

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬の尿路結石|溶ける石と、溶けない石がある」です。ではどうぞ!
「結石がありますね」と言われたとき、次に聞いておきたいことがあります。
「それは、溶ける石ですか」——
犬の尿路結石にはいくつかの種類があり、その中でも代表的なのがストルバイトとシュウ酸カルシウムです。
そして、この2つは治療の方向がまったく違います。
ストルバイトは食事や薬で溶かせることがあります。手術をせずに済む可能性があるということです。
シュウ酸カルシウムは溶けません。取り出すには手術が必要になります。
見た目の症状は、ほとんど同じです。頻尿になり、血尿が出て、排尿を痛がる——けれど、その先が違う。この記事では、石の種類による違いを軸に整理していきます。
結論
犬の尿路結石には溶ける石と、溶けない石があります。ストルバイトは細菌感染で尿がアルカリ性に傾くことでできやすく、メスに多く、食事や薬で溶かせることがあります。シュウ酸カルシウムはオスに多く、平均9.3歳と比較的高齢で見られ、溶けないため手術で取り出すことになります。症状は頻尿・血尿・排尿時の痛みで膀胱炎とほぼ同じ——ただし「まったく出ない」なら緊急事態です。取り出した石は、必ず種類を調べてもらってください。
この記事でわかること
- ✓溶ける石と、溶けない石
- ✓石ができる場所と、危険度
- ✓症状は、膀胱炎とほぼ同じ
- ✓治療——種類によって変わる
- ✓再発を減らすために
溶ける石と、溶けない石

尿の中にはさまざまな成分が溶けています。その成分は、尿の性質——酸性かアルカリ性か、濃いか薄いか——によって、溶けたままでいられるか、固まって結晶になるかが変わります。
結晶が集まって大きくなったものが結石です。そして、何が固まったのかによって石の名前が変わり、対応の方法も変わります。
| 項目 | ストルバイト | シュウ酸カルシウム |
|---|---|---|
| 背景 | 細菌感染による膀胱炎 | 感染とは別の要因 |
| 尿の性質 | アルカリ性に傾く | 酸性に傾く |
| 性別 | メスに多い | オスに多い |
| 年齢 | 比較的若くても起こる | 平均9.3歳と、やや高齢 |
| 溶けるか | 食事や薬で溶かせることがある | 溶けない |
| 治療 | まず内科的に試せる | 手術で取り出す |
ストルバイトは細菌感染が背景にあることが多いとされています。菌の働きで尿がアルカリ性に傾き、そこで成分が固まる——という流れです。膀胱炎と深く結びついているのは、そのためです。
裏を返せば、感染を抑え、尿の性質を戻せば石は溶ける可能性があるということ。手術を避けられるかもしれない——これは大きな違いです。
一方のシュウ酸カルシウムはいちどできると溶けません。食事を変えても、薬を使っても、すでにある石は小さくならないのです。だから、取り出すか、そのまま管理するかという判断になります。
だから「石の種類を調べる」ことに意味があります
手術で取り出した石や、自然に出てきた石は成分を分析することができます。
何の石だったのかが分かれば、次に何をすればいいかが決まります。
「取れたから終わり」ではなく「次を防ぐための情報」として扱ってください。
自然に出てきた小さな石や砂も捨てずに持参する価値があります。
「石は調べてもらえますか」——そう聞いてみてください。
石ができる場所と、危険度

結石は腎臓・尿管・膀胱・尿道——尿の通り道のどこにでもできます。そして、どこにあるかで症状も、危険度も変わります。
| 場所 | 起きること |
|---|---|
| 腎臓 | 症状が出ないことも多い。健診で見つかる |
| 尿管 | 詰まると腎臓が傷む。強い痛み |
| 膀胱 | 頻尿、血尿、排尿時の痛み |
| 尿道 | 詰まれば尿が出せない。緊急事態 |
もっとも多く見つかるのが膀胱の石です。石が膀胱の粘膜を刺激し続けるため、頻尿と血尿が続きます。そして、そこに細菌感染が加わることも少なくありません。
怖いのは、石が尿道に流れ込んだときです。とくにオスの尿道は細く、長く、途中で曲がっているため詰まりやすい構造をしています。
⚠ 尿が出ないのは、その日のうちに
トイレに何度も行くのに、まったく出ない
お腹を触ると嫌がる、張っている
ぐったりしている、吐いている
これは緊急事態です。尿が出せない状態が続けば命に関わります。
かかりつけが休診なら、夜間対応の病院を探してください。
尿道の閉塞については尿道の記事で詳しく解説しています。
症状は、膀胱炎とほぼ同じ

結石の症状は膀胱炎とほとんど区別がつきません。というより、結石が膀胱炎を起こしていることも多いのです。
- 少ない量を、何度もする
- 血尿が出る。終わりごろに赤くなることも
- 排尿時に鳴く、いきむ
- トイレ以外で漏らすようになる
- 陰部をよくなめる
- ペットシーツにキラキラした砂が残る
「キラキラした砂」——これは結晶が出てきたものであることがあります。光の当たり方で小さく光って見えるため、白いペットシーツだと気づきやすくなります。
見つけたら、そのシーツごと持参するか写真を撮っておいてください。小さな結晶でも、「何ができているか」の手がかりになります。
色や形も情報になることがあります。白っぽい砂状のもの、茶色がかった粒——そうした違いをそのまま伝えてください。
そして、症状がまったく出ないこともあります。とくに腎臓の石は健康診断の超音波検査で偶然見つかることが珍しくありません。
症状がないなら放っておいてよいのか——そう思われるかもしれませんが、動き出せば尿管に詰まる可能性があります。見つかった時点で経過を追い始めることにはっきりとした意味があります。
治療——種類によって変わる
治療の方針は石の種類・大きさ・場所・症状によって決まります。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 食事療法 | 尿の性質を変え、溶かす・作らせない |
| 抗菌薬 | 感染が背景にある場合に使う |
| 水分を増やす | 尿を薄め、流れを増やす |
| 膀胱切開術 | 膀胱を開いて石を取り出す |
| 尿道の処置 | 詰まった石を膀胱側へ押し戻す |
| 経過観察 | 小さく、症状がない場合に選ばれることも |
ストルバイトと分かった場合は、まず内科的な治療を試せます。感染を抑える薬と尿の性質を変える療法食を組み合わせ、石が小さくなっていくかを定期的に確認する——という進め方です。
ただし、溶けるまでには時間がかかります。数週間から数か月かけて少しずつ小さくなっていくため、途中でやめないことが重要になります。「症状が消えたから」と食事を戻すと、残った石がまた大きくなることがあります。
シュウ酸カルシウムの場合は溶ける見込みがありません。そのため、症状が出ている、詰まる危険がある、大きくなっている——そうした状況では膀胱切開術という手術が検討されます。
手術という選択について
膀胱切開術は膀胱を開いて、中にある石を取り出す手術です。内科的に溶けない石を取り除く方法として広く行われています。
- 全身麻酔が必要になる
- 取り出した石は、成分を調べてもらう
- 術後も、再発予防の管理が続く
- 「取ったら終わり」ではない
- 高齢や持病がある場合は、慎重な判断が要る
- 症状がなければ、経過観察が選ばれることもある
「手術したのに、また石ができた」——これは実際によく聞く話です。けれど、手術は「今ある石を取り除くこと」であって「石ができる体質を変えること」ではありません。
だから、術後の管理が要ります。食事、水分、定期的な尿検査——そこまで含めてひとつの治療だと考えてください。
そして、尿道に詰まっている場合は話が変わります。まず尿を出せる状態にすることが最優先になり、カテーテルで石を膀胱側へ押し戻すといった処置がその場で行われます。
詰まったまま時間が経つと腎臓にも負担がかかり、全身の状態が急速に悪くなります。だからこそ「出ていない」と気づいた時点で動くことに大きな意味があります。
再発を減らすために

尿路結石は再発しやすい病気です。できやすい体質や、尿の性質そのものが変わっていないためです。
- 取り出した石の種類を、必ず調べてもらう
- 指示された療法食を、自己判断で変えない
- 水をいつでも飲めるようにする
- 排尿を我慢させない。散歩の回数を確保する
- 定期的に尿検査を受ける
- 体重を適正に保つ
「水をよく飲ませる」——これが、もっとも基本的で効果のある予防です。尿が薄まれば成分が固まりにくくなり、尿の量が増えれば結晶が洗い流されます。
水入れを複数の場所に置く。ドライフードをふやかす。ウェットフードを併用する——飲む量を増やす工夫がそのまま治療になります。
そして、定期的な尿検査。結石になる前の「結晶」の段階で気づければ、食事の調整だけで対応できることがあります。
もうひとつ、見落とされやすいのが排尿の機会です。尿が膀胱に長くとどまるほど成分が固まる時間ができます。
散歩でしか排尿しない犬では散歩の回数がそのまま排尿の回数になります。天候の悪い日、留守が長い日——そうした日が続けば、それだけ危険が増えるということです。
室内でも排泄できるようにしておくとそうした日の危険を減らせます。高齢になって散歩が減ったときにも役に立つ備えです。
療法食を、続けるということ
再発予防の柱になるのが療法食です。けれど、「一生この食事なのか」という疑問を持つ方は少なくありません。
答えは石の種類と、経過による——です。ストルバイトで感染が背景にあった場合、感染をきちんと治しきれば通常の食事に戻せることもあります。一方、シュウ酸カルシウムのように体質そのものが背景にある場合は長く続けることになりやすいものです。
大切なのは自己判断で戻さないことです。「もう大丈夫だろう」と普通のフードに戻したところ、数か月後にまた石ができていた——これは、よく起こることです。
「いつまで続けますか」「どうなったら戻せますか」——この2つを聞いておけば、見通しを持って続けられます。そして、おやつも療法食の一部だと考えてください。せっかく食事を管理していても、おやつで尿の性質が変わってしまうことがあります。
なりやすい犬種があります
シュウ酸カルシウム結石では犬種による傾向が知られています。
| 石の種類 | 報告のある犬種の傾向 |
|---|---|
| シュウ酸カルシウム | ミニチュアシュナウザー、ヨークシャーテリアなど |
| 同上 | ポメラニアン、キースホンド、テリア系など |
| 尿酸塩 | ダルメシアンに特有の体質がある |
| ストルバイト | 感染との関連が強く、メスに多い |
| 共通 | 傾向であって、確定ではない |
ミニチュアシュナウザーは脂質の体質と並んで尿石症でも名前の挙がる犬種です。詳しくはミニチュアシュナウザーの記事でも解説しています。
そして、ダルメシアンには尿酸を分解する働きが弱いというこの犬種に特有の体質があります。できる石の種類も対策も変わるため、ダルメシアンの記事で別に扱っています。
該当する犬種を飼っているなら年1回の健康診断に尿検査を含めてもらうことを習慣にしてください。
ただし、犬種の傾向は「必ずなる」という意味ではありません。該当しない犬種でも結石はできますし、該当する犬種でも生涯なにも起きない犬のほうが多いのです。
傾向を知る意味は「見る頻度を上げる理由になる」ことにあります。年1回の尿検査という小さな習慣を始めるきっかけとして受け取ってください。
結晶と、結石は違います
尿検査の結果で「結晶が出ています」と言われることがあります。これは結石とは別の段階を指しています。
| 結晶 | 結石 | |
|---|---|---|
| 大きさ | 顕微鏡でしか見えない | 目に見える大きさになる |
| 見つけ方 | 尿検査 | 超音波やレントゲン |
| 症状 | 出ないことも多い | 頻尿や血尿が出る |
| 対応 | 食事や水分で対応できることが多い | 溶かすか、取り出すか |
| 関係 | 集まって大きくなると | 結石になる |
結晶の段階で見つかれば、食事と水分の調整だけで対応できることが少なくありません。石になってしまう前に手を打てる——これが、定期的な尿検査に意味がある理由です。
ただし、「結晶が少し出ている」だけでは問題にならないこともあります。健康な犬の尿にもわずかな結晶が見られることがあるためです。量や種類、症状の有無をあわせて判断されますから、結果の意味をそのつど聞いておいてください。
よくある質問
Q. 結石は食事で溶けますか?
A. 石の種類によります。ストルバイトは食事や薬で溶かせることがありますが、シュウ酸カルシウムは溶けません。手術で取り出すことになります。
Q. ストルバイトとシュウ酸カルシウムの違いは?
A. 背景も、性別の傾向も、溶けるかどうかも違います。ストルバイトは細菌感染で尿がアルカリ性に傾いてでき、メスに多い。シュウ酸カルシウムはオスに多く、平均9.3歳とやや高齢で見られます。
Q. どんな症状が出ますか?
A. 頻尿、血尿、排尿時の痛み——膀胱炎とほとんど同じです。ペットシーツにキラキラした砂が残ることもあります。腎臓の石では、症状が出ないことも珍しくありません。
Q. すぐ病院へ行くべきですか?
A. 「まったく出ない」なら、その日のうちに受診してください。尿道に詰まっている可能性があります。とくにオスは尿道が細く長いため、詰まりやすい構造をしています。
Q. 手術すれば終わりですか?
A. 終わりではありません。手術は今ある石を取り除くもので、石ができる体質を変えるものではありません。術後の食事管理と定期的な尿検査まで含めて、ひとつの治療です。
Q. 取り出した石はどうなりますか?
A. 成分を調べてもらってください。何の石だったかが分かれば、次に何をすればいいかが決まります。「石は調べてもらえますか」と聞いてみてください。
Q. 予防できますか?
A. 水をよく飲ませることが、もっとも基本的で効果のある予防です。尿が薄まれば成分が固まりにくくなり、尿量が増えれば結晶が洗い流されます。定期的な尿検査で、結晶の段階で気づくことも大切です。
まとめ|「何の石ですか」と、聞いてください
犬の尿路結石でいちばん大切なのは石の種類を知ることです。
ストルバイトなら、溶かせるかもしれない。
シュウ酸カルシウムなら、溶けることはない。
その違いで、手術をするかどうかが変わり、その後の食事も、通院の頻度も変わります。
そして、症状は膀胱炎とほとんど同じ——頻尿、血尿、排尿時の痛み。
ただし「まったく出ない」なら別です。その日のうちに受診してください。
結石は再発しやすい病気ですが、再発の理由がはっきりしているという点では対策の立てやすい相手でもあります。
そして、水をよく飲ませること。取り出した石は、かならず種類を調べてもらうこと。
この2つが、次の石を防ぐいちばんの手がかりになります。
今日できる3つ
- 1白いペットシーツに替えて、砂やキラキラしたものがないか見る
- 2水入れを増やして、飲む量が増えるか試してみる
- 3石が見つかったら「何の石ですか」と必ず聞く
結石は、種類が分かれば対策が決まります。まず、そこを確かめてください。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「犬の尿路結石|溶ける石と、溶けない石がある」でした。
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