

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「アビシニアンの飼い方|3つの遺伝子検査と、じっとしない性格」です。ではどうぞ!
しなやかな体つき、大きな耳、そしてアーモンド形の目。アビシニアンは、古代エジプトの壁画に描かれた猫を思わせる姿をしています。
最も古い猫種のひとつとされ、起源にはいくつもの説があります。ただ、その端正な姿が長く人を惹きつけてきたことは確かです。
ところが、実際に暮らしてみると多くの人が驚くことがあります。この猫は、まったくじっとしていません。
走り、跳び、登り、あらゆるものを前足で確かめる。「静かで優雅な猫」を期待して迎えると、その活発さに面食らうことになります。
そしてもう一つ、知っておくべきことがあります。この猫種には、確認しておきたい遺伝性疾患が3つあります。貧血、失明、そして腎臓の病気です。
結論
アビシニアンは非常に活発で、常に動き回る猫です。静かに過ごしたい方には向きません。そしてPK-Def(貧血)・PRA-rdAc(失明)・腎アミロイドーシス(腎臓)という3つの遺伝性疾患が知られています。前の2つは両親の遺伝子検査で防げます。迎えるときに必ず確認してください。
この記事でわかること
- ✓アビシニアンの体重・寿命・価格の目安
- ✓ティックドコートという、独特の毛色の仕組み
- ✓PK-Def・PRA-rdAc・腎アミロイドーシスの3つ
- ✓「じっとしない」性格との付き合い方
- ✓運動欲求を満たす環境のつくり方
アビシニアンの基本データ
まずは数字で全体像をつかみます。

体重はオスで3.5〜5kg、メスで3〜4kgほど。細身でしなやかな体つきですが、触ると筋肉がしっかりついているのが分かります。
平均寿命は12〜15歳とされます。被毛は短毛で手入れの負担は軽く、手間がかかるのは体ではなく、時間のほうです。
大きな耳と、アーモンド形の目。そして首から肩にかけての流れるような線。全体に無駄のない、彫刻のような体つきをしています。
ティックドコートという毛色
この猫種の毛色は、ティックドコートと呼ばれる特殊な構造をしています。

1本の毛に、濃い色と淡い色の帯が交互に入っている——これがティックドの正体です。
縞模様ではなく、全身に細かい粒子が散りばめられたように見えます。そして猫が動くたびに、光の当たり方で色の見え方が変わります。
| 毛色の名称 | 見た目 |
|---|---|
| ルディ | 赤褐色。最も一般的で知られている |
| レッド(ソレル) | 明るい赤みのある色 |
| ブルー | 灰色がかった青。落ち着いた印象 |
| フォーン | 淡いベージュ。最もやわらかい色合い |
| シルバー | 銀色の地に濃い帯。団体により扱いが異なる |
顔と足には、縞模様が残っていることがあります。これは野生の猫だった時代の名残とされています。
確認したい、3つの遺伝性疾患

ここが、この記事でいちばん重要な部分です。アビシニアンには、繁殖の現場で重視されている疾患が3つあります。
PK-Def(ピルビン酸キナーゼ欠損症)
赤血球がうまくエネルギーを作れず、壊れやすくなって貧血を起こす病気です。アビシニアンとソマリで、この遺伝子変異が多く見られることが知られています。
症状は生後2〜3か月以降から現れることがあります。元気がない、食欲が落ちる、歯ぐきが白っぽいといった形です。
ただし無症状のまま経過する個体も多く、命に関わることは比較的まれだとされています。それでも、避けられるなら避けたい病気です。
PRA-rdAc(進行性網膜萎縮)
網膜が少しずつ変性し、視力が落ちて最終的に失明に至る病気です。痛みはありませんが、進行を止める方法はありません。
この病気は比較的ゆっくり進行するため、飼い主が気づくのはかなり進んでからということが少なくありません。
- 暗い場所でぶつかるようになる
- 動くものを目で追わなくなる
- 高い場所への飛び移りをためらう
- 目が緑や黄色に光る反射が強くなる
- 瞳孔が開いたままになることがある
- 家具の配置を変えると混乱する
視力を失っても、猫は生活できます。家の配置を覚え、においと音で移動します。ただし家具の位置を変えないこと、高い場所からの落下を防ぐことが必要になります。
腎アミロイドーシス
アミロイドという異常なたんぱく質が腎臓に沈着し、機能を落としていく病気です。アビシニアンは、他の猫種に比べて遺伝的に発症しやすいとされています。
この病気には、現時点で確立された遺伝子検査がありません。そのため、前の2つのように「生まれる前に防ぐ」ことができません。
できるのは早く見つけることです。
| 段階 | 起きていること | 気づき方 |
|---|---|---|
| 初期 | 腎臓に沈着が始まる | 血液検査でしか分からない |
| 中期 | 腎機能が落ち始める | 血液検査の数値に表れる |
| 進行期 | 水をよく飲む・尿が増える | 飼い主が気づける最初のサイン |
| さらに進むと | 食欲低下・体重減少・嘔吐 | 慢性腎臓病としての症状 |
| 末期 | 腎臓がほとんど働かない | 点滴などの支持療法が中心 |
年に一度の血液検査を習慣にしてください。この猫種では、若いうちからの定期検査にはっきりした意味があります。
⚠ 水を飲む量が増えたら、すぐに受診してください
急に水をよく飲むようになった、トイレの回数や尿の量が増えた——これは腎臓の働きが落ちているサインである可能性があります。
猫の腎臓の病気は、飼い主が気づいた時点で機能の大半が失われていることが少なくありません。変化として記録して、早めに受診してください。
「じっとしない」性格との付き合い方
健康面の話が続きましたが、この猫種の最大の特徴は性格にあります。

| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| とにかく動く | 一日中、家中を移動している |
| 好奇心が非常に強い | 何でも前足で確かめる |
| 高い場所が好き | 冷蔵庫の上、棚の上に登る |
| 人によく懐く | あとをついて回る個体が多い |
| 賢く、覚えが早い | ドアを開けることも |
| 鳴き声は小さい | うるさい猫種ではない |
「静かで優雅」というイメージは、見た目だけの話です。実際には、家中を走り回っています。
運動不足は、いたずらに変わる
消費しきれなかったエネルギーは、必ずどこかで発散されます。
- 棚の上のものを落とす
- 紙や袋を破く
- 夜中に走り回る
- 人の足を狙って飛びかかる
- ドアや引き出しを開ける
- 水道の水で遊ぶ
これらは「性格が悪い」のではありません。退屈しているだけです。
有効なのは、叱ることではなく環境を変えることと、遊ばせることです。
上下に動ける空間をつくる
必要なのは床の広さではなく、高さと、移動できる経路です。
- 高さのあるキャットタワーを置く
- 壁面にステップを付けて、移動経路を立体にする
- 登る場所と降りる場所を別にすると、周回できる
- 窓辺に高い足場をつくると、外を見る刺激も加わる
- 落として困るものは、手の届く場所に置かない
- 脱走しやすいので、窓とベランダの対策をする
ワンルームでも、高さがあれば十分に飼えます。逆に、広くても平面しかなければ満足しません。
1日15分、本気で遊ばせる
環境を整えても、人が動かして遊ぶ時間は別に必要です。
猫じゃらしを獲物のように動かし、走らせ、跳ばせ、最後は必ず捕まえさせて終わる——この流れが満足につながります。
知育トイを使って頭を使わせるのも有効です。この猫種は非常に賢く、覚えることそのものを楽しみます。
フードを部屋の数か所に隠して探させる方法も、狩りの行動に近く、よく反応します。食べる速度を落とせるという副次的な効果もあります。
おもちゃは定期的に入れ替えてください。賢いぶん飽きるのも早く、同じものを出し続けると反応が鈍くなります。
そして手を使って遊ばせないこと。「手=おもちゃ」と学習させてしまうと、成猫になってから本気で噛まれることになります。
好奇心の強さは、事故につながる
何でも前足で確かめ、どこにでも登り、隙間に入り込む。この性質はそのまま事故のリスクになります。
| 起きやすい事故 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| ひも状のものの誤飲 | 糸・リボン・ビニールで遊ぶ | 出しっぱなしにしない |
| 脱走 | 窓や玄関から飛び出す | 網戸ストッパー・二重扉 |
| 落下・転落 | 高い場所から飛び降りる | 着地点にマットを敷く |
| 物の落下 | 棚の上を歩く | 割れ物を置かない |
| 感電 | コードをかじる | カバーで覆う |
| 閉じ込め | 引き出しや洗濯機に入る | 使う前に必ず確認する |
とくに注意したいのがひも状のものの誤飲です。糸やリボンは腸に絡まり、手術が必要になることがあります。
そして脱走。好奇心が強く、外の刺激に興味を示すため、わずかな隙間から出ようとします。網戸のストッパーや、玄関の内側にもう一枚の仕切りを検討する価値があります。
引き出しやドアを開ける個体もいるため、薬や洗剤は必ず閉まる場所にしまってください。「届かないはず」は、この猫種には通用しません。
日々の世話
被毛が短いため、手入れの負担は軽い猫種です。
- ブラッシングは週1〜2回で足りる
- 換毛期はやや増えるが、長毛種ほどではない
- 爪はよく伸びるため、2〜3週間に一度は確認する
- 月に一度、体重を測って記録する
- 水飲み場を複数用意し、飲む量を把握しておく
- 年に一度は血液検査を受け、腎臓の数値を見ておく
この猫種で最も大切な習慣は、年1回の血液検査です。腎アミロイドーシスは検査でしか早期に見つけられません。
検査を受けたら、数値を記録して残しておいてください。基準値の範囲内でも、年々じわじわ上がっているという変化は並べて見ないと分かりません。
あわせて、水を飲む量とトイレの回数も把握しておくと役に立ちます。「最近よく飲むようになった」という感覚を数字で確かめられるようにしておくと、受診の判断が早くなります。
多頭飼いという選択
この猫種を飼ううえで、検討する価値があるのが多頭飼いです。
運動欲求が非常に高い猫種なので、遊び相手がいることの効果は大きいものがあります。人が1日15分遊んだところで、この猫の体力は使い切れません。
| 組み合わせ | 相性 | 備考 |
|---|---|---|
| アビシニアン同士 | 良い | 運動量が釣り合う |
| 活発な猫種 | 良い | ベンガル、ソマリなど |
| 穏やかな猫種 | 注意が必要 | 相手が消耗することがある |
| 高齢猫 | 難しい | 追い回されて負担になる |
| 犬 | 個体による | 遊び方が合えば良い相手になる |
穏やかな猫種と組ませる場合は注意してください。アビシニアンの側は遊びのつもりでも、相手にとっては一方的に追い回される時間になります。
どの組み合わせでも、静かに休める場所を猫の数より多く用意してください。逃げ込める場所があるかどうかで、多頭飼いの成否は大きく変わります。
お迎え費用と、毎年かかるお金
| 項目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 子猫の価格 | 15〜30万円 | 毛色・血統で変動 |
| 初期の用品一式 | 5〜8万円 | 高いタワーが必要 |
| 初年度の医療 | 3〜5万円 | ワクチン、健康診断、避妊去勢 |
| 年間のフード代 | 4〜7万円 | 活動量が多く食べる量も多め |
| 年間の医療・予防 | 3〜8万円 | 年1回の血液検査を含む |
| おもちゃ・消耗品 | 年1〜3万円 | よく遊ぶぶん消耗が早い |
生涯でかかる金額は、12〜15年暮らすとしておおよそ150〜230万円が目安です。
腎臓の治療が始まると、食事療法と定期的な検査、進行すれば点滴が長く続きます。この点は備えておいてください。
迎えるときに確認したいこと
- 両親がPK-Defの遺伝子検査を受けているか
- 両親がPRA-rdAcの遺伝子検査を受けているか
- 検査結果の書面を見せてもらえるか
- 親猫やその親に腎臓の病気が出ていないか聞いてみる
- 親猫に会わせてもらえるか、動き方を見せてもらえるか
- 引き渡し後の相談に応じてくれるか
PK-DefとPRA-rdAcは、検査済みの両親から迎えれば確実に避けられます。遠慮せずに聞いてください。
腎アミロイドーシスについては検査がないため、血縁に発症例がないかを聞いてみるのがひとつの手がかりになります。
そして、この活動量に自分が付き合えるかを正直に考えてください。見学のとき、成猫が動き回る様子を見せてもらうと実感がつかめます。
誠実なブリーダーであれば、この猫種の活発さを自分から説明します。良い面しか話さない相手は、その時点で判断材料になります。
よくある質問
Q. 静かな猫だと思っていたのですが?
A. 見た目の印象とは正反対に、非常に活発です。一日中、家中を走り回り、高い場所に登り、あらゆるものを前足で確かめます。鳴き声は小さいので「うるさい」わけではありませんが、「静か」でもありません。
Q. PK-DefとPRAは防げますか?
A. 両親が遺伝子検査で陰性であれば、受け継ぐことはありません。どちらも両親そろって遺伝子を持つ場合にだけ発症します。迎える前にブリーダーへ検査の実施を確認してください。
Q. 腎アミロイドーシスは検査できますか?
A. 確立された遺伝子検査は、現時点ではありません。そのため早期発見が中心になります。年に一度の血液検査を習慣にし、水を飲む量が増えたら受診してください。
Q. マンションでも飼えますか?
A. 飼えます。必要なのは床の広さではなく、上下に動ける高さです。高いキャットタワーや壁面のステップがあれば、ワンルームでも十分に運動させられます。
Q. いたずらが多くて困っています。
A. 退屈と運動不足が原因である可能性が高いです。叱っても効果は薄く、環境を変えるほうが確実です。落として困るものを片づけ、登れる場所を増やし、1日15分は遊ばせてください。
Q. 留守番はどのくらいまで大丈夫ですか?
A. 個体差はありますが、目安は8時間程度までと考えてください。人によく懐く猫種のため、長い孤独は苦手です。知育トイなどを置いておくと退屈しのぎになります。
Q. ソマリとどう違うのですか?
A. 毛の長さだけが違います。短毛がアビシニアン、長毛がソマリです。性格も身体能力も、抱えている遺伝性疾患も同じです。
まとめ|古い猫種の、活発すぎる中身
アビシニアンは、古代の壁画を思わせる端正な姿を持ちながら、中身はきわめて活発な猫です。
走り、跳び、登り、何でも触ってみる。その好奇心に付き合える方にとっては、毎日が飽きない相手になります。
そして健康面では、やるべきことがはっきりしています。検査済みの両親から迎えること。そして年に一度、血液検査を受けること。
この2つを守れば、3つの疾患のうち2つは避けられ、残る1つも早く見つけられます。努力の方向が明確な猫種だと言えます。
迎える前・迎えた後に、この3つを
- 1「両親はPK-DefとPRA-rdAcの検査を受けていますか」と確認する
- 2天井近くまで登れる経路をつくり、周回できる動線にする
- 3年に一度、血液検査を受けて腎臓の数値を記録しておく
この猫の困った行動は、ほぼすべて退屈から来ます。遊べる飼い主のもとで、いちばん穏やかになります。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「アビシニアンの飼い方|3つの遺伝子検査と、じっとしない性格」でした。
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