトイは、留守番のときだけ出す
- 冷凍しておくと、食べ終わるまで時間がかかる
- 飲み込める大きさのものは使わない
- 留守中の室温管理も忘れずに
- カメラで、実際に使っているか確認する
「不安が強すぎると、食べ物にも興味を示さない」——
これも、重症度を測る手がかりです。
知育トイに見向きもしないなら、練習の段階をもっと戻す必要があります。
この犬種の、本来の姿

ワイマラナーは、ドイツで作られた狩猟犬です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 体重 | オス30〜40kg/メス25〜35kg |
| 平均寿命 | 10〜13年 |
| 性格 | 賢い・活発・人に強く依存する |
| 被毛 | 短毛。銀灰色が特徴 |
| 運動量 | 1日2回、各60分 |
| 手入れ | ブラッシング週1〜2回。トリミング不要 |
「銀の幽霊(シルバー・ゴースト)」と呼ばれることがあります。
銀灰色の被毛と、青灰色や琥珀色の目——
その独特の色合いが、この犬種の何よりの特徴です。
子犬のころは、目が澄んだ青色をしています。
成長とともに、琥珀色に変わっていく——これも、この犬種を飼う楽しみのひとつだと言えます。
ドイツのワイマール地方がこの犬種の名前の由来です。
貴族が管理し、外部に出さなかった時期があるとも伝えられています。
大型の獣を追い、のちに鳥猟にも使われるようになった——その過程で、持久力と俊敏さの両方が備わっていきました。
1日2回・各60分という運動量は、その歴史から来ています。
なぜ、人に依存するのか
この犬種が飼い主から離れたがらない理由にも歴史的な背景があります。
ワイマラナーは、貴族の狩猟犬として作られた犬です。
猟師と一対一で行動し、常に近くで働く——
そういう仕事のかたちが、「人のそばにいる」ことを当たり前にしました。
屋外につないで飼うことは、この犬種にはまったく向きません。
室内で、家族とともに過ごす——それが前提だと考えてください。
そのほかに、注意したい病気
分離不安と胃捻転のほかにも、この犬種で知られている病気があります。
| 病気 | 内容 | 気づき方 |
|---|---|---|
| 股関節形成不全 | 大型犬に共通 | 腰を振って歩く |
| 眼瞼内反症 | まぶたが内側に巻く | 目をこする・涙が増える |
| 甲状腺機能低下症 | 元気がなくなり、太る | 血液検査で分かる |
| 皮膚のトラブル | 短毛で皮膚が露出している | 赤み・かさぶた |
| 悪性腫瘍 | 中高齢で増える | 体表のしこり |
短毛の犬種ですから、体表のしこりは触れば分かりやすいという利点があります。
- 月に一度、手のひらで全身をなでる
- 首・脇の下・内股・股の付け根を重点的に
- 見つけたら、大きさをメモして受診する
- 短毛でも、日光による皮膚の負担はある
- 寒さには弱い——冬の散歩には服を検討する
- 年1回、高齢期は年2回の健康診断を受ける
短毛で下毛が少ないため、この犬種は寒さに弱いという面もあります。
冬の散歩には服を着せることを検討してください。
手入れそのものは楽です。ブラッシングは週1〜2回、トリミングは不要——手のかからない被毛だと言えます。
よくある質問
Q. 留守番中に家具を壊します。しつけの問題ですか?
A. 分離不安の可能性があります。出入口の周辺に集中している、出かけた直後から始まる、大量のよだれが出ている——これらは不安の症状です。叱っても不安は減らず、むしろ悪化します。
Q. 帰宅してから叱ってもいいですか?
A. 絶対に叱らないでください。犬は数時間前の行動と叱責を結びつけられません。分かるのは「飼い主が帰ってくると怖いことが起きる」ということだけで、結果として留守番中の不安が強まります。
Q. 留守番の練習は、どう進めればいいですか?
A. 犬が不安を感じない時間から始めて、少しずつ延ばしてください。同じ部屋で離れる→別の部屋へ→玄関から出てすぐ戻る、という順番です。出入りを大げさにしないことが、いちばん重要なコツになります。
Q. 練習しても改善しません。
A. 行動診療を扱う獣医師に相談してください。分離不安は、行動の「病気」として扱われることがあります。不安を和らげる薬を使いながら練習を進めるという方針もあります。一人で抱え込まないでください。
Q. 散歩はどれくらい必要ですか?
A. 1日2回、各60分が目安です。ただ歩くだけでは足りません。においを嗅ぐ時間、自由に走れる時間、頭を使う時間を組み合わせてください。
Q. 食後にすぐ散歩に行ってもいいですか?
A. 1時間は空けてください。胸の深い犬種で、胃拡張・胃捻転のリスクがあります。散歩に行ってから落ち着いた頃に食事を与える——この順番にしておけば迷いません。
Q. 屋外で飼えますか?
A. まったく向きません。貴族の狩猟犬として、猟師と一対一で行動してきた犬種です。人のそばにいることが前提で、屋外につないで飼えば分離不安を悪化させます。
まとめ|不安は、叱って減るものではない
ワイマラナーは、飼い主から離れることを極端に苦手とする犬種です。
留守番中の破壊や吠えは、しつけの失敗ではなく不安の症状かもしれません。
叱っても、直りません。それどころか、帰宅への不安が増して悪化します。
できるのは、不安を感じない時間から少しずつ練習すること——
そして、十分に運動させることです。
1日2回、各60分。体力が余った状態で留守番をさせても、うまくいきません。
それでも改善しないなら、獣医師に相談してください。
この犬種は、人のそばにいるために作られてきた犬です。そばにいられる暮らしを用意できるなら、これほど深く懐く犬種はそう多くありません。
依存の強さは、裏を返せば愛情の深さでもあります。
その気質を「困ったもの」ではなく「そういう犬なのだ」と受け止められるかどうか——
それが、この犬種との相性を決めます。
今日から始める3つ
- 1留守番中の様子を録画して、何分後に何が起きているか確認する
- 2出かけるときも帰るときも、声をかけずに淡々と行う
- 3散歩→落ち着く→食事、という順番を家族で決めておく
この犬種の留守番の問題は、性格ではなく不安から来ています。叱るのをやめて、練習に切り替えることが最初の一歩になります。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「ワイマラナーの飼い方|留守番ができないという課題」でした。
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