

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬の食物アレルギー|答えは、8週間の食事で出ます」です。ではどうぞ!
体を痒がっている。
そして、軟便や下痢もときどき出る——
「食べ物が合っていないのでしょうか」と思われると思います。
そのとき、多くの方が考えることがあります。
「血液検査で調べてもらえないか」——
けれど、この病気は検査の数値だけでは決まりません。
診断には除去食試験——原因になりうるものを除いた食事を一定期間続けて症状が改善するかを確かめる方法が用いられます。
そして、その期間は短くありません。
除去食試験を開始した犬の85%は5週間以内に改善し、8週間まで延長すれば95%以上の犬で改善しているとされています。
結論
犬の食物アレルギーの主な症状は顔まわりや足先、わき・お腹などの赤み、痒み、繰り返す外耳炎、脱毛・フケ、軟便・下痢・嘔吐などの消化器症状です。診断には、除去食試験と食物負荷試験を行っていくことが一般的です。除去食試験では、症状が出ていたときに食べていたフードから考えられる原因を排除した除去食を2か月間与えて、皮膚の症状が改善するかを確認します。使われるのは、タンパク質をできるだけ小さくした加水分解フードや、低アレルギー食、新奇タンパク質フードです。加水分解食とは、大きなタンパク質を小さなアミノ酸レベルにまで分解してアレルギー反応を起こしにくく加工されたごはんを指します。除去食試験を開始した犬の85%は5週間以内に改善し、8週間まで延長すれば95%以上の犬で改善しているとされ、6〜8週間続けて痒みや赤みがなくなれば食物アレルギーと判断されます。
この記事でわかること
- ✓皮膚だけの病気ではありません
- ✓血液検査だけでは、決まりません
- ✓8週間という数字の意味
- ✓何を食べさせるのか
- ✓一口で、台無しになります
- ✓そのあとの、食物負荷試験
- ✓アトピーとの、重なり
皮膚だけの病気ではありません

まず、症状から見ていきます。
| 場所・種類 | 見えること |
|---|---|
| 顔まわり | 口や目のまわりの赤み、痒み |
| 足先 | 舐め続ける、赤くなる |
| わき・お腹 | 皮膚の薄い場所に赤みが出る |
| 耳 | 外耳炎を繰り返す |
| 被毛・皮膚 | 脱毛、フケ |
| 消化器 | 軟便、下痢、嘔吐 |
ここで注目してほしいのが最後の行です。
軟便・下痢・嘔吐——
皮膚の症状と消化器の症状が同時に出ている——
それが、この病気を疑う手がかりになります。
環境のアレルゲンによるアトピー性皮膚炎ではふつう、消化器の症状は伴いません。
食べたものが原因なのですから通り道である腸にも影響が出る——
そう考えるとこの病気の姿が見えやすくなります。
「うんちの回数」も、伝えてください
皮膚の相談で受診すると便の話まで及ばないことがあります。
けれど、この病気ではそこが大きな手がかりです。
1日の回数、やわらかさ、血が混じっていないか——
「痒みの相談ですが、便もゆるいことが多いです」と添えてください。
その一言で疑う方向が変わることがあります。
血液検査だけでは、決まりません
「アレルギー検査」と聞くと血液を調べれば分かるものだと思われがちです。
けれど、食物アレルギーではそれだけで判断することはできません。
診断には除去食試験と食物負荷試験を行っていくことが一般的です。
- 血液検査は、参考として使われることがある
- けれど、それだけでは確定できない
- 反応が出ても、実際には食べられることがある
- 逆に、出なくても症状が起きることがある
- だから、実際に食べさせて確かめる
- それが、除去食試験という方法
「実際に食べさせて確かめる」——
手間はかかりますがこれがいちばん確かな方法だとされています。
そして、この試験にはもうひとつの意味があります。
診断がそのまま治療になる——
症状が消える食事が見つかったならそれを続ければよいのですから検査と治療がひとつになっているのです。
だから、8週間という時間は無駄ではありません。
その先の何年かを決める期間だと考えてください。
8週間という数字の意味

「どのくらい続けるのか」——
そこにははっきりした数字があります。
| 期間 | 起きること |
|---|---|
| 開始 | 原因になりうるものを、すべて除く |
| 数日〜2週 | まだ変わらないことが多い |
| 5週間以内 | 85%の犬が改善するとされる |
| 8週間まで | 95%以上の犬で改善するとされる |
| 6〜8週で消えたら | 食物アレルギーと判断される |
| 変わらなければ | ほかの原因を探すことになる |
ここで大切なことを書きます。
「2週間やってみたけれど変わらないので、やめました」——
それでは答えが出ません。
5週間以内に85%が改善するということは逆に言えばそれより早い時期にはまだ変わっていない犬がたくさんいるということです。
体に残っているものが抜けるまでそして、傷んだ皮膚が回復するまで——
時間がかかるのです。
だから、「途中でやめない」ことがこの試験のいちばんの条件になります。
始める前に「何週間続けるのか」を確かめておいてください。
終わりが見えていれば続けやすくなります。カレンダーに終了日を書いておくのもひとつの方法です。
何を食べさせるのか

除去食試験ではタンパク質をできるだけ小さくしたフード(加水分解フード)や低アレルギー食、新奇タンパク質フードを与えます。
なぜ、タンパク質なのか——
アレルギー反応は体が「異物だ」と認識したものに起こります。
そして、その相手になりやすいのがタンパク質です。
| 種類 | 考え方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 加水分解食 | タンパク質を小さく分解する | 異物として認識されにくくなる |
| 新奇タンパク質食 | 食べたことのない種類を使う | 反応する仕組みがまだできていない |
| 低アレルギー食 | 反応の起きにくい原材料 | 設計そのものが配慮されている |
| 選び方 | それまでの食歴による | 何を食べてきたかで、選ぶものが変わる |
| 共通 | ほかのものを与えない | これが守れないと、意味がない |
| 入手 | 処方されるものを使う | 自己判断で市販品に替えない |
加水分解食とは大きなタンパク質を小さなアミノ酸レベルにまで分解して、アレルギー反応を起こしにくく加工されているごはんを指します。
「小さくすれば気づかれにくい」——
そういう仕組みの食事だと考えてください。
一方、新奇タンパク質食は考え方が違います。
その犬がこれまで食べたことのない種類のタンパク質を使う——
食べたことがなければ反応する仕組みもできていないからです。
だから、「これまで何を食べてきたか」を伝えることに意味があります。
フードの種類、おやつ、人の食べ物——
思い出せるかぎり書き出しておいてください。その一覧が使う食事を選ぶ材料になります。
一口で、台無しになります

ここが、この試験でもっとも失敗しやすい部分です。
除去食試験は「指定されたもの以外をいっさい与えない」ことで成り立ちます。
- おやつを与えない
- ジャーキーやガムも、与えない
- 薬をチーズやパンで包まない
- 歯みがきガムも、原材料を確かめる
- 散歩中の拾い食いをさせない
- ほかの犬のフードを食べさせない
「少しくらいなら」——
その一口でそれまでの週数が無駄になります。
反応が起きればまた皮膚が荒れ、そこから回復し直すことになるからです。
とくに、見落とされやすいものを挙げておきます。
| 見落としがちなもの | 注意点 |
|---|---|
| 投薬用のおやつ | 薬を包むために、つい使ってしまう |
| 歯みがきガム | 「ケア用品」だと油断しやすい |
| フィラリアの薬 | おやつ状のものがある。獣医師に相談を |
| サプリメント | 味つけされていることがある |
| 家族が与えるもの | 本人が知らないところで与えられている |
| 拾い食い | 散歩中に、口にしていることがある |
🩺 家族全員で、共有してください
いちばん多い失敗は「家族の誰かがこっそり与えていた」というものです。
悪気があるわけではありません。
「かわいそうだから」と思ってしまうだけです。
だから、始める前に家族全員で共有してください。
「いつまで、なぜ、何を与えないのか」——理由が分かれば守りやすくなります。
そして、薬の飲ませ方——
チーズやパンで包んでいるならその方法も変える必要があります。
「試験中はどうやって飲ませればよいか」をあらかじめ聞いておいてください。
記録をつけてください
8週間という長さでは「よくなっているのか」が分からなくなります。
- 掻いていた回数を、日ごとに書く
- 赤みのある場所を、記録する
- 便のかたさと回数も、残す
- 週に一度、同じ場所の写真を撮る
- 与えたものを、すべて書く
- それを受診のときに見せる
毎日見ていると少しずつの変化には気づけません。
けれど、1週目と5週目の写真を並べれば違いが見えます。
そして、その記録が「続けてよかった」という実感にもつながります。
そのあとの、食物負荷試験
除去食試験で症状が消えた——
それで終わりではありません。
診断には除去食試験と食物負荷試験を行っていくことが一般的だとされています。
食物負荷試験とはもとの食事に戻して症状がまた出るかどうかを確かめるという方法です。
- 除去食で症状が消えた
- もとの食事に戻すと、また症状が出る
- これで、食べ物が原因だと確かめられる
- さらに、ひとつずつ加えて反応を見ることもある
- そうすれば、何に反応するかが絞れる
- ただし、負担もあるため相談して決める
「せっかくよくなったのに、また悪くするのか」と思われるかもしれません。
その気持ちはもっともです。
けれど、この確認をしなければ——
「たまたま季節が変わってよくなっただけ」という可能性を否定できません。
環境のアレルゲンには季節の波があります。
8週間のあいだに季節が動けば食事とは関係なくよくなることもありうるのです。
だから、戻して確かめる——
やるかどうかは相談して決めてください。
そして、さらに進めるなら——
ひとつずつ食材を加えていって反応が出るものを探すというやり方もあります。
時間はかかりますが「何を避ければよいか」が分かれば選べる食事の幅が広がります。
ずっと療法食だけで過ごすのか避けるものを決めてふつうの食事に戻せるのか——
そこが変わってくるのです。
アトピーとの、重なり
ここまで食物アレルギーを中心に書いてきましたが実際には重なることがあります。
| 食物アレルギー | アトピー性皮膚炎 | |
|---|---|---|
| 原因 | 食べ物のタンパク質 | 環境中のアレルゲン |
| 発症年齢 | 年齢を問わない | 3歳以下が中心 |
| 季節性 | ふつうはない | あることが多い |
| 消化器症状 | 伴うことがある | ふつうは伴わない |
| 調べ方 | 除去食試験・食物負荷試験 | 皮内テスト・血清のIgE測定 |
| 両方あることも | ある | ある |
両方を持っている犬では除去食試験で「少しよくなったが、完全には消えない」という結果になることがあります。
それは「失敗」ではありません。
食べ物の分だけ減った——
そういう読み方ができるからです。
そして、残った痒みには環境への対応が必要になります。
詳しくはアトピー性皮膚炎の記事で解説しています。
また、皮膚がべたつき、においが強いなら脂漏症が重なっていることもあります。
そして、耳だけがしつこく繰り返すなら外耳炎の記事もあわせて読んでみてください。
食事を決めたあと
原因が分かり、合う食事が見つかった——
そのあとに気をつけたいことを書いておきます。
- おやつも、成分を確かめてから選ぶ
- 家族全員が、与えてよいものを知っておく
- 預ける先や、家族以外の人にも伝えておく
- 症状が戻ったら、食事の変更がなかったか確かめる
- フードが製造上変わることもある
- 定期的に、皮膚の状態を見てもらう
「合うフードが見つかった」あとも油断はできません。
預けたとき、旅行のとき、来客があったとき——
ふだんと違う場面で違うものが与えられることがあります。
「この子はこれしか食べられません」とはっきり伝えておいてください。
そして、フードそのものが変わることもあります。
製造上の都合で原材料が少し変わる——
そういうことが起こりえます。
「何も変えていないのに急にまた痒くなった」というときにはそこも確かめてみてください。
そして、定期的に皮膚の状態を見てもらう——
落ち着いているときこそその状態を確認しておくことに意味があります。
よくある質問
Q. 食物アレルギーは、どんな症状が出ますか?
A. 顔まわりや足先、わき・お腹などの赤みや痒み、繰り返す外耳炎、脱毛・フケ、そして軟便・下痢・嘔吐などの消化器症状です。皮膚と消化器の症状が同時に出ていることが、手がかりになります。
Q. 血液検査で分かりませんか?
A. 血液検査だけでは判断できません。診断には除去食試験と食物負荷試験を行っていくことが一般的です。実際に食べさせて確かめるのが、いちばん確かな方法だとされています。
Q. 除去食試験は、どのくらい続けますか?
A. 6〜8週間が目安です。開始した犬の85%は5週間以内に改善し、8週間まで延長すれば95%以上で改善しているとされています。2週間ほどでは、まだ変わっていない犬がたくさんいます。
Q. どんな食事を与えるのですか?
A. 加水分解フード、低アレルギー食、新奇タンパク質フードなどです。加水分解食は、大きなタンパク質を小さなアミノ酸レベルまで分解してアレルギー反応を起こしにくく加工されたものを指します。
Q. おやつも、だめですか?
A. いっさい与えないでください。ジャーキーやガム、薬を包むチーズ、歯みがきガムも含みます。その一口で、それまでの週数が無駄になってしまいます。
Q. よくなったら、それで確定ですか?
A. もとの食事に戻して症状が出るかを確かめる、食物負荷試験を行うのが一般的です。8週間のあいだに季節が動けば、食事とは関係なくよくなることもありうるためです。
Q. アトピーと両方ということはありますか?
A. あります。その場合、除去食試験で「少しよくなったが完全には消えない」という結果になります。それは失敗ではなく、食べ物の分だけ減ったと読むことができます。
まとめ|8週間、守りきれるかどうか
この病気は検査の数値ではなく食事で答えを出します。
原因になりうるものを除いた食事を6〜8週間——
85%は5週間以内に、95%以上は8週間までに改善するとされています。
逆に言えば——
2週間で見切りをつけてしまえば答えは出ません。
そして、その期間中——
おやつも、ガムも、薬を包むチーズも——
いっさい与えないことが条件です。
一口で台無しになるのですから家族全員で共有してください。
そして、この試験は診断であると同時に治療でもあります。
合う食事が見つかればそのまま続ければよい——
8週間という時間はその先の何年かを決める期間です。
長く感じられると思いますが終わりのある期間だと思って乗り切ってください。
今日できる3つ
- 1痒みと同時に、便がゆるくないかを見る
- 2これまで食べてきたフードとおやつを、書き出してみる
- 3始めるなら「何週間続けるか」を確かめ、家族で共有する
答えは、検査ではなく食事から出ます。8週間を守りきれるかどうかが、すべてです。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「犬の食物アレルギー|答えは、8週間の食事で出ます」でした。
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