犬の病気    犬パラインフルエンザ|単独なら軽く、重なると重い

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犬パラインフルエンザ|単独なら軽く、重なると重い
犬パラインフルエンザ
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬パラインフルエンザ|単独なら軽く、重なると重い」です。ではどうぞ!

「パラインフルエンザ」という名前を初めて聞いたとき、多くの人は「犬もインフルエンザにかかるのか」と思うのではないでしょうか。

けれど、これは人のインフルエンザウイルスとはまったく別の種類のウイルスです。

人にうつることも、猫にうつることもないとされています。犬から犬へ——その経路だけを考えればよい病気です。

そして、この病気にははっきりした特徴があります。

単独で感染したときは、軽い。咳と鼻水が出るくらいで、元気も食欲も保たれることが多い。

ところが、他の病原体と重なると一気に重くなります。

この記事では、その「重なり」がなぜ危険なのかと、ワクチンをどう判断するかを整理していきます。

結論

犬パラインフルエンザは人のインフルエンザとはまったく別のウイルスで、人や猫にはうつらないとされています。単独感染では症状が軽いことが多く、咳・鼻水・くしゃみといった風邪のような症状で経過します。問題は他のウイルスや細菌と重なったとき——気管支炎から肺炎に進み、子犬では命に関わることもあります。ワクチンはノンコアの区分で、ペットホテル・ドッグラン・トリミング・多頭飼いなど他の犬と接する機会が多い犬では接種を検討する価値があります。

この記事でわかること

  • 人のインフルエンザとは別のウイルス
  • 単独なら軽い。問題は「重なったとき」
  • 現れる症状と、進行のサイン
  • 治療と、家庭でできること
  • ワクチンをどう判断するか

人のインフルエンザとは別のウイルス

人のインフルエンザとの違い
名前は似ていますが、まったく別のウイルスです。

まず、いちばん誤解されやすい点からはっきりさせておきます。

犬パラインフルエンザウイルスは、人のインフルエンザウイルスとはまったく別の種類のウイルスです。

誤解と、実際のところ
よくある誤解 実際
人の風邪がうつった 別のウイルス。人からはうつらない
犬から人にうつる うつらないとされている
猫にもうつる うつらないとされている
季節性の病気 季節を問わず、犬が集まる場で広がる
放っておけば治る 単独ならそうでも、重なると別

感染経路は飛沫です。感染した犬の咳やくしゃみを近くで吸い込むことでうつります。

そして、感染力は強い——だからこそ、犬が集まる場所で一気に広がります。

ペットショップ、ブリーダー、ペットホテル、トリミングサロン、ドッグラン、保護施設——こうした環境がこの病気の舞台になります。

そして、季節を問いません。

人のインフルエンザのように「冬に流行する」というものではなく、犬が集まる機会があればいつでも起こりうる——

夏休みにペットホテルへ預けた、連休に旅行先のドッグランへ行った——そうした時期のあとに咳が出ることは珍しくありません。

単独なら軽い。問題は「重なったとき」

単独感染と混合感染の違い
このウイルスの怖さは、単独ではなく重なったときに出ます。

この病気を理解するうえでいちばん大切なのが、この点です。

犬パラインフルエンザウイルスの単独感染では、症状は軽いとされています。

咳が出る。鼻水が出る。くしゃみをする。でも、元気はある。ごはんも食べる。——そういう経過をたどることが多いのです。

ところが、他のウイルスや細菌と同時に感染すると症状は一気に重くなります。

重なったときの進み方
状況 経過
単独感染 咳・鼻水。元気と食欲は保たれやすい
他のウイルスと重なる 粘膜の傷が深くなり、症状が長引く
細菌が加わる 咳が湿ってくる。発熱
さらに進む 気管支炎から肺炎へ
子犬・高齢犬では 命に関わることがある

なぜ、重なると重くなるのか。

ウイルスが気管の粘膜を傷つけると、そこは細菌にとって入り込みやすい場所になります。

守りが壊れたところに次の相手が入ってくる——この順序が、混合感染が重くなる理由です。

そして、こうして起こる呼吸器の症候群をまとめてケンネルコフと呼びます。パラインフルエンザはその主要な構成要素のひとつです。

「軽い病気」と油断しないでください

単独感染なら軽い——これは事実です。

けれど、実際には単独で終わらないことが多いのがこの病気です。

犬が集まる環境では、複数の病原体が同時に流行していることが珍しくありません。

「咳だけだから大丈夫」と判断せず、経過を見ておいてください。

現れる症状と、進行のサイン

現れる症状
風邪によく似た症状から始まります。

症状は、風邪によく似たものから始まります。

  • 咳——乾いた咳から始まることが多い
  • 鼻水——最初は透明。粘り気を帯びたら進行のサイン
  • くしゃみ
  • 目の炎症——充血、目やに
  • 発熱
  • 食欲不振、元気消失

初期の段階では、咳と鼻水が中心で元気も食欲も保たれています。

注意すべきは、そこから先に進むかどうかです。

進行を示す変化
変化 意味すること
鼻水が粘り気を帯びる 細菌感染が加わった可能性
咳が湿ってくる 気管支から下に炎症が及んでいる
熱が出る 全身に負担がかかっている
食欲がなくなる 単なる呼吸器症状の域を越えている
呼吸が速い・苦しそう 肺炎の可能性。急いで受診

「咳だけで元気がある」なら軽症のことが多い——

「咳+熱+食欲がない」ならその日のうちに受診——

この見分けを覚えておいてください。判断に迷ったときは、まず電話で相談してよい範囲の話です。遠慮する必要はありません。

目の症状が出ることもあります

見落とされやすいのが目の炎症です。

充血する、目やにが増える——呼吸器の症状に気を取られて気づかれないことがあります。

目やにの色と粘り気は、ほかの病気との見分けの手がかりにもなります。

黄色く粘る目やにと鼻水が同時に出て、下痢もある——そうした場合はジステンパーも考えることになります。

繰り返しますが、これを飼い主が見分ける必要はありません。「どんな症状が、いつから、いくつ出ているか」を記録して伝えれば十分です。

治療と、家庭でできること

ウイルスそのものに直接効く薬はありません。治療は、症状を和らげ、細菌の二次感染を防ぐことが中心になります。

行われる治療
治療 目的
抗菌薬 細菌の二次感染を抑える
気管支拡張剤 空気の通り道を広げる
咳止め 咳による消耗を減らす
ネブライザー 薬を霧にして吸わせる
安静 興奮させない。これも治療のうち
重症例 入院、点滴、酸素の管理

そして、家庭でできることがいくつかあります。

  • 加湿する。乾いた空気は咳を悪化させる
  • 首輪をやめて、ハーネスに替える
  • 興奮させない。激しい遊びは控える
  • 散歩は短めに。他の犬に近づけない
  • 煙やスプレーなど、刺激のあるものを避ける
  • 同居犬がいれば、しばらく分ける

首輪をハーネスに替えるのは、その場ですぐできて効果のはっきりした対策です。首輪が気管を圧迫すると咳の引き金になります。

そして、咳が止まっても薬を途中でやめないこと。症状が消えても病原体が残っていることがあります。

中途半端に切り上げると、再燃したり、薬が効きにくくなったりします。いつまで飲ませるかは、必ず獣医師の指示に従ってください。

なお、人用の咳止めを自己判断で与えないでください。犬にとって危険な成分が含まれていることがあります。

そもそも咳は、痰や異物を外に出すための体の反応でもあります。むやみに止めればよいというものではなく、どの段階で抑えるべきかは原因と進行の程度によって変わります。

回復までの目安

軽症であれば、1〜2週間ほどで咳は落ち着いてくることが多いとされています。

ただし、混合感染を起こしている場合は1か月ほどかかることもあります。

その間に見ておきたいのは咳の回数より、食欲と体重です。

咳は体力を消耗します。食べられているか、痩せてきていないか——そこが保たれていれば、回復に向かっている目安になります。

他の犬に、うつさないために

感染力の強い病気です。咳が出ているあいだは、予定を見送ってください。

  • ドッグラン・ペットホテルは、症状が落ち着くまで行かない
  • トリミングの予約は延期する
  • 散歩は、他の犬と会わない時間・場所を選ぶ
  • 同居犬がいれば、食器と寝床を分ける
  • 動物病院へ行くときは、事前に電話する
  • 世話をする順番は、健康な犬を先にする

「事前に電話する」——咳をしている犬をそのまま待合室に連れて行くと、そこにいる子犬や高齢犬にうつしてしまう可能性があります。

多くの動物病院では、別室や車で待つといった対応をしてくれます。ひと言連絡するだけで済むことです。

同居犬がいる家庭では、1頭に咳が出た時点で分けるのが基本になります。

ただ、現実には完全に分けきれないことも多いでしょう。

その場合でも、食器と水入れを分ける寝床を離す世話の順番を健康な犬から——できる範囲で構いません。

そして、他の犬にも咳が出ていないかを毎日見ておいてください。同時に治療を始められれば、全体として早く収まります。

診断と、受診のときに伝えること

この病気を単独で確定させる検査が日常的に行われるわけではありません。

実際には、症状と経過、そして「どこで、いつ、他の犬と接したか」から判断が組み立てられます。

行われる検査
情報・検査 何を見るか
問診 いつから、どんな咳か、来歴
聴診 肺や気管の音
身体検査 熱、鼻水の性状、目の状態
血液検査 炎症の程度、全身状態
レントゲン 肺炎になっていないか
病原体の検査 必要に応じて行われる

潜伏期間は数日ですから、直近1〜2週間の行動が重要な手がかりになります。

  • 咳が始まった日
  • 咳の音(動画があれば見せる)
  • 1日に何回くらい出るか
  • 鼻水の色と粘り気の変化
  • 直近2週間に行った場所、会った犬
  • ワクチンの接種状況(証明書を持参)

「直近2週間に行った場所」——トリミング、ホテル、旅行、ドッグラン、動物病院の待合室。

犬が他の犬と同じ空間にいた機会を思い出して伝えてください。そこが分かるだけで、疑う病気の順番が変わります。

そして、咳の動画。診察室では緊張して咳をしないことが多く、口で説明しても音の再現には限界があります。

ワクチンをどう判断するか

ノンコアワクチンの判断
生活のしかたによって必要性が変わります。

犬パラインフルエンザのワクチンはノンコアの区分に入ります。

コアワクチンが「生活環境に関わらずすべての犬に」とされているのに対し、ノンコアは「生活環境を考えて、必要な犬に」という位置づけです。

接種を考える目安
生活のしかた 接種の考え方
ペットホテルに預ける 接種を検討する価値が高い
ドッグランによく行く 同上
トリミングに定期的に通う 同上
多頭飼い 1頭が持ち込むと全頭に広がる
散歩で他の犬とよく会う 相談する価値がある
他の犬とほとんど会わない 獣医師と相談して決める

ペットホテルやトリミングサロンでは、接種を条件にしていることがあります。

預ける予定があるなら、先に施設の要件を確認してから接種の相談をすると二度手間になりません。

多くの施設では「接種から〇週間以上経っていること」という条件がついています。

預ける直前に打っても間に合わないことがありますから、予定が決まった時点で逆算して動いてください。

接種の時期や回数、副反応については混合ワクチンの記事で詳しく解説しています。

⚠ ワクチンを打っていても、咳をすることがあります

ケンネルコフに関わる病原体のうち、ワクチンでカバーされているのは一部です。

ボルデテラやマイコプラズマは混合ワクチンの多くには含まれていません。

ただし、防げるものを防いでおけば混合感染になりにくく、症状も軽く済みやすい——

「重くならないための備え」だと考えてください。

子犬と高齢犬で、気をつけたいこと

同じウイルスに感染しても、年齢によって経過は変わります。

年齢・体質による違い
対象 起きやすいこと 対応
子犬 抵抗力が弱く、混合感染しやすい 咳が出た時点で受診
高齢犬 肺炎に進みやすい。持病の影響も 早めに相談する
短頭種 もともと呼吸に余裕がない 症状が軽くても診てもらう
心臓病のある犬 咳の原因が重なり、判断が難しい かかりつけに相談する
健康な成犬 軽く済むことが多い 経過を見ながら判断

とくに子犬——ペットショップやブリーダーから迎えたばかりの時期は危険が重なります。

多頭の環境にいた直後で、環境が変わるストレスで抵抗力が落ちていてワクチンもまだ完了していない——

この3つがそろうため、迎えて数日で咳をし始めるということが実際によく起こります。

そして短頭種。もともと空気の通り道が狭い犬種では、呼吸器の炎症がそのまま余裕のなさに直結します。

同じ咳でも、受診の判断を一段階早める——そう考えておいてください。

よくある質問

Q. 人のインフルエンザと関係がありますか?

A. まったく別の種類のウイルスです。人のインフルエンザが犬にうつることも、犬パラインフルエンザが人にうつることもないとされています。猫にもうつりません。

Q. どうやってうつりますか?

A. 感染した犬の咳やくしゃみの飛沫を吸い込むことでうつります。感染力が強く、犬が集まる場所で一気に広がります。ペットホテル、トリミング、ドッグランなどが舞台になります。

Q. 症状は重いのですか?

A. 単独感染では軽いことが多い病気です。咳・鼻水・くしゃみが中心で、元気と食欲は保たれやすい。問題は、他の病原体と重なったときに一気に重くなる点です。

Q. なぜ重なると重くなるのですか?

A. ウイルスが気管の粘膜を傷つけると、そこが細菌の入り込みやすい場所になるためです。守りが壊れたところに次の相手が入る——この順序が混合感染を重くします。

Q. いつ病院へ行くべきですか?

A. 咳に加えて、熱がある・食欲がない・鼻水が粘り気を帯びた——このどれかがあれば受診してください。呼吸が速い、苦しそうなら、その日のうちに急いでください。

Q. ワクチンはあるのですか?

A. あります。ノンコアの区分に入ります。ペットホテル・ドッグラン・トリミング・多頭飼いなど、他の犬と接する機会が多い犬では接種を検討する価値があります。

Q. ワクチンを打てば咳をしませんか?

A. 咳をすることはあります。ケンネルコフに関わる病原体のうち、ワクチンでカバーされているのは一部だからです。ただし、混合感染になりにくく症状も軽く済みやすくなります。

まとめ|単独で終わらせる、という考え方

犬パラインフルエンザは、単独なら軽い病気です。

咳が出て、鼻水が出て、でも元気はある——そういう経過で終わることが多い。

怖いのは、重なったときです。

ウイルスが粘膜を傷つけ、そこに細菌が入り込み、気管支炎から肺炎へ——

だから、この病気で考えるべきことは「単独で終わらせること」です。

防げる病原体は、ワクチンで防いでおく。

咳が出たら、早い段階で診てもらう。

そして、他の犬にうつさない。

この3つで、この病気は軽い風邪のまま終わらせられます。

今日できる3つ

  • 1ペットホテルやトリミングの予定があるなら、接種の要件を確認する
  • 2咳が出ているあいだは、ドッグランとトリミングの予定を見送る
  • 3咳をしているときは、首輪をハーネスに替える

この病気は、重ならなければ軽く済みます。「重ねない」ための備えに、意味があります。

モフ@ペット好き

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