

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「ダルメシアン|尿酸の体質と、先天性の難聴」です。ではどうぞ!
白い体に、黒い斑点。
ダルメシアンほど誰にでも見分けられる犬種はそう多くありません。
けれど——
この犬種には、他の犬種にはない体のしくみがあります。
尿酸を分解する働きが弱い——
そのため、尿石ができやすいのです。
そして、もうひとつ。
あの白い被毛を作る遺伝子は難聴とも結びついています。
この記事では、この2つの特徴を軸に書いていきます。
結論
ダルメシアンには尿酸を分解する働きが弱いという、この犬種特有の体質があります。そのため尿石症になりやすい——水をよく飲める環境とプリン体を控えた食事が予防の中心になります。そして先天性の難聴。白い被毛の遺伝子と結びついており、片耳または両耳が聞こえない個体が一定の割合でいます。尿が出ないときは、その日のうちに受診してください。
この記事でわかること
- ✓尿酸を分解できない、体質
- ✓尿石症を、どう防ぐか
- ✓白い被毛と、先天性の難聴
- ✓運動量——馬車について走った犬
- ✓気質と、暮らし
尿酸を分解できない、体質

ほとんどの犬は体内で尿酸を分解して尿として出します。
けれど、ダルメシアンではその働きが弱い——
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| どういう体質か | 尿酸を分解する働きが弱い |
| 結果 | 尿中の尿酸が増える |
| 起きること | 尿酸の結晶・結石ができる |
| この犬種の特殊性 | 他の犬種にはない特徴 |
| とくに注意 | オスは尿路が狭く、詰まりやすい |
| 対策 | 水分と、食事内容 |
「この犬種にしかない特徴」——
だから、他の犬種と同じ考え方では対応できません。
そして、オス。
尿の通り道が細く長いため結石が詰まりやすい——
詰まって尿が出なくなれば数時間から1日で命に関わります。
⚠ 尿が出ないときは、その日のうちに
トイレに何度も行くのに、少ししか出ない
まったく出ない
排尿時に鳴く
血が混じる
これらは、様子を見てよいものではありません。
とくに「まったく出ない」は緊急事態です。その日のうちに受診してください。
尿石症を、どう防ぐか

やることは、2つです。
水をよく飲ませることと
プリン体を控えること。
- 水入れを複数の場所に置く
- 毎日の飲水量を、おおよそ把握しておく
- プリン体の多い食材を控える
- フードは獣医師と相談して選ぶ
- トイレの回数と量を、毎日見ておく
- 年1回の健康診断に、尿検査を含めてもらう
「水をよく飲ませる」——
これが、いちばん効きます。
尿が薄まれば、結晶はできにくくなります。
水入れを増やす、食事に水分を足す——
できることから始めてください。
そして、トイレを我慢させないこと。
尿が膀胱に長くとどまるほど結晶はできやすくなります。
散歩でしか排尿しない犬の場合、
散歩の回数が減ればそのまま危険が増えます。
室内でも排泄できるようにしておくと雨の日や体調の悪い日にも困りません。
この犬種では、それも予防のひとつです。
プリン体を、どう考えるか
尿酸のもとになるのがプリン体です。
| 食材 | プリン体 | この犬種では |
|---|---|---|
| レバー(肝臓) | 非常に多い | 避けたい |
| 内臓類 | 多い | 避けたい |
| 鶏肉 | 比較的多い | 量に注意 |
| 魚類の一部 | 多いものがある | 種類を確認 |
| おやつ | 原材料を見る | レバー系に注意 |
| 療法食 | 調整されている | 獣医師に相談 |
「おやつの原材料を見る」——
犬用のおやつにはレバーを使ったものが少なくありません。
ジャーキー、ふりかけ、訓練用のおやつ——
この犬種では原材料の確認が習慣になります。
そして、自己判断で極端に制限しないこと。
必要な栄養まで削ってしまうと別の問題が起きます。
尿検査の結果を見ながら、獣医師と決めてください。
白い被毛と、先天性の難聴

もうひとつの特徴——
この犬種は、先天性の難聴がもっとも多い犬種のひとつとされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原因 | 白い被毛を作る遺伝子と関わる |
| 時期 | 生まれつきのもの |
| 範囲 | 片耳のみ/両耳の場合がある |
| 頻度 | 調査では2割程度という報告も |
| 青い目の個体 | 起こりやすいとされる |
| 検査 | 子犬のうちに聴力検査ができる |
「白い毛の遺伝子が、内耳の細胞にも関わる」——
それが、この結びつきの背景です。
白い被毛を持つ犬種で共通して見られる現象で、
詳しくはミニチュアブルテリアの記事でも解説しています。
片耳だけ聞こえない場合は気づかれないことも多い——
子犬のうちに聴力検査を受けられるか確認してみてください。
片耳だけの場合
両耳が聞こえない場合は比較的早く気づかれます。
問題は、片耳の場合——
| 状況 | 起きること |
|---|---|
| 日常生活 | ほぼ問題なく過ごせる |
| 音の方向 | どこから鳴ったか分かりにくい |
| 呼び戻し | 見当違いの方向へ行くことも |
| 気づかれ方 | 検査をしないと分からないことが多い |
| 暮らし | 知っていれば、配慮できる |
「知っていれば、配慮できる」——
ここが大切な点です。
聞こえないほうの側から近づかない、
呼ぶときは聞こえるほうへ回る——
それだけで犬の負担は減ります。
知らずに「言うことを聞かない犬」と思われてしまうのがいちばん不幸なことです。
聞こえなくても、暮らせます
まず、はっきりさせておきたいこと——
聞こえない犬も問題なく暮らせます。
- 手の合図を決めて、家族で統一する
- 視界に入ってから、体に触れる
- 床を軽く踏んで、振動で知らせる
- 寝ているときは、驚かせないよう配慮する
- 散歩ではリードを絶対に離さない
- 迷子札とマイクロチップを必ず
「視界に入ってから触れる」——
これは、とくに大切です。
聞こえない犬は後ろから急に触られると驚きます。
驚いた反応が咬みつきになることもあります。
家族全員で、そして来客にも伝えておいてください。
「耳が聞こえないので、正面から姿を見せてから触ってください」——
それだけ伝えておけば、たいていの咬傷事故は防げます。
そして、手による合図——
「おいで」「座って」「待って」の3つの合図から始めてみてください。
言葉で教えるのと手間は変わりません。
むしろ、視覚に集中しているぶんよく覚えてくれるという声も少なくありません。
運動量——馬車について走った犬

この犬種の歴史でよく語られるのが馬車の伴走です。
馬車の横を走り、馬を守り、道を空けさせる——
つまり、何時間も走り続けられる体を持っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 体重 | 24〜32kg程度 |
| 平均寿命 | 12〜14年 |
| 運動量 | 1日2回、各40分〜1時間 |
| 持久力 | 非常に高い |
| 足りないと | 破壊行動・吠えにつながる |
| 被毛 | 短毛。ただし抜け毛は多い |
「見た目で選んで、運動量で驚く」——
この犬種でよく起きることです。
映画の印象から迎える人が増えた時期がありました。
けれど、実際は相当な運動量を必要とする働く犬です。
1日2回、各40分〜1時間——
それが確保できるかを迎える前に考えてください。
運動が足りないと、どうなるか
持て余した力は別の形で出ます。
| 現れ方 | 背景 |
|---|---|
| 家具や壁を壊す | 力が余っている |
| 吠える回数が増える | 刺激が足りない |
| 家のなかを走り回る | 落ち着けない |
| 飛びつきが激しくなる | 興奮が発散されない |
| 要求が強くなる | かまってほしい |
| 共通 | 叱っても解決しない |
これらを「しつけの問題」として叱っても解決しません。
原因は、運動と刺激の不足です。
そして、賢い犬種ですから
体を動かすだけでなく頭を使う時間も必要になります。
1日10〜15分——
訓練の時間や、玩具に食事を入れて取り出させる遊びを組み込んでください。
気質と、暮らし
気質については活発で、人が好きと評されます。
家族への愛情が深く、遊ぶことを好む——
一方で、感受性が強い面もあります。
- 強く叱ると、萎縮してしまうことがある
- できたときにほめる形で教える
- 生後4か月ごろまでに、社会化を進める
- 飛びつきは、子犬期のうちに教える
- 家族全員で、合図と対応をそろえる
- 短い時間の訓練を、毎日続ける
「飛びつきを子犬期に教える」——
24〜32kgの犬が喜んで飛びついてくると
人が転倒することがあります。
子犬のうちはかわいく見えますが、
成犬になってからでは教え直しに時間がかかります。
やり方は簡単です。
飛びついてきたら、背を向けて相手をしない——
四つ足が床についた瞬間に声をかけ、なでる。
「飛びつくと相手をしてもらえない、座ると相手をしてもらえる」と覚えてもらう——
家族全員で同じ対応をすることがいちばんの近道です。
手入れと、抜け毛
短毛ですから手入れは楽——
と思われがちですが、
抜け毛は多い犬種です。
| 項目 | 頻度 | 内容 |
|---|---|---|
| ブラッシング | 週2〜3回 | 抜け毛を先に取る |
| シャンプー | 月1回程度 | 皮膚の状態に合わせる |
| 爪切り | 月1回 | 伸びすぎに注意 |
| 耳 | 週1回 | 垂れ耳。においを確認 |
| 歯みがき | 毎日 | 子犬期から慣らす |
| 皮膚の確認 | 週1回 | アレルギーの報告がある |
短くて硬い毛は衣類や布に刺さるように残ります。
「短毛だから抜け毛が少ない」という思い込みはこの犬種では通じません。
週2〜3回のブラッシングで抜けかけた毛を先に取っておいてください。
そして、斑点について——
この犬種の子犬は生まれたときは真っ白です。
斑点は、生後数週間かけて少しずつ現れます。
黒い斑点(ブラックスポット)と濃い赤褐色の斑点(レバースポット)——
この2つが主な毛色とされています。
食事と、体重管理
食事の内容に気を配る犬種ですが、
量の管理も同じくらい大切です。
| 確かめ方 | 適正な状態 | 太っている状態 |
|---|---|---|
| 肋骨を触る | 薄い脂肪ごしに骨が指に当たる | 押しても骨が分からない |
| 上から見る | 腰にくびれがある | 寸胴に見える |
| 横から見る | お腹が引き上がっている | お腹が垂れている |
| 動き | 軽快に走る | すぐ息が上がる |
| 記録 | 月1回、体重を記録する | 気づかないうちに増える |
体重が増えれば股関節への負担も増えます。
- フードはキッチンスケールで量る
- 訓練用のおやつは、1日の食事から取り分ける
- おやつは1日の総カロリーの1割まで
- 月に一度、体重を測って記録する
- 人の食べ物を分け与えない
- 子犬期の急激な体重増加も避ける
「訓練用のおやつを食事から取り分ける」——
この犬種では二重の意味があります。
太らせないためと、
プリン体の多いおやつを増やさないため——
普段のフードを訓練に使うのがいちばん安全なやり方です。
留守番と、家族との関係
人への結びつきが強く、運動量も多い——
この組み合わせは長時間の留守番に向きません。
- 子犬期から、短い留守番に慣らしていく
- 出かける前に、必ず散歩で運動させる
- 留守中に楽しめる玩具を用意する
- 壊されて困るものは片づけておく
- 出入りのときに、大げさにしない
- 録画して、留守中の様子を確認する
「出かける前に運動させる」——
これが、この犬種ではとくに効きます。
満たされていない状態で何時間も置いていかれれば
家具や壁にその力が向かいます。
叱っても解決しません。
朝の散歩をしっかり済ませてから出かける——
それだけで変わることがあります。
そのほかに、注意したい病気
尿石症と難聴のほかにも知っておきたいことがあります。
| 病気 | 気づきたいサイン |
|---|---|
| 尿石症 | 頻繁にトイレへ行く。血尿 |
| 先天性難聴 | 音に反応しない |
| 皮膚のアレルギー | 体をかき続ける。赤み |
| 股関節形成不全 | 腰を振って歩く |
| 甲状腺機能低下症 | 元気がない。太る |
| てんかん | けいれん発作 |
年1回の健康診断には
血液検査と尿検査を必ず含めてもらってください。
尿検査はこの犬種ではとくに重要です。
結晶が出ている段階で気づければ食事の調整で対応できることがあります。
結石になり、詰まってからでは手術が必要になります。
そして、一度できた犬は再発しやすい——
治療が終わったあとも食事と水分の管理は続きます。
「治った」ではなく「管理していく」——
そう考えておいてください。
石の種類によって対応が変わることもあります。
取り出した石を調べてもらえるか獣医師に確認してみてください。
迎える前に、確認したいこと
この犬種で確認したいことをまとめます。
- 子犬の聴力検査を受けているか
- 両親の聴力について確認する
- 両親に尿石症の既往がないか聞く
- 股関節の検査結果を書面で確認する
- 毎日2時間近い散歩が確保できるか考える
- 生後56日を過ぎているか確認する
「聴力検査」——
先天性難聴が多い犬種ですから、
検査をしている繁殖者かどうかはひとつの目安になります。
費用と手間のかかる検査を続けているということは、
この犬種の課題を理解しているということです。
そして、運動量について——
「そんなに歩けますか」と逆に聞いてくる繁殖者は信頼できます。
売ることより、その犬が幸せに暮らせるかを先に考えている——
そういう相手を選んでください。
よくある質問
Q. なぜ尿石症になりやすいのですか?
A. 尿酸を分解する働きが弱いという、この犬種特有の体質があるためです。尿中の尿酸が増え、結晶や結石ができやすくなります。他の犬種にはない特徴です。
Q. どう予防すればいいですか?
A. 水をよく飲ませることと、プリン体を控えることの2つです。水入れを複数の場所に置き、レバーなどプリン体の多い食材を避けてください。尿が薄まれば、結晶はできにくくなります。
Q. おやつは何に気をつければ?
A. 原材料を確認してください。犬用のおやつにはレバーを使ったものが少なくありません。ジャーキーやふりかけ、訓練用のおやつも同じです。
Q. 尿が出ないときはどうすれば?
A. その日のうちに受診してください。とくにオスは尿の通り道が細く長いため詰まりやすく、尿が出なくなれば数時間から1日で命に関わります。
Q. 難聴が多いと聞きました
A. 白い被毛を作る遺伝子が、内耳の細胞にも関わっているためです。片耳または両耳が聞こえない個体が一定の割合でいます。青い目の個体では起こりやすいとされています。
Q. 聞こえない犬でも飼えますか?
A. 問題なく暮らせます。手の合図を決めて家族で統一し、視界に入ってから体に触れてください。床を軽く踏んで振動で知らせる方法もあります。
Q. 運動はどれくらい必要ですか?
A. 1日2回、各40分〜1時間が目安です。馬車について走った歴史を持つ、持久力の非常に高い犬種です。見た目で選ぶと、運動量で驚くことになります。
まとめ|水と、原材料と、手の合図
ダルメシアンには他の犬種にはない体のしくみがあります。
尿酸を分解する働きが弱い——
だから、水をよく飲ませることと
おやつの原材料を確認することがこの犬種の日課になります。
そして、難聴。
聞こえない犬でも問題なく暮らせます。
手の合図を決めて、視界に入ってから触れる——
それだけのことです。
そのうえで、毎日2時間近い散歩——
それを引き受けられるなら——
活発で、人が好きで、遊ぶことを喜ぶ最高の相棒になります。
今日から始める3つ
- 1水入れを複数の場所に置き、毎日の飲水量を見ておく
- 2今あるおやつの原材料を確認し、レバー系を外す
- 3次の健康診断に、尿検査を必ず含めてもらう
この犬種の課題は、体質としてはっきりしています。だからこそ、対策も具体的に打てます。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「ダルメシアン|尿酸の体質と、先天性の難聴」でした。
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