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犬の甲状腺機能低下症|その「歳のせい」は、薬で戻るかもしれません
犬の甲状腺機能低下症
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬の甲状腺機能低下症|その「歳のせい」は、薬で戻るかもしれません」です。ではどうぞ!

散歩に行きたがらない。

寝てばかりいる。

食べる量は変わらないのに太ってきた——

そして、毛が抜けたまま生えてこない——

「もう歳だから」

そう思って、受け入れてしまうことがあります。

けれど、その変化老化ではない場合があります。

甲状腺機能低下症——

体の働きを動かしているホルモン足りなくなる病気です。

そして、この病気には大きな特徴あります。

血液検査で分かり、飲み薬で戻る——

「歳のせい」諦めていたもの変わることがあるのです。

結論

犬の甲状腺機能低下症の症状は多岐にわたり、体重増加、食欲不振、運動の減少、皮膚の問題(乾燥、脱毛、皮膚炎)、疲労感や無気力、便秘、冷えやすくなること、頻尿、眼の炎症などがあります。ほとんどは甲状腺そのものに異常がある原発性甲状腺機能低下症で、免疫が関わっているリンパ球甲状腺炎原因がよくわからない特発性甲状腺委縮甲状腺の腫瘍などがあります。犬種としてはゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ドーベルマンでの発生が多いと報告されています。治療には合成レボチロキシンによって補充するホルモン補充療法を行い、低下した甲状腺の機能が回復することはないので、生涯に渡り投与が必要です。

この記事でわかること

  • 「歳のせい」に、よく似ています
  • 症状は、全身に散らばります
  • 皮膚から気づかれることがあります
  • 血液検査で分かります
  • 飲み始めると、変わります
  • 生涯の薬になります——それでも
  • この犬種は、少し気にしてください

「歳のせい」に、よく似ています

老化と、この病気
見た目は似ていても、片方は戻ります。

この病気見逃されやすい理由はっきりしています。

症状のひとつひとつ「歳をとった犬」姿と重なるからです。

老化に見える症状
変化 老化だと思われがち この病気なら
動かない 体力が落ちてきた ホルモン不足で、代謝が落ちている
寝てばかり 年齢的なもの 疲労感や無気力が出ている
太ってきた 運動が減ったから 食べていないのに、体重が増える
毛が薄い 年寄りだから 抜けたまま、生えてこない
寒がる 体が弱ってきた 冷えやすくなっている
元気がない そういう年齢 薬で戻ることがある

見分けの手がかり速さと、組み合わせです。

老化なら何年もかけて少しずつ——

けれど、この病気では数か月ではっきり変わることがあります。

そして、いくつもの変化同じ時期に重なってくる——

1年前の写真と、比べてみてください

毎日見ている変化に気づけません。

けれど、1年前の写真並べる驚くほど違って見えることがあります。

顔つき毛の量体つき——

「こんなに変わっていたのか」思われたなら

その写真を持って受診してください。

言葉で説明するより早く伝わります。

症状は、全身に散らばります

全身に出る症状
ばらばらに見えて、ひとつの原因です。

この病気の症状多岐にわたります。

体重増加、食欲不振、運動の減少皮膚の問題(乾燥、脱毛、皮膚炎)疲労感や無気力、便秘冷えやすくなること、頻尿、眼の炎症——

  • 散歩を嫌がる、途中で座り込む
  • 食べる量は減っているのに、太る
  • 寝ている時間が、明らかに増えた
  • 暖かい場所ばかり探している
  • 便秘がちになった
  • 目が赤い、しょぼしょぼしている

ばらばらの症状見えます。

けれど、甲状腺ホルモン体じゅうの働き動かしているもの——

それが足りないのですから全身がゆっくりになります。

そう考えるひとつずつつながってきます。

そして、まれに顔面神経麻痺や前庭障害などの末梢神経障害が出ることもあります。

顔が片側だけ動かなくなった——

そういうときにも顔面神経麻痺の背景としてこの病気が調べられることがあります。

⚠ 極めてまれですが、危険な状態もあります

極めてまれに粘液水腫性昏睡発生することがあります。

意識がはっきりしない体温が低い反応が鈍い——

ここまで来ると命に関わります。

ただし、これは極めてまれな状態——

その前の段階気づける機会いくつもあります。

「元気がない」という段階調べておくことがいちばんの予防です。

皮膚から気づかれることがあります

この病気見つかるきっかけとして多いのが皮膚の変化です。

乾燥、脱毛、皮膚炎——

皮膚に出ること
皮膚の変化 特徴
脱毛 左右対称に薄くなることがある
生えてこない 刈った毛が、そのまま伸びない
乾燥 フケが出る、毛がぱさつく
色の変化 皮膚が黒ずんでくることがある
皮膚炎 繰り返す。治りが悪い
痒み 目立たないことも多い

とくに覚えておいてほしいのが「生えてこない」という症状です。

トリミングで刈ったあといつまでも伸びてこない——

これは、毛をつくる働き落ちているしるしです。

そして、痒みが目立たないこともこの病気らしい点——

痒がっていないのに毛が抜けているならホルモンの病気考える理由なります。

繰り返す皮膚の炎症抗菌薬を何度も使ってきた——

その背景この病気あることもあります。

小胞性皮膚炎が繰り返すときホルモンの病気調べる価値のある背景です。

フケやべたつき目立つなら脂漏症と重なっていることもあります。

痒くない脱毛は、体の中を見る合図

皮膚の病気分けるとき痒みの有無大きな手がかりなります。

痒みの有無で分ける
状態 考える方向
痒がって、掻いて、毛が抜ける アレルギー、寄生虫、感染など
痒がらないのに、毛が抜ける ホルモンの病気を考える
左右対称に薄くなる 体の中から起きているしるし
刈った毛が伸びない 毛をつくる働きが落ちている
皮膚が黒ずんでくる 長く続いているしるし
あわせて元気がない 皮膚だけの話ではない

掻いた場所抜けるのなら原因は外側にあります。

けれど、掻いてもいないのに抜けるのなら

毛をつくる仕組みそのもの問題がある——

そして、その仕組み動かしているのがホルモンです。

血液検査で分かります

血液検査で調べるもの
3つの数値を、あわせて見ます。

診断血液検査行われます。

サイロキシン(T4)遊離サイロキシン(fT4)甲状腺刺激ホルモン(TSH)血中濃度を測定します。

この3つあわせて見ることに意味があります。

検査で調べること
項目 何を見ているか
T4 甲状腺ホルモンの総量
fT4 実際に働いている分のホルモン
TSH 甲状腺に出されている指令の強さ
fT4の利点 薬や他の病気の影響を受けにくい
だから この病気に対する特異性が高い
あわせて見る 1つだけでは、見誤ることがある

fT4は総T4と比較して薬の投薬や他疾患の影響を受けにくいため甲状腺機能低下症に対する特異性が高くなります。

つまり、T4だけが低いからといってこの病気だとは限らない——

ほかの病気使っている薬数値が下がることがあるからです。

だから、検査が何度かに分かれることもあります。

「一度ではっきりしなかった」としてもそれは普通のことです。

原因は、甲状腺そのものにあります

ほとんど甲状腺そのものに異常がある原発性甲状腺機能低下症です。

  • リンパ球甲状腺炎——免疫が関わっている
  • 特発性甲状腺委縮——原因がよくわからない
  • 甲状腺の腫瘍
  • いずれも、甲状腺の働きが落ちる
  • 結果として、ホルモンが足りなくなる
  • 予防できる種類のものではない

免疫が自分の甲状腺を攻撃してしまう——

そういう仕組み関わっていることがあります。

「何かをしてしまったから」ではありません。

飼い方や食べもの防げるものではないのです。

飲み始めると、変わります

治療を始めてからの流れ
変化は、段階を追って出てきます。

治療には不足している甲状腺ホルモン合成レボチロキシンによって補充するホルモン補充療法行います。

足りないものを足す——

それだけです。

治療開始からの流れ
時期 起きること
数週間 動きが戻ってくる。散歩に行きたがる
4〜6時間後の採血 治療開始後、T4を測って量を確かめる
6〜8週間後 検査を行い、調整の必要を見る
数か月 毛が生えてくる。体重が戻ってくる
改善が乏しいとき そのタイミングでも検査を行う
その後 定期的に確かめながら、続けていく

治療開始後4〜6時間後に採血をしてT4の測定を行い治療開始6〜8週間後や症状の改善が乏しい場合には検査を行った方がいいされています。

「4〜6時間後」という指定には理由があります。

薬を飲んだあと血液中の濃度いちばん高くなるころ見ているのです。

そこで測ることで量が足りているかどうか分かります。

だから、「何時に飲ませて何時に来てください」言われた

その時間守ってください。

ずれる正しく判断できなくなります。

いちばん嬉しい変化

飲み始めていちばん早く分かる変化動きです。

散歩に行きたがるようになった呼ぶと来るようになった目に力が戻った——

「歳のせいだと思っていたのに」——

そう言われる飼い主とても多い病気です。

毛が生えてくるのはもう少しあとになります。

数か月——

皮膚の変化時間がかかるので焦らずに続けてください。

毎日の飲ませ方

薬を続けることが治療そのものですから飲ませ方大事になります。

  • 毎日、決まった時間に飲ませる
  • 飲ませた記録をつけておく
  • 飲ませ忘れたときは、自己判断で倍にしない
  • 吐いてしまったときは、獣医師に相談する
  • ほかの薬を始めるときは、必ず伝える
  • 受診の日は、飲ませる時間を確認してから

「時間を決める」——

これがいちばん効きます。

朝ごはんのときなど毎日必ずある行動くっつけてしまうと忘れにくくなります。

そして、検査の日——

採血の時間決まっているためいつもと違うことがあります。

前日に確認しておく慌てずに済みます。

生涯の薬になります——それでも

ここは、はっきり書いておきます。

低下した甲状腺の機能が回復することはないので生涯に渡り投与が必要です。

「治る」病気ではありません。

けれど、「戻る」病気です。

この2つ違います。

  • 甲状腺そのものは、元に戻らない
  • だから、薬をやめれば症状も戻ってくる
  • けれど、飲んでいる限り、普通に暮らせる
  • 薬は毎日、決まった時間に
  • 量は、検査をしながら調整していく
  • 「よくなったから、やめる」は避ける

「一生、薬なのか」思われるかもしれません。

けれど、見方を変える

飲めば普通に暮らせる——

そういう病気それほど多くありません。

🩺 よくなっても、やめないでください

症状がよくなったときに薬をやめてしまう——

これは、起きやすいことです。

けれど、足りていたのは薬のおかげ——

やめればまた足りなくなります。

そして、元の状態に戻るまでには時間がかかりません。

量の調整相談できますやめる判断自分でしないでください。

この犬種は、少し気にしてください

犬種としてはゴールデン・レトリーバーラブラドール・レトリーバードーベルマンでの発生が多い報告されています。

調べておきたい場面
こんなとき 考えること
これらの犬種で、元気がない 一度、調べておく価値がある
中年期以降 出てくることが多い時期
健康診断のとき あわせて調べられるか聞いてみる
皮膚が繰り返す 背景として調べる意味がある
体重が増えてきた 食事量と合っているか、確かめる
迷ったら 血液検査ひとつで分かる

この病気いいところ調べるのが難しくないことです。

血液検査調べられます。

健康診断のとき「甲状腺も見てもらえますか」聞いてみる——

それだけ見つかることがあります。

そして、反対にホルモンが多すぎる病気あります。

甲状腺機能亢進症はこの病気とは逆の症状出ます。

足りなければ全身がゆっくりになり多すぎれば全身が速くなる——

同じ甲状腺反対側です。

どちらも血液検査で調べられます。

「元気がない」のか「落ち着かない」のか——

方向が違うだけで見るところ同じなのです。

よくある質問

Q. どんな症状が出ますか?

A. 症状は多岐にわたります。体重増加、食欲不振、運動の減少、皮膚の問題(乾燥、脱毛、皮膚炎)、疲労感や無気力、便秘、冷えやすくなること、頻尿、眼の炎症などがあります。

Q. 老化との見分けはつきますか?

A. 速さと、組み合わせが手がかりです。老化は何年もかけて少しずつ進みますが、この病気では数か月ではっきり変わり、いくつもの変化が同じ時期に重なってきます。とくに「食べていないのに太る」「毛が生えてこない」は、老化らしくない変化です。

Q. 原因は何ですか?

A. ほとんどは、甲状腺そのものに異常がある原発性です。免疫が関わっているリンパ球甲状腺炎、原因がよくわからない特発性甲状腺委縮、甲状腺の腫瘍などがあります。飼い方や食事で防げるものではありません。

Q. どうやって診断しますか?

A. 血液検査です。サイロキシン(T4)、遊離サイロキシン(fT4)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の血中濃度を測定します。fT4は薬や他の病気の影響を受けにくいため、特異性が高いとされています。

Q. 治療は何をしますか?

A. 合成レボチロキシンによるホルモン補充療法です。不足している甲状腺ホルモンを、薬で補います。

Q. 薬はいつまで飲みますか?

A. 生涯にわたって必要です。低下した甲状腺の機能が回復することはないため、投与を続けることになります。ただし、飲んでいる限り普通に暮らせる病気でもあります。

Q. 「飲ませてから来てください」と言われました

A. 薬の量が合っているかを確かめるためです。治療開始後4〜6時間後に採血をしてT4を測定します。時間がずれると正しく判断できないため、指示どおりの時間で受診してください。

Q. いつ再検査しますか?

A. 治療開始6〜8週間後が目安です。また、症状の改善が乏しい場合にも検査を行ったほうがよいとされています。

Q. 飲ませ忘れたときは、どうすればよいですか?

A. 自己判断で、次に倍の量を飲ませないでください。気づいた時点で獣医師に相談し、指示を受けてください。毎日決まった時間に飲ませる習慣をつくることが、いちばんの対策になります。

Q. 毛はいつごろ生えてきますか?

A. 数か月かかります。動きや元気は数週間で戻ってくることが多いのですが、皮膚や毛の変化はもっと時間がかかります。焦らず続けてください。

まとめ|1年前の写真を、見てください

この病気でいちばん伝えたいこと「歳のせいと決めないでほしい」ということです。

寝てばかり太ってきた毛が生えてこない寒がる——

いくつも重なっているなら一度、調べる価値があります。

血液検査ひとつ分かるのですから

確かめておくことに損はありません。

そして、もしこの病気だったなら——

飲み薬で戻ってきます。

諦めていた散歩またできるようになる——

そういう病気です。

もちろん、調べた結果本当に年齢によるものだと分かることもあります。

それでも、確かめたという事実残ります。

「調べたうえで、年齢のせいだった」「調べずに、年齢のせいだと思った」——

この2つまったく違います。

今日できる3つ

  • 11年前の写真と、いまの姿を並べて見る
  • 2食事量が変わっていないのに、体重が増えていないか確かめる
  • 3次の健康診断で「甲状腺も見てもらえますか」と聞いてみる

老化は戻せません。けれど、この病気なら戻ります。

モフ@ペット好き

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「犬の甲状腺機能低下症|その「歳のせい」は、薬で戻るかもしれません」でした。
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