

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「キャバリアの飼い方|心臓の病気が、他犬種より早く来る」です。ではどうぞ!
6.5歳。
キャバリアで、僧帽弁閉鎖不全症が初めて診断される平均年齢として報告されている数字です。
ほかの犬種では、この平均が約12歳——
5年以上の差があります。
そして4歳の時点で、半数以上に心雑音が見つかるという報告もあります。
4歳です。まだ「若い犬」だと誰もが思う年齢です。
この犬種と暮らすうえで、他犬種の常識をそのまま持ち込むことはできません。
この記事では、心臓の病気とどう向き合うかと、キアリ様奇形というもうひとつの課題を書いていきます。
結論
キャバリアの僧帽弁閉鎖不全症は、他犬種より5年以上早く始まります。4歳で半数以上に心雑音が見つかるという報告があり、診断の平均年齢は6.5歳——他犬種の約12歳と比べて圧倒的に早いのです。1歳から年1回の心臓の聴診を受けてください。そしてキアリ様奇形と脊髄空洞症——首や肩を掻く「空掻き」がそのサインになることがあります。
この記事でわかること
- ✓他犬種より、5年早く始まる
- ✓無症状の時期に見つける方法
- ✓咳が出たら、どうするか
- ✓キアリ様奇形という課題
- ✓それでも、この犬種を選ぶなら
他犬種より、5年早く始まる

僧帽弁閉鎖不全症は、心臓のなかの弁がきちんと閉じなくなる病気です。
血液が逆流し、心臓に負担がかかり続けます。
小型犬の高齢期に多い病気で、それ自体は珍しくありません。
問題は、キャバリアでの始まりの早さです。
| 年齢 | 心雑音が見つかる割合(報告例) |
|---|---|
| 1歳 | 約10% |
| 4歳 | 約56% |
| 10歳以上 | ほぼ100% |
| 診断の平均年齢 | 6.5歳 |
| 他犬種の平均 | 約12歳 |
1歳で、すでに10%——
これは、他の犬種では考えにくい数字です。
「小型犬の心臓病は高齢になってから」という一般的な理解は、この犬種には当てはまりません。
⚠ この事実は、繁殖の場でも重く受け止められています
この犬種の心臓病の多さは、国際的にも問題として認識されてきました。
2022年には、ノルウェーの裁判所がこの犬種の繁殖について動物福祉の観点から判断を示したことが報じられています。
それだけ、深刻に受け止められているということです。迎える側としても、この事実を知ったうえで選ぶ必要があります。
無症状の時期に、見つける

この病気は、長いあいだ無症状で進みます。
犬は元気に走り、食欲もあります。
その裏で、心臓には負担がかかり続けている——
だから、症状を待っていては遅いのです。
| 時期 | 受けたい検査 | 目的 |
|---|---|---|
| 1歳 | 心臓の聴診 | 基準となる状態を知る |
| 2歳以降 | 年1回の聴診 | 心雑音の有無を見る |
| 心雑音が出たら | 心臓の超音波検査 | 逆流の程度を評価する |
| 診断後 | 定期的な再評価 | 投薬開始の時期を判断する |
| 家庭で | 安静時の呼吸数を数える | 変化に早く気づく |
「心雑音がありますね」と言われた段階では、多くの場合まだ元気に見えます。
そこで安心して通院をやめてしまう——これが、いちばん避けたい流れです。
心雑音の段階で見つかったなら、そこから定期的に評価を受けることで投薬を始める最適な時期を判断できます。
安静時の呼吸数を、家で数える
家庭でできる、もっとも有用な観察がこれです。
眠っているときに、胸やお腹の上下を15秒数えて4倍する——それだけです。
- 正常は1分あたり15〜30回程度
- 40回を超える状態が続くなら、受診の理由
- 元気なうちから数えて、普段の数を知っておく
- 週に1〜2回、同じ条件で測る
- 記録をつけておく——変化が見える
- 興奮しているときや暑い日は避ける
この数値が上がってくるのは、肺に水がたまり始めているサインであることがあります。
咳が出るより早く、呼吸数のほうが変化することもあります。
特別な機械も費用もかかりません。この犬種を飼うなら、ぜひ習慣にしてください。
咳が出たら、どうするか

乾いた咳は、この病気で最初に気づかれやすいサインです。
「ケホッ、ケホッ」という短い咳——
興奮したとき、夜間や明け方に出やすくなります。
| 症状 | 何が起きているか | 対応 |
|---|---|---|
| 乾いた咳 | 大きくなった心臓が気管を押している | 早めに受診する |
| 呼吸が速い | 肺に水がたまり始めている | 呼吸数を数えて記録する |
| 散歩を嫌がる | 心臓が体を支えきれない | 無理をさせない |
| 失神 | 血液が十分に送れていない | すぐ受診する |
| 舌が青紫 | 酸素が足りていない | ただちに動物病院へ |
咳が出る頃には、すでに心臓は大きくなっています。
大きくなった心臓が気管を下から押し上げる——それが咳の正体です。
つまり咳は、「初期のサイン」ではありません。
だからこそ、咳を待たずに聴診を受けることが重要になります。
咳には、別の原因もある
咳が出たからといって、必ず心臓とは限りません。
気管虚脱、気管支炎、肺の病気でも咳は出ます。
とくに小型犬では、気管虚脱の咳と心臓の咳が紛らわしいことがあります。
気管虚脱の咳は「ガーガー」というアヒルのような音、心臓の咳は「ケホッ」という乾いた音——
とはいえ、飼い主が音だけで判断するのは難しいのが実際です。
咳の様子を動画で撮って、受診時に見せてください。診察室では出ないことが多いため、この記録が診断を大きく助けます。
診断されたあとにできること
この病気は、完治しません。
けれど、進行を遅らせ、症状を抑えることはできます。
- 処方された薬を、決められたとおりに続ける
- 自己判断で薬をやめない
- 適正体重を保つ——心臓の負担が減る
- 激しい運動は避け、平らな道を歩く
- 塩分の多い人の食べ物を与えない
- 安静時の呼吸数を、毎週記録する
薬で状態が安定すると、「治った」と感じてしまうことがあります。
けれど、薬をやめればまた進みます。
この病気の投薬は、多くの場合、生涯続くものだと考えてください。
キアリ様奇形という、もうひとつの課題

この犬種には、もうひとつ知っておきたい問題があります。
キアリ様奇形と脊髄空洞症です。
頭蓋骨の後ろの部分が小さく、脳が収まりきらない——それがキアリ様奇形です。
その結果、脳脊髄液の流れが妨げられ、脊髄のなかに空洞ができる——これが脊髄空洞症になります。
| サイン | 様子 | 見え方 |
|---|---|---|
| 空掻き | 首や肩を、後ろ足で掻く動作 | 実際には掻いていないことも |
| 首を痛がる | 触られるのを嫌がる | 抱っこを嫌がる |
| 突然の鳴き声 | 理由なく「キャン」と鳴く | 痛みの発作 |
| 歩き方の変化 | ふらつく・つまずく | 進行したサイン |
| 姿勢 | 首を傾ける・下げる | 痛みをかばっている |
「空掻き」——これがもっとも特徴的なサインです。
首や肩のあたりを、後ろ足で掻こうとする動作を繰り返します。
実際には体に触れていないこともあります。
散歩中、リードが首に触れたときや興奮したときに出やすいとされています。
これを「癖」だと思って見過ごしてしまうことが少なくありません。
診断と、日常での配慮
診断にはMRI検査が必要になります。
全身麻酔をともなうため、心臓の状態も含めて慎重に判断されます。
治療は、痛みを抑える薬が中心になります。
- 首輪ではなくハーネスを使う——首への圧を避ける
- 興奮させすぎない
- 寝床は、首が安定する形にする
- 症状の出た場面を動画で記録する
- 「癖」で片づけず、獣医師に相談する
- 薬で痛みが和らぐことがある
ハーネスは、この犬種ではとくに意味を持ちます。
首への圧が症状の引き金になりうるためです。
「首をかばうしぐさ」に気づけるかどうか——それが、この病気の早期発見につながります。
すべてのキャバリアに症状が出るわけではありません。奇形があっても、一生なんの症状も出ないまま過ごす個体も多くいます。だからこそ、過度に恐れるのではなく、サインを知っておくことが大切になります。
そのほかに、注意したい病気
心臓と神経のほかにも、この犬種で知っておきたい病気があります。
| 病気 | 内容 | 気づき方 |
|---|---|---|
| 外耳炎 | 大きな垂れ耳で蒸れやすい | 頭を振る・耳を掻く |
| 白内障 | 水晶体が濁る | 瞳が白く見える |
| 膝蓋骨脱臼 | 膝のお皿が外れる | スキップするような歩き方 |
| 肥満 | 心臓の負担に直結する | 肋骨に指が当たらない |
| 皮膚炎 | 耳の下や首まわりで蒸れる | 赤み・におい |
この犬種で、体重管理は美容の話ではありません。
心臓に問題を抱えやすい犬種ですから、余分な体重はそのまま心臓の仕事量を増やします。
判断は見た目ではなく、触って。背中から肋骨をなでたとき、薄い脂肪ごしに骨が指に当たる——これが適正です。
- フードはキッチンスケールで量る
- おやつは1日の総カロリーの1割まで
- 人の食べ物を分け与えない——塩分が心臓に響く
- 月に一度、体重を測って記録する
- 被毛が豊かなので、目視では判断できない
- 大きな垂れ耳の中を、週1回めくって見る
大きな垂れ耳はこの犬種の特徴ですが、通気の面では不利になります。
週に一度、めくって中を見ることを習慣にしてください。
それでも、この犬種を選ぶなら
ここまで、厳しい話を続けてきました。
それでもキャバリアが愛され続けている理由ははっきりしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 体重 | 5.4〜8kg |
| 平均寿命 | 9〜14年 |
| 性格 | 穏やか・人懐こい・攻撃性がない |
| 吠え | 少ない |
| 運動量 | 1日2回、各20〜30分 |
| 子どもとの相性 | 非常に良い |
この犬種の穏やかさは、ほとんど比類がありません。
誰に対しても愛想がよく、他の犬にも子どもにも寛容——攻撃性というものをほとんど持っていません。
そして、そばにいることを好みます。
膝の上で静かに過ごし、呼べば喜んで来る——「愛玩犬」という言葉がこれほど似合う犬種もそう多くありません。
だからこそ、その健康を守る責任は重くなります。
「キング・チャールズ」という名は、この犬を溺愛したとされるイングランド王チャールズ2世に由来しています。
宮廷でひざの上に置かれ、人のそばにいることだけを求められてきた犬——
その歴史が、この穏やかさを作りました。
「キャバリア」がつくのは、20世紀に入ってから古い姿を復元しようとした系統だからです。
迎える前に、確認したいこと
この犬種を迎えるなら、確認しておきたいことがあります。
- 両親の心臓の検査結果を確認する
- 「心雑音なし」の証明を、書面で受け取る
- 祖父母の世代の情報も聞いてみる
- MRI検査を受けた個体かどうかを尋ねる
- 繁殖に用いる年齢について、方針を聞く
- 質問に丁寧に答える繁殖者を選ぶ
心臓の状態を確認したうえで繁殖している繁殖者を選ぶことは、この犬種の未来にもつながります。
「うちの犬は元気です」ではなく、「両親とも○歳時点で心雑音なしを確認しています」——
こう答えられる相手を探してください。
心臓の検査は、手間もお金もかかります。それを続けている繁殖者は、この犬種の課題をきちんと理解していると考えてよいでしょう。
質問をして、嫌な顔をされるようなら、その相手からは迎えない——それも、ひとつの判断です。
暮らしのなかで、心臓を守る
診断されていてもいなくても、日々の暮らしでできることがあります。
| 項目 | 内容 | 理由 |
|---|---|---|
| 散歩 | 平らな道を、1日2回各20〜30分 | 筋肉を保ちつつ心臓に無理をさせない |
| 夏の管理 | 室温28度以下・日中は出ない | 暑さは心臓の負担になる |
| 興奮 | 遊びは途中で区切る | 激しい興奮は心拍を上げる |
| 食事 | 塩分の多いものを与えない | 体に水分をためやすくなる |
| ストレス | 生活リズムを一定に保つ | 落ち着いた環境が望ましい |
「心臓が悪いから、散歩をやめる」——
これは、多くの場合適切ではありません。
適度な運動は筋肉を保ち、体全体の状態を支えます。
大切なのは「やめる」ことではなく、「無理をさせない範囲で続ける」こと。
どの程度まで動かしてよいかは、病期によって変わります。診断を受けたら、獣医師に具体的に尋ねてください。
そして人の食べ物。
塩分は、体に水分をためこませ、心臓の仕事量を増やします。ひとくちのパンやハムが、この犬種にとっては小さくない負担になります。
よくある質問
Q. 何歳から心臓の検査を受けるべきですか?
A. 1歳から始めてください。この犬種では1歳で約10%、4歳で約56%に心雑音が見つかるという報告があります。他犬種の「高齢になってから」という感覚では、発見が遅れます。
Q. 元気なのに、検査は必要ですか?
A. 必要です。この病気は長いあいだ無症状で進みます。犬は元気に走り、食欲もあるまま、心臓には負担がかかり続けています。症状を待っていては遅くなります。
Q. 咳が出始めました。
A. 早めに受診してください。咳は初期のサインではありません。大きくなった心臓が気管を押し上げることで出ます。その時点で、すでに心臓は拡大しています。
Q. 安静時の呼吸数とは何ですか?
A. 眠っているときの1分あたりの呼吸回数です。胸やお腹の上下を15秒数えて4倍します。正常は15〜30回程度で、40回を超える状態が続くなら受診の理由になります。咳より早く変化することがあります。
Q. 首や肩を掻くしぐさをします。
A. 「空掻き」と呼ばれる、脊髄空洞症のサインかもしれません。実際には体に触れていないこともあります。散歩中にリードが首に触れたときや、興奮したときに出やすくなります。「癖」で片づけず、動画を撮って受診してください。
Q. 首輪とハーネス、どちらがいいですか?
A. ハーネスをおすすめします。首への圧が、脊髄空洞症の症状の引き金になりうるためです。費用も手間もかからない配慮ですから、散歩の道具は替えておいてください。
Q. 薬を飲み始めたら、元気になりました。やめてもいいですか?
A. 自己判断でやめないでください。薬が効いて状態が安定しているだけで、病気そのものは進行しています。この病気の投薬は、多くの場合、生涯続くものだと考えてください。
まとめ|1歳から、聴診を受けてください
キャバリアの僧帽弁閉鎖不全症は、他犬種より5年以上早く始まります。
4歳で半数以上に心雑音。診断の平均年齢は6.5歳——
「小型犬の心臓病は高齢になってから」という一般的な理解は、この犬種には当てはまりません。
1歳から、年1回の聴診を。そして家では、安静時の呼吸数を数えてください。
そして「空掻き」。首や肩を掻くしぐさが、痛みのサインであることがあります。
この犬種と暮らすということは、その体質を知ったうえで先回りするということです。
症状を待つのではなく、無症状のうちに見つけておく。それができれば、薬を始める時期も、生活の整え方も余裕を持って選べます。
手はかかります。けれど、その穏やかさと人への愛情は、ほかでは得がたいものだと思います。
今日から始める3つ
- 11歳を過ぎているなら、次の受診で心臓の聴診を依頼する
- 2眠っているときの呼吸数を数えて、普段の数を記録しておく
- 3首輪をハーネスに替え、首や肩を掻くしぐさに注意する
この犬種の心臓は、他犬種より早く時計が進みます。その前提で備えられるかどうかが、一緒にいられる時間を決めます。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「キャバリアの飼い方|心臓の病気が、他犬種より早く来る」でした。
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