

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬の脂漏症|洗いすぎると、かえって脂が増えます」です。ではどうぞ!
体を触ると、脂っぽい。
フケが、やたらと多い——
そして、洗ったばかりなのに独特のにおいが戻ってくる——
「体質だろう」と受け取られていることが多いのですがそれは病名のつく状態かもしれません。
脂漏症(しろうしょう)——
皮膚のべたつき、多いフケ、独特のきついにおいが特徴の病気です。
そして、この病気には飼い主がやりがちな落とし穴があります。
脂っぽいからとよく洗う——
けれど、脂分がとれて皮膚が一時的に乾燥すると体がそれを補おうと反応し、かえって皮脂の分泌が増えてしまうのです。
結論
脂漏症の症状は皮膚のべたつき、フケが多いこと、そして独特のきついにおいが特徴で、耳、目や乳頭の周囲、背中、腹部、脇や内またなどのしわの部分によく見られます。外耳炎になることが多く、耳をしきりに掻いたり頭を振ったりするようになります。1歳以内に発症した場合は遺伝的な素因による体質が原因とされ、アメリカン・コッカー・スパニエル、シー・ズー、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ミニチュア・シュナウザー、ミニチュア・ダックスフンドなどが知られています。あとから発症する場合には、皮膚炎やホルモンの病気、皮膚に必要な栄養が足りないこと、誤ったスキンケアなどが背景に挙げられます。治療はシャンプーなどのスキンケアが主で、薬用シャンプーによる洗浄を最初は週2回程度から始め、べたつきが抑えられてきたら徐々に間隔をあけていきます。シャンプー後は必ず保湿してください。
この記事でわかること
- ✓痒みではなく、においで気づきます
- ✓1歳以内か、それ以降か
- ✓洗いすぎると、かえって脂が増えます
- ✓シャンプーの、しかた
- ✓外耳炎を、繰り返します
- ✓背景にある病気を、探す
- ✓続けられる形を、選ぶ
痒みではなく、においで気づきます

皮膚の病気といえば「痒み」が先に思い浮かびます。
けれど、この病気でいちばん多い気づき方はにおいです。
| 見えること・感じること | 説明 |
|---|---|
| 独特のきついにおい | 洗ってもすぐに戻ってくる |
| 皮膚のべたつき | 触ると脂っぽく、毛が固まる |
| フケが多い | 寝床や、黒い服につくほど |
| 出やすい場所 | 耳、目や乳頭の周囲、背中、腹部 |
| しわの部分 | 脇や内また。たまりやすく、蒸れやすい |
| 耳の症状 | 外耳炎になることが多い |
「ずっとこういう子だから」——
そう受け取られてしまうのは症状がゆっくり進むからです。
けれど、その「体質」には手を打てる部分があります。
そして、脂漏症には2つのタイプがあることも知られています。
脂っぽくなるタイプと乾いてフケが目立つタイプ——
どちらも皮膚のターンオーバーがうまくいっていないという点では同じです。
しわの部分を、めくって見てください
脇、内また、首まわりのしわ——
そうした場所はふだん見えていません。
皮脂と汚れがたまり、蒸れて、赤くなっていることがあります。
そこがにおいのもとになっていることも少なくありません。
そっとめくって確かめてみてください。
そこをこまめに拭くだけでもにおいは変わってきます。
1歳以内か、それ以降か

この病気は発症した年齢で大きく2つに分かれます。
1歳以内に発症した場合は遺伝的な素因による体質が原因だとされています。
| 原発性(1歳以内) | 続発性(あとから) | |
|---|---|---|
| 原因 | 遺伝的な素因による体質 | 別の病気や、環境が背景にある |
| 背景 | 好発犬種が知られている | 皮膚炎、ホルモンの病気など |
| そのほか | — | 栄養不足、誤ったスキンケア |
| 治せるか | 体質そのものは変えられない | 背景を治せば、改善することがある |
| 方針 | スキンケアで付き合っていく | まず、原因を探す |
| 共通 | スキンケアは、どちらでも必要 | スキンケアは、どちらでも必要 |
体質が原因となる犬種としてアメリカン・コッカー・スパニエル、シー・ズー、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ミニチュア・シュナウザー、ミニチュア・ダックスフンドなどが知られています。
とくにアメリカン・コッカー・スパニエルは外耳炎も起こしやすい犬種で両方が重なることがあります。
ミニチュア・シュナウザーでも皮膚の問題が知られています。
一方、成犬になってから急にべたつき始めたなら——
背景に何かがあると考えることになります。
この考え方はアトピー性皮膚炎と同じです。
「体質」なら若いうちに現れる——
だから、あとから始まったなら別の理由を探す——
この見方は皮膚の病気全体で使えます。
洗いすぎると、かえって脂が増えます

ここが、この記事でもっとも伝えたい部分です。
脂っぽいのですから「よく洗えばよい」と思われるのは自然です。
けれど、そこに落とし穴があります。
シャンプー後は必ず保湿を——
脂分がとれ、一時的に皮膚が乾燥すると体がそれを補おうと反応するため、かえって皮脂の分泌が増えてしまうからです。
- 洗う——余分な皮脂と汚れが落ちる
- 乾く——脂分が取れ、皮膚が一時的に乾燥する
- 体が反応する——「足りない」と判断する
- 補おうとする——皮脂の分泌が増える
- またべたつく——だから、また洗う
- その繰り返しで、状態は良くならない
「洗っても洗ってもべたつく」——
そういう場合にはこの循環に入っている可能性があります。
だから、洗ったあとには必ず保湿——
「落としたら、補う」ことがセットだと考えてください。
保湿にはスプレータイプ、塗るタイプ、洗い流さないものなどいくつかの形があります。
その犬が嫌がらず、続けられるものを選んでください。合うものは犬によって違います。
🩺 よかれと思った洗い方が、原因になることも
人用のシャンプーを使わないでください。
犬の皮膚は人よりずっと薄く、性質も違います。
脱脂力の強いものを使えばこの循環を強めてしまいます。
「誤ったスキンケア」が続発性の原因に挙げられているのはそのためです。
薬用シャンプーが処方されているならそれを使ってください。
シャンプーの、しかた
治療はシャンプーなどのスキンケアが主になります。
薬用シャンプーによる洗浄が望ましく最初は週2回程度から始めて、べたつきが抑えられてきたら、徐々に間隔をあけたり、シャンプー剤の変更を検討することが重要だとされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使うもの | 処方された薬用シャンプー |
| 始めの頻度 | 週2回程度から |
| 改善したら | 徐々に間隔をあけていく |
| そのころに | シャンプー剤の変更も検討する |
| 洗い方 | こすらず、泡でやさしく |
| そのあと | 必ず保湿し、しっかり乾かす |
「週2回」と聞くと多いように感じられるかもしれません。
けれど、これは始めの時期の話です。
べたつきが抑えられてきたら徐々に間隔をあけていく——
ずっと週2回を続けるという意味ではありません。
そして、洗い方——
- ぬるま湯で、しっかり濡らす
- 泡立ててから、皮膚につける
- こすらず、指の腹でなでるように
- 指定された時間、置くタイプもある
- すすぎ残しがないよう、しっかり流す
- タオルで押さえるように水を取り、乾かす
ごしごしこすることは避けてください。
すでに弱っている皮膚をさらに傷つけることになります。
泡で包んで洗うという感覚を持ってください。
そして、乾かし方——
生乾きのままにすればそこで菌やマラセチアが増えます。
しわの部分、脇や内またまでしっかり乾かしてください。
嫌がる犬を、どう洗うか
「洗うのがいちばんの治療」だと分かっていても嫌がられてできない——
そういう声はとても多いものです。
- お湯の温度を、ぬるめにする
- いきなり顔から濡らさない。足元から
- シャワーヘッドを体に近づけて、音を減らす
- すべらないマットを敷く
- 短い時間で終える。長引かせない
- 終わったら必ずほめる
すべる床で踏ん張れないことが嫌がる理由になっていることもあります。
マットを敷くだけで落ち着く犬もいます。
そして、シャワーの音——
体から離すほど水の音は大きくなります。
近づけて当てるほうが静かでこわがりません。
外耳炎を、繰り返します
この病気では外耳炎になることが多く、耳をしきりに掻いたり、頭を振ったりするようになります。
なぜか——
耳の内側も皮膚の延長だからです。
皮脂が増える体質なら耳のなかでも同じことが起きます。
| 起きること | その結果 |
|---|---|
| 耳のなかで皮脂が増える | マラセチアの栄養になる |
| マラセチアが増える | 炎症が起き、痒みが出る |
| 掻く・頭を振る | 耳道がさらに傷む |
| 治療する | いったんはよくなる |
| けれど | 皮脂が増える体質は変わらない |
| だから | また繰り返す |
外耳炎を繰り返しているのに耳だけを治療している——
そういう場合には皮膚全体を見てもらってください。
体もべたつき、においがあるなら脂漏症が背景にある可能性があります。
その場合は耳だけでなく全身のスキンケアをあわせて行うことになります。
「耳の薬を何度ももらっている」——
そういう状態なら「体もべたつくのですが」と一言添えてみてください。
耳の話から皮膚の話へ広がるきっかけになります。
背景にある病気を、探す

あとから発症した場合には背景を探すことに意味があります。
| 背景 | 説明 |
|---|---|
| 皮膚炎 | アレルギーなどの炎症が続いている |
| ホルモンの病気 | 甲状腺の働きの低下など |
| 栄養の不足 | 皮膚に必要な成分が足りない |
| 誤ったスキンケア | 洗いすぎ、合わないシャンプー |
| 寄生虫 | ダニなどが関わることもある |
| そのほか | 全身の状態が皮膚に出ていることも |
とくに、ホルモンの病気——
甲状腺の働きが落ちる病気では皮膚が弱くなり、べたつきやフケ、感染しやすさが現れることが知られています。
そして、この病気は血液検査で調べられ、薬で改善することがあります。
元気がない、太ってきた、毛が薄くなった、寒がる——
そうした変化が同時にあるなら必ず伝えてください。
皮膚の相談からホルモンの病気が見つかることがあります。
そして、アレルギー——
痒みが強いならアトピー性皮膚炎や食物アレルギーが重なっていることもあります。
「べたつく」と「痒い」——
その両方があるならひとつの病気だけでは説明できないかもしれません。
続けられる形を、選ぶ
この病気はスキンケアが治療の中心です。
つまり、毎週のことになる——
だからこそ、続けられるかどうかが結果を分けます。
- シャンプーを嫌がるなら、その旨を伝える
- 短い時間で終わる方法を、相談する
- 部分洗いという選択肢もある
- ふき取りタイプを併用することも
- トリミングサロンと連携する方法もある
- 「できない」を、そのまま伝える
「週2回洗ってください」と言われてもできない事情があるかもしれません。
大型犬で洗うのが大変、本人が水を極端に嫌がる、住まいの都合——
そういうときに黙ってやらないままにするより
「できません」と伝えたほうが別の方法を考えてもらえます。
そして、この病気には波があります。
湿度の高い時期には悪くなりやすく乾燥する時期にはフケが目立ちやすい——
季節にあわせて頻度や使うものを調整していくことになります。
暮らしのなかで、できること
- 寝床をこまめに洗い、清潔に保つ
- ブラッシングで、フケと抜け毛を減らす
- しわの部分を、こまめに拭く
- 湿度の高い時期は、しっかり乾かす
- 食事について、相談してみる
- においの変化を、記録しておく
においの変化はこの病気の分かりやすい指標です。
「洗って何日でにおいが戻るか」を記録しておくとよくなっているかどうかが見えてきます。
3日で戻っていたのが1週間もつようになった——
それは、確かな改善です。
そして、ブラッシング——
毎日短い時間でも続けていればフケや抜け毛が減り、皮膚に空気も通ります。
そのついでに皮膚の状態を見られるという利点もあります。
赤くなっている場所、毛が固まっている場所——
触っていれば気づけます。
そして、食事——
皮膚に必要な栄養が足りないことも続発性の原因に挙げられています。
いまの食事で足りているかどうかを一度、相談してみてください。
よくある質問
Q. 脂漏症とはどんな病気ですか?
A. 皮膚のべたつき、多いフケ、独特のきついにおいが特徴の病気です。耳、目や乳頭の周囲、背中、腹部、脇や内またなどのしわの部分によく見られます。外耳炎になることも多くあります。
Q. よく洗えば治りますか?
A. 洗いすぎると、かえって皮脂の分泌が増えることがあります。脂分がとれて皮膚が一時的に乾燥すると、体がそれを補おうと反応するためです。シャンプーのあとは、必ず保湿してください。
Q. どのくらいの頻度で洗いますか?
A. 薬用シャンプーによる洗浄を、最初は週2回程度から始めます。べたつきが抑えられてきたら、徐々に間隔をあけたり、シャンプー剤の変更を検討することが重要とされています。
Q. 体質なのでしょうか?
A. 1歳以内に発症した場合は、遺伝的な素因による体質が原因とされます。アメリカン・コッカー・スパニエル、シー・ズー、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ミニチュア・シュナウザー、ミニチュア・ダックスフンドなどが知られています。
Q. 成犬になってから始まりました
A. 背景に別の原因があるかもしれません。皮膚炎やホルモンの病気、皮膚に必要な栄養が足りないこと、誤ったスキンケアなどが挙げられます。そちらを治せば改善することがあります。
Q. 外耳炎ばかり繰り返します
A. 耳の内側も皮膚の延長です。皮脂が増える体質なら、耳のなかでも同じことが起きます。体もべたつき、においがあるなら、皮膚全体を見てもらってください。
Q. 人用のシャンプーを使ってもよいですか?
A. 使わないでください。犬の皮膚は人よりずっと薄く、性質も違います。脱脂力の強いものを使えば、皮脂が増える循環を強めてしまいます。「誤ったスキンケア」は、続発性の原因のひとつに挙げられています。
まとめ|落としたら、必ず補ってください
この病気でいちばん多い誤りは「脂っぽいから、よく洗う」です。
洗えばその場ではさっぱりします。
けれど、脂分がとれて乾燥すれば体はそれを補おうとする——
結果として皮脂の分泌が増える——
「洗っても洗ってもべたつく」のはそのためかもしれません。
だから、洗ったら必ず保湿——
そして、使うものは処方されたものを——
そのうえで、1歳以内に始まったのかあとから始まったのかを思い出してください。
あとから始まったなら背景に治せる病気があるかもしれません。
ホルモンの病気なら血液検査で調べられ、薬で改善することがあります。
「体質だから仕方ない」と決めてしまう前に一度、調べてもらってください。
そして、この病気は毎週のケアが治療になります。
だからこそ、続けられる形を選ぶことがいちばん大切です。
今日できる3つ
- 1脇や内またのしわをめくって、赤みや汚れを確かめる
- 2べたつき始めたのが何歳ごろだったか、思い出す
- 3洗って何日でにおいが戻るか、記録を始める
洗うことと、補うことはセットです。落としすぎれば、体はそれを取り戻そうとします。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「犬の脂漏症|洗いすぎると、かえって脂が増えます」でした。
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