

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「パグの飼い方|つぶれた鼻が呼吸と体温に効いてくる」です。ではどうぞ!
ぐうぐうといびきをかいて眠るパグ。
あの音を「かわいい」と感じる方は多いと思います。実際、パグの愛嬌はこの犬種の何よりの魅力です。
けれど——あのいびきは、空気がうまく通っていない音でもあります。
短頭種気道症候群。
鼻がつぶれた犬種に共通する、呼吸の通り道が狭い状態を指す言葉です。
そして犬は、呼吸で体温を下げる生き物です。呼吸が苦手ということは、暑さに極端に弱いということになります。
この記事では、パグの体に何が起きているのか、どんな呼吸が危険なのか、そして夏をどう乗り切るかを具体的に書いていきます。
顔のシワや目の手入れ、パグ特有の脳の病気についてはパグの顔と皮膚の記事にまとめてあります。
結論
パグのつぶれた鼻は、鼻の穴・軟口蓋・喉頭・気管という4か所の狭さと結びついています。犬は口の中で唾液を蒸発させて体温を下げるため、呼吸が苦手なパグは冷やす手段が乏しいのです。室温28度以下を、留守中も切らないこと。舌が青紫になったら、すでに緊急事態です。
この記事でわかること
- ✓つぶれた鼻の内側で起きていること
- ✓呼吸と体温が、直結している理由
- ✓危険な呼吸音の見分け方
- ✓夏を乗り切るための具体策
- ✓手術という選択肢について
つぶれた鼻の、内側で起きていること

短頭種気道症候群という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
鼻がつぶれた犬種で、空気の通り道が狭くなっている状態をまとめて指す呼び方です。
そして重要なのは——狭いのは鼻だけではないという点です。
| 部位 | 何が起きているか | 結果 |
|---|---|---|
| 外鼻孔狭窄 | 鼻の穴の入り口が狭い | 吸い込む量が減る |
| 軟口蓋過長 | のどの奥の膜が長すぎる | 気道の入り口をふさぐ |
| 喉頭小嚢の外反 | 粘膜がめくれて飛び出す | さらに通り道が狭まる |
| 気管低形成 | 気管そのものが細い | 空気の流量が足りない |
頭蓋骨が短くなっても、中身の軟部組織は短くなりませんでした。
これが問題の核心です。
本来の長さのままの舌や軟口蓋が、短くなった頭のなかに押し込められている——その結果、通り道がふさがれるのです。
いびきは、正常な音ではない
パグはいびきをかくもの——そう思われていますし、実際そうです。
ただしそれは「健康である」という意味ではありません。
いびきは、空気が狭いところを無理に通っている音です。
音が大きくなってきた起きているときも鳴るようになった——こうした変化は、症状が進んでいるサインである可能性があります。
放っておくと、悪化していく
この病気の厄介なところは、悪循環になるという点です。
息が吸いにくい→強く吸おうとする→陰圧で喉の粘膜が引き込まれる→さらに狭くなる——
この流れは、時間とともに進みます。
だからこそ、若いうちからの評価に意味があります。
呼吸と体温は、直結している

ここが、この記事でもっとも伝えたい部分です。
犬は、汗をかいて体を冷やせません。
人のように全身から汗を出す仕組みを持っていないため、体温を下げる主な手段は「呼吸」だけになります。
| 人間 | 犬 | |
|---|---|---|
| 主な放熱方法 | 全身の発汗 | パンティング(口での呼吸) |
| 仕組み | 汗が蒸発する気化熱 | 口内の唾液が蒸発する気化熱 |
| 効率 | 高い | もともと低い |
| パグの場合 | —— | 空気が通らず、さらに落ちる |
パンティング——口を開けてハアハアと速く浅い呼吸をすることです。
口の中と喉を空気が通り抜けるとき、唾液が蒸発して熱を奪います。
つまり空気がたくさん通るほど、よく冷えるということ。
そしてパグは、その空気が通りにくい犬種です。
⚠ パンティング自体が、体温を上げてしまうことがあります
狭い気道で必死に呼吸をすると、呼吸そのものが激しい運動になります。
冷やすための呼吸が、かえって熱を生む——この段階に入ると、体温は急速に上がっていきます。
ハアハアが止まらない、落ち着かせても収まらない——この状態は、すでに危険な領域だと考えてください。
危険なサインの、見分け方

熱中症は、段階的に進みます。
そして気づいたときには手遅れということが起こりうる病気です。
| 段階 | 様子 | すること |
|---|---|---|
| 注意 | ハアハアが止まらない | 涼しい場所へ移す |
| 危険 | よだれが大量に出る・目が充血 | 体を冷やしながら病院へ連絡 |
| 緊急 | 舌や歯ぐきが青紫・白い | ただちに動物病院へ |
| 重篤 | ふらつく・倒れる・けいれん | 救急対応が必要 |
| 回復後 | 数日は経過を見る | 臓器障害が遅れて出ることがある |
舌の色は、もっとも分かりやすい指標です。
健康なときはきれいなピンク色。これが青紫がかったり、白っぽくなったりしたら、酸素が足りていません。
普段の舌の色を覚えておいてください。比較する基準がないと、変化に気づけません。
冷やし方には、やり方がある
熱中症を疑ったときの冷やし方にも注意点があります。
- 常温の水を体にかける——氷水は使わない
- 首・脇の下・内股を重点的に冷やす
- 扇風機やうちわで風を当てる——気化熱で冷える
- 意識があれば、水を飲ませる
- 冷やしながら、動物病院に電話する
- 氷で急激に冷やさない——血管が収縮して逆効果
氷水で一気に冷やすのは避けてください。皮膚の血管が縮んでしまい、体の内側の熱が逃げにくくなります。
常温の水をかけて、風を当てる——これがもっとも効率のよい方法です。
そして回復したように見えても、必ず受診してください。
熱中症は数日後に腎臓や肝臓の障害が出ることがあります。
夏を乗り切るための、具体策

パグと暮らすうえで、夏は最大の課題です。
日本の夏は高温に加えて多湿——この犬種にとって、もっとも厳しい環境だと言えます。
| 場面 | 守ること | 理由 |
|---|---|---|
| 室内 | 室温28度以下・湿度50〜60% | 湿度が高いと気化熱が働かない |
| 留守番 | エアコンを切らない | 締め切った室内は急速に温まる |
| 散歩 | 早朝と日没後のみ | 日中のアスファルトは60度を超える |
| 路面 | 手の甲で5秒触れるか確かめる | 体が地面に近い |
| 車 | 短時間でも残さない | 数分で車内は危険な温度になる |
| 首まわり | ハーネスを使う | 首輪は気管を圧迫する |
湿度を見落とさないでください。
気化熱で冷やす仕組みである以上、空気が湿っていれば唾液は蒸発しません。
28度で湿度80%の日は、32度で湿度40%の日より危険ということが起こります。
エアコンは冷房だけでなく、除湿も使ってください。
散歩は、時間帯を変えるだけ
夏のあいだ、日中の散歩はやめてください。
アスファルトは日中60度を超えます。パグは体が地面に近く、照り返しをまともに受けます。
手の甲を路面に5秒間つけていられるか——熱くて我慢できないなら、犬の肉球も同じです。
早朝と日没後、短めに、ゆっくり。それで十分です。
呼吸を楽にする、日々の工夫
手術以外にも、毎日の暮らしでできることがいくつもあります。
そしてそのなかで最も効果が大きいのが、体重管理です。
| 工夫 | なぜ効くか |
|---|---|
| 適正体重を保つ | 首まわりの脂肪が気道を圧迫する |
| 首輪をハーネスに替える | 引く力が気管に直接かかる |
| 興奮させすぎない | 激しい呼吸が悪循環を招く |
| 食器を少し高くする | 首を下げる姿勢が呼吸を妨げる |
| 早食いさせない | 食べながら息を吸うとむせる |
太ったパグは、痩せたパグより明確に呼吸が苦しくなります。
喉のまわりについた脂肪が、ただでさえ狭い気道を外側から押しているためです。
判断は見た目ではなく、触って。背中から肋骨をなでたとき、薄い脂肪ごしに骨が指に当たる——これが適正です。
- フードはキッチンスケールで量る
- おやつは1日の総カロリーの1割まで
- 月に一度、体重を測って記録する
- パグは食への執着が強い犬種——欲しがるだけ与えない
- 避妊・去勢後は必要カロリーが下がる
- 減らすときは獣医師と相談しながら
パグは、食べることが大好きな犬種です。
あの目で見つめられるとつい与えたくなる——これがこの犬種の肥満率を押し上げている最大の要因です。
与えないことが、優しさになります。
移動と、季節の変わり目
夏だけが問題ではありません。
移動と気温の急な変化にも注意が必要です。
- 多くの航空会社が、短頭種の受け入れを制限している
- 車での移動中も、エアコンを効かせる
- キャリーの中は空気がこもる——通気を確保する
- 渋滞で停車したときが、いちばん危ない
- 冬でも、暖房の効きすぎた室内は暑い
- 寒暖差の大きい日は、呼吸が乱れやすい
飛行機については、迎える前に確認しておくことを強くおすすめします。
貨物室での呼吸困難の事故が報告されてきたため、短頭種の預かりを断る航空会社が少なくありません。
帰省や引っ越しの手段が限られることになります。
そして冬。暖房の効いた部屋でハアハアしているなら、その犬にとっては暑すぎます。
手術という選択肢
短頭種気道症候群は、手術で改善できる部分があります。
| 手術 | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 外鼻孔拡大術 | 鼻の穴を広げる | 5〜15万円 |
| 軟口蓋切除術 | 長すぎる軟口蓋を短くする | 10〜25万円 |
| 喉頭小嚢切除 | めくれた粘膜を取り除く | 同時に行うことが多い |
| 実施の時期 | 若いうちのほうが結果がよい | 避妊去勢と同時も可能 |
若いうちに行うほど、効果が高いとされています。
先ほど触れたとおり、この病気は時間とともに二次的な変化が積み重なるためです。
避妊・去勢手術のときに、同時に鼻の穴を広げてもらう——こうした選択をする飼い主も増えています。
⚠ 麻酔のリスクも、正しく知っておいてください
短頭種は、麻酔のリスクが高いとされます。
気道が狭いため、麻酔からの覚醒時に呼吸が不安定になりやすいためです。
だからこそ、短頭種の扱いに慣れた動物病院を選んでください。「短頭種の手術経験はありますか」と率直に尋ねて構いません。
それでも、パグは魅力的な犬です
ここまでリスクの話を続けてきました。
けれどパグという犬種の魅力は、それを踏まえてなお確かなものだと思います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 体重 | 6〜8kg |
| 平均寿命 | 12〜15年 |
| 性格 | 陽気・穏やか・人が大好き |
| 運動量 | 1日2回、各15〜20分で足りる |
| 吠え | 比較的少ない |
| 起源 | 中国原産。皇帝の愛玩犬だった |
「シャドウ(影)」と呼ばれるほど、飼い主のあとをついて回ります。
攻撃性がほとんどなく、子どもにも他の犬にも穏やか——愛玩犬として長い歴史を持つ犬種らしい気質です。
運動量も多くありません。というより激しい運動をさせてはいけない犬種ですから、室内飼育との相性は良好です。
この犬に必要なのは、広い庭でも長い散歩でもありません。涼しい部屋と、そばにいる家族——それで足ります。
もともと中国で皇帝や貴族に飼われていた愛玩犬です。働くためではなく、人のそばにいるために選ばれ続けてきた犬種だと言えます。
その歴史は、今の気質にそのまま残っています。留守番を寂しがり、帰宅すれば全身で喜び、膝の上で眠りたがる——人と暮らすことに、とことん向いている犬です。
寝ているときの呼吸を、見ておく
眠っているあいだの様子にも、重要な情報が現れます。
安静時の呼吸数を数えておくことをおすすめします。
| 観察すること | 正常な状態 | 受診したい状態 |
|---|---|---|
| 安静時の呼吸数 | 1分あたり15〜30回 | 40回を超える |
| 寝ているときの姿勢 | 横向きで丸まっている | あごを上げて首を伸ばす |
| 口 | 閉じている | 寝ながら口を開けている |
| いびきの音 | いつもと同じ | 明らかに大きくなった |
| 途中で起きる | ぐっすり眠っている | 息苦しさで目を覚ます |
安静時の呼吸数の数え方は簡単です。
眠っているときに、胸やお腹の上下を15秒間数えて4倍する——それだけです。
あごを上げ、首を伸ばして眠る——この姿勢は、少しでも気道を広げようとしているサインであることがあります。
そして眠っている途中ではっと目を覚ます。
息苦しさで起きている可能性があります。動画に記録して、受診時に見せてください。
よくある質問
Q. いびきがうるさいのですが、病気でしょうか?
A. いびきは空気が狭いところを通る音です。パグでは珍しくありませんが、健康の証ではありません。音が大きくなってきた、起きているときも鳴るようになった——こうした変化があれば受診してください。
Q. エアコンは、留守中もつけておくべきですか?
A. 切らないでください。締め切った室内は短時間で急速に温まります。室温28度以下、湿度50〜60%を目安にしてください。湿度が高いと、パンティングによる冷却が働かなくなります。
Q. 散歩はどれくらい必要ですか?
A. 1日2回、各15〜20分で足ります。むしろ激しい運動はさせないでください。夏のあいだは早朝と日没後のみにし、路面に手の甲を5秒つけられるかを確かめてから出てください。
Q. 舌が青紫になっていました。どうすればいいですか?
A. 緊急事態です。ただちに動物病院へ向かってください。酸素が足りていない状態です。移動中は常温の水をかけ、首・脇の下・内股を冷やし、風を当ててください。氷水で急激に冷やすのは逆効果です。
Q. 手術は受けたほうがいいのでしょうか?
A. 症状の程度によります。鼻の穴を広げる手術や軟口蓋の切除は、若いうちほど結果がよいとされています。この病気は放置すると二次的な変化が積み重なるためです。まずは短頭種に慣れた動物病院で評価を受けてください。
Q. 麻酔が心配です。
A. 短頭種は麻酔のリスクが高いのは事実です。覚醒時に呼吸が不安定になりやすいためです。だからこそ病院選びが重要になります。「短頭種の麻酔経験はありますか」と率直に尋ねて構いません。
Q. 飛行機に乗せられますか?
A. 多くの航空会社が短頭種の預かりを制限しています。貨物室の環境で呼吸困難を起こす事故があったためです。帰省や引っ越しの移動手段は、迎える前に確認しておいてください。
まとめ|涼しい部屋が、この犬の命綱
パグのつぶれた鼻は、鼻の穴・軟口蓋・喉頭・気管という4か所の狭さと結びついています。
そして犬は、呼吸で体温を下げる生き物です。
呼吸が苦手ということは、冷やす手段が乏しいということ。この2つは、切り離せません。
室温28度以下、湿度50〜60%。留守中もエアコンを切らない。日中は散歩に出ない。
この3つが守れるかどうかで、この犬種と暮らせるかが決まります。
そして体重管理。喉のまわりの脂肪は、ただでさえ狭い気道を外側から押します。与えないことが、この犬種にとっては優しさです。
いびきの音、舌の色、安静時の呼吸数——この3つを普段から見ておけば、変化に気づける飼い主になれます。パグと長く暮らすうえで、これ以上に確かな備えはありません。
そして——守れるのであれば、パグほど穏やかで愛情深い相棒はいません。
今日から始める3つ
- 1夏のあいだ、留守中もエアコンを切らない設定にする
- 2普段の舌の色を覚えておく——比較の基準になります
- 3首輪をハーネスに替え、短頭種に慣れた動物病院を探しておく
この犬種にとって、涼しい部屋は贅沢ではなく命綱です。その一点を守れるなら、あとは愛嬌を楽しむだけです。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「パグの飼い方|つぶれた鼻が呼吸と体温に効いてくる」でした。
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