

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬の股関節形成不全|腰を振って歩く、その理由」です。ではどうぞ!
歩くとき、腰が左右に揺れる。
走ると、後ろ足をそろえてうさぎのように跳ねる。
寝ているところから立ち上がるのに時間がかかる——
「そういう歩き方の子なんだな」と受け取られていることがあります。
けれど、その歩き方には名前がついています。
モンローウォーク——
股関節形成不全という病気で見られる特徴的な歩き方です。
そして、この病気には知っておいてほしいことが2つあります。
ひとつは、成長期の育て方が結果を左右すること。
もうひとつは、8〜9割は手術をせずに暮らせるということです。
結論
股関節形成不全の原因は遺伝的素因や、成長期の偏った栄養や運動が関与しているといわれています。とくにラブラドール・レトリーバーやジャーマン・シェパード、ゴールデン・レトリーバーといった大型犬に多く見られます。症状は生後4〜12か月ごろに確認されることが多いとされますが、2〜3歳になってから現れる場合もあります。腰をふるように歩く(モンローウォーク)、四肢を突っ張るように歩く、うさぎ跳びのように後ろ足を一緒に動かして走る、立ち上がるのに時間がかかるといった症状が見られます。成長期に急速に体重が増加すると、未熟な股関節に過大な負荷がかかります。約8〜9割の犬が保存療法で日常生活を送ることが可能といわれ、保存療法ではリハビリテーションが非常に有効です。
この記事でわかること
- ✓その歩き方に、名前があります
- ✓成長期に、決まっていきます
- ✓「大きく育てる」が裏目に出る
- ✓いつ、症状が出るのか
- ✓8〜9割は、保存療法で暮らせます
- ✓体重と、リハビリ
- ✓手術という選択
その歩き方に、名前があります

この病気で見られる歩き方にはそれぞれ呼び名があります。
| 見えること | 呼び方・説明 |
|---|---|
| 腰を左右に振って歩く | モンローウォークと呼ばれる |
| 後ろ足をそろえて跳ねる | うさぎ跳びのような走り方 |
| 四肢を突っ張るように歩く | ぎこちなく、伸ばしたまま動かす |
| 立ち上がるのに時間がかかる | 寝た姿勢から、なかなか起きられない |
| 座り方が変わる | 足を横に投げ出して座る |
| 階段や段差を嫌がる | 後ろ足に力をかけたくない |
名前がつくほど特徴的——
それは、多くの犬で同じように現れるということです。
なぜ、腰を振るのか——
股関節がしっかりはまっていないため後ろ足できちんと体を支えられない——
だから、体を左右に揺らしながら重心を移して進むことになるのです。
うさぎ跳びも同じ理由です。
片方ずつ後ろ足を動かすのがつらいから両足をそろえて跳ぶように動かす——
本人なりに楽な動き方を見つけている——そう考えるとその動きの意味が見えてきます。
「元気に走っている」ように見えます
この病気で気づきが遅れる理由がここにあります。
うさぎ跳びで走る犬は楽しそうに見えます。
実際、本人も遊びたがる——
けれど、その走り方自体が症状です。
動画を撮って見てもらってください。散歩の様子を後ろから撮ると腰の動きが分かります。
成長期に、決まっていきます

股関節は生まれたときにはまだ完成していません。
成長にあわせて骨とくぼみがかたちを作っていく——
丸い骨の先が骨盤側のくぼみにしっかりはまるように育っていくのです。
そのあいだに過大な負荷がかかると——
- 未熟な関節が、うまくはまらないまま育つ
- ゆるみが残り、こすれ合うようになる
- そのこすれが、変形を進めていく
- やがて痛みが出て、歩き方が変わる
- 遺伝的な素因があると、起こりやすい
- そこに栄養と運動が重なる
原因は遺伝的素因や、成長期の偏った栄養や運動が関与しているといわれています。
つまり、生まれつきの素因だけで決まるわけではない——
育て方によって変わる部分があるということです。
これは、重く受け取ってほしいと同時に希望でもあります。
素因のある犬でも成長期の負荷を減らせば軽く済む可能性があるからです。
「大きく育てる」が裏目に出る
ここが、この記事でもっとも伝えたい部分です。
成長期に急速に体重が増加すると未熟な股関節に過大な負荷がかかります。
1歳までに肥満になってしまうと体の重みによって成長途上の骨や関節に多大な影響を及ぼすとされています。
けれど、子犬を迎えた飼い主の気持ちは逆を向きがちです。
| よくある考え | 実際には |
|---|---|
| たくさん食べさせたい | 急な体重増加が、関節に負担をかける |
| 大きく育ってほしい | 成長のスピードが速すぎると、関節が追いつかない |
| 丸々していてかわいい | 1歳までの肥満は、骨と関節に影響する |
| 元気だから走らせる | 激しい運動も、未熟な関節には負荷になる |
| 栄養はたっぷり | 偏った栄養も、原因に挙げられている |
| 大型犬だから丈夫 | 大型犬こそ、この病気が多い |
「よく食べる子で、うれしい」——
その気持ちは自然です。
けれど、成長期の大型犬では「ゆっくり育てる」ことに意味があるのです。
体重が急に増えればまだ育ちきっていない関節がその重さを支えることになります。
そして、激しい運動——
元気だからと長く走らせる、階段を上り下りさせる——
そうしたことも負荷になります。
大型犬を迎えたなら「1歳までの食事と運動」について獣医師に相談しておいてください。
成長期用の食事には大型犬向けに設計されたものがあります。
そうした選択にも理由があるのです。
迎えるときに、確かめられること
この病気には遺伝的な素因が関わっています。
だから、迎える前に確かめられることもあります。
- 両親の股関節の状態を、調べているか
- その結果を、見せてもらえるか
- 同じ親から生まれた犬に、発症例がないか
- 好発犬種であることを、知っているか
- 成長期の食事について、説明があるか
- 迎えたあとの相談に、応じてもらえるか
大型犬では股関節の評価を行っていることがあります。
その情報を確かめられるなら見せてもらってください。
すでに迎えたあとなら成長期の管理に力を注ぐ——
そちらのほうがはるかに大切です。
いつ、症状が出るのか
症状は生後4〜12か月ごろに確認されることが多いといわれています。
けれど、2〜3歳になってから現れる場合もあります。
| 時期 | 起きていること |
|---|---|
| 生後4〜12か月 | もっとも多く確認される時期 |
| この時期の症状 | 関節のゆるみによる痛み |
| いったん落ち着くことも | 周りの組織が支えるようになる |
| 2〜3歳 | 変形が進み、再び症状が出ることがある |
| 高齢期 | 変形性の関節症として現れてくる |
| 共通 | 歩き方の変化が、手がかりになる |
若いうちに症状が出たあといったん落ち着くことがあります。
「治ったのかな」と思われるかもしれません。
けれど、関節のかたち自体は変わっていません。
そして、年齢を重ねるとこすれ続けた関節が変形していき変形性の関節症として現れてきます。
だから、若いうちに診断がついているならそのあとも体重と運動の管理を続けてほしいのです。
8〜9割は、保存療法で暮らせます

ここからは、希望のある話です。
約8〜9割の犬が保存療法で日常生活を送ることが可能だといわれています。
つまり、手術をしなくても多くは暮らしていける——
「形成不全」という言葉から受ける印象よりずっとよい数字だと思います。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| リハビリテーション | 非常に有効とされる。筋肉で関節を支える |
| 体重管理 | 関節にかかる力を減らす |
| 運動の調整 | 負担の少ない動きを選ぶ |
| 鎮痛薬 | 変形性関節症に用いられる薬を使うことも |
| 鍼灸 | 痛みを軽減する目的で用いられることがある |
| 環境の調整 | すべらない床、段差を減らす |
保存療法ではリハビリテーションが非常に有効だとされています。
なぜ、リハビリが効くのか——
関節そのものは元に戻せません。
けれど、その周りの筋肉を育てることはできます。
筋肉が支えれば関節のぐらつきが減り、痛みも軽くなる——
そういう仕組みです。
🩺 動かさないことが、正解ではありません
「痛そうだから、動かさないほうがよいのでは」——
そう考えて運動をやめてしまうことがあります。
けれど、動かさなければ筋肉は落ちていきます。
支える力が減れば関節への負担はかえって増える——
「どのくらい、どんな運動をすればよいか」を必ず聞いておいてください。
体重と、リハビリ

暮らしのなかでできることをまとめます。
いちばん効くのは体重です。
関節にかかる力はそのまま体重に比例します。
- いまの体重を量り、適正かどうかを確かめる
- 目標体重を、獣医師に聞いておく
- おやつを含めて、1日に与えるものを見直す
- 急に減らさず、ゆっくり落とす
- 家族全員で、与える量を共有する
- 定期的に量って、記録する
そして、運動——
避けたいのは「急な方向転換」と「ジャンプ」です。
ボールを追って急に止まる、急に向きを変える——
そうした動きが関節に強いねじれを生みます。
代わりに、平らな場所を一定の速さで歩く——
そうした運動なら筋肉を保ちながら負担を減らせます。
水のなかで歩くという方法がすすめられることもあります。
浮力で体重の負担が減り、それでいて筋肉は使えるからです。
そして、散歩の仕方も見直す価値があります。
短い時間を回数多く——
1回に長く歩くよりそのほうが負担が少なくなります。
途中で座り込んだり、遅れ始めたりしたらそこが限界です。
無理に歩かせずそのことを次の受診で伝えてください。
「以前は30分歩けたのに、いまは15分で止まる」——
それは、進み方を示す確かな情報になります。
床を、見直してください
すべる床はこの病気の犬にとって大きな負担です。
踏ん張れなければ関節に余計な力がかかります。
- フローリングに、すべり止めのマットを敷く
- よく通る動線から、優先して敷く
- 足裏の毛を、伸ばしすぎない
- 爪を、こまめに切る
- 階段には、柵をつけるか抱いて移動する
- ソファへの飛び乗り・飛び降りを減らす
足の裏の毛が伸びていると肉球が床に届きません。
そのまますべる床を歩けば毎日、関節に負担がかかり続けます。
足裏を整えることも立派なケアです。
そして、寝床——
硬い床で長く寝ることは関節に負担をかけます。
やわらかく、厚みのあるベッドを用意してあげてください。
体重のかかる部分が沈み込むような寝床なら楽に眠れます。
寒い時期には関節がこわばりやすくなるため暖かく保つことも意味があります。
手術という選択
保存療法で追いつかない場合には外科的な治療が検討されます。
方法は年齢や進行の程度で変わってきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 時期 | 年齢によって、選べる方法が変わる |
| 若い犬 | 関節のかたちに働きかける方法もある |
| 進行した場合 | 痛みを取ることが目的になる |
| 術後 | リハビリが、結果を大きく左右する |
| 施設 | 設備と技術が必要。紹介になることも |
| 判断 | 痛みの程度と、生活への影響で決まる |
大切なのは「いつ相談するか」です。
若いうちにしか選べない方法もあります。
だから、診断がついた段階で「この先、どういう選択肢があるのか」を聞いておいてください。
いま手術しないとしても知っておくことには意味があります。
「どうなったら手術を考える段階なのか」——
その目安を聞いておけば判断の時期を逃さずに済みます。
痛みが強くなってきた、歩ける距離が短くなった、立ち上がれない日が増えた——
そうした変化を記録しておくと相談しやすくなります。
そして、後ろ足の動きがおかしいという症状はほかの病気でも起こります。
見分けには画像検査が必要になります。
ただ、受診のときに伝えられることはあります。
「どこで止まるか」——
歩き出しからつらそうなのか、しばらく歩いてから遅れ始めるのか——
「いつから気づいたか」——
子犬のころからなのか、最近になってからなのか——
そして、動画——
後ろから撮った散歩の様子がいちばん分かりやすい情報になります。
そして、大型犬では胃捻転など別に気をつけたい病気もあります。
よくある質問
Q. 股関節形成不全とはどんな病気ですか?
A. 股関節がうまくはまらないまま育ち、こすれ合って変形が進んでいく病気です。遺伝的素因や、成長期の偏った栄養や運動が関与しているといわれています。ラブラドール、ジャーマン・シェパード、ゴールデンなど大型犬に多く見られます。
Q. どんな歩き方をしますか?
A. 腰を左右に振って歩く「モンローウォーク」が特徴的です。そのほか、後ろ足をそろえてうさぎ跳びのように走る、四肢を突っ張るように歩く、立ち上がるのに時間がかかるといった症状があります。
Q. いつごろ症状が出ますか?
A. 生後4〜12か月ごろに確認されることが多いとされています。ただし、2〜3歳になってから現れる場合もあります。若いうちにいったん落ち着いても、関節のかたち自体は変わっていません。
Q. 成長期に、気をつけることはありますか?
A. 急に体重を増やさないことです。成長期に急速に体重が増加すると、未熟な股関節に過大な負荷がかかります。1歳までに肥満になると、体の重みが成長途上の骨や関節に多大な影響を及ぼします。
Q. 手術が必要ですか?
A. 約8〜9割の犬が保存療法で日常生活を送ることが可能といわれています。保存療法ではリハビリテーションが非常に有効です。追いつかない場合に、外科的治療が検討されます。
Q. 痛そうなので、運動させないほうがよいですか?
A. 動かさなければ筋肉が落ち、支える力が減って負担はかえって増えます。関節そのものは戻せませんが、周りの筋肉は育てられます。どのくらい、どんな運動をすればよいかを聞いておいてください。
Q. 家でできることは何ですか?
A. 体重管理と、床のすべり止めです。関節にかかる力は体重に比例します。また、踏ん張れない床は毎日、関節に負担をかけ続けます。足裏の毛を整え、爪を切ることも効きます。
まとめ|1歳までの育て方が、効いてきます
この病気でまず知ってほしいことはその歩き方が癖ではないということです。
腰を振って歩く。うさぎのように跳ねて走る——
名前がつくほど特徴的な動きだからこそ気づけます。
そして、成長期の育て方——
「たくさん食べさせて、大きく育てたい」という気持ちが裏目に出ることがある——
1歳までの肥満は成長途上の骨と関節に影響します。
けれど、診断がついたとしても——
8〜9割は保存療法で日常生活を送れるといわれています。
体重を保ち、筋肉を育て、床を整える——
その積み重ねがこの病気ではいちばん効きます。
どれも特別な治療ではありません。
毎日の暮らしのなかでできることばかりです。
けれど、毎日のことだからこそ積み重なれば大きな差になります。
そして、動かさないことが正解ではない——
そこも覚えておいてください。
今日できる3つ
- 1散歩の様子を、後ろから動画で撮ってみる
- 2体重を量り、目標体重を獣医師に聞いておく
- 3よく通る場所の床に、すべり止めを敷く
その歩き方には、名前がついています。癖ではなく、症状かもしれません。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「犬の股関節形成不全|腰を振って歩く、その理由」でした。
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