

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫のリンパ腫|できた場所で、別の病気になります」です。ではどうぞ!
リンパ腫、と言われた。
その場で、覚悟された方も多いと思います。
けれど、猫のリンパ腫はできた場所で顔が変わります。
そして、抗がん剤が非常によく効く腫瘍です。副作用も軽微とされ、早く見つかれば長く一緒に暮らせます。まず、どの型かを聞いてください。
結論
猫のリンパ腫は、多中心型よりも縦隔型や消化管型、鼻腔型などが多くみられます。縦隔型は、猫白血病ウイルスに感染した若齢猫に多く発生します。消化器型リンパ腫は猫で最も多いタイプで、10歳以上の高齢猫に多発します。多中心型リンパ腫は猫では稀で、1〜4歳の若い猫に見られます。縦隔型では、呼吸困難や吐出、嘔吐、下痢、咳き込む、嚥下困難、胸水の貯留などの症状がみられ、消化器型では、嘔吐、下痢、体重減少、食欲低下などの消化器症状が現れます。診断は画像診断や細胞診などで絞り込んでいき、クローナリティー検査や免疫染色という特殊検査によって腫瘍細胞がT細胞かB細胞かを見分けます。化学療法、すなわち抗がん剤が非常によく効くうえ副作用も軽微なため、早期診断と治療ができればかなり長い間ご家族と生活を共にすることが可能です。低悪性度(小細胞型)は進行がゆっくりで、内服薬を中心とした治療で長期間コントロールできる場合があります。
この記事でわかること
- ✓できた場所で、別の病気になります
- ✓犬とは、多い型が違います
- ✓消化器型が、いちばん多いのです
- ✓縦隔型は、若い猫に多いのです
- ✓鼻腔型という形もあります
- ✓細胞の性質まで、調べます
- ✓抗がん剤が、よく効きます
- ✓型によって、見通しが変わります
できた場所で、別の病気になります

まず、この病気の全体像から。
リンパ球が、腫瘍化する病気です
リンパ球は免疫を担う白血球のひとつです。
体じゅうを巡っている細胞なので、
どこにでも腫瘍ができます。
ひとつの場所にとどまる腫瘍とは、そこが違います。
だから、場所によって症状が違います
胃や腸にできれば、吐いて痩せます。
胸にできれば、呼吸が苦しくなります。
鼻にできれば、鼻水や鼻づまりが出ます。
同じ病名なのに、まったく別の顔をします。
だから、型を確かめてください
「リンパ腫です」で終わらせない——
どの型か、どの細胞か——
そこまで進むと、見通しの話ができます。
同じ病名でも、月の単位と年の単位ほど差が出ます。
犬とは、多い型が違います
知っておきたい違いです。
猫では、多中心型が少ないのです
猫のリンパ腫は、多中心型よりも縦隔型や消化管型、鼻腔型などが多くみられます。
多中心型リンパ腫は猫では稀で、1〜4歳の若い猫に見られます。
犬では、リンパ節の腫れが典型です
犬のリンパ腫といえば、全身のリンパ節が腫れる多中心型です。
あごの下や、膝の裏が腫れて気づかれます。
けれど猫では、それが少ないのです。
ワクチンで、防げる部分があります
縦隔型は、猫白血病ウイルスと関連があります。
このウイルスには、ワクチンがあります。
外に出る猫や、多頭飼いの家では接種を相談してください。
感染そのものを減らすことが、遠回りに腫瘍を減らします。
だから、気づき方も違います
触って分かるしこりが、出ないことが多い——
だから、吐く・痩せる・呼吸が苦しいといった症状から見つかります。
犬の飼育経験があるほど、見落としやすいところです。
消化器型が、いちばん多いのです

猫で最も多い型です。
高齢の猫に、多発します
消化器型リンパ腫は猫で最も多いタイプで、10歳以上の高齢猫に多発します。
年をとった猫が吐く、痩せるなら
この病気を考える必要があります。
症状は、地味なのです
嘔吐、下痢、体重減少、食欲低下などの消化器症状が現れます。
「年のせいかな」と思われる症状ばかりです。
だから、気づかれるのが遅れます。
「毛玉を吐いているだけ」と思われることもあります。
くり返しているなら、それは調べる理由です。
胃と腸に、できます
その多くがこのリンパ腫です。
腸管にできる腫瘍の約半分を占めます。
高齢の猫が痩せてきたら、まず候補に挙がる病気です。
慢性腸炎と、よく似ています
慢性腸炎と
症状で区別できないことがあります。
片方は炎症、片方は腫瘍——
だから、生検まで進む意味があります。
- 吐く日が、増えてきた
- 下痢が、続いている
- 体重が、じわじわ減っている
- 食欲が、落ちてきた
- お腹に、しこりが触れる
- 元気がなく、寝てばかりいる
高齢の猫では、この組み合わせを軽く見ないでください。
縦隔型は、若い猫に多いのです
もうひとつの代表的な型です。
胸の前のほうにできます
縦隔とは左右の肺にはさまれた、胸のまんなかの空間です。
そこに腫瘍ができると、気管や食道を押します。
猫白血病ウイルスと、関連があります
縦隔型は、猫白血病ウイルスに感染した若齢猫に多く発生します。
若い猫でリンパ腫が見つかったときには
このウイルスの検査もあわせて行われます。
呼吸の症状が出ます
呼吸困難や吐出、嘔吐、下痢、咳き込む、嚥下困難、胸水の貯留などの症状がみられます。
猫が口を開けて呼吸していたら、それだけで救急です。
胸水がたまれば、なおさら苦しくなります。
抜くだけで、その場は楽になります。
そして、抜いた水を調べることで診断が進むこともあります。
胸腺腫とも、区別します
胸腺腫も
同じ前縦隔にできます。
見た目が似ているため、細胞を調べて区別します。
治療も見通しも変わるので、そこを確かめる意味があります。
⚠ すぐに受診してください
口を開けて、呼吸している。
呼吸が速く、苦しそうにしている。
まる一日、食べていない。
ぐったりして、動かない。
胸水がたまっていれば、抜くだけで楽になります。
型ごとに、気づき方が違います
| 型 | 最初に気づかれること |
|---|---|
| 消化器型 | 吐く、下痢、痩せてくる |
| 縦隔型 | 呼吸が速い、咳、吐き出す |
| 鼻腔型 | 片鼻からの鼻水、いびきのような音 |
| 多中心型 | リンパ節が腫れる。猫では稀 |
| 腎臓など | ほかの臓器にできることもある |
だから、症状から型を絞っていくことに
意味があります。
鼻腔型という形もあります
猫で比較的よく見られる型です。
鼻の中に、できます
鼻腔型も猫では多い型として挙げられています。
鼻の奥に、腫瘍ができるのです。
鼻水や、鼻づまりが出ます
片方の鼻から、鼻水が出続ける——
いびきのような音がする——
鼻血が出ることもあります。
風邪と思われて、時間が過ぎることがあります。
放射線が、選ばれることもあります
鼻の中は、手術で取りにくい場所です。
そのため、放射線治療が選択肢になることがあります。
行える施設は限られるため、紹介されることもあります。
顔の形が、変わることもあります
進めば、鼻すじが盛り上がる——
目が出てくるように見える——
そこまで来ると、かなり進んでいます。
片鼻からの鼻水が続くなら、早めに調べてもらってください。
細胞の性質まで、調べます

診断の進め方です。
画像と細胞診で、絞り込みます
これは画像診断や細胞診などで絞り込んでいきます。
どこに、どのくらい広がっているか——
そして、どんな細胞が集まっているか——
T細胞かB細胞かを、見分けます
クローナリティー検査や免疫染色という特殊検査によって、腫瘍細胞がT細胞かB細胞かを見分けます。
同じリンパ球でも、種類が違います。
そこで、治療の効き方や見通しが変わります。
外部の検査機関へ、送られます
特殊な検査になるため、結果まで日数がかかります。
その間も、症状を抑える治療は続けられます。
待つ時間があっても、調べる価値があります。
広がりも、確かめます
ほかの臓器に及んでいないかを
画像や血液検査で見ていきます。
骨髄まで調べることもあります。
広がりによって、治療の組み立てが変わります。
ウイルスの検査も、行われます
猫白血病ウイルスに感染しているかどうかも
あわせて確かめます。
とくに若い猫では、必ず調べる項目です。
抗がん剤が、よく効きます

ここが、この病気で伝えたいことです。
非常によく効くとされています
化学療法、すなわち抗がん剤が非常によく効くうえ副作用も軽微とされています。
「抗がん剤」と聞いて身構える方は多いと思います。
けれど猫では、事情が違います。
副作用は、軽微とされています
人の治療で語られるような強い副作用は
猫では出にくいとされています。
毛が抜けることも、ほとんどありません。
食欲が少し落ちる程度ですむことが多いものです。
早ければ、長く暮らせます
早期診断と治療ができれば、かなり長い間ご家族と生活を共にすることが可能です。
「治す」とは言えなくても、「一緒に暮らす」ことはできます。
そこが、この腫瘍の希望です。
ほかの多くの腫瘍と比べても、打つ手が多いほうです。
低悪性度なら、内服が中心です
低悪性度(小細胞型)は進行がゆっくりで、内服薬を中心とした治療で長期間コントロールできる場合があります。
家で飲ませる薬だけで、続けられる——
通院の負担も、小さくなります。
| 悪性度 | 進み方 | 治療の形 |
|---|---|---|
| 低悪性度(小細胞型) | ゆっくり進む | 内服薬が中心 |
| 高悪性度 | 速く進む | 複数の薬を組み合わせる |
| 共通して | 抗がん剤がよく効く | 副作用は軽微とされる |
| 大顆粒リンパ球型 | 進みが速い | 予後が悪いとされる |
治療中に、確かめていくこと
- しこりや腫れが、小さくなっているか
- 吐く回数が、減っているか
- 体重が、増えているか
- 血液検査で、体に負担が出ていないか
- 食欲が、戻ってきているか
- 薬をきちんと飲めているか
定期的な血液検査は、欠かさないでください。
薬の量を調整するために必要です。
型によって、見通しが変わります
正直なところもお伝えします。
低悪性度なら、年の単位です
進行がゆっくりで、長期間コントロールできる場合があります。
薬を飲みながら、ふつうに暮らしている猫がいます。
「腫瘍」という言葉だけで、決めないでください。
厳しい型も、あります
とくにナチュラルキラー細胞が悪性腫瘍化した消化器型の大顆粒リンパ球型は、非常に予後が悪いと言われています。
同じ消化器型でも、中身が違うのです。
だから、細胞の性質まで調べます。
知ることで、選べます
厳しい型だと分かれば、残された時間の使い方を選べます。
効く型だと分かれば、迷わず治療に進めます。
どちらにしても、知る意味があります。
分からないまま過ごす時間が、いちばんつらいものです。
数字は中央値であって、その猫の余命ではありません。
どこまでやるかも、選べます
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| 多剤併用の化学療法 | 複数の薬を組み合わせる。通院が増える |
| 内服薬中心 | 低悪性度なら、これで長く保てることがある |
| ステロイドのみ | 症状を和らげることを目的にする |
| 緩和を中心に | 痛みや吐き気を取り、穏やかに過ごす |
| どれを選んでも | 「何もしない」こととは違う |
費用や通院の負担も含めて、遠慮せずに相談してください。
家で、見ておいてほしいこと
- 吐いた回数、下痢の回数
- 食べる量の変化
- 月に一度の体重
- 呼吸が速くなっていないか
- 薬を飲めているか
- ふだんの過ごし方が変わっていないか
体重は、治療がうまくいっているかのいちばん確かな目安です。
🩺 型を、確かめてください
「リンパ腫」と言われても、そこで終わりではありません。
猫では、抗がん剤が非常によく効き、副作用も軽微とされています。
低悪性度なら、内服だけで長くコントロールできることもあります。
まず、どの型かを聞いてください。
この記事の要点
猫では多中心型よりも、縦隔型や消化管型、鼻腔型が多く見られます。
消化器型は猫で最も多く10歳以上に多発し、縦隔型は猫白血病ウイルスに感染した若齢猫に多いとされます。
抗がん剤が非常によく効くうえ副作用も軽微で、早期診断と治療で長く共に暮らせます。
低悪性度は内服中心で長期コントロールできる場合があり、大顆粒リンパ球型は予後が悪いとされます。
Q. 猫のリンパ腫には、どんな型がありますか?
A. 猫では多中心型よりも、縦隔型や消化管型、鼻腔型などが多くみられます。
Q. いちばん多いのは、どの型ですか?
A. 消化器型リンパ腫です。猫で最も多いタイプで、10歳以上の高齢猫に多発します。
Q. 消化器型の症状は?
A. 嘔吐、下痢、体重減少、食欲低下などの消化器症状が現れます。
Q. 縦隔型は、どんな猫に多いですか?
A. 猫白血病ウイルスに感染した若齢猫に多く発生します。
Q. 縦隔型の症状は?
A. 呼吸困難や吐出、嘔吐、下痢、咳き込む、嚥下困難、胸水の貯留などの症状がみられます。
Q. 多中心型は、猫でもありますか?
A. 猫では稀とされています。1〜4歳の若い猫に見られます。
Q. 犬とは違うのですか?
A. 違います。犬に多い多中心型が、猫では少ないとされています。
Q. どうやって診断しますか?
A. 画像診断や細胞診などで絞り込んでいきます。確定には、組織を調べる検査が必要になります。
Q. T細胞かB細胞かは、なぜ調べるのですか?
A. 治療の効き方や見通しが変わるためです。クローナリティー検査や免疫染色という特殊検査で見分けます。
Q. 抗がん剤は、つらいですか?
A. 猫では副作用は軽微とされています。化学療法が非常によく効くうえ、毛が抜けることもほとんどありません。
Q. 治療すれば、どのくらい生きられますか?
A. 早期診断と治療ができれば、かなり長い間ご家族と生活を共にすることが可能です。
Q. 低悪性度と言われました
A. 進行がゆっくりで、内服薬を中心とした治療で長期間コントロールできる場合があります。
Q. 予後が悪い型もありますか?
A. ナチュラルキラー細胞が悪性腫瘍化した消化器型の大顆粒リンパ球型は、非常に予後が悪いと言われています。
Q. 慢性腸炎と、どう違いますか?
A. 症状では区別できないことがあります。片方は炎症、片方は腫瘍です。生検で確かめます。
Q. 家では何を見ておけばよいですか?
A. 吐いた回数、食べる量、体重です。体重は、治療がうまくいっているかのいちばん確かな目安になります。
まとめ|まず、どの型かを聞いてください
猫のリンパ腫は、できた場所で顔が変わります。
消化器型なら、吐いて痩せます。
縦隔型なら、呼吸が苦しくなります。
鼻腔型なら、鼻水が続きます。
そして、年齢によっても多い型が変わります。
けれど共通しているのは、抗がん剤がよく効くということです。
副作用も軽微とされ、早く見つかれば長く一緒に暮らせます。
低悪性度なら、内服だけで年の単位を過ごせることもあります。
「リンパ腫」で止まらず、型まで進んでください。
今日できる3つ
- 1吐いた回数と体重を、記録して残す
- 2高齢の猫なら、痩せてきていないか確かめる
- 3診断されているなら、どの型・どの悪性度かを聞いておく
同じ病名でも、型が違えば別の病気のように経過が変わります。「どの型ですか」の一言から始めてください。

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